The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

恐竜と相棒と 獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦! さらば永遠の友よ

 2014年早くも一ヶ月経過!そして2月はスーパーヒーロー月間です!1日公開の「マイティ・ソー ダーク・ワールド」に始まり、「キック・アス2」「タイバニ ライジング」と続きます。その先駆けとして今回は恒例スーパー戦隊VSシリーズ「獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦! さらば永遠の友よ」を鑑賞。とはいえ観たのは公開初日だったりするので1月半ばなんですが。

 TVの「獣電戦隊キョウリュウジャー」の方はいよいよ来週最終回。どちらかと言えばギャグ満載のホンワカムードで進んできた今回の戦隊もさすがにラスト近くはシリアスな展開に。レギュラー6人にイレギュラーな戦士が4人。そして最終的にはその4人のスピリッツを受け継ぐ更に4人(ジャスミン!)という感じで「マジレンジャー」を越える数の大人数戦隊だけどそれでも混乱することなく展開されるのはさすがです。
 映画本編はおそらく年末のクリスマス前後のあたりかな、と推察。そして今回の売りは前後する新旧スーパー戦隊の共演というだけじゃなくて、過去の恐竜モチーフの戦隊、「恐竜戦隊ジュウレンジャー」と「爆竜戦隊アバレンジャー」も登場するということ。なにげに10年毎に恐竜モチーフの戦隊が登場しているのですな。まあ2度めは偶然、3度めは意図的だとは思いますが。ジュウレンジャー20周年はそんなに違和感感じないけど、アバレンジャー10周年は「もうそんなに経つのか!」ってびっくりしますね。
 前作の「ゴーバスターズVSゴーカイジャー」も全然毛色の違う作品の組み合わせだったけれど、今回も更に異なる作品の組み合わせ。でも似た設定の作品でなくこういうぜんぜん違う作品の組み合わせがいい結果をもたらすのも戦隊シリーズの特徴なのです。監督と脚本は坂本浩一三条陸のコンビ。三条さんはキョウリュウジャーのメインライターというだけでなく実は全話手がけているのですな。これは意外に珍しいことです。とにかくこの「仮面ライダーW」でも組んだコンビが本当に自由にやってるなあ、というのが伝わってきて楽しかったですね。新しいほうがキョウリュウジャーでその脚本家が今回も脚本を担当、しかも恐竜モチーフ戦隊が2つも関わってくるのでどうしても「ゴーバスターズ」側はちょっと出番は少なめ、となってしまうんだけど、それでも元々ゴーバスターズ自体が別働隊を引き受けたり、隠密的な行動が多かったりする戦隊なので別に冷遇されている印象はないです。ただ、ゴーバスターズの特徴であるバディロイドが変身もするビート・J・スタッグを除くとチダ・ニックしか登場しないのとそれもあんまり活躍が少ないのは残念。キョウリュウジャー側の獣電竜との「相棒」との対比の意味でもゴリサキ・バナナやウサダ・レタスも出して欲しかったですね。あとゴーバスターズの特徴である等身大怪人と巨大化した敵が同時に現れる、という構成もできればちょっと入れて欲しかったかも。あ、あと相変わらず坂本監督は太ももが好きですね!
 ただ、ジュウレンジャーアバレンジャーもただ出てきただけではなくきちんと物語の中で機能しているのは良かったです。
 映画は互いの敵をきちんと出しつつ(エンターやエスケイプもきちっと中の人込みで登場!)や、更に新勢力まで登場。「ジュウレンジャー」のグリフォーザーに似たネオグリフォーザーと「アバレンジャー」のガイルトンに似たネオガイルトンが登場する。ただネオガイルトンはともかく、ネオグリフォーザーを見て「お前はグリフォーザー?!」と驚くのはちょっと無理があるかな、という気もしないでもないです。あと個人的に「宇宙大恐竜」というネーミングでどうしても「ウルトラマン」シリーズの宇宙恐竜ゼットンを思い出すのでちょっとでもゼットンの意匠があるとよかったなあ。まあ会社も違うし無理だったんでしょうが。
 VSシリーズの例によってそれぞれバラけて行動したり、キョウリュウジャーが黒い服装の悪に染まってしまうとかお約束の展開もあるけれど、今回はちょっとその辺はあっさり目。ただ、ガブティラの前身である恐竜だったティラノサウルスの声が山寺宏一だったりその辺は豪華。
 あと、今回ゴーバスターズ側ではTVの最後で消えてしまったビートバスターこと陣マサトが登場するけれど、その登場と最期はおそらく「デカレンジャーVSアバレンジャー」におけるアバレキラー仲代壬琴のそれをモチーフにしていると思われる。
 ラストの巨大ロ戦はほぼCGだったのが少し物足りない感じはした。CGでもいいんだけどまだCGって分かっちゃうんだよね。個人的には実写(人入ってる着ぐるみ)に見えるけど人が入ってたんでは絶対無理な動き、とかをCGで見せてくれるようになるといいなあ。

