小覇王の選ぶアニメ映画ベストテン!
どうも!約一ヶ月ぶりのご無沙汰でございました。ちょっとネット・パソコン環境に不具合が有りまして、ブログの更新も滞っておりました。スマホから更新してもいいんですが、長文となるとやはりスマホでは不便で、かつキーボードで綴る時とスマホでは文体もちょっと変わってしまったりするもので、もう思い切って一ヶ月の休み、みたいなつもりでした。まあ、この期間、いろいろあって映画の方もほぼ観れていない状態(一方で今シーズン自分史上過去最大にドラマを見ていたりします)だったのですが、またちょっとづつ更新していきますのでよろしくお願いします。
というわけで、復活第一弾は年末恒例(そう!もう2014年も残すところあと2ヶ月なのです!)ワッシュさん(id:washburn1975)のベストテン企画。今年は、
です。アニメ映画というとこれまでのベストテン企画と違って邦画が多く入ってきそうです。とは言えいわゆるセルアニメだけでなく、CG、ストップモーションなど意外とジャンル(物語としての形式ではなく製作方法)も多岐に渡りますね。今年はワッシュさんの定めたルール以外に独自ルール(主に多すぎる候補作品の中から取捨選択するための枷)はなし。それでは早速ベストテンの発表を。
- トランスフォーマー ザ・ムービー(1986年 アメリカ/日本 ネルソン・シン監督)
- ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(1993年 アメリカ ヘンリー・セリック監督)
- 北斗の拳(1986年 日本 芦田豊雄監督)
- ヒックとドラゴン(2010年 アメリカ ディーン・デュボア&クリス・サンダース監督)
- パラノーマン(2012年 アメリカ サム・フェル&クリス・バトラー監督)
- アイアン・ジャイアント(1999年 アメリカ ブラッド・バード監督)
- 機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編(1982年 日本 富野喜幸(現・富野由悠季)監督)
- ヘヴィメタル(1981年 カナダ ジェラルト・バッタートン監督)
- 銀河英雄伝説 わが征くは星の大海(1988年 日本 石黒昇監督)
- マジンガーZ対暗黒大将軍(1974年 日本 西沢信孝監督)
多少の例外は有りますが、これまでのベストテンと違って極端に古い作品は少なく、主にリアルタイムで子供の頃から20代半ばぐらいまでに観て大好きな作品が中心となります。それでは作品ごとに簡単な解説を。
トランスフォーマー ザ・ムービー
実写映画シリーズも大ヒット中の日本発アメリカ育ちの変形ロボットアニメ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」の映画版。G1と呼ばれる最初のシリーズのシーズン2とシーズン3(トランスフォーマー2010)をつなぐ物語。2005年進路上にある星を食らいながら前進する星間帝王ユニクロン。一方セイバートロン星と地球を舞台にしたサイバトロン戦士とデストロン軍団の戦いは続いていた。デストロン破壊大帝メガトロンはサイバトロン総司令官コンボイと一騎打ちの末破れユニクロンの手によって新破壊大帝ガルバトロンへと生まれ変わる。一方コンボイ司令官も命を落としリーダーのマトリクスは若き戦士に受け継がれた…!
デストロンのニューリーダーになった絶頂期のスタースクリーム(直後に死亡)。
以前の「SF映画ベストテン」の方でもランクインした超娯楽作。物語は次々訪れるドキドキの展開にしてほのかに神話性も漂わせる。動画を担当した東映動画がアメリカ側からもらった予算を使いきれず、半分返した、なんて伝説も残る描きこまれたアニメとしての動きも申し分ない。日本では結局劇場公開されなかったがチャンスが有れば一度劇場の大スクリーンで観てみたい。日本でこの映画の代わりに子どもたちに与えられたのがCMのグッバイコンボイキャンペーンとクソゲーとして名高い「トランスフォーマー コンボイの謎」。代わりにもなりゃしないよ…
実は実写映画のシリーズも多分にアニメからの影響は強く、この映画で新登場したキャラなんかもそのうち実写映画の方にも登場するかも(すでにガルバトロンは登場)。最終的にはやはりユニクロンの登場が期待される!
