The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

謹賀新年!

あけまして

おめでとう

ございます

  今年もよろしくお願いします。昨年はほとんどブログを更新せず、じゃあ今年は心を入れ替えて頻繁に更新するかというと、どうもそうは断言できないので心広く見ていただければ幸いです。どちらかというとtwitterの方には居ることが多いので、そちらも見ていただければ(映画の感想なんかも観た直後には割とつぶやいています)。

  さて、今年は子年ですね。十二支がぐるっと一回転したその最初です。なんとか良い年にしたいものです。そしてネズミというと真っ先に思いつくのは幻の大映怪獣映画「大郡獣ネズラ」!

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そして「ウィラード」「ベン」「ウィラード(リメイク版)」!

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どうにも怪獣やホラー以外思いつかない脳ミソでありました。

漫画の方でも真っ先に思いついたのは「ジョジョの奇妙な冒険」の虫喰い!

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ミッキーとかピカチュウとか全然思い浮かばなかったの別の意味でヤヴァい。

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新年一発目は「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」でした。最高!昨年中に見てればベストテン入り間違いなしの面白さです。前2作のおさらい映像も最初に流してくれるのでシリーズ観てない人でも問題なし!みんな観に行こう!

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というわけで新年の挨拶はこんな感じで。よろしくです!

 

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ネズミ講に気をつけよう!



 

怪獣と英雄と。 2019年映画ベストテン!

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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の幼女マディと「アベンジャーズ/エンドゲーム」のトニー・スタークの娘モーガンちゃんは同じレキシー・レイヴちゃんが演じているので1、2フィニッシュ記念に今年のマスコットを努めてもらいます。

 さて大晦日。2019年ももう終わりです。来年は2020年か…21世紀生まれがもう成人なんですね。時の経つのは早い。当ブログ主はもっぱらツイッターはてなブックマークの方にばかり在住して、このブログの更新はとんと無くなってしまいましたが、それでも節目ではあるのでこれだけはやっておきましょう。今年の映画ベストテンです。

  昨年のベストテンはこちら。

  劇場鑑賞映画一覧はちょっとづつまとめていくつもりですが、とりあえず今年のベストテン、ワーストなどを上げていきたいと思います。今年も映画館では平均週一ぐらいのペースでは観ております(実際はずっと観ない日もあれば、一日に何本もはしごしたり、何日も連続して観た日もあるなど偏りがあります)。

 さてそれではまずはベストテン一覧。

  1. ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
  2. アベンジャーズ/エンドゲーム
  3. スパイダーマン:スパイダーバース
  4. ジョーカー
  5. ジョン・ウィック:パラベラム
  6. アクアマン
  7. 運び屋
  8. バンブルビー
  9. ミスター・ガラス
  10. ワイルド・スピードスーパーコンボ

 例年よりも更に偏差値低くお送りしております。いわゆるSFアクション系の超大作ばかり観ていてなおかつ社会派真面目系映画は殆ど観ていない状態なので必然的にこういう感じに。それでは作品ごとに簡単に。ちなみに「ヒックとドラゴン3」は明日新年一発目の映画に選ばれましたのでもし素晴らしければ来年のベストに入るでしょう!

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

 日本が産んだ怪獣王、ゴジラのハリウッド版第3弾。2014年の「ゴジラGODZILLA」の続編。世界観を共有するモンスターバース作品としては「キングコング 髑髏島の巨神」に続く第3弾となります。今回はゴジラだけではなく、モスララドンキングギドラも加えたまさに“地球最大の決戦”。それ以外にもオリジナル怪獣(前作に登場したムートー含む)も複数登場し、まさに怪獣が闊歩する地球が成立しつつあります。過去の東宝ゴジラ映画のオマージュと思わしきシーンも多数登場し、わりとリアルめな雰囲気だったモンスターバースでも次はメカゴジラデストロイアビオランテなどが登場してもおかしくない感じになってきました。次には「Godzilla vs. Kong」が控えていますがその後はどうなるんでしょう?個人的にはこのハリウッドの王道路線は大好きです。

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アベンジャーズ/エンドゲーム

 MCUフェイズ3クライマックス。前作「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の惨劇(インフィニティストーンを揃えたサノスの指パッチンで全宇宙の人口が半分消滅)から数年を経てヒーローの面々が宇宙復活作戦に挑む!初期情報では「インフィニティ・ウォー」と前後編になる、と聞いていたのですが、実際はもちろん続編だけどわりと別の映画として成立しています。映画の雰囲気も今回はコメディぽくも有るのだよな。ラストは見事ヒーローが復活し今度こそサノスの大軍団と正面衝突。一応の大団円を迎えます。

 一方でアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ブラック・ウィドウといったキャラがここで退場。MCU自体はフェイズ4へ続きますが、今後は彼ら無しで進む事になります(と言いつつ2020年のMCU第1弾は「ブラック・ウィドウ」でナターシャの過去編。もちろんスカーレット・ヨハンソン主演です)。

 とにかく最初の「アイアンマン」(2008)から十年20本以上重ねてきたシリーズの一応の集大成。それにふさわしい大作です。登場人物が多すぎて大変ですが、シリーズを観てこなくても十分、観てきた人なら大満足は間違いないと思います。

 ここではランキングに入れませんでしたが(一応MCUからは一本だけにした)、「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」はフェイズ3の最後の作品で、「エンドゲーム」の後の社会が舞台。消えてた者と残った者で年齢差が生じてたりするのを紹介しつつ軽めの快作となっております。スパイダーマンSONYに権利が有るため色々揉めたりもしましたが無事今後もMCUに参加できそうです。

 

スパイダーマン:スパイダーバース

 で、そのスパイダーマンのアニメ映画。キングピンの陰謀を防ごうとしてスパイダーマンが死亡!同じ能力を持つ少年マイルスはピーター・パーカーの意思を継いで新しいスパイダーマンになろうとするがそんなマイルスの前に死んだはずのピーターが現れる。実は彼はキングピンの実験によってこの世界に現れた別次元のピーター・パーカー。自分の次元に帰るためにマイルスに協力しキングピンの野望を防ごうとするがそこに更に別次元から来たスパイダーグウェン、スパイダーマンノワール、日本のアニメ風のペニー・パーカー、二足歩行の豚であるスパイダー・ハムたちが集合。スパイダーマン軍団がキングピンの野望を打ち砕く!

 元は同名のコミックスで日本からは東映スパイダーマンなどが参戦し話題になったけど話自体は映画オリジナル。参戦スパイダーマンも数を減らして整理しています。特筆すべきは主人公のマイルスで理系の黒人少年。この新しいスパイダーマンが悩み成長する姿を上手に描いている。登場するスパイダーマンごとに絵柄まで違うのでその描写の違いも楽しい。もし続編が有るのなら東映スパイダーマン(というかレオパルドン)の登場が期待されるのだけど、有るならそれはやはり実写の表現で期待したいです。 

 

・ジョーカー

 DCからはまずはこちら。どちらかというとジョーカーというキャラの知名度を借りて監督がやりたいことをやった、という印象も強いんだけどそれでも最低限コミックスへのリスペクトはあります。

 

 

ジョン・ウィック:パラベラム

 救世主キアヌの「ジョン・ウィック」第3弾。2のラスト直後から物語。話自体はワールドワイドになっているがますます幽玄の世界に。

 

・アクアマン

 DCEUからは今年はこちら。正直物語はありがち(MCUの「マイティー・ソー」や「ブラックパンサー」にも似ている王家の相続争い)では有るのだが、そんなの物ともしないキャラクターの魅力。極端な話、彼らが全然物語を進行させず何か「別のことやっているだけ」でもずっと観ていられるレベルです。そんななかでも自分の一推しはブラックマンタさん。次の活躍待っています。

 他にDCEUの雑多感は残しつつもこれまでと違いかなり映画の雰囲気が明るくなっているのも特徴。「ワンダーウーマン」と「アクアマン」は絶妙にグラーデーションで明るくなっています。「シャザム!」はもうコメディとして作られてるのでまた別ですが。

 2020年のDCEUは過去編の「ワンダーウーマン1984」とハーレイ・クインが女性だけのチームを組む「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」が公開されます。 

 