恐竜戦隊ジュウレンジャー

 今回出てきた「恐竜戦隊ジュウレンジャー」はある意味「スーパー戦隊中興の祖」とでも言える作品でここからシリーズとしての幅が一気に広がった感がある。実際「地球戦隊ファイブマン」の時点ではシリーズ終了も考慮されていたそうで、その次の”戦うトレンディドラマ”「鳥人戦隊ジェットマン」の大人向け恋愛路線(と言っても怪人の作戦レベルではかなりぶっ飛んだ話も多かったんだけど)の反動か、一気に子供向けに戻った作品。いわゆるファンタジー戦隊の元祖で*1巨大ロボも意思を持つ神である、ということで特別だった。敵組織も曽我町子演じる魔女バンドーラはじめどこかユーモラスでファンタジーとして徹底していた。また6人目の戦士が登場したのもこの作品が初(1回限りの戦士の登場は過去にもある)。
 わかりやすいモチーフは海外でも同様でこの作品がアメリカのサバンエンターテインメントによって「マイティ・モーフィン パワーレンジャー」としてローカライズされ爆発的な大ヒットとなったのも御存知の通り。これが一個前の「ジェットマン」が元になっていたらここまでヒットはしなかったのではないだろうか。ちなみに「天装戦隊ゴセイジャー」を元にした「パワーレンジャー メガフォース」は設定などから最初のパワーレンジャーのリメイクっぽい感じがします。
 スーパー戦隊16作目にして初の恐竜モチーフとなったジュウレンジャーだが当時の恐竜の一般的意識が反映されていて、恐竜とイイながらプテラノドン、サーベルタイガー、マンモスと5人中3人は恐竜じゃないのがモチーフになっているし(プテラノドン翼竜も厳密には恐竜とは別物)、ティラノサウルスは尻尾を引きずっているいわゆるゴジラスタイル。今回はCGでの登場だけど若干前かがみになって少しだけ今風になっていたかな。ただ巨大ロボである大獣神はいま見ても格好良いデザインのロボだと思う。
 今回登場するのはティラノレンジャー・ゲキで演じるのも当時の望月祐多。当時の精悍な容姿は残念ながらかなり太った中年然とした風貌に変わってしまったけれどJAC出身らしい動きはさすがのもの。桐生ダンテツ役の山下真司と並んでも同い年くらいにしか見えないがそれはまあ貫禄が増したということで(実際は山下真司のほうが15歳ほど年上)。
 素顔で登場するのはゲキだけど、クライマックスでは全員(ドラゴンレンジャー除く)登場する。そのうちマンモスレンジャーゴウシ、タイガーレンジャーボーイ、そしてプテラレンジャーメイの3人は声だけとはいえご本人の出演。当時メイ役の千葉麗子は地元出身ということで有名だったんだよなあ。ゴウシの右門青寿(当時は高安青寿)は「ゴーカイジャー」のラスト近くにもゴウシ役で出演してましたね。