声優もガルバトロンにレナード・ニモイ、ホット・ロディマスにジャド・ネルソン、そしてユニクロンにオーソン・ウェルズ(これが遺作!)と豪華だが日本語吹替も抜群。もっとたくさんの人に観て欲しい映画ですね。
実写版最新作の感想ですが「ザ・ムービー」についても触れています。
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ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
ティム・バートンのクリスマス3部作(この名称は僕が勝手に付けたものだが90年代初頭に連続で作られたクリスマスを舞台にしたバートン作品で残る二つは「シザーハンズ」と「バットマン・リターンズ」)の最後を飾るストップモーションアニメーション。監督はヘンリー・セリックだがやはりこの映画は「バートン作品」といったほうがしっくり来る。バートンがまだディズニーのアニメーターだった頃から温めていた企画で原題も「Tim Burton's The Nightmare Before Christmas」と「ティム・バートンの」と付いたはず。実際この映画の物語や重要な音楽やミュージカルシーンについてはほぼバートンとダニー・エルフマンが二人で進めてセリックは演出のみを担当したとか。もちろんセリックのヴィジョンや技術がなければ実現はせず、彼の監督としての実力は「コラライン」や「モンキー・ボーン」を見れば申し分ないところ。ただ、バートンも後にストップモーション・アニメーションを手がけており、「コープス・プライド」「フランケンウィニー」といった作品やセリックの「ジャイアント・ピーチ」「コラライン」と言った作品を並べるとやはり代表となるのは「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」かな、と。もちろん大好きな作品でここで出てくる楽曲は今でもほとんど空で歌えます。
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北斗の拳
痛快無比!話題騒然の北斗十番勝負!武論尊原作、原哲夫作画の大ヒット作の漫画「北斗の拳」のTVアニメ、そしてその劇場版。一子相伝の暗殺拳北斗神拳の伝承者ケンシロウとその義兄で世紀末覇者拳王ことラオウの戦いを原作やTVとは別にオリジナルで描いた格闘アニメ。北斗神拳の特徴である秘孔を突いて肉体を内部から破壊する描写はTVでは透過光で表現されたが(それでも今なら深夜かOVAじゃなきゃ無理そうな激しい描写)、劇場版では一切の妥協無し!日本のアニメでも有数のスプラッタ描写で人間(主にモヒカン)の肉体が破裂する!牙大王が一族のためにラオウと戦ういい人みたいになってたり、拳王軍が同じ鎧を着たロボット兵士みたいになってたりとオリジナルゆえの違和感も残るけれど、それでも凄まじい肉体破壊と格闘の描写はアニメ史上に残る!クライマックスのケンとラオウの戦いは後に原作のケンVSハンの戦いなんかに影響を与えている?
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ヒックとドラゴン
ここから比較的最近のアメリカ製アニメが続きます。まずは続編の日本公開も待ち遠しい(公開するんですよね?)「ヒックとドラゴン」。ドラゴンとの戦闘が絶えない荒くれ者のバイキングの中で一人冴えない(というか周りがマッチョすぎ)ヒック少年。彼は捕まえたドラゴン、トゥースと友情を結び分かり合うことでドラゴンとバイキングの架け橋となる。
個性的で魅力的なキャラクター、物語、迫力ある描写、そして日本ではおそらく却下されてしまうであろう主人公に起きるラストといいアメリカ製のCGアニメ作品(基本的に傑作揃い)の中でも僕の中では一歩抜きん出た作品。本当に続編が早く観たいです。
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パラノーマン ブライス・ホローの謎
ヘンリー・セリックの「コラライン」も手がけたスタッフによるストップモーション・アニメーション。2013年のベストワン作品。幽霊と話すことのできる少年ノーマンの心理描写も細やかに、ギャグも盛り込みそして最後はキリキリするような結末へ。こちらに関しては本当に大好きな作品で是非過去の感想を読んでもらいたいです。
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アイアン・ジャイアント
毒の強いTVアニメ「シンプソンズ」で知られたブラッド・バードの劇場監督第1作。テッド・ヒューズの原作をイギリスのバンド、ザ・フーのギタリストがピート・タウンゼントが舞台にした物が元になっているが、物語は大分違うらしい(たしか宇宙から飛来した巨大竜とか出てくる)。映画の方はシンプルにロボットと少年の友情を描いたもので、それこそ「ジャイアントロボ」だとか日本のロボット作品にも共通する(しかしアイアン・ジャイアントの描写はアメリカ的)ものでとても感動的である。