・運び屋

 さて、ここで少し趣を変えて。今年のランキングではほぼ唯一のドラマ系。クリント・イーストウッドの久々の主演作。監督もイーストウッドです。イーストウッドの作品は自身が主演する作品はフィクション、監督だけで出演しない作品はノンフィクション、と分かれることが多いのだけど、今回は主演で実録物です。90歳で麻薬の運び屋をやった老人の物語。最初2005年から始まって、てっきりその時点でイーストウッド90歳なのかと思ったら本編は更に12年後の2017年が舞台なので天寿を全うしちゃう!と余計な心配をしてしまった。最初は「ついにイーストウッドも枯れたか」と思ったがそれも最初だけで全然枯れてなかった。

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バンブルビー

 2007年から続く実写「トランスフォーマー」シリーズの最新作。本編の方はもう何が何やらという感じで(でもそれがまたいい)、いよいよユニクロンの登場か⁈と伺わせるところで止まってますが、今回は過去編。80年代の地球に一足先に降り立ったバンブルビーの物語。

 良質のジュブナイル作品となっていて、かつ「トランスフォーマー ザ・ムービー」の主題歌である「THE TOUCH」がついに流れます。そして「ブレックファスト・クラブ」の主題歌であるSImple Minds「Don't you (Forget About Me)」も流れるのです!僕はこの曲が流れると涙腺が自動決壊する身体になっているので。

 肝心のトランスフォーマーのデザインはこれまでに比べ、特にサイバトロン星モードではかなりG1アニメに近い作りなのだけどそれは人間と絡まないオールCG状態での表現。地球に来て人間と絡むと今までと近くなるのでやはりまだアニメそのままで実写で人間と絡ませて不自然じゃなく見せるのは難しいのでしょうなあ。

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・ミスター・ガラス

 シャマラン製ヒーロー映画。 

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ワイルド・スピードスーパーコンボ

 ロック様とジェイソン・ステイサムの「ワイルド・スピード」スピンオフ。もう本当に「友情・努力・勝利」って感じでヒーローアクションとなっています。荒唐無稽さが天井知らず!

 

 さて、ワーストなのですが今年は物凄く出来が悪くてムカついた!レベルのものは幸運なことに出会わずに済んだのですが、まあそれでも期待したよりは全然つまんなかったな、という感じの作品がいくつかあったのでそれらを少し。ワーストというほどではないんですが。

 いずれもアメコミ映画(ロケットマンはそれっぽいタイトルだけど違う)ですが、ちょっとイマイチではありました。「X-MEN」は侵略エイリアンまで出てるわりに割とこじんまりとした作りで腹八分目にも満たない、え?これで終わり?という感じでした。もう一盛り上がり欲しかった。「X-MEN ファイナル ディシジョン」もそうだけど原作の傑作エピソードである「ダークフェニックス・サガ」と実写映画は相性が悪いのであろうか。

ヘルボーイ」は僕は以前に作られたギレルモ・デル・トロ監督の2作品が好き過ぎるというのも有るんですが、ちょっとユーモアが足りなかったかな。「ロケットマン」はエルトン・ジョンの伝記ミュージカル映画。僕はエルトン・ジョンの楽曲はあんまり知らない(意識していなかっただけでたくさん聞いてるとは思うけど)ってのもあるけれど「ボヘミアン・ラプソディー」と共通点は多い(監督が一緒)けど、「ボヘミアン・ラプソディー」の方が盛り上がったかな。

 今回の3本はあくまで「ちょっと物足りない」感じでの選出なので全然悪くないですよ。重ね重ね。 

 というわけで一応これで今年は終わり。また来年もよろしくお願いします。

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実はトニー・スターク隠棲の住まいとマーク・ラッセルさんの家も同じ家だったりします。1、2フィニッシュの隠居家!

2019年に観た映画①記憶も肉体も曖昧編

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 今年一推しマン太さん。
 2019年ももう終わりということで、今年観た映画をまとめて簡易感想を書きたいと思います。今年はもう「ジョーカー」以外は単独感想がないので申し訳ない感じですが、一応覚えている範囲で書いていきます。数回に分けてなるべく年内に終われれば。まずは1月2月。順番は公開順であって自分が観た順番では有りません。今年もとりあえず週一ぐらいの割合では観れているので人並みには鑑賞しています。

 

・2019年1月

 

・2月

 この辺りはもう今年だったか去年だったか勘違いするぐらい忘れているのもありますがなんとか記憶を奮い起こして。

・2019年1月 

クリード 炎の宿敵

「ロッキー」シリーズ新章第2弾、前作の時には冗談で

次は是非、イワン・ドラゴの後継者と戦って欲しいですね。何ならイワンはまだ現役でもいけるんじゃないか、と。ドルフ・ラングレンはスライの横で頑張っているわけだし、あの人超絶いい人っぽいから頼まれたら断れないと思う。

父親越えの神話 クリード チャンプを継ぐ男 - The Spirit in the Bottle

とか書いたんですが、それが実現。ドラゴの息子とアポロの息子が対決。クリードは親の敵の息子と、ヴィクター・ドラゴは親の宿敵ロッキーの教え子と、というわけでそれぞれ因縁たっぷり。前作に比べるとぐっと娯楽度が増しました。イワン・ドラゴはもちろんドルフ・ラングレンで、ヴィクターの母親でドラゴ父子を捨てたブリジット・ニールセンも出演。イワンがソ連時代のチヤホヤされた経験があるのでちょっと国に期待をかけられるとのぼせちゃうのに対し、ヴィクターはソ連崩壊後の厳しい時代しか知らないのでそういうのに背を向けている描写などが新鮮ですね。「ロッキー4」はシリーズでも娯楽度が高いので地上波放送などは多く知名度は高いのだけどシリーズの中では実は結構異端の作品で、でも今回続編が作られたことでこの過去作もまたシリーズに馴染んだのではないかと思います。susahadeth52623.hatenablog.com

 

 

蜘蛛の巣を払う女

ドラゴン・タトゥーの女」の続編、と言っても出演者も監督も入れ替わった形(なので厳密には映画「ドラゴン・タトゥーの女」の続編かは微妙。同名小説の映画化と言ったほうが良いのかも。その原作もオリジナルのスティーグ・ラーソンのではなく、死後に受け継がれてデヴィッド・ラーゲルクランツによって書かれた作品。最初に「ドラゴン・タトゥーの女」の予告編を観た時には女性スパイアクション物と思ったりしたんですが、今回はその女性スパイアクションに近い作りだったと思います。 

susahadeth52623.hatenablog.com

 

 

 

ミスター・ガラス

 シャマラン劇場デビュー!作品はそれなりに見てますが、劇場で新作として観るのは初。すでに何度か見ていた「アンブレイカブル」の他にこのために「スプリット」も観て臨んだ。シャマランは毎回「驚愕の結末!」とか「ラストの大どんでん返し!」みたいな売られ方をすることが多いけれど、この人の物語のオチは映画や小説などを読んで物語に馴染みのある人なら大体途中で分かる感じなので、もうこういう売り方はやめたほうがいいと思う。普通に優れたストーリーテラーだとは思うので。

 この作品はアメコミは好きだが素直に映像化してたまるか、というシャマランの意地みたいなものは感じられた。でも普通にコスチュームを着たヒーローとヴィランの物語だと思う。

 

ミスター・ガラス [Blu-ray]

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バジュランギおじさんと、小さな迷子

 インド映画。言葉の喋れないパキスタンムスリムの女の子が親と離れて辿り着いたのはとにかく人がいいバジュランギおじさん。熱心なヒンドゥー教徒の彼は周囲の反対も押しのけ女の子を親の元へ届けようと決意するのだった。その行為はインドとパキスタンの両方で大問題となるが。

 良かったです。 

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サスペリア

 ダリオ・アルジェントの1977年の代表作ホラーのリメイク。オリジナルはだいぶん前に見たことがあったものの詳細は忘れている状況で鑑賞。70年代のベルリンを舞台にバレエ名門校に入ったアメリカ人スージーに次々と不思議な事態が襲いかかる。

 まず70年代が舞台の作品だが、ただそれだけでなく実際に70年代に撮影されたような作品という印象を持った。それはエンドクレジットまで一貫していて、お陰でクレジットの最後に出てくる「amazon」のロゴがちょっとした台無し感でありました。

 ティルダ・スウィントンが一人何役もこなしていて、ちょっとしたエディ・マーフィー状態だが、実は主要人物の一人であるクレンペラー医師(初老の男性)がティルダ・スウィントン(ルッツ・エバースドルフ名義)だとは最後まで気づきませんでした! 