爆竜戦隊アバレンジャー

 アバレンジャーは当時リアルタイムで見ていなくて(この時期ハリケンジャーアバレンジャーデカレンジャーの3本はリアルタイムでは見てなかった)ボウケンジャー放送時ぐらいにレンタルで見た作品なんだけど、スーツのデザインやロボの変形などはかなり好きな作品。爆竜のデザインがかなり当時の研究が反映されてて、ティラノサウルスもきちんと前かがみの尻尾と頭が地面と平行になるデザインになっていた。見た目はホワイトだけどダークヒーローだったアバレキラーも格好良かった。
 今回はアバレッドとアバレブルーが素顔で登場。アバレブルーは「ゴーカイジャー」のアバレンジャー回にも登場。残念ながらアバレキラーとアバレブラックはスーツ姿で登場なし。まあ残念だけどストーリー上は仕方ないわけで(アバレキラーは死亡、アバレブラックは別世界の人)むしろ真摯に作られた結果かな、と思う。一人だけ素顔で登場しなかったアバレイエローの樹らんるは「らんるちゃん!」と名前呼ばれて、声がいとうあいこそっくりだったので本人かな、と期待したんですがクレジット無かったところ見ると別の人のようです。演じてた、いとうあいこさんはもう役者は引退してしまったんだよね。

 

烈車戦隊トッキュウジャー

 さて、全て(エンドクレジットも)終わった後、実は生き延びていたネオガイルトンがメサイヤカードでネオメサイヤになる。するとそこに現れたのが新戦隊烈車戦隊トッキュウジャーだ!初の電車モチーフ戦隊。なんだかデザインも地味だし、ネーミングもダサいし、なおかつ各キャラクターの名前が「トッキュウレッド」「トッキュウブルー」とかではなく「トッキュウ1号」「トッキュウ2号」なのだ。最初に見た時は「なんだか公認様と言うより非公式な、あるいはローカルヒーローみたいだなあ」、などと思ってしまったのだが、そこは戦隊、動くとそれなりに格好良いし、これがまた良く動く。まあ、戦隊の場合毎回新戦隊が発表される度に「今度はまたダサいな・・・」というのが定番になっているがいざ番組が始まると「格好良い!」に変わるのであんまり心配してない。
 今回の売りは1号から5号までがそれぞれ互いのカラーにフォームチェンジして戦うというところか。つまり1号(レッド)がピンクになったりブルーになったりするのだな。もちろんそれぞれに個性的な特徴がありそれを使い分ける、ということなのだろう。
 劇場で観た時は完全に終わったと思ったところでの登場で、子どもたちは唖然としていたけれど終わった後はいわゆる駅のホームアナウンス風に告げられる「キョウリュウジャーの次はトッキュウジャー、トッキュウジャー」というフレーズが子どもたちにはマストだったらしく明りが付いた後はお子様たちは各自このフレーズを連呼していましたですよ。
 来年辺りは同じ電車モチーフの「ゴーゴーファイブ」のグランドライナーや「マジレンジャー」のマジシャイントラベリオンとかがゲスト出演したりするVSシリーズが作られるのかなあ、などと思ったり。でも「ゴーオンジャー」の古代炎神は今回も次回も呼んでもらえないの(泣)。
 とか言っていたら「トッキュウジャー」のメインライターが小林靖子さんということで、むしろ「仮面ライダー電王」とのコラボの方がありえるんじゃないか、と言われて、そっちのほうが可能性が高い気がしてきましたな。

関連記事

VSシリーズ最高傑作! 特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE

前作。この時のことがきちんと言及(ゴーカイジャーの名前も出てくる)されたのも連続性があって良かったですね。多分この時はキョウリュウジャーの2〜3話ぐらいで、キョウリュウジャー同士も互いの正体を知らなかった時期だと思われます。
 
角なし角竜行状記 ウォーキングwithダイナソー
同じ恐竜もの、というわけでコラボもしてるみたいです。

 キョウリュウジャーもいよいよラスト。その前の最終話1話前の時点ですでにこの上ない盛り上がり。来週は座してその最終回を待て!

*1:ファンタジー要素自体はそれ以前にも「チェンジマン」や「ターボレンジャー」などでみられたけれど