1957年のソ連のスプートニク1号の打ち上げが基点となっており、同時期に「遠い空の向こうに」とともに「スプートニク2部作」とか言われていたはず*1。現在はセル風の作品でも(いわゆる3Dではない)CG作品がほとんどなんだけど、たしか手描きアニメーションの最後らへんの作品であったはず。特に主人公であるホーガース少年のお母さんが色っぽいです。残念ながらこの作品はヒットしなかたけれど、監督のブラッド・バードはこのあとピクサーで「Mr.インクレディブル」「レミーのおいしいレストラン」を手がけ、そして実写映画「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」をヒットに導いています。
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機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編
こちらも「トランスフォーマー ザ・ムービー」同様昨年のSF映画ベストテンでもランクインした作品。現在も続くガンダムシリーズのその最初のTVシリーズを3部作で再編集した3作目。以前も書きましたがTVシリーズでは後半病気によって参加できなかった安彦良和が参加したことでほとんどのシーンが新規となり作画も動きも格段にアップ。映画独自の描写(ガンタンクに替わりガンキャノンのハヤト機が登場したり、Gファイターの代わりにコアブースターが登場したり)も加えられ後の続編への含み(ラスト、グワジン艦橋に映るシャアのシルエット)も残しました。
ガンダムシリーズには劇場版だけでも様々な作品がありますが、ここではその代表としてこの作品を。また「イデオン」など富野由悠季監督作の代表としてもこの作品を挙げさせてもらいます。
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ヘヴィメタル
フランスの「メタル・ユーラン」誌のコミックを元にした短編連作アニメ映画。冴えない少年が異世界でムキムキの勇者となる「蛮勇コナン」風のファンタジーから「フィフス・エレメント」の元ネタと思われる近未来タクシー運転手の物語など悪の化身ロック・ナーをめぐるオムニバス。バイオレンスとセックス描写もふんだんに取り入れたアダルトなアニメ映画。「ゴーストバスターズ」のアイバン・ライトマンが製作を務め、音楽はエルマー・バーンスタイン!その他80年代を彩るロック音楽も魅力的です。最後の一番長い物語は宮崎駿の「風の谷のナウシカ」にも影響を与えているとかいないとか。
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銀河英雄伝説 わが征くは星の大海
(予告編見つからなかったので伝説のボレロシーンを)
遠い未来。人類の領域は地球を遠く離れ、専制政治のゴールデンバウム朝銀河帝国と民主主義の自由惑星同盟が150年に渡る戦いを続けていた。やがて各国家にそれぞれ戦争の天才が現れ歴史は大きく動き出す。一人は銀河帝国のラインハルト・フォン・ローエングラム。もう一人は自由惑星同盟のヤン・ウェンリー。
田中芳樹のスペースオペラ「銀河英雄伝説」の最初の映像化。原作外伝1巻の「星を砕く者」*2のラストの戦い第4次ティアマト会戦を映画化。この作品自体はその後OVAとして刊行される4期全110話という並のTVアニメだって中々成し得ない話数で繰り広げられる物語のパイロット版、序章としての色合いが強いけれど、奥田万つ里による美麗なキャラクター。加藤直之による壮麗な宇宙艦船。BGMとしては基本クラシック音楽を使用し(自由惑星同盟国歌、銀河帝国軍軍楽曲など劇中に実際に存在する音楽以外は出てこない)特にクライマックスのラヴェルの「ボレロ」をフルで使用したシーンはこの映画の見どころといっていいでしょう。OVAになってからは英語で歌われるオープニングテーマと小椋佳によるエンディングテーマも素晴らしい。
この作品は別名「銀河声優伝説」とも呼ばれ、アニメもさることながら主に洋画吹替で大活躍されてきたような錚々たるベテラン声優が次々投入されていきました。その声も聞き所。銀河の歴史がまた一ページ。
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マジンガーZ対暗黒大将軍
ドクターヘルの機械獣軍団を壊滅させ一時の平和を満喫する兜甲児と光子力研究所の面々。しかし新たな敵が登場。それこそミケーネ帝国の戦闘獣軍団だったのだ。兜甲児はマジンガーZで立ち向かうが戦闘獣の力は機械獣のそれを凌駕しており、マジンガーZも大ダメージを受ける。絶対絶命の危機に現れたのが偉大な勇者グレートマジンガーだった…!