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ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ

仮面ライダービルド」の主人公の一人仮面ライダークローズこと万丈龍我の物語。テレビの物語のその後、新世界に取り残された二人の物語。「Vシネクスト」と呼ばれるすぐにソフトリリースされることを前提とした限定公開作品。脳筋万丈が主人公だけにわりと分かりやすい筋立てになっています。敵ライダー仮面ライダーキルバスがなかなか格好良い。

ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ [Blu-ray]

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 ・2月

メリー・ポピンズ リターンズ

 ディズニーの傑作ミュージカル映画メリー・ポピンズ」のなんと54年ぶりの続編。劇中経過時間は25年ほどだが、もちろん当時の出演者が同じ役で出れるわけもなく全面的に入れ替わっています。基本はミュージカルの楽しい物語だけど意外と前作未見の人にはキツい作りだたりするので半世紀以上経ってから作られた続編としてはちょっとつらいかも。これまで運命やタイムトラベラーやタイムリープに翻弄される役が多かったエミリー・ブラントさんがついに運命や時間を操る側に回った記念すべき作品です。

 劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>

 今年は「シティーハンター」イヤー!このアニメ映画新作に始まり、フランス製実写映画も公開されました。キャストはもちろん神谷明伊倉一恵。そこにTVシリーズではまだ新人だったため名もないやられ役などで出まくっていた山寺宏一が敵役として出演してます。

 舞台は漠然と現代の新宿で、ガジェット等は今の最新のものですが(新宿駅伝言板がAR仕様に)、物語の時代的にはアニメ「シティーハンター2」の後ぐらいだと思われます。

 これね、物語のジャンル的には「ミッション:インポッシブル」とかゲームなら「MGS」とかが比較対象だったりするんだろうけど、映画全体としては「ボヘミアン・ラプソディー」こそがライバルだと思いますね。始まってすぐに流れる過去のTVシリーズの主題歌たち。30年経っても格好良さが変わらないです。そして最後はもちろんTM NETWORKGet Wild」に「Still Love Her」!満足です。 

 アクアマン

 DCEUはMCUの後を追っている形なので、ダークサイドとかブレイニアックとかが映像化されてもマーベルのサノスとかウルトロンとかの真似と思われてしまう可能性もあると思うのだけど(コミックスではDC側のほうが登場は先)、そんなDCもアクアマンだけは同じ海洋ヒーローであるマーベルの「サブマリナー」に先んじて映画化(こちらはコミックスはサブマリナーの方が先)。どうみてもサモア系プロレスラーにしか見えないジェイソン・モモアという適役を迎え明るいDC路線の傑作となりました。話自体はMCUの「マイティー・ソー」とか「ブラックパンサー」のようなありがちなお家騒動ものでは有るんだけれど何しろキャラが魅力的。その中でも個人的おすすめはなんといってもブラックマンタです。 わざわざアトランティス製の超兵器を分解してDIY、あの独特な造形に仕立てるセンスが最高に格好良い。最近のアメコミの「コミックスのデザインをわりとそのまま実写映画に出して、でも違和感ないどころか格好いい!」というのの現在のところの最高峰だと思います。

 

アリータ:バトル・エンジェル

 日本の漫画木城ゆきとによる「銃夢」の実写映画化。「銃夢」は中学高校ぐらいの頃に友達に借りて読んでいたが、最初の方だけで今はどうなっているのやら、という感じ。その序盤の物語も程よく記憶が曖昧になっている状態で鑑賞。製作はジェームズ・キャメロンで監督はロバート・ロドリゲス。まごうかたなきキャメロン印の「強い女映画」ではあったが、クズ鉄街の描写なんかはロドリゲスの色も強い気がする。続編はなさそうね。

  さて次は3,4,5月あたりを。ちょっとづつ記憶が鮮明に!

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怪獣映画の有るところ 映画テン年代ベストテン!

 さて、もう後一週間もすれば12月ということで、今回は恒例ワッシュさん( id:washburn1975 )の映画ベスト企画です。今回は「映画テン年代ベストテン」! 

washburn1975.hatenablog.com

 思えば僕が最初にワッシュさんの企画に参加したのは「ゼロ年代映画ベストテン」でした。そうかもう10年も経つのだなあ。先日「ゾンビランド:ダブルタップ」を観てきたのですがちょうどあれが10年ぶりの続編なんですよね。全然ピンとこないわあ…… 

susahadeth52623.hatenablog.com

 とそれはさておき、今回候補作品は2010年から2019年の間に公開された作品。 特に細かい縛りはないようです。前回10年前に僕がベストテンを選出するに当たって独自に決めた基準はこんな感じ。 

1)2000年〜2009年に公開された作品 まあ、当然と言えば当然なのですがゼロ年代を代表する以上、この時期に公開された作品とします。リメイクはOKですが名画座リバイバル公開は対象外です。ただし一つだけ例外を作りました。

2)一監督一作品 僕は基本的に映画は監督のものだと思ってます。また好きな監督を選んだら3人ぐらいで10作品占めてしまうことにもなりかねません。そこで一人の監督に付き一作品としました。

3)一シリーズ一作品 シリーズ物も昔と違ってシリーズを重ねてジリ貧になると言うことが少なくなってきました。例えば「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズは3作品すべて選びたいところですがそれだと2)同様、あっという間に10作品埋まってしまうので一つのシリーズの中からは一作品だけの選択としました。

4)何らかの集大成となっているか。または後続の作品に影響を与えているか。 単にその年の作品を選ぶと言うだけでなく10年と言う大きいスパンの中から選択するんだから過去もしくは未来に影響を持っているかを考慮しました。

5)もちろんその作品は僕が大好きでかつ面白いのだ! 嫌いな作品、つまらない作品は選択しません。10作品はすべて僕が面白いと思った作品です。 なお、最初はベスト10という形式にしようと思ったのですが順位なしの並列としました。

勝手に選ぶ!ゼロ年代を代表する10作品! - The Spirit in the Bottle

 基本はこれを踏襲して選出します。それではまずはリストをどうぞ。

  1. サニー 永遠の仲間たち(2011年 カン・ヒョンチョル監督 韓国)
  2. パラノーマン ブライス・ホローの謎(2012年 サム・フェル&クリス・バトラー監督 米)
  3. アベンジャーズ(2012年 ジョス・ウェドン監督 米)
  4. ハンガー・ゲーム2(2013年 フランシス・ローレンス監督 米)
  5. ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年 マイク・ドハティ監督 米)
  6. ミニオンズ(2015年 ピエール・コフィンカイル・バルダ監督 米)
  7. マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年 ジョージ・ミラー監督 豪/米)
  8. ホビット 思いがけない冒険(2012年 ピーター・ジャクソン ニュージーランド/米)
  9. ワンダーウーマン(2017年 パティ・ジェンキンス監督 米)
  10. 仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX(2011年 坂本浩一監督 日本)

  今回は毎年のベストテン作品の中から選べばいいのでわりと楽ではあった一方で、単にその年の好きな作品というだけではなく何か記念碑的な作品として印象深いのを選んだつもりです(先述の4番目「何らかの集大成となっているか。または後続の作品に影響を与えているか」ですね)。ただやっぱりジャンル的に偏ってはいますね。そしてこれに先立つこと半年ほど前にこんなツイートをしていました。

 ちょっとちゃんと表示されているか不安ですが、要するに「一年に1本ぐらいはある、これはオレのために作られた映画だ!」と錯覚してしまうぐらい好きになってのめり込む作品ですね。こういった作品はその年のベストにはもちろん入るけれど、ちょっと遠慮するというか1位や2位というよりはそのもうちょっと下ぐらいの位置づけになることが多い気がします。とはいえそんな作品ももちろん選んでいます。

 それでは各作品ごとに簡単に。(公開時の作品ごとの感想がある場合はそちらも参照してください)

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  • サニー 永遠の仲間たち

 韓国映画自体は1999年の「シュリ」以来普通に海外映画の一つとして観るようにはなっていたのだけれど、やはりそれはアクションやサスペンスなどが中心。もともと洋画邦画関係なく普通のドラマ作品は観る優先順位が低かったのだけれど、そんな中で激ハマリした韓国映画。日本でのリメイクもあったけれどやはりオリジナルのほうが最高です。 

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サニー 永遠の仲間たち デラックス・エディション Blu-ray

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  ライカストップモーション・アニメーション作品。個人的に好きなゲームの映画化作品でもある「サイレントヒル」と共通するようなアガサのキャラも含め、愛おしくてたまらない作品です。ライカはこの後「KUBO」や「ボックストロール」など傑作を送り出していますが、やはりこの作品が最高。

