The Spirit in the Bottle

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最早ゾンビ映画とはいい難いが… バイオハザードⅣ アフターライフ

 ゲーム発の映画「バイオハザード」シリーズの最新作「バイオハザードⅣ アフターライフ」を鑑賞。

 世間で言うところの「ダメな方のポール・アンダーソン*1」ことポール・W・S・アンダーソン監督の新作にしてシリーズ4作目、そして1作目以来メガホンを取った作品。
 とはいえ僕、この人の作品はほとんど劇場で観ており、別段上手い監督とは思わないけど趣味趣向の点では僕と共通するところがあるのは否定しない。
 

ゲーム版「バイオハザード

 僕は中学高校とあまりゲームをやってなくてその頃はちょうどスーパーファミコン全盛期と重なるのだけど家でたまにやるのはファミコンスーファミの初期の頃は友達のうちで少しだけ、という感じだった。
 大学に進んで一人暮らしをはじめた時、友達に見せられたのがプレイステーションの「バイオハザード」の1作目だった。それまでのブランクがあったものだから、3Dになってたりゲームの内容だったりに凄い衝撃を受けたのを覚えている。
 その後、自分でも「」と「」はプレイしたがハードが変わったそれ以降はプレイしていない。
 余談だが「バイオ〜」は操作方法が難しく、単に十字キーの上を押せば画面の上の方にプレイヤーキャラが動くというものではなく一旦左右のボタンで主人公の身体を進めたい方向に向け、その上で上ボタンを押すとキャラが現在向いている方向に進む、という非常に面倒くさい方法だった。とはいえこの面倒くささが怖さを引き立てていたとは思うが。「メタルギア・ソリッド」など絵的に似たゲームをやってから「バイオ〜」をプレイすると感覚を取り戻すのに時間がかかったのを覚えている。
 話を戻すとつまり僕はゲームの方は「3」までしかプレイしていない(実写映画は全作品劇場で観てる)。

バイオハザード デッドリーサイレンス(NEW Best Price! 2000)

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キャスト

 ミラ・ジョヴォヴィッチをはじめて魅力的だと思えたのはシリーズの1作目だった。「フィフィス・エレメント」で日本で知られた頃は痩せぎすの全然魅力のない女性としか映らなかった。歳を重ねるごとに魅力的になるっていいですね。1作目だと他にミシェル・ロドリゲス姐さんに惚れたのもこの映画だった。そのほか「2」ジル役シエンナ・ギロリー、「3」のクレア役アリ・ラーターなど強い女性を描いているところは非常に共感。実に正しい映画といえる。
 で、「4」はゲームでの1作目の主人公クリスが登場する。演じているのはTVドラマ「プリズン・ブレイク」のウェントワース・ミラーでゲーム、映画ともにクレアの兄という設定だが見た目クリスのほうが若い(20代ぐらいだと思ってた)ので違和感あるなあ、と思ったのだが、後でパンフを見たらアリ・ラーターが1976年生まれなのに対してミラーは1972年生まれで40近かった。見えねー。
 

物語

 物語的には渋谷から始まる。雨の中濡れ続けるゴスっ子中島美嘉。僕なら下心丸出しですぐ声をかけて(逆に)襲われてしまうところだが東京の人間は全員無視。業を煮やした美嘉は目に付いたサラリーマンを襲う。東京でのゾンビ第一号。
 数年後、世界はすっかり荒廃。渋谷の下に巨大な研究基地を持っているアンブレラ社。外資系企業がここまで巨大な施設を地下に建設って相当ありえないとは思うんだが・・・・ネトウヨの皆さんが危惧するのはこういう事態ですね!
 そこで指揮をするのはどうにも演技がつたないアルバート・ウェスカー隊長。襲来するミラ軍団(アリスとそのクローン軍団)を相手にする日本人軍隊(背中に書かれたカタカナの「アンブレラ社」」の文字が悲しい)をあっさり見捨て脱出。基地に仕掛けた核爆弾でミラ軍団も(というか東京)全滅。一人オリジナルのアリスのみ脱出するウェスカーのヘリに乗り込むがアリスの運動能力を制限する(要するに強くなりすぎたアリスの設定をリセット)注射を打ってヘリごと事故る。かろうじて脱出したアリスは生存者を求めて世界を放浪するのだった。

 ここまでが冒頭10分ぐらい。この半年後、アリスはクレアと再会しLAで刑務所に立て篭もる生存者のコミューンと合流し、脱出のためのサバイバルが始まる。
 
 「バイオハザード」といえばゾンビなのだが、この映画のゾンビは何か違う。口がヒトデ状に裂けて人を襲ったりするのだ。また今回は例によって走るゾンビなのだがこういう立て篭もり系のゾンビ映画にはやはりゆっくり歩くゾンビの方が似合うなあ。後は巨漢で巨大な斧鎚を振り回す敵(「サイレントヒル」のレッド・ピラミッドに似ている)が登場するのだが、こいつも一応ゾンビなのか?どうやら先述の口割れゾンビともどもゲーム最新作に登場するらしいのだが、同じ不条理でも「サイレントヒル」とは質が違うのだから多少の説明は必要だよなあ。
 
 物語的には順当に人が減っていき、最終的には主要人物だけが生き残る。
 
 今回は例によってIMAXの3Dで鑑賞。何でもCGアニメやCGメインの「アバター」を除くと最初から3Dで取ることを前提に企画された最初の劇映画ということで確かにスクリーンの客側に向かって何かが飛んでくる描写とか、物越しの画とかが多い。
 後は昨今のアクション映画ではしょうがないのかもしれないが(あるいはゲームに忠実な描写か)妙に「マトリックス」チックなアクションが目立つ(特にウェスカー)。ところでウェスカーは冒頭と最後のは同一人物なの?アリスみたいにクローンじゃなくて?
 
 アクション映画としては良いと思います。爆発!銃!女!カンフー!と基本を全てそろえておりしかも金はたっぷりかけている。ただ、ゾンビ映画としてはどうかというと微妙。てかこれは最早ゾンビ映画とはいえないね。大量に出てくるけどゾンビとしての魅力は乏しい。ラスボスも過去3作に比べると化け物度が足りなくてちょっぴり消化不良。
 このシリーズ毎回ラストに含みを持たせる終わり方をするけれど今回も同様。ラストに出てくるのってシエンナ・ギロリー?アンブレラ社に洗脳されたジル・バレンタインということでいいのでしょうか。てか5作目作る気満々だろこの夫婦*2
 
 このシリーズパンフが大判(B4)なのだが個人的に「大判のパンフレット=中身がスカスカ」の式が出来つつある。B5判ぐらいがちょうどいいよ。

*1:何度か書いてるけどもう一人「天才ポール・アンダーソン」ことポール・トマス・アンダーソンが存在するためこのように揶揄される。

*2:ミラとポール・W・S・