ラストはこの中では唯一リアルタイムではない作品(他にも多少ずれている物も有りますが基本自分が生まれて以降の作品)。TVアニメ「マジンガーZ」の映画第2弾でTVに先駆けて「マジンガーZ」の最終回を劇場版で描いた。僕は永井豪のロボットアニメの中ではグレートマジンガーが一番大好きでそれは主に搭乗者の剣鉄也に依るところが大きい。デザイン的にはマジンガーZの方がシンプルでそれに比べるとグレートはちょっと角を伸ばして曲げたり、各部分が尖ったりした分かりやすい強調で最初はあまり好きではなかったんだけどやはり鉄也さんの魅力で乗ってるロボットも好きになってくるんですね。もちろん甲児くんもマジンガーZも好きなんですが。ちなみにとっくの昔に登場人物の年齢を越えたいまでも剣鉄也を呼ぶときは「鉄也さん」とさん付けだし、兜甲児を呼ぶときは「甲児くん」とくん付けですね。
「君は誰だ?」
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惜しくも選外作品
ここからは好きだけれど惜しくもベストテン圏外の作品を幾つか簡単に紹介。
横山光輝原作の「鉄人28号」はロボット物のパイオニアにしてやはりパイオニアである手塚治虫の「鉄腕アトム」とともにほぼ毎回同時期にアニメ化され日本のアニメを牽引してきました。この劇場版「鉄人28号 白昼の残月」は2004年のTVシリーズの劇場版。とはいえTVとはまたパラレルなオリジナルです。特筆すべきは舞台となる時代設定が原作が発表された戦後の昭和に設定されていて、しかも単にノスタルジーではない昭和レトロが楽しめます。副題となっている「白昼の残月」は同じ横山光輝原作、今川泰宏監督のOVA作品「ジャイアントロボ THE ANIMATION-地球が静止する日」の登場人物からの流用で今回は映画作品に限る、とのことなので外れましたが、もし単にアニメベストであれば「ジャイアントロボ」は絶対入っていたでしょう。
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- バットマン マスク・オブ・ファンタズム(1993年 アメリカ エリック・ラドムスキー&ブルース・ティム監督)
1992年から始まるブルース・ティムのアニメ「バットマン」シリーズ」の劇場版。原作の「イヤーワン」と「イヤーツー」を合わせてそこにオリジナル要素をぶち込んだ作品でジョーカーの前身なども独自に語られます。この一連のブルース・ティムとポール・ディニの手掛けた作品群(スーパーマンやバットマン・ザ・フューチャーなど)は多数にのぼりますが、劇場版はこれ一作のみ。ただ個人的にはブルース・ティムの絵柄が僕の一番好きな絵柄となるのはこの数年後なので今回は残念ながら圏外。これも映画作品に限らなければ「バットマン・ザ・フューチャー 蘇ったジョーカー」がランクインしたかもしれません。
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- 劇場版『デジモンアドベンチャー』(1999年 日本 細田守監督)
こちら人気シリーズ。「デジモンアドベンチャー」の劇場版にしてTVシリーズ第1作目のプロローグ作品。20分ほどのとても短い作品ですが印象は強いです。認知度と評価の高さでは第2作でTV終了後の「ぼくらのウォーゲーム」(同じ細田守監督の「サマーウォーズ」のプロトタイプとでもいうような作品)が有名ですが僕は1作目のほうが好き(もちろん両方好きですが)。実はボレロの使用、本シリーズ前の序章、という面では「銀河英雄伝説 わが征くは星の大海」と共通するのですな。内容は全然違うけれど。ここではボレロフル使用の「わが征くは星の大海」に譲りました。
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僕がちょうど物心ついた時に「機動戦士ガンダム」があったためか、SF/ロボットアニメ以外でも「1STガンダム以前・以降」ってのがある気がします。ガンダム以降の作品は現代の作品として気軽に見れるけどそれ以前の作品は「さあ、古典見るぞ!」という心構えが必要な感じ。原作漫画付きの作品だと70年代ぐらいの作品でも今でも普通に読めるのだけれどそれを同時期にアニメ化した作品とかは今見るとちょっときつかったりしますね。そうするとアニメって漫画と比べると意外と耐用年数の低いメディアなのかも。もちろん映画となると予算のかけ方も違うのでまた別ですが。
それでは今後もぼちぼち更新していきますのでよろしくお願いします!