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  今やアメコミ映画という括りでなくMCUというそれ自体がひとつのジャンルといえるほどの広がりを見せている「マーベル・シネマティック・ユニバース」。その最初の頂点がこの「アベンジャーズ」です。ここまでに単独のヒーロー映画を5本制作し、その中でちょっとづつつながりを見せ、ここでやっと全員集合!今となってはMCUの中でもこの作品が特に抜きん出て出来がいいとは言えませんが、やはり記念碑的な作品であることは間違いないでしょう。今年はフェイズ3が終了し、2008年から始まるMCUにも一区切りつきました。しかし賛否両論ありながらもまだまだ続くのです。

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  •  ハンガー・ゲーム2

  スーザン・コリンズ原作によるYA小説の実写化第2弾。日本では何かと「バトル・ロワイアル」と比べられ正統な評価がされてない気もしますが、個人的にはこちらのシリーズのほうが好きです(というか僕個人は「バトル・ロワイアル」をあんまり評価してない)。この2作目は監督がフランシス・ローレンスに交替。75回ハンガー・ゲーム第3回記念大会ということで出場選手も子どもたちから大人に交替。ぐっと面白さも増しました。またシリーズ自体が実際に圧政に対する抗議のシンボルにもなったり。僕は日本では数少ないこのシリーズを好評化している映画ブロガーと自称しているのですが、本当にもっと評価されていいシリーズだと思います。

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  • ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 

 こちらは今年公開の最新作。2014年の「GODZILLA」の続編でゴジラだけでなく東宝怪獣からモスララドンキングギドラが登場し死闘を繰り広げます。この10年間にゴジラ映画はモンスターバースの2作品のほか、「シン・ゴジラ」とアニメ版のゴジラ3部作が作られましたが、日本で作られたゴジラがあえて王道を外していく形なのに対してハリウッド版が王道を行く形に。最新技術で甦った東宝怪獣たちが出し惜しみなく戦ってくれます。怪獣プロレス?最高じゃねえか!

 ちなみに来年にはもう次の作品「Godzilla vs. Kong」が控えています。そろそろ予告編来てもいいんだけどなあ。

 あ、あとこの作品は予告編(3本あってどれも最高だがやはり一番最初の「月の光」をBGMとしたもの)もゼロ年代最高の予告編ではないかと思います。

 

  とにかく頭を空っぽにしてずっと観ていられる映画。

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  • マッドマックス 怒りのデス・ロード

  僕のオールタイム・ベストでもある「マッドマックス」シリーズの30年振りの最新作。続編の噂自体はもうずっと囁かれていて、実際に製作が始まってからもトラブルが囁かれ、やっと完成したそれはもう最高の最高でした。

 ちなみにこの暴力的な作品。ちゃんとフェミニズムの専門家を招き、物として扱われる女性たちの物語としてきっちりアップデートされているまさに21世紀を代表する作品といえるでしょう。ちょっと前に「週刊少年ジャンプフェミニズム漫画を!」みたいな話題があって喧々諤々だったのですが、いわゆる実録社会派漫画ではなく、こういう一見荒唐無稽な作品にきっちりフェミニズムの精神を宿らせた少年活劇漫画は全然可能だと思いますね。というか当然今後はそういう作品も必要とされるでしょう。その最先端がこの「マッドマックFR」です。

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 ブラック&クロームエディション(白黒版)もおすすめ

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  J・R・R・トールキンの「指輪物語」の完全実写化「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズから再びピーター・ジャクソンが手がける前日譚。3作とも素晴らしいですが、今回は冒頭の牧歌的な雰囲気が大好きなので1作目を。原作が膨大な量なのでどうしても削らなければならなかった「LotR」に比べて今度は1冊の原作を3部作に分割したので逆に要素を増やしています。子供向けである「ホビットの冒険」をここまで重厚に出来るとは思いませんでした。

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  アメコミをマーベルコミックスと二分するもう一方の雄、DCコミックスMCU、に遅れること数年、DCEUとして映画版DCユニバースを展開させてきました。ただここまでの作品はMCUに比べてどうにも乱暴というか暗いというか闇鍋感が強く、それはそれで雑多でカオスなDCぽさは決して嫌いじゃなかったのですが、ここでやっと割と明るくそしてきちっとまとまった作品が登場。それが「ワンダーウーマン」です。第一次世界大戦を舞台にアマゾンからやってきた女傑ワンダーウーマンが戦います。特筆すべきはこの作品は女性が中心となって作ったとも言える作品なこと。監督のパティ・ジェンキンスはじめ主要スタッフも多くが女性だったりします。ただ女性監督による初のアメコミ映画と言われたりもしていましたが、2008年の「パニッシャー:ウォー・ゾーン」のレクシー・アレクサンダー監督の方が早いです。どちらも激しいアクション映画なのも良いですね。

 第一次世界大戦モノとしてもおすすめ。

 DCEUはこの「ワンダーウーマン」と「アクアマン」で明るいヒーロー路線に上手く切り替えられたかな?(「シャザム!」は明らかにコメディとして作られてるので突然変異的な明るさだけど)

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  年に数回ある仮面ライダーの映画化作品としてはやはりこの一本ですかね。クロスオーバー作品はどうしても互いの作品の整合性を合わせると矛盾が出てしまうし、イベント作品としての趣が強いので「共演させときゃいいんだろ」的なものも多いんですが、その中できちんと3作品の設定も合わせてその上でエモーショナルな物語展開、アクションも最高! 

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仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ& OOO(オーズ) MOVIE大戦 MEGA MAX【DVD】

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 惜しくも圏外作品はもちろんいっぱいありますが、「ジョン・ウィック」「ヒックとドラゴン」の両シリーズとかでしょうか。去年の1位作品「メアリーの総て」ももしかしたらもうちょっと時が経てば入れたくなったかも。

 

 ついでですが、テン年代ワースト作品も挙げましょう。もちろんここでのワーストは単に出来が悪い作品ということではなく(下を見ればきりがない)、それなりに大ヒット高評価の作品だけれど賛否両論で、僕個人的には圧倒的に「否」であったなあ、という作品です(多分大好きだという人も多くいる作品ですがあくまで僕の感想ということで)。4本ほど順不同で。

 怪獣映画としても巨大ロボット映画としても中途半端な印象の作品。出てくる登場人物もなんだか苦手でした(特にニュート)。世間一般の評価と違って僕は続編の「アップライジング」の方が巨大ロボット映画として振り切れてて好きです。 

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  • LA LA LAND

 ミュージカル映画。盛り上がったのは最初の方だけで楽曲的にはどんどん盛り下がる。主人公二人が嫌味な人物として始まって最後まで特にそれを覆せぬまま終了してしまったのが残念。

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 よくもアクバー提督殺しやがったな!許せねえ!(以上です)

 もう特に記すことなし(いまだに後編見てない)。 

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シン・ゴジラ」なんかはなぜかアンチ扱いされることも多いけど、別にそんなことないですよ。批判するところもあるけど全体としておもしろかったと言っているのになあ。 

前回のベスト企画はこちら。 

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それじゃあまた2029年にお会いしましょう!

 

 

J×W=G ジョーカーJOKER

 およそ半年のご無沙汰でした。気づけば今年ももう終盤。ブログ更新数はわずか3回、しかもそのうち映画の感想はひとつだけ(それも去年の鑑賞分をまとめてというもの)、という体たらく。とはいえこの後今年観た分とか年末に向けてちょっとづつ更新したいと思います。

 というわけでまずは「ジョーカー」。ご存知DCコミックスバットマン」の超有名ヴィラン、主人公バットマンのネメシス、「犯罪界の道化王子」の異名を持つ名悪役ジョーカーのその誕生譚です。で、この映画僕が観たのはもう公開1ヶ月近く経ってからで、主人公の背景となる社会的な部分についてはもうかなり論評が出揃ってると思うのでそこら辺はあまり触れずあえてコミックスとの関わりに付いて軽く書きたいと思います(以上ですます調終了)。

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  • 物語

 1980年代初頭のゴッサム・シティ。政治は腐敗し貧富の差は拡大街全体が疲労困憊している。アーサー・フレックは母親と同居しながらコメディアンを目指し売れないピエロをしている。彼には脳の損傷により感情が高ぶると状況に関係なく笑いの発作に襲われる症状があった。

