The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

天晴れ!!侍戦隊シンケンジャー 

 というわけで日曜日(2/7)に「侍戦隊シンケンジャー」が終わってしまったので新番組が始まる前にTVシリーズの感想。
 まずは僕は最近定番の7人目*1をこう予想した。
小覇王の徒然なるままにぶれぶれ!: シンケンジャー 7人目大予想
 結果は5番目の誰でもない、その時点ででまだ登場してない人物、だったわけで僕も大いにビックリさせられた。ちなみにこの「7人目大予想」の記事は旧ブログ中昨年のアクセス数No.1だった。
 ブラウンさんをカウントしないとして6人目が源太(ゴールド)だから普通はシルバーとかが思いつくところだが何と真レッド!。過去にも本当のレッドという意味合いのキャラは登場したが(「ギンガマン」のレッドの兄、「タイムレンジャー」のリュウヤ、「デカレンジャー」のギョク・ロウ等)ここまで明確にレッドを影武者つまり偽者、とした真レッドはいなかったろう。だから劇中の丈瑠のセリフ

びっくりするほど何もないな

が効果的にしかし悲しみをもって響くわけだ。
 しかも劇中で千明が言ったように本物がダメダメだったらまだ吹っ切れて丈瑠を殿として担げようがこの真レッド、本当の志葉家第十八代当主志葉薫がまた殿(この場合姫だが)と仰ぐにふさわしい人物で、そもそも出てきた理由が「影武者の陰に隠れ、シンケンジャーが戦っているのを見ているのは卑怯」という正義感からなのだからたまらない。その分姫の爺こと丹波が悪役になっていたけど。ところでちゃんと名乗りを上げたシーンがある以上、女性レッドがいてしかも女3人男2人の構成の戦隊は画期的な事じゃないか。
 
 もちろん、最後は驚愕の裏技を持って丈瑠がレッドに戻るわけだが、そこにいたる一連のエピソードはかなり濃いものがあった。
 もともと「シンケンジャー」は過去のシリーズと違って「殿」と「家臣」という組合せで単純に「隊長」と「部下」とは違ったメンバー間の軋轢があった。流之介やことはは最初から丈瑠を殿と仰ぎ、徐々に地位だけではなく一人の人間として丈瑠をリスペクトする。逆に茉子と千明は殿なんて時代錯誤もはなはだしいと思っていたがやはり丈瑠の戦いぶりを見て殿の地位にふさわしい人間と認めていく。で、その殿は自分が本当は影武者であることを騙しているのが苦しくて仲間と距離を置いていた。
 源太は丈瑠の幼馴染で寿司屋だった為、丈瑠と最初から本音の付き合いができた。しかも自分がサムライ出身ではないコンプレックスがあったため(剣術だけではなく古文書を読んだりする修行もあり、決して熱心にサムライ修行してなかった千明でさえ古文書を読めた時の源太の表情)影武者とわかった後も丈瑠とともにした。
 だからメンバー4人が丹波のことを無視して丈瑠のもとに走り、逆に源太が姫を認めて2人で戦う、ということになった時、本当の意味でシンケンジャーは勢ぞろいしたとも言える。

「寿司屋で良ければお供するぜ!」
「・・頼む!」

 敵側も個性豊かだった。特に腑破十蔵と薄皮太夫がかつての「ターボレンジャー」の流れ暴魔のヤミマルとキリカを思わせたが2人とも最後まで外道として死んでいったのが良かった。悪役はこうあるべき。特に十蔵は「正義に目覚めて7人目かな」と思いつつ「そうならないほうがいいな」と思ってたので。個人的には血祭ドウコクが復活した後、もう1,2話かけてその活躍ぶり(暴虐ぶり)を見たかったような気がする。

人間なら人間らしく命乞いして泣き喚けばいいものを。今日上げさせてやろうじゃねえか。命乞いじゃねえ、早く殺してくれって悲鳴をな。突っ込め!シンケンジャ〜!

 後は筋殻アクマロがあっけなさすぎた。「地獄を見たい」というのは「幽遊白書」の左京なんかを思わせて絶対ラスト近くで生きてくる設定だと思ったんだけど。チョーさん演じる骨のシタリは来年の今頃までお預けですかね。ゆっくり休んでください。
 
 「シンケンジャー」は傑作だ。それは間違いない。最初(放送前の雑誌などでのお披露目の頃)は「デザインが酷いな(だって思いっきり漢字だよ)」とか「モチーフは侍と漢字か、パワーレンジャーどうするんだろう」とか*2。ただ、そういう隙があったのが逆に良かったのかいざ、ふたを開ければ傑作となった。逆に新番組の「天装戦隊ゴセイジャー」はデザイン的にかっちりしすぎてるのが逆に不安ではある。
 ただ、シリーズ最高傑作とか言うのはどうかとも思うんだよね。何しろ30年以上続くシリーズなわけで主観的に見ればどの作品の時に実際の子供として見たかで変わってくるし、客観的に見たとしてもフォーマットは共通しててもモチーフやテーマは作品ごとに全然違うわけだし。21世紀に入ってからも「アバ」「デカ」「マジ」とそれぞれ別個の魅力を持つ傑作が続いたりしたわけだし。もしも個人的に聞かれれば「デンジマン」と答えるだろうしね。
 さて、明日「侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!!」を観に行く予定なのでもう一つの主役「炎神戦隊ゴーオンジャー」についても少し。これね大人(というかおっきいお兄ちゃん)には評判悪いんですよ。まあメイン脚本が武上純希というのもあるし。ただ実際の子供の評判は良かったと思うんだよね。逆に「シンケンジャー」とかの複雑な作品は視聴対象メインの児童の評価はどうなのかなあ、と思ったり。その分の大人向けフォローとして及川奈央とか杉本有美とかだったんじゃないのかなあ、と思ったり。まあ長くシリーズやってるんだから色々有り!ですよ。
 ゴーオンジャーシンケンジャーではキャラの個性がまるで違うのでどうかみ合うのか(あるいは「かみ合わないのか」)が楽しみ。
 戦隊物に関してはいずれまとまった記事を書きたい。
 
 最後に小林靖子は素晴らしかった。「電王」の時もそうだけど普通のドラマ含めて2009年最も面白いドラマだったよ!
侍戦隊シンケンジャー 天晴れ!!

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*1:もう6人目は完全に定着してる

*2:パワーレンジャー」は「ゴーオンジャー」を基にした「RPM」で一旦終了らしい