The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

ずっと友達 トイ・ストーリー3


 「トイ・ストーリー」を観賞。予告編は「トロン・レガシー」と「インセプション」。予告編で泣き出す子供多数。親が何人か連れ出してた。
 前説の短編アニメ「デイ&ナイト」はCGとセル(便宜的にこう表現します)を組み合わせたパントマイムアニメ。泣き止んだ子供が席へ戻る。
 
 第1作目の「トイ・ストーリー」を見たのはちょうど劇中のアンディと同じ歳頃だった。友人たちと試写会で見た。その頃は初の長編CGアニメ映画ということでもっぱらその技術の方が話題になってたし、実際「意思を持つおもちゃの話」ということで話そのものは「どうせ、子供向けだろ」みたいな気持ちだったと思う。しかし見終わればむしろキャラの魅力と練られた脚本の素晴らしさに圧倒された。その後ピクサーはCGアニメのパイオニアとして続々と新作を製作するわけだがその最初の作品の第3作目にしてシリーズ最終作。
 
 1作目は

 アンディのお気に入りのおもちゃウッディが新入りのハイテクおもちゃバズ・ライトイヤーに嫉妬してさあ、大変。ひょんなことからアンディと離れ離れになったウッディとバズ。2人は果たして無事、アンディの元に戻れるか?

という話で、2作目は

 ウッディは実は価値の高いアンティークなおもちゃだった!ひょんな事からコレクターの手に渡ってしまったウッディ。そこで彼は同じ番組発のおもちゃであるジェシーやブルズアイ、そして箱に入った状態のプロスペクターから自分の価値と日本の博物館に送られることを知る。助けに来るバズたち。果たして彼らは無事アンディの元に戻れるか。

そして3作目は

 アンディは17歳になりおもちゃ遊びをすることも無くなった。そして大学進学を機におもちゃたちは屋根裏部屋への移動を余儀なくされる、ウッディを除いて・・・
 手違いからゴミに出されてしまった屋根裏組はアンディに捨てられたと思いサニーサイド保育園に寄付されるおもちゃに紛れ込む。
 熊のヌイグルミ、ロッツォに迎えられ保育園は一見おもちゃの天国のようだったがウッディはアンディの元に帰る決心をする。実は保育園には秘密があって・・・

 とにかく楽しい傑作。はっきりいって「第9地区」と並ぶ今年No.1!IMAX3Dで見たけれどもう映像の凄さ云々はおいといて話に圧倒され引き込まれる。冒頭のアンディの過去のおもちゃ遊びから始まって(こういうのも劇中劇というのだろうか)最後の最後まで目が離せない。
 

自分のおもちゃ話をする。

 僕は小さい頃、熊のヌイグルミを大切にしていた(テディ・ベアとは違うやつ)もちろんすぐに別のおもちゃに夢中になるが一時期は大切な友達だった。
 12〜3年前ぐらいに起きたトッド・マクファーレンの「スポーン」から始まるアクション・フィギュアブームを覚えてる人はいるだろうか。その当時既にアンディより年上だったが、多分にもれず、僕もフィギュアを集めたりした。ただ、当時多くの人たちがコレクターとして

  • 観賞用
  • ブリスターバックから出さない
  • コミックは特に興味なし

等といった下手すれば投機目的で購入してるやからもいた。僕はアクション派なので当然箱から出したりギミックを堪能したり子供のように遊ぶこともあった。おもちゃにとってはコレクターに大事に保管されるのと箱から出され(故に傷つき壊れるが)遊ばれるのとはどっちが幸せなのだろうか、などとふと思った。
 17歳どころか30越えた今でも時々おもちゃは買うが(今欲しいのは「トランスフォーマー・アニメイテッド」のトイ)どうしても僕は遊んでしまうのでコレクターには向いていないのかもしれない。

 話を元に戻す 
 おもちゃたちは常に自分達の価値を確認しあっている。子供に大切にされているか。きちんと遊んでもらえるか。そしてその子供達がやがて大きくなれば自分達から離れてしまうことも悟っている。おもちゃは主人を選べない。だから酷い目にあうおもちゃもある。
 
 1作目では「新しいおもちゃによる古いおもちゃの危機」。2作目は「おもちゃの価値とは子供なのかコレクターなのか(ウッディ)&大量生産品のひとつとしての自分(バズ)」。そして3作目は「子供が成長すれば自分達はお払い箱になるのでは」といったアイデンティテイ・クライシスを常に描いている。だから保育園という舞台はおもちゃにとって天国のように思える。子供は入れ替わるが常に一定数いる。何年経っても大事にしてもらえる。しかしウッディはアンディを選ぶ。そのいじらしさは泣いてしまう。
 
 保育園の新キャラではロッツォ、ケン、ビッグ・ベビーが面白い。保育園の支配者ロッツォがダークサイドに堕ちた理由とビッグ・ベビーがロッツォを裏切るシーンはスターウォーズのパロかね。個人的に一押しのキャラはケンでバービーの着せ替え男人形でバービーと恋に落ちる。このシーンはBGMが予告編の方が面白かったかな。
 もちろん映像も凄くて特にクライマックスの溶鉱炉シーンは(おもちゃ目線の)世界の終わり的な悲壮感が漂ってて迫力がある。しかし進歩はしてるもののシリーズとしてみた時の統一感が一定なのは驚くべきことだ。僕は1,2作目を見直してから観に行ったけれど違和感はまったく無かった。
 それにしてもアンディは良い子に育ったね。妹が多少いまどき風なのに*11作目で隣に住んでたシドとかどんなDQNになってしまったんだろうかと想像してしまう。
 
 この映画のラストシーンを観て思い出したのは数年前のことだ。実家で整理をしていたら先ほど述べたくまのヌイグルミが出てきた。兄夫婦が遊びに来た際に姪(3歳)にそのヌイグルミをプレゼントしたらものすごい喜んでくれた。現在、既にその姪もヌイグルミ遊びは卒業してるかもしれないが願わくば次の主人の下へ、そのヌイグルミが旅立つことを願う。

吹き替えとIMAX3D

 川崎のIMAXでは吹き替えしかやってなかったんですね。で、前日にシリーズを見返すときも吹き替えで見たし、そもそも3Dで字幕だと字幕が浮いて見えるので3Dなら吹き替えの方が向いてるわけです。
 で、「トイ・ストーリー」の吹き替えといえば唐沢寿明(ウッディ)と所ジョージ(バズ)なわけで当時、山寺宏一がTV出演をするきっかけになったり*2でよく思われないことも多いです。ただ、この吹き替え自体はレベルが高い。もちろん僕も基本的にタレント吹き替えは否定派だけど3DCGアニメに限っていえば相性はいいんだよね。普通のアニメや実写映画のほうが酷かったりする。シリーズを通しての統一感もあるし吹き替えだからと敬遠するのは損です。ただ、所ジョージはパンフで「今回始めて真面目にやった」とか言うなよ。冗談でもそういうこと言うから「シンプソンズ」で酷い目にあうんだぞ。
 3Dは過去に何度かその欠点(主に眼鏡について)述べてきたけど今回新しい欠点も発見。過去には、

  • メガネ・オン・メガネは辛い
  • 首を傾けると画面が2重になる(常に正面から見なければならない)

等を挙げましたが新しい欠点は、
涙がボロボロ出たら眼鏡に涙が溜まるし前が曇るよ!
 ラスト数分、号泣でした。

 

*1:ウッディの恋人だったボーが既にいないがこの妹が落として割ったと予想

*2:もともと山寺ウッディ、玄田哲章バズで録音済みだったが知名度から唐沢、所に変更された