 その日も楽器店の閉店セールでピエロの営業をしていたが不良どもに看板を奪われ暴行を受ける。そして看板代や損害を弁償しろと言われる。落ち込むアーサーに同僚のランドルが自衛のためと拳銃を渡す。通っていたカウンセリングも市の福祉予算削減により薬の処方と主に終了。しかし小児病棟の営業中に拳銃を落とし、首を宣告される。その帰り電車の中で女性に絡むウェイン産業のビジネスマンを笑って暴行を受けたアーサーは思わず拳銃で3人を撃ち殺しその場を逃亡する。しかしこの出来事によってアーサーは妙な高揚感を覚える。やがてピエロ姿の自警者がエリートビジネスマンを殺害したこの事件はゴッサムの貧者の英雄として象徴的存在となるがアーサーは同じアパートのシングルマザーとも懇意になりコメディアンとしての舞台にもあがり総てがうまくいくかと思われた。

 母親のペニーはかつてウェイン邸のメイドとして働いていたためその伝手でトーマス・ウェインに手紙を出すが、その手紙を読んだアーサーは自分がトーマスとペニーの間の子だと知る。密かにウェイン邸を尋ねたアーサーはトーマスの息子ブルースと出会うが執事に追い払われる。やっと会えたトーマスにも邪険に扱われたアーサーは母の入院記録を求めてアーカムを訪れるがそこで見たものによって彼の世界は崩れていく・・・・・・

  •  ジョーカーのJ

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 本作は特定の原作を底本にしているわけではなく映画オリジナルの物語。映画としても過去のバットマンシリーズや現在展開中のDCEUとも世界観は異なるこの一本だけの作品として成立している。僕は最初にこの作品の予告編を見た時に「ああこれは原作とキャラクターの知名度を借りた全く別の作品だな」と思ったし、実際監督のトッド・フィリップスはそれに近い発言もしているので事前には「一本の作品、社会派のサスペンスとしてはともかくアメコミ映画としてはあんまりな感じになりそう」と思っていた。実際原作である「バットマン」との関わりは主にウェイン一家との関わりを除いて最小限にとどめているといっていいが、それでもきっちり原作の設定を前提にうまく映画に活かしている。

 ジョーカーはバットマンが1939年に「ディテクティブコミックス」27号でデビューした翌年1940年の「バットマン」誌1号でデビュー。やはり同号でデビューしたキャットウーマンと並ぶバットマンの最も古いヴィランである。キャットウーマンが「時には敵、時には味方、恋人だった事もあったかな?」(by峰不二子)な相手なのに対して、不倶戴天の宿敵といっていいだろう。当初はデビュー直後に死ぬ予定だったがそのキャラクターの強さを買われ生き延びた。その後約80年間時代に合わせて変化しつつもバットマンの一番の敵としてゴッサム・シティの市民を震え上がらせ続けている。

 そのオリジンは一定しない。もちろんバットマンの物語はじめDCユニバース自体が何度かリセットしたりしているのだが他のキャラクターに比べてもそのプロフィールは不明だ。一応定番のものとして「レッドフードというタキシードとマントに赤い覆面をかぶった強盗がバットマンとの格闘の末科学廃液のタンクに落とされ白い肌に緑の髪、常に引きつった笑いの表情のジョーカーとなった」というものがある。ただじゃあそのレッドフードは何者か?というとそこは不明なのである。アラン・ムーアの「キリング・ジョーク」では売れないコメディアンとして描かれ(この設定は今回の作品にも強く影響を与えているのは間違いない)、1989年のバットマンではギャング幹部のジャック・ネイピア(ジャック・ニコルソン)とされ、バットマンとの格闘の化学薬品のタンクに落ちてジョーカーとなった、という部分が使われた。

 過去のバットマン映画とは関わりがないとは書いたが、映像的な部分で影響は当然あって、今回のジョーカーに一番近いのは「ダークナイト」のジョーカーだろう。劇中では明確には判然としないが肌が白いのが漂白された変化ではなく自分でメイクしているというのは「ダークナイト」のヒース・レジャーのジョーカーを彷彿させる。

 で、今回のジョーカーだが、実は僕はあまりジョーカーのオリジンには興味が無い。というのもジョーカーは特定の人格を持った人間というよりも抽象的な悪の概念を実体化したものという風に捉えているからだ。設定でこそ彼は超能力も何も持たない普通の人間だが寧ろそれ故に悪魔が実体化したような存在なのだ*1。これは他のバットマンヴィランとくらべても確かでペンギンならオズワルド・コブルポット、キャットウーマンならセリーナ・カイルと本名とその都度多少の変更はあるものの、詳細な一定のプロフィールが設定されているのに対してジョーカーは本名も経歴も不明のままである。本作のジョーカーはジャック・ネイピア(1989年の映画以来ジョーカーの本名として使用される事が多い)ではなくアーサー・フレックという新たな名前が用いられ、これまでのジョーカーとは別のものとなっている。

 本作でアーサーはピエロの姿で殺人を犯し、それがゴッサムの現状を象徴する出来事となり、テレビのトークショーに出て鮮烈なデビューを果たす。ただ実は本作には構造上の問題があって、劇中でもいくつかの出来事がアーサーの妄想・幻覚と明らかになるが、それだけでなく劇中本編がまるまる幻覚かも知れない可能性がある。一部を除いて劇中ほとんどアーサーの視点から外れるシーンがなく、最後はアーカムで自分語りをするアーサーが描かれる。

 悪魔的であるジョーカーは個人というより概念とも言える。TVドラマの「ゴッサム」ではジョーカーそのものは登場しないがレッドフードやジェローム(ジョーカーっぽい人)の狂気が街に伝染していく表現があるが、もしかしたらアーサーも後のジョーカーそのものというよりはジョーカーを生み出す根源の一つというだけかもしれない(バットマンのデビューとバットマンとレッドフードの絡みでジョーカーが誕生するとすれば実際にヴィランとしてジョーカーが活躍するのは本作の20年後ぐらいということになる)。

 アーサーは実はトーマスの隠し子どころ母親とも血が繋がっていない養子そして義父に虐待されていたことが明らかになるが、ここに至ってこのジョーカーも本質は「誰でもない」ことが分かる。ジョーカーは「誰でもない」が「誰でもなり得る」のだ。

 演じたのはホアキン・フェニックスリヴァー・フェニックスの弟で自身も子役からずっと活躍してきた。本作ではあて書きだったそうだが、独自のジョーカーを見事に演じており、ジョーカーのメイクをしていない部分でもジョーカー的な雰囲気はまとっている。過去のジョーカーの中ではやはりヒース・レジャーのジョーカーに近いが寧ろ「マシニスト」あたりでクリスチャン・ベールを思い浮かべたりしたのでやはりバットマンとジョーカーは紙一重*2ホアキンはとにかくダメ人間を演じさせたら天下一で、それは現実的な役柄にとどまらない。ローマ皇帝を演じてさえ「この人本当にダメ人間ぽくて心配」という感情を抱いてしまう。ましてや今回は一応コミックスの映画化。それなのに心配するレベルのダメ人間ぶりは相変わらずだったので凄かった(あくまで演技の話であってプライベートは知りませんよ)。多分設定上は30歳前後で実際のホアキンの年齢より大分下だと思うのだが、それでも精神的な若さとでも生活の苦労による疲れが上手く表現されていた。

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  • ウェインのW

 本作は単独で完結しており、昨今のアメコミ映画では当然のこととされている外への広がりは持たないが、ほぼ唯一コミックスとの関係を保っているのがウェイン家の面々である。トーマスとマーサのウェイン夫妻。そしてのちにバットマンとなる少年ブルース、一家に仕える執事アルフレッド・ペニーワース。過去の映画作品でも(主役のブルースはもちろん他も)登場済みのキャラクターでしかし毎回悲劇に合う。大体において家族で観劇した後にクライムアレイで襲われて幼いブルースは目の前で両親を殺される。その復讐心からのちにバットマンとなる。いわば物語の根源となる出来事だ。

 これまでは物語の発端となる出来事であったウェイン夫妻の殺害事件だが、本作ではクライマックスの一つである。例えば映画「ダークナイト」で公開前にハーヴィー・デントが登場することは知られていてそれがトゥーフェイスに変貌するかどうか秘密にされていたかどうかちょっと記憶が曖昧なのだが、秘密だったとしてもデントが登場した時点である程度コミックスの設定を知っている客は「劇中でトゥーフェイスになるのかな?」とサスペンスを抱く。映画「アメイジングスパイダーマン」シリーズでもグウェン・ステーシーが登場すれば客は「死ぬのかな?」と思ってしまう。本作ではウェイン夫妻の殺害事件を知っている観客は「事件が起きるのかな?起きないのかな?」という興味をずっと持つことになる。もちろん知らなくても問題ないがこのへんはもう制作側が意図的に仕掛けていると思う。

