スーパー戦隊で人生を振り返る その1
スーパー戦隊が好きだ。振り返ればスーパー戦隊シリーズだけはほぼ欠かさず見ている。単純に好きなヒーローと聞かれれば、多分デンジマンが8位ぐらいに入る程度であるがシリーズでは1位ではないだろうか(ちなみに好きなヒーローの1位はダントツでバットマン)。
調べてみると戦隊シリーズの1作目「秘密戦隊ゴレンジャー」は1975年の製作である。これは僕の生まれる2年前(僕は1977年生まれ)。そして僕の生まれた次の年に「バトルフィーバーJ」が始まっている。そして「太陽戦隊サンバルカン」以降はずっとリアルタイムで見続けていることになる。途中見なくなった時期もあるがそれでも初回と最終話ぐらいは見ていた。全く見ていないのは「地球戦隊ファイブマン」だけ。
これは、スーパー戦隊を語ることはすなわち僕の人生を語ることにならないだろうか?(強引に話を持ってきたぞ)
そこで今回は「スーパー戦隊で人生を振り返る」と題して俺流なスーパー戦隊紹介をやってみたい。
まずは全部一気に紹介すると長いので大きく4つに分ける*1。
- プレエイジ
生まれる前や直後なのでリアルタイムでは見ていない作品。
- ゴールデンエイジ
実際にリアルタイムで観賞、しかもまるで本当の出来事のように作品世界に没入してた児童期。
- シルバーエイジ
十代になって少しこの手の番組を見るのが恥ずかしくなり、周りに隠れてこそこそ見ていた時期。
- モダンエイジ
一人暮らしを始めてから現在まで。もはや恥ずかしいとか思わなくなり普通に見ている時期。こちらも細かく分けるとオタク的な見方をするプレモダンエイジと大人だけど普通に子供と同じような感じで楽しむポストモダンエイジになる。
とりあえず今回はプレエイジを取り上げる。
1)秘密戦隊ゴレンジャー(1975)
石ノ森章太郎(当時は石森)原作作品。名乗りのシーンなどに歌舞伎の白波五人男を参考にした画期的な集団ヒーロー。僕は勝手な推測で石ノ森がゴレンジャーを創造した際に「X−MEN」のオリジナルメンバーを参考にしたのではないかと思っている。
前半と後半で雰囲気がガラッと違うがよく「懐かしの〜」系のテレビで流れるのは後半の野球仮面とか機関車仮面のコメディー路線のほう。
当然僕はリアルタイムでは観ておらず、後にレンタルビデオなどで見た。
漫画は漫画で後半唐突に「秘密戦隊ゴレンジャーごっこ」になりギャグ漫画となっていた。
メイン五人、赤色がメイン主人公。ゴーグルタイプのヘルメットなど基本は既に確立されている。
2)ジャッカー電撃隊(1977)
石ノ森章太郎原作による第2弾。モチーフはトランプ。禁断のサイボーグ戦隊で、最初4人だったが後に司令官の番場壮吉(宮内洋!)がビッグワンとして登場。主人公の座をさらう。
当然リアルタイムでは未見。石ノ森原作による戦隊シリーズはこれで最後。
この2作は原作者が違い、巨大ロボが登場しないため、「戦隊シリーズ」として後の「スーパー戦隊シリーズ」とは分ける場合がある。実際公式にも途中まではシリーズとしてはカウントされてなかった。現在は石ノ森章太郎原作、八手三郎原作合わせて「スーパー戦隊」とされる。
1977年 小覇王誕生。
福島県の喜多方市にて誕生。当然のごとながらすぐにTV観賞できるはずもなく、この前後の作品はリアルタイムでは見ていない。ただ、僕には7つ上の兄がいてちょうどこの頃そういうのに夢中だった年頃で、玩具や本は気付いた時には存在した。
1978年 スパイダーマン (小覇王1歳)
ご存知マーベルコミックスのスーパーヒーロー。1978年は戦隊シリーズ(当時はまだシリーズではないが)が休みで代わりにやっていたのが東映がマーベルと提携して製作した第1弾の「スパイダーマン」。スパイダーマンを日本で製作するに当たって当初はオリジナルのピーター・パーカーが日本にやってきて日本のヒーロー、ヤマトタケルと協力して悪と戦う、という風にするつもりだったようだが後に設定から完全に違うオリジナルヒーローとなった。ただしコスチュームやスパイダーマン独自のアクションは原作を引き継いでいて、原作者スタン・リーにも評価は高い。
特筆すべきは巨大ロボ、レオパルドンで等身大ヒーローと巨大ロボの組み合わせはスーパー戦隊だけでなくメタルヒーローの元祖とも言える。ちなみにほとんど可動しないレオパルドンは放映時間の後半に出てきて敵を瞬殺することから特撮史上最強説も名高い。この作品のおかげでスパイダーマンは日本人の間では知名度だけは高かったが本当の設定が一般の日本人にも知られるようになるにはサム・ライミ版の映画「スパイダーマン(2002)」を待たねばならない。日本版とオリジナルの違いはキャッチフレーズを比べるのが最も解りやすい。
日本版
地獄からの使者、
スパイダーマン!
