The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

元祖相棒! シャーロック・ホームズ

 「相棒」のシーズン8、面白かったね!最終回とその日のお昼の再放送で「相棒」シーズン7最終話をビデオに採ってたのをやっと見終わった。
 「相棒」は寺脇康文が出てた頃にも何度か見たことはあったんだけど、それほど面白いとは思わなかった。熱血漢の亀山薫とより及川光博演じる神戸尊と水谷豊杉下右京のコンビの方が僕とは相性がいいみたいだ。個人的に僕がミッチーのファンでカラオケでは「今夜、桃色クラブへ。」が十八番ということもあるけれど。
 さて、そんな推理劇や刑事物の「相棒物」と言えばその元祖はご存知「シャーロック・ホームズ」シリーズのホームズとワトソン。というわけでガイ・リッチー監督の新しい「シャーロック・ホームズ」を鑑賞。

 僕はアーサー・コナン・ドイルの原作はきちんと読んだことのあるのは「まだらの紐」と「赤毛連盟」とかぐらいでむしろ「アルセーヌ・ルパン」シリーズに登場する「ルパン対ホームズ」とか切り裂きジャック関連のパスティーシュとかの方が多く読んでると思う。
 後はジェレミー・ブレットのTVシリーズ「シャーロック・ホームズの冒険」を見たことがあるくらい。
 上映前の予告編はロバート・ダウニー・Jrつながりで「アイアンマン2」。「アイアンマン」とミッキー・ロークの「レスラー」というそれぞれ自分の人生をオーバーラップさせる役柄で復活した二人の役者の激突!6月公開。今回は早めの公開のようです。
 

物語

 ロンドンを恐怖に陥れた五人の女性連続殺人の犯人ブラックウッド卿を捕まえたホームズとワトソン。ブラックウッド卿は黒魔術をの儀式を行おうとしていた。
 3ヵ月後、ワトソンはホームズとの共同生活をやめ、婚約者と新たな住居に引越しする準備をしていた。ホームズを婚約者と引き合わせるがホームズは彼女を怒らせてしまう。
 ブラックウッドは絞首刑になり、ワトソンが死亡を確認するが彼が生き返ったという知らせが入る。棺桶に代わりに入っていたのはホームズがアイリーンという女性盗賊から探して欲しいと依頼を受けていた人物だった。
 再び調査に乗り出したホームズはテンプル第4修道会という大英帝国の要人にも正式に依頼され、渋るワトソンを無理やり引き込んで事件の捜査を開始する!

登場人物

 従来のホームズ物と違うのはまずワトソンが単にホームズの相棒という役割からもう1人の主人公と言ってもいい役割になっていること。どちらかというとまじめだけど凡人でホームズの引き立て役というのが従来のイメージだと思うけど今回はイケメン(演じるは髪こそ薄いが美男子ぶりは誰からも文句は出ないであろうジュード・ロウ)で優秀な人物として描かれている。実際ワトソンは軍医でアフガンでの戦争で名誉の負傷を遂げた軍人でもある。ホームズが親友と認めているところからも無能であるはずはない。
 そもそもホームズの物語はワトソンが執筆しているという設定である。ホームズを際立たせるために自分を控えめに描写していたとの仮説が成り立つ。だから本来のワトソンはこの作品のような優秀な人物だったのだろう。そして社会人としてはむしろホームズより有能な常識人。
 一方でホームズはこれまで以上に変人として描かれている。部屋の中で弾痕がヴィクトリア女王のイニシャルになるように銃を撃ったり、オリジナルの麻酔を犬に試したり。これも原作にあった描写のはず。大体、ホームズはコカインの常習者であったはず。かなりのコミュ力不足の社会不適応者
 また、本作はアクションが多く、ホームズが格闘をしたりするシーンも多数あるがホームズは「バリツ」という日本由来の格闘技をマスターしていたことで有名。この「バリツ」はイギリス人が柔術を元に創った護身術「バーティス(バーティツ)」の誤表記という説が一般的。僕は個人的に「馬律」と音を当て「暴れ馬を律する格闘術」という説を勝手に作って信じている。 
 今回のホームズは意外に原作に忠実らしい(前述の通り、原作は少ししか読んでないのでなんともいえないが)が、今までのイメージとはかなり違う。「ドラキュラ」や「フランケンシュタイン」が実際の原作と離れてイメージが一人歩きしたようにホームズも映像(あの鹿撃ち帽にフロックコートにパイプというイメージは原作には登場しない)によるイメージが先行していたのだろう。
 とはいえ、今作は既に続編の製作が決定しており、もしかしたら上手く長期シリーズになるかも。今回はストーリーこそオリジナルであったが、原作の長編(「パスカヴィルの魔犬」希望!)を利用したものが出てきても良いかも。
 ああ、そういえばホームズ最大の敵であるモリアーティ教授もほんの少しだけ登場。次回での活躍が期待される。後、少しだけ言及されたホームズの兄、マイクロフトの登場も期待したい。この人の名前から後の「007」シリーズのMになったと思ってるから。
 以前に切り裂きジャックのときも書いたけどこの時代のロンドンってフィクションの舞台としては凄いんだよなあ。事実とフィクションをごっちゃにすれば切り裂きジャックマルクス夏目漱石と「ホームズ」と「ジキル博士とハイド氏」と「ドラキュラ」がほぼ同じ時期にいたことになるし。楽しい時代だったのだ。が、実際に住みたいかといわれればそれはまた別の話。  

完訳版 シャーロック・ホームズ全集 全14巻

完訳版 シャーロック・ホームズ全集 全14巻

僕のゼリー / 今夜桃色クラブで。 (single&video)

僕のゼリー / 今夜桃色クラブで。 (single&video)