 先述したように本作は単独で完結しているのでバットマンの誕生までは描かれない。だから「ジョーカーは誕生したがバットマンは生まれてこない」世界の物語かもしれない。ただやはりこの夫妻の殺害事件があった以上、バットマンは誕生するのであろう。この映画はもしかしたら本編全てがアーサーの妄想/幻覚の可能性がある、と書いたが、このウェイン夫妻殺害事件だけは確定事項だ。というのも僕が覚えている限りにおいてこの夫妻殺害シーンだけがアーサーの登場しないシーン。これまでにも描かれた飛び散るマーサの真珠のネックレスと言った描写受け継がれている。

 トーマス・ウェインはこれまでバットマンの世界における善性の象徴のような描き方をされていたが、本作では逆である。本作では理想に燃えゴッサムの改善を目指し市長に立候補する政治家、一方で尊大で庶民の貧困層の気持ちなど全く分からない男として描かれている。電車で女性に絡んで結果アーサーに射殺される3人はウェイン産業のエリートビジネスマンでありそのそのエリート特有の嫌らしい描写によってアーサーに殺されても致し方なし、と思わせる。一方で雇い主であるウェイン自体に悪印象を持つ。アーサーを「仮面を被った卑怯な自警者」と呼んだりするがこれがそのまま後の息子であるブルースが扮したバットマンに当てはまるのが皮肉なところ(狙ったセリフだろうけど)。

 トーマス自身はおそらく自身で意識していなくともやはり尊大な金持ちのお坊ちゃんなのだ。ウェイン家はゴッサム草創期からの金持ち一族でトーマスも産まれた時から金持ちのエリートである。彼自身の本業は医者だが、それ以外に血筋によってウェイン産業という一大コーポレーションのトップであるし、街はウェイン産業なしでは成り立たない。これがメトロポリスの大富豪レックス・ルーサーゴッサムブルース・ウェインの違いでもあり、設定に幅があるがレックス・ルーサーは自身の会社の名前が「レックスコープ」であることからも明らかなようにほぼ一代で築き上げた大企業家である*3のに対しウェイン家は200年近くに渡って受け継がれてきたものである。

 アーサーがウェイン邸を訪れた時に出会った少年がブルース・ウェイン、のちのバットマンであるが、この時点ではアーサーはもしかしたら弟かもしれないと思っている(他の人のブログなどでやはり本当に「アーサーとブルースは兄弟なのではないか?」と記したものもあったが個人的にはやはり他人だと思う)ブルースに優しく(とはいえ第三者が見たら不気味に思うレベル)で接するが執事に追い払われる。この執事やけに筋肉質でアーサーを明らかに見下した感じで追い払うので印象が悪いがクレジットをみるとやはりお馴染みアルフレッド・ペニーワースである。ちなみにアーサーの母親はペニーという名前でウェイン邸でメイドをしていた過去があるので、僕はてっきりブルースにおけるアルフレッドのような(育ての親としての)存在がアーサーにおけるペニーがいるのかな?と思ったのだがどうなのだろうか。

 トーマスとアルフレッドはこれまでの作品と違ってかなり本作での印象は悪いがこれがアーサーの歪んだ妄想を視点とした描写だからなのか、それとも人格者扱いされてきたキャラクターであっても見方を変えれば嫌な部分を持っているのだ、と捉えるのかは観る人次第といったところか。

 バットマンのオリジンとしてやはりこのウェイン夫妻殺害事件の設定はシンプルにして見事で色褪せないのだが、本作はジョーカーの物語であってバットマンの物語ではないのでその後はどうなるかわからない。ただジョーカーとバットマンはこれまで表と裏、卵が先か鶏が先か、その誕生においても互いに関連しているふうに描かれることが多かったが、本作でもジョーカーが引き起こした街のパニック状態がブルースに悲劇をもたらしたとも言えるのでやはりこの二人は一心同体である。

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 DCコミックスは多くの場合架空の都市が舞台として設定されていて、本作でも踏襲。きちんとゴッサム・シティが舞台である。時代は80年代初頭ぐらいに設定されている。ゴッサムは今ではアメリカ一の大犯罪都市として知られているが、ずっとそうだったわけではなく、登場した当初(最初期はニューヨークだった)の50年代は健全に発展した大都市としてヒーローチームの本拠地が置かれたり、60年代はヒッピー文化華やかな極彩色の都市として描かれたりしている(TVドラマの「バットマン」のゴッサムはその後のイメージと違いピーカンの晴れた描写が多い)。今のゴッサムのイメージが作られていったのは70年代で、「バットマン」そのものが原点回帰で初期の暗い雰囲気に戻ろうとしていた。東海岸を代表する犯罪都市であり、奇怪な姿の犯罪者が跳梁跋扈する闇世界。バットマンが孤軍奮闘するものの治安だけでなく経済的、政治的な問題も深刻な暗黒都市として描かれた。以降ゴシック建築とともにゴッサムのイメージが形作られる。同じNYがモデルのメトロポリスとは(それはスーパーマンバットマンのように)光と闇、表と裏のように対照的といえるだろう。さらにゴッサムにはウェイン家に代表されるような名家の存在があり貴族的存在として君臨する彼らは封建領主のようでもあり、本来アメリカではありえない貴族制度が存在するかのようである。

 本作では特に建築物などで個性を発揮することなく、やはりシカゴでロケをした「ダークナイト」のゴッサム同様リアルな描写が多い。主なロケ地はニューアーク。しかし「ダークナイト」がそうだったようにやはり70年代のコミックスのゴッサムもこんな感じだったのだ。

 コミックスからの登場する場所としてはモナークシアター(ウェイン一家がこの劇場で映画「ゾロ」を見た帰りに夫妻が殺害される)やアーカムが登場する。アーカムアサイラムは本作では「アーカム州立病院」と名を変え犯罪者以外の精神病患者も収容しているようである。

 本作の象徴的なロケ地となった階段やアパートの入り口のアーチとかやはりゴッサムも映画の主役といえるであろう。

  • J・W・G

 本作では色々な映画などのオマージュがある。世界観的なつながりはないがもちろん過去のバットマン映画も参照されているし彷彿とさせるシーンも有る。他にはマーティン・スコセッシ監督の「タクシー・ドライバー」「キング・オブ・コメディ」が分かりやすいところだろう。だからアーサーが憧れそして乗り越える(撃ち殺す)コメディアン兼テレビ司会者マレー・フランクリンをロバート・デ・ニーロが演じている。冒頭に出る丸っこいワーナー・ブラザーズのマークも70年代に実際に使われていたものだ。

 アーサーのキャラクター(というか母親との関係性)においては「サイコ」のノーマン・ベイツも連想した。今回のジョーカーそのものはヒースの影響が強いけれどジャック・ニコルソンの「カッコーの巣の上で」も影響を与えていそうだ。

 そしてこの記事のタイトルをジョーカー、ウェイン、ゴッサムの頭文字をとって「J・W・G」としたけれど殺人ピエロといえばジョン・ウェイン・ゲイシーである(奇しくも”ウェイン”のミドルネームが!)。アーサーがスタンダップコメディアンとして客前で披露するそのバーの名前が「The Pogo's Bar ポゴズバー」だがこのポゴという名前は連続殺人鬼ゲイシーが扮していたピエロの名前である。ピエロ恐怖症というものがあってゲイシーはその一因ともいわれている(といってもピエロ姿で殺人してたわけでないのだが)。ちなみに「ジョーカー」を観た同日にはしごしたスティーブン・キング原作の「IT」のピエロ姿の怪人ペニーワイズもゲイシーがモデルといわれている。ペニーってピエロっぽい響きなのかな?

 ピエロ/クラウンはメイクによって口元は常に笑っている。目元の涙メイクで常に泣いている。メイクによってその矛盾する表情を常に一緒に保っているが、実はそのメイクの下に泣いても笑ってもいない無表情の虚無、或いは怒りの感情を見つけた時、人は恐怖を感じるのだ(個人談)。

  しかしノーマン・ベイツもトラヴィス・ビックルジョン・ウェイン・ゲイシーもペニーワイズも、ジョーカーより後発のキャラクターなのに、そのジョーカーの最新作品に影響を与えているのだから不思議なものである。


Joker | Final Trailer | Experience It In IMAX®

 何度も言っている通り本作はこれまでの映画とも世界観と共有しないし、大ヒットしてるので今後どうなるか分からないが基本的には本作のみで完結する作品である。そしてアメコミ映画としての原作からの要素も最小限にとどめている。だから観る者の立場によって評価もブレるだろう。アメコミ映画として観るかサスペンス映画として観るか、或いは社会派映画として観るか。ただ、どの立場で観るにしろ肯定にしろ否定にしろ強い印象を持つことは間違いないだろう。必見である。Joker was here!