アメリカオリジナル版
貴方の親愛なる隣人
スパイダーマン!
同時期に池上遼一によるマンガ版「スパイダーマン」もあるがコミカライズではない。こちらはこちらで非常にヘヴィな作品。後半ほとんどスパイダーマンの衣装が登場しない・・・
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3)バトルフィーバーJ(1979、小覇王2歳)
モチーフは国旗。マーベルとの提携第2弾。スパイダーマンに引き続き今度はキャプテンアメリカを主人公にと考えていたらしい。さすがにキャプテンアメリカをそのまま持ってくるわけにはいかず、日本風にアレンジしバトルジャパンとなった。ミス・アメリカはミズ・マーベルがモデル(怪力&飛行能力の持ち主だったが、ローグに超能力を吸収されてしまったキャロル・ダンバース)。そのせいかデザインは非常にアメコミ的。
それぞれのコスチュームがばらばらで最初から集団ヒーローとしてデザインされたというよりもアベンジャーズやJLAのような独立したヒーローがチームを組んだ感じ。デザインそのものは秀逸で特にバトルケニヤのデザインは単独ヒーローとしてもいけると思う。
特筆すべきはバトルフィーバーロボでその武者々々したデザインが格好良い。後の変形合体ロボと違って変形を必要としないためか可動に無理がない。
敵はオウム先取りのカルト教団で、幹部より怪人のほうが地位が上であった。
この辺は兄が見ていたようで主題歌のレコードが家にあった。
4)電子戦隊デンジマン(1980、小覇王3歳)
ほとんど面影はないがマーベルとの提携第3弾。ほとんど同じながら色別されたコスチューム。ゴーグルタイプのヘルメット、巨大ロボとスーパー戦隊としてのフォーマットが一通り出揃った記念碑的作品。「007」でいうところの「ゴールドフィンガー」的存在。
僕はこの作品をリアルタイムでは見てないはず(兄貴が見ていて一緒に見ていたかもしれないが記憶になし)だが、小学校3、4年ごろに早朝再放送していたのを夢中になって見た。既に後発の作品を見ていた目にも面白く特に敵側のキャラクターに夢中になった。
ベーダー一族のへドリアン女王を演じるのはご存知曽我町子。当時は黒柳徹子だと思っていた。亡くなる数年前に国分寺のお店で挨拶したときのことは忘れない。
そして実は僕が夢中になったのは途中から参戦する豪快さんこと「バンリキ魔王」である。この第3勢力の登場による敵の内紛もこの作品から顕著になる。バンリキ魔王の何が魅力ってほとんど海賊なのである。飲んで歌って騒いで飲んで。気に入らないことがあると暴れて腕力に物を言わせる。現実に居たらこれほど嫌な親父は居ないがフィクションとしては魅力であった。後にWWEのストーンコールド・スティーブ・オースティンに魅せられる萌芽が既にあったね。似たようなキャラだと「オーレンジャー」のボンバー・ザ・グレートが近かったが本家豪快さんバンリキ魔王の魅力には敵わない。この魅力を超える敵キャラに出会うには1989年のティム・バートン版「バットマン」のジャック・ニコルソンのジョーカーまで待たねばならない。日本の特撮物の敵キャラでは個人的には今でも1位である。
ロボは巨大戦艦デンジタイガーが変形するダイデンジン。まだ、単独変形。おそらく兄が買ったであろう、超合金のダイデンジンが家にあったので、作品に出会うより先に玩具で遊んでた。
個人的、主観的なシリーズ最高傑作はこの「電子戦隊デンジマン」だと思う。
さて、プレエイジはここまで。次はリアルタイムで観賞してた「太陽戦隊サンバルカン」以降を紹介したい。
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*1:この区分はアメコミの歴史区分を真似しました