死者は黙して語らずか? ラブリーボーン
ふう、やっとアクセス数が日常に戻った。短い栄光だったぜ。とアクセス数が減って安心してるヘタレな自分がいる。
さて今日は久々に映画を鑑賞。作品はピーター・ジャクソンの新作「ラブリーボーン」。
まずは予告編。「アイアンマン2」が流れる。ロバート・ダウニー・Jr頑張ってるなあ。とりあえず予告編ではサミュエル・L・ジャクソン叔父貴は出てる。ローディ役はドン・チードルに変更。期待の悪役は「レスラー」のミッキー・ロークとブラック・ウィドウのスカーレット・ヨハンソン。何だかキャストだけ聞いてると現場が大変そうだけど無事完成したようで良かった。他の「マイティー・ソー」や「キャプテン・アメリカ」も頼むぜ!
さて本題。
ピーター・ジャクソンは「さまよう魂たち」から劇場では見てるけどやっぱり「指輪物語」3部作と「キング・コング」。その二つと比べると本作は小粒な印象は否めない。でも僕の好きな「乙女の祈り」を想起させて個人的にはすごい好きな作品だと思った。ただ、はっきり言って突っ込みどころとかは多いし、多分(原作を読んでないせいもあって)理解の及ばないところがあった。
まずはストーリー
私、スージー・サーモンは1973年12月6日14歳で殺される。天国とこの世の狭間の世界にたどり着いた私はホリーと名乗る少女に案内されて天国へ行こうとする。
しかし、まだ、犯人は見つかっていない、私の遺体も見つかっていない。
しかし、死者は家族に思いを伝えることは出来ないのだ・・・
唐沢なをきの4コマに「イタコ探偵」というのが会って恐山のイタコが殺人の被害者の霊を呼び出して真犯人を見つける、というものだがまあ、それが出来れば未解決事件も8割は解決するだろう*1。
僕も最初は殺された少女の霊が家族に手がかりを出しながら真犯人を捕まえる、という話だと思っていた。ところがスージーは家族に思いを伝えることは出来ない。霊感の強い少女や感受性の高い弟など一部の人間はなんとなく感じ取ることは出来るが、具体的にメッセージを伝えることは出来ないのだ。
スージーの父親役にマーク・ウォールバーグ、母親役にレイチェル・ワイズ。ボストン生まれの元ヤクの売人とイギリス出身のインテリという不思議な組み合わせ。「猿の惑星」と「ハムナプトラ」と言うと違和感ないけど。祖母役にスーザン・サランドン。「ロッキー・ホラー・ショー」のジャネットもおばあちゃんになってしまいましたか。
とはいえ、この映画は主人公スージー役のシアーシャ・ローナン*2が最高にかわいい。最近来日してその美少女ぶりを振りまいてたが映画の中では快活で健康的な誰からも好かれそうなティーンエージャーを演じている。
まずはその美少女振りを堪能して欲しい。
そんな彼女と相思相愛になるのはイギリスから来たインド人レイ・シン(これは役名)。うらやましいぜ。
犯人役は最初ルーク・ウィルソンかと思ったんだけどよく見りゃ違ってスタンリー・トゥッチ。
スージーが死んだ後の世界をずばりビジュアルで見せてくれるけど、キリスト教的なのかどうかいまいち分からないけど、それこそ「Dr.パルナサスの鏡」の想像の世界みたいに死者の心象を反映するみたい。もともとが「ブレインデッド」の監督だと思えばいくらでも激しくグロくも出来ただろうけどあえて抑えたものに。
ラストについては賛否両論なのではなかろうか。原作がどういう結末なのかは知らないけど映画としてはいまいちすっきりしないものである。以下ネタばれアリの突っ込み。
ネタばれ注意!!
犯人が判明し、犯人は逃亡する。その前にスージーの遺体を詰めた金庫を処分しようとするが居合わせたスージーのクラスメイトだったルース(粗大ごみを埋めるところの娘でスージー亡き後のレイの彼女)は不振に感じる。そこにやり残したことがあったと天国行きを中止したスージーが乗り移る。当然、犯人の証拠隠滅を阻止するのかと思いきやレイと愛を確認しキスをする。その間に金庫を粗大ゴミ用の大穴に入れてしまう犯人。
スージーの死後バラバラなっていた家族は再び一つになる。うまく逃げおおせた犯人は別の街で再び獲物を物色してるときに崖から落ちて死亡。因果応報、悪いことは出来ないね!・・・って、ちょっと酷くないかなあ。
だが、冷静に考えるとこっちの方がホラー映画としては有り!だ。スージーは犯人探しより家族や恋人(未満だけど)にメッセージを残すことを優先し、犯人は無事逃げおおせる。現実はこんなものか。結局犯人探しという点では一番活躍したのはスージーを感じれなかった妹リンジーというのは皮肉だ。ラストの犯人の死は取って付けたようで試写会か何かで評判が悪かったから取り急ぎ追加撮影したのではないかと邪推してしまう。
とりあえず、物語を深く理解するためにも原作を呼んでみようと思う。
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シアーシャの別の写真。
個人的には劇中のシアーシャのほうが素敵だな。
ぶっちゃけるとシアーシャ・ローナンがかわいすぎてそれだけで満足なのだが作品は好き嫌いが分かれそう。結局ピーター・ジャクソンはどんなに大物になろうと初心を忘れないってことだよ。