The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

右京古美門黒河内、八百屋のお七と槇村正直

 今シーズン、見ているドラマなどを適当に。といっても刑事ドラマと時代劇と特撮ばっかだけどね

相棒シーズン12


 毎年秋から年明けて春にかけての定番となりつつある「相棒」シリーズのシーズン12。新相棒として甲斐享が定着した本番とでもいうべきか。どうしても右京さんのパートナーが変わった最初のうちは腹の探り合いになってしまうから(特に神戸尊の時はシーズン8まるまる使ってやっと右京さんに認められるって感じだったからね)。
 今回はテレ朝の力の入れようも結構な感じでシーズン12第一話を挟む形で劇場版の2と1が放送された(1の方はこの後の日曜日)。日曜洋画劇場枠での連続放送なのになんで2のほうが先に放送されるのか?もしかしたら第一話と何か関係があるのかな?などと思いながら放送当日。その日は関東では昼の再放送では一番最初の2時間ドラマ版を再放送(またその後の夕方の再放送ではシーズン11のそうとは知らず右京さんとカイトくんが幽霊の女の子と出会うという超常現象絡みのエピソードだったのもおそらく狙っていた)。僕は漫画版などで内容は知っていたが実際に見るのは初めて。この回ではその後ほとんど言及されない捜査一課の管理職として係長が出てくるのですな。
 そして第一話。タイトルは「BELIEVER」。まずはカイトくんが変な陰謀論をネットの生中継で流している男にハマりそれを心配したカイトの恋人悦子が右京さんに相談するところから始まる。実は右京さんは自分で見たことはないけれど、幽霊や宇宙人の類は存在すると思っている軽いビリーバーなのですな*1。とは言えさすがにカルトやUFO呼び出しの儀式などを素直に信じるわけでもなく、実際はその裏には10年前のカイトの父、警察庁次長の甲斐峯秋が関わっていた海外での誘拐事件の存在があった・・・
 エルドビアという国名はサルウィンとともに相棒世界では時折出てくる架空の外国で、「劇場版1」の方で5年前の誘拐人質事件が物語の背景となっている。劇場版1の5年前ということは今回の10年前とほぼ同時期で、TV放送を2の翌週、第一話の後に持ってきたのはこういう狙いがあったのですな。おそらくこの辺の事件は今回の犯人とともに最終話あたりでまた浮上してくると思います。もしかしたら「劇場版3」とも関連してくる?とりあえず守村やよい(本仮屋ユイカ)の再登場にも期待。
 後は帝都新聞が出てきたり、右京さんが演技で「亀山薫」の名前を出したりと長いシリーズを活かした細かいネタも多く面白かった。
 そして!捜査一課トリオ略して通称トリオ・ザ・捜一の三浦さんがなんと係長になっていたのです!受かるつもりなかったけど受かっちゃった!という訳で急に上司になった三浦さんに伊丹刑事もどうも素直に接することができない。この係長の存在が2時間ドラマ版の再放送と対になっていたのですな。三浦さんはしかしやはり現場の人のようで張り込み中の伊丹と芹沢に差し入れを持って行った時に足を刺されてしまう。幸い一命は取り留めたものの杖が手放せない状態となり中園参事官が内勤をすすめると言った配慮を見せるもラストで三浦さんは退職してしまう。この決断に接しての右京さんや伊丹の態度がそれそれで切ない。とは言え亡くなったわけでもなし今後のゲスト出演を期待したい。またトリオ・ザ・捜一に新たな人材が加わったりするのかも注目したい。
 とりあえずやはり今シーズン一番注目のドラマがやはり「相棒」であることは間違いない。