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バットマン:キリングジョーク 完全版 (ShoPro books)

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  • 関連記事

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*1:DCユニバースはもちろんバットマンの登場人物でも超人はたくさんいます。

*2:1989年「バットマン」でもバットマン役のマイケル・キートンがジョーカーを演じてもおかしくなかった。

*3:ヤング・スーパマンなどでは父親の事業を受け継いだ形になるがそれでもレックス自身が自身の才覚で会社を大きくしていったのは間違いない。

カイゲン令下の日本

 例によってお久しぶりでございました。前回更新してから2ヶ月。3月は電気のない生活を久しぶりに満喫し(月の電気代わずか600円!)、4月もなんだかぼーっと生きていました。

 そんな中、世の中は新元号が発表され、「平成最後の~」とか「平成を振り返る」系の番組ばかりになってしまい、消極的天皇制反対主義者*1の自分としては何を大騒ぎしているのやら、と冷ややかに見ていたりします(制度としての天皇制には反対ですが、今の天皇東宮、皇族の方々には特に嫌悪感情はなく、寧ろ好感さえ持ってます。がそれとこれとはまた別の話)。

 元号という制度そのものは中々面白いので残したっていいのですが、残すなら今の一世一元でなく、昔のように吉事、凶事あるごとに頻繁に変えよう!派。もちろん公的な場での使用は禁止の方向で。そもそもが元号なんて珍しい亀が出現しためでたい!天災が続いた不安だ!で変えるようなものなんですよ。平成は改元が合った1989年=平成元年は分かりますが、それ以外は全く分かりませんね。例えば阪神淡路大震災オウム真理教事件が起きた1995年は印象深い年ですがそれが平成何年なのかと言われればパッとは思いつきません。特にここ十年ぐらいはもうほぼ西暦だけで生きているので今が平成何年なのか分からないです(もちろん計算すれば出てくるよ)。ここ数年の退位の話題でどうやら今年が平成30年らしいというのはかろうじて認識していますが、まあそんなもの。僕は極端な例としても大部分の人が日常では西暦をメインにしている人がほとんどでしょうし、国際的な仕事をしている人なら尚更でしょう。旧暦とかと共に公的書類や機関での使用はやめてあくまで儀礼や祭事用にするべきだと思います。

 ちなみに今コレを書いている時点で4月30日の夜なのでブログアップする頃にはもう新元号の「令和」になってるかもしれませんが、この元号自体は特にいいとも悪いとも思いません。「令」の文字には今は「令嬢」などで使われる「うるわし、美しい」などの意味と「命令、指令」などの意味がありますが、前者の意味だそうです。ただ殆どの場合現在は前者の古典的な使い方はしない漢字ですし、穿った見方をすれば本当の狙いは「国民に命令する」という意味を持たせ、古典的な意味でその表面を覆っているのかなあ、などと思ってしまいます。他にはラ行から始まるのは言いにくい気がするなあ、とは思いますが、まあどっちにしろもう日常では使わないし。

 でもその選定過程には疑問が大有りで一世一元の現在、そして民主主義国家であるはずの今の日本でこの後特に何事も無ければ20年30年とわたって使うであろう元号(当然その使用期間には単に首相が代替わりする、というだけではない政権交代もあるでしょう。なければ逆に問題)を時の政権が自分たちの想いを乗せて制定し発表するというのはかなり逸脱した行為だと思います。また「令和」は史上初日本の古典である「萬葉集」から採用された二文字ですが(歌ではなく序文に当たる部分であり、さらにその文章の元ネタは漢籍だそうですが)、これもルール違反だと思います。もちろん明確に漢籍から採用するべし、という法律があるわけでもないのですが何しろ余程のことがなければ新天皇は死後*2、もしくは今回と同じように譲位後に令和天皇諡号が送られ歴史的にはそう呼ばれるわけです。それを勝手に時の政府が自己の思いを乗せ制定し、それでもまだこれまでのルールに則って決められたのなら良いですが、首相が勝手に「国書からが良い」などと言い、決められた名で呼ばれるのは自分なら我慢できませんね。そもそも元号が中国から来た制度なのだから中国に倣うのがそんなに嫌なら元号なんて廃止すればいいんですよ。

 一世一元になったのは明治からなので実に浅い歴史しか無いのですが、その「明治」はいくつかの候補の中からくじで決められたといいます(明治維新の王政復古は元を倒し漢民族の王朝を建てた中国の明王朝を規範とし、明治は「明王朝の治世」を意味している、なんて俗説もあります)。現在日本が国民主権の国家であるなら少なくともいくつかの候補の中から国民投票で選ぶ、ぐらいしたっていいと思うのですが天皇の退位表明から一年以上間があったというのにこの時期になったこと。事前の候補などが一切国民に知らされなかったこの不透明さは正直この国の後進性を象徴する出来事であったと思います。選定過程を秘密にして何の問題があるのか。実際に使用される一ヶ月前に決まったわけですがなぜもっと早く決められなかったのか。そして決まった後で30年間秘密とか言いながら後からボロボロ情報が漏れてくる(おそらくは官邸側からの意図的なリーク)のも情けないところ。「令和」の他にも候補だった元号案が分かりましたが、どうも他の候補案と令和は対等ではなく「平成」の時にそうだったと言われているように暗にすでに政府が良しとした「令和」に導くための疑似餌だったような気もします。個人的には明治同様くじで決めるのが長く使うというなら一番良かったと思うのですが。

 そしてこの改元フィーバーで菅官房長官が「令和おじさん」と呼ばれて持て囃されたり、政権支持率が上昇したりしています。新元号発表の時の官房長官が一躍注目を浴びるのは平成の時の小渕氏、のちの小渕首相の時でも起きたことなので事前に分かっていたことですが、それまで記者会見などで記者を恫喝した男である菅氏をこんなことで持ち上げるのはどうかと思いますし、数々の疑獄がある安倍政権がまるでリセットしたかのように支持率がアップしたりというのは正直日本国民は朝三暮四のサル並みかと思ったりします。

 現状まるで新時代が始まったかのようなフィーバーぶりですが、正直何も変わらないどころかどんどん悪くなっていると思います。それでもまあ30年続いた一時代が終わることは確かなので節目ではあると思いますが。しかし今後が良くなるか悪くなるかは有権者次第。

 1月2月に観た映画のリストと簡易感想を書こうと思いその枕として元号騒動について書き始めたら思いの外長くなってしまったので、独立した記事にしました。映画についてはまた後日記事をあげます。それではまた。

明日は「アベンジャーズ エンドゲーム」観ます。

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*1:積極的に廃止しろとも思わないが、現行の制度(女性天皇及び女系天皇を認めず、かつ新宮家創設もしない)で後継者がいなくなった時点ですみやかに共和制に移行しよう派

*2:前述の通り自分は天皇制には反対の立場ですので天皇皇室といえども一般の人に対するそれと変わらぬ言葉遣いをします

Gの残光 11月12月に観た映画(2018年の忘れ物)

 新年明けて2019年ももう2ヶ月が経過。皆さんいかがお過ごしでしょうか?この間僕はというと寒さに震えていたり、「GODZILA:King Of Monsters」の新しい予告編を繰り返し見ていたり、ドラクエ6をプレイしていたり*1、胸が痛くなって「死ぬのかな」と思いつつ痛みに慣れたり(数日寝た結果治りました)要するに布団にくるまって寝ていた2ヶ月でした。あったくなってきたんでそろそろブログ更新。とりあえず今回は2018年の残務整理。年内に記事を上げたのは2018年10月までだったので、11、12月に観た映画です。それではまずはリストから(例によって順番は公開順で自分が観た順とは異なります)

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2018年11月

2018年12月

  というわけでなんだかんだ週1~2ぐらいの感じで観てはいるのですね(複数回観てるのも4本ほど)。続いて簡易感想。ちゃんと記事書いたのは(もうほとんど無いけど)リンクの方もご参考に。

2018年11月

  • ヴェノム

 アメコミ版「ど根性ガエル」或いは「寄生獣」。元はスパイダーマンの敵キャラであったヴェノムを主人公としてフィーチャー。シリアスと見せかけてわりとコメディライクな作品。ちょっとどっちつかずな印象も。やっぱり映画の方はスパイダーマンがいない世界(MCUともアメスパともリンクしていない)でその敵キャラのオリジンを描くという物語なのでちょっとつらかったのも確か。エンディング後のおまけシーンでクレタス・キャサディ=カーネイジ?をウディ・ハレルソンが演じてたので続編あるならそのへんは楽しみかな。

 イギリスのバンドQUEENを描いたノンフィクション。2018年最も話題になった作品。僕も何回も劇場に足を運んだ。もしかしたらまだやってるところもあるのかな。アカデミー賞も主演男優賞で最優秀賞を獲ったみたいです。おめでとう。とはいえ監督のブライアン・シンガーは途中で降板、少年への性的虐待疑惑で多分もう商業映画は撮れないでしょう。好きな映画監督だっただけに残念ですが、致し方ない。映画はそしてきちんとブライアン・シンガーの色が出ているのも皮肉なところ。 

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ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)

ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)

 

 アニメのゴジラ第3弾。前作で脳筋ブラックホール第3惑星人が退場して、X星人との宗教バトル。前回、前々回にも増してアクションがない。怪獣プロレスはやらない方針だったらしいですが、さすがに動かなすぎるだろ。何のためのアニメーションなのか?物語はいいんですよ。別に全面肯定ではないですが、宗教的なマインドゲームが中心でもソレはソレで形而上のモスラやギドラも興味深くはありました。ただどうせなら宗教バトルの末に実体がなく物理攻撃が効かなかったギドラに実体が現れ、ソレをゴジラが倒すとかそういう展開が欲しかった。 

  • A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー

 淡々ファンタジー

Ost: a Ghost Story

Ost: a Ghost Story

 

 J・K・ローリング原作「ハリー・ポッター」シリーズのスピンオフ第2弾。今回もローリング脚本でスタッフ・キャストはほぼそのまま。前作がわりと単体として完成されてたのと比べると今回は大河ドラマ的な流れの一片というか、続編への含みを多く残して終わります。物語的にもかなり暗めです。ちょっとクリーデンスのあたりとか描写が雑になってる気もしますが、観客側がある程度あの世界の知識があるのを逆手に取った展開などもあり面白かったです。今回タイトルロールにもなっている黒い魔法使い、グリンデルバルトのクライマックスの演説シーンは圧倒されます。ダンブルドアの若いころとしてジュード・ロウも出演。

 

  • ヘレディタリー/継承

 顔が怖い映画。顔は怖いが映画そのものは世間で言うほど怖くはなかったかな。

ヘレディタリー 継承 [Blu-ray]

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 チャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」を原作としたファンタジー映画。僕は知らなかったのだが、もともとバレエ「くるみ割り人形」には童話の原作があってちゃんと物語がある代物だったのですな。映画は「アリス・イン・ワンダーランド」系の作品だがわりと色々狂っていて面白かったです。主演のクララ役、マッケンジー・フォイが美少女。「インターステラー」に出てた時はまだそばかすの残る幼さで利発そうだけど特に美少女という感じではなかったけれど、今回は神々しいほどに美しい。彼女の動く姿だけでも観る価値はあります。 

 

2018年12月

来る

 ごった煮オカルト映画。多分「ヴァン・ヘルシング」と同じ世界の物語(違)。

来る

来る

 

susahadeth52623.hatenablog.com

 「来る」「ヘレディタリー/継承」「A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー」「ヴェノム」の4本まとめての感想記事。

 原作は「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」にも影響を与えたスース博士の古典的童話。緑の怪人グリンチがクリスマスを盗む映画。過去にはジム・キャリー主演で実写映画化もされていますね。今回グリンチの声を演じているのはベネディクト・カンバーバッチさん、なのだけど僕は吹替で観たので大泉洋でした。原作付きだけあって、イルミネーション作品としてはおとなしめ。爆笑というよりはクスっと笑う感じ。オチがグリンチが村人に素直になって受け入れられてめでたしめでたしってなるのはまあ分かるんだけど、それでもクリスマスをぶち壊してめでたしめでたしになってほしいと思ったりしました。あの村の住人は全員病気です。 

 そんな「グリンチ」の同時上映。待望のミニオン最新作。「怪盗グルーのミニオン大脱走」の挿入か、或いはあの時脱走するの忘れたのか、ミニオンが刑務所を脱走する短編。一応日本語吹替でしたがほぼセリフは無いです。癒やし。

  • メアリーの総て

 昨年の僕のナンバーワン作品。「フランケンシュタイン」を描いたメアリー・シェリーの物語。映画を観て、「フランケンシュタイン」を読んで欲しい。そこに尽きます。  

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メアリーの総て [Blu-ray]

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フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))

フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))

 

 ゲームのキャラクターたちがゲームセンター閉店後になると電源を通して交流してたよ、って物語の第2弾。前作はレトロゲームの悪役(を演じている)ラルフが別のゲームでヒーローをやろうとして混乱を招きつつ、バグ扱いされてた少女ペネロペと友情を深めるという物語であったが、今回はゲーセンを飛び越えてインターネットの中へ。個人的にはもうちょっとレトロゲームのできれば実在するゲームのキャラクターたちとの絡みが見たかったのでちょっと飛躍し過ぎのような気がしてちょっと残念。ただ、その辺を取り払えば映画自体は面白かったです。劇中複雑なのはゲームのキャラクターという設定上、おっさんと少女の友情をどこまで外見で分かる部分で捉えていいのか、ということ。前回悪役としての自分に意義を見出したラルフはすっかり保守おじさんとなっていたりするが一方でペネロペとの友情への想いはちょっと気持ち悪いぐらい。クライマックスで出てくるラルフをコピーした量産バグはラルフのペネロペへの妄執を具体化したようでかなり気持ち悪かった。一方で自分のゲームを捨ててネット上のより過激なレースゲームに鞍替えしてしまうペネロペは無責任のような気もする。

 新しいキャラクターのシャンクは超格好いいです。ディズニーのパロディも多いのだけど、逆にディズニー好きな人は賛否分かれそうな。メリダの扱いなあ。

シュガー・ラッシュ:オンライン(オリジナル・サウンドトラック)

シュガー・ラッシュ:オンライン(オリジナル・サウンドトラック)

 

 

 平成という元号は12月31日で終わるうのではなく4月いっぱい続くので前作で終わり!と思っていたシリーズも一応続いて今度こそ最終作。もちろん名を変えてまだ続くでしょうけどね。新しい仮面ライダー仮面ライダージオウ」は平成仮面ライダー20周年作品というわけで「仮面ライダーディケイド」同様平成ライダー全てをつなぐ作品。とはいえパラレルワールドものだった「ディケイド」と違ってタイムトラベルをテーマにしている。本作はそんな「ジオウ」と前作「仮面ライダービルド」を中心に「仮面ライダー電王」のデンライナーがつなぐ、という形。仮面ライダーファンがイマジンへの願いとして実際の仮面ライダーと会いたい、と想いそれがかなった世界ということでちょっとメタ的な構造も持つ。カズミンを見て「音也じゃないよね?」と言われるような俳優ネタとか。あ、カズミンの活躍が予想外に多かったのは嬉しかったです。

 一番のサプライズは電王パートでの佐藤健の登場。多分この20年の平成ライダー出演者では(活躍する者はたくさんいるけど)、オダギリジョーに次ぐ活躍、ブレイクをしているのは佐藤健だろう(その次が菅田将暉あたり)。「電王」は作品人気からシリーズは長く続いたが、途中から佐藤健は出演しなくなってしまった。もうこの手の作品には出ないのかな?と思ったところで今回の出演ですよ。もちろん野上良太郎として。ただその出演シーンはほぼウラタロスが憑依したスーツにメガネのウラ良太郎として。そこはちょっと残念だったけど、これはもしかしたらその前まで出ていたNHK朝ドラの「半分、青い。」ということで青いウラタロス憑依だったのかな?

 ライダー映画としての完成度は前作「「平成ジェネレーションズFINAL」の方が高いと思うけれどイベント映画としてはよく出来ていたと思います。 

仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER メドレー D.A. RE-BUILD MIX

仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER メドレー D.A. RE-BUILD MIX

 

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 さて、次は2019年の1,2月に観た映画だ!

*1:資格マニアのごとく全部の職業をマスターさせた結果、全員が勇者かパラディンという徳の高いパーティーとなったが戦闘はほぼ肉弾戦でダークドレアムも撃破するぐらいの感じに