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リーガルハイ


 弁護士ドラマのシーズン2。僕は前作の「リーガル・ハイ」は最初の数話は見ていないのだけど、ハイテンションでコメディタッチの弁護士ドラマ。時代劇のスターを要所要所に配置したりと興味深かった。今回は僕は見ていなかったけれど驚異的な視聴率を生んだやはり堺雅人主演の「半沢直樹」の後番組ということで色々と注目されているようだ。第一話には松平健が出てきて直接相対するシーンはないけれど水戸黄門里見浩太朗)と暴れん坊将軍の共演!松平健のキャラクターはまるで「逆転裁判」シリーズに登場しても違和感ないくらいコミック的なキャラクターだったけれどもしかしたら映画「逆転裁判」よりも逆転裁判らしいかも。第2話のイノセントボーイがノートパソコンのキーボード叩くとキーが飛び散る表現など本当逆転裁判ぽい。前作よりコメディ度は増しているようで様々なパロディ(堺雅人自身の「半沢直樹」の決め台詞のパロディも)が登場。
 新キャラクターとしては「平清盛」で源頼朝とナレーションを努めた岡田将生が登場。天然の爽やか人たらしで、正直「清盛」の時に比べると随分演技がこなれてきたなあ、という印象。まあ時代劇とコメディタッチの現代劇を比べるな、という話ではありますが。

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クロコーチ


 長瀬智也主演の刑事ドラマ。原作は作・リチャード・ウー、画・コウノコウジによる週刊漫画ゴラクに連載中。僕は以前の書いたけれど「三億円事件」自体は生まれた時には既に時効を迎えていたのでリアルタイムでの体感というものは当然ないんだけど、数ある未解決事件の中でもなぜか特にこの事件には興味が惹かれてしまい三億円事件をテーマにした作品はついチェックしてしまう。漫画原作で三億円事件をテーマにしているが現代が舞台になっている作品は渡辺潤の「モンタージュ」があってこちらは僕もブログで取り上げたこともあるけれどそれとはまた違った物語。
 原作者のリチャード・ウーは長崎尚志の名前で(主に浦沢直樹作品の協力者としても)知られる人で作品に併せて色々な名義で作品を発表している。リチャード・ウー名義は作画・すぎむらしんいちの「ディアスポリス 異邦警察」に続く第2弾で確かに雰囲気は「ディアスポリス」と共通している。ドラマに合わせて原作(既刊2巻)の方も読んだのだが、原作では2巻の中盤でやっと三億円事件が登場。ドラマの最初から言及されるのとは異なっている。キャラクターなどもドラマで変更されているが、まだ2巻までしか出ていない状態でのドラマ化や三億円事件のドラマでの重要度を考えると連載とドラマ化の企画はほぼ同時進行だったのではないかな、などと推察。重厚さでは今季一番かも。
 主演の長瀬智也は直前に再放送で「タイガー&ドラゴン」のヤクザ噺家を見ていたためか悪徳警官という役柄も違和感なし。同じジャニーズで同世代、長身ギョロ目の香取慎吾と比べると声にドスが効いてるのでこういう役柄がピタリとハマる(ヤクザ演じた回数はジャニーズ一では?)。その上凄みだけでなく愛嬌もあるので妙に憎めない。今回も黒河内という役柄にピタリとハマっている。まあ「せいか〜い」の連呼はちょっと鬱陶しいかもしれないけれど。あと予想外に(というか予想以上に)剛力彩芽さんが可愛いです。剛力さんは「ビブリア古書堂の事件手帖」も良かったなあ。まあ僕はあの作品も原作読んでないんで原作のイメージに最初から囚われていない者の意見ですが。

日本一有名な非実在犯人?三億円事件 モンタージュ

クロコーチ(1) (ニチブンコミックス)

クロコーチ(1) (ニチブンコミックス)

クロコーチ(2) (ニチブンコミックス)

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ディアスポリス-異邦警察-(1) (モーニング KC)

ディアスポリス-異邦警察-(1) (モーニング KC)

 

あさきゆめみし八百屋お七異聞

 ジェームス三木脚本の時代劇。恋焦がれるあまり火付けをし処刑された八百屋お七の物語。八百屋お七前田敦子。僕はジェームス三木大河ドラマの「独眼竜政宗」「八代将軍吉宗」「葵徳川三代」と見ていて、これだけでも日本で最も面白い脚本家の一人だと思っている。物語はどうしても時代劇とはいえ子供の恋愛物になってしまい、このドラマはキャストが全体的に若いせいかちょっと微妙。とはいえ水準以上の面白さではある。このドラマはどうやら「お七冤罪説」を採用しているらしくどういうラストになるか興味深いところ。クライマックスは浮世絵などでも知られている印象的な画であるし、あれを映像で再現してほしいところではある。あ、あとエンディングテーマが坂本冬美の「夜桜お七」でないのは納得いきませんな。主題歌があれだと大分盛り上がりが違うのに!

あさきゆめみし 八百屋お七異聞 上

あさきゆめみし 八百屋お七異聞 上

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八重の桜

 こちらはもう後半戦。戊辰戦争西南戦争も終わり、もう(日清戦争あたりまで)戦争の描写は無し。東北支援ドラマという趣もあれど、後半の舞台のほとんどは京都である。会津戦争では女スナイパー八重の活躍もあったけれど今はもっぱら京都における同志社大学運営の奮闘を夫新島襄とともに描くという感じか。とは言え明治時代に入ってからの描写がつまらないかというとむしろ逆で幕末より面白い部分も多い。特に熊本バンドが入学して以来の会津弁、京都弁、熊本弁、そして英語(更に薩摩弁や長州弁が加わることも)という方言の飛び交う描写は素晴らしいし、何より高嶋政宏演じる京都府知事槇村正直のキャラが素晴らしい。この人と八重の兄山本覚馬(初代京都府議会議長)は京都の運営をめぐって時に協力し時に敵対し複雑な愛憎関係で京都の発展に努めた人物で高嶋政宏の豪快な演技も相まって強烈なキャラクターを印象づけた。この「八重の桜」という大河ドラマ山本覚馬槇村正直というその業績に対してこれまであまり知名度の高くなかった二人の人物を強烈に印象づけただけでも作られた価値はあったと思う。
 残り2ヶ月ちょっと10回ぐらい。八重の後半生は駆け足になると思うが最後まで見届けたい。そして来春の大河ドラマ黒田官兵衛。結果として2回連続でクリスチャンが主役の大河となりますな。

 

その他

 残りはちょっと駆け足で。
 その他に見ているドラマは「ノーコン・キッド〜ぼくらのゲーム史〜」。ファミコン発売当時を舞台にしたドラマで中学生役としていい大人の田中圭、浜野謙太、波瑠などが演じている。僕は常々言っているように、中学生高校生ぐらいの特に男子役は普通に大人が演じていいと思っているのでむしろ見やすい。劇中メインの登場人物は自分よりちょっと上、僕の兄貴の世代だが、ほぼうなづきながら見れるドラマでもある。
 もう一つはアニメ「ファイ・ブレイン3」と「ログ・ホライズン」。「ファイ・ブレイン」はシリーズずっと見てるので当然のように引き続き視聴。「ログ・ホライズン」は「まおゆう魔王勇者」の原作者の話だそうであちらは最初の話を見て断念したのだけれど、こちらは普通に面白そう。なんだかんだ言っても特にNHKらしくない題材のアニメでもNHKで放送というだけでそれなりのクオリティを保証しているという妙な信頼感はあるんだよね。
仮面ライダー鎧武」は「やっぱりちょっときついなあ」というのが正直なところ。最初のうちのこちらの世界観や設定の認識不足や役者のこなれてない感じを差し置いても僕にとっては「これは仮面ライダーではないなあ」というイメージがそのまま放送された感じだ。まあ「キョウリュウジャー」(コチラは最高に面白い!)の流れがあるので一応見るけれど。僕に取ってはW、オーズ、フォーゼで三部作だったと思うことにしよう。

夢に出る顔だ。

*1:シーズン11で見た女の子の幽霊は右京自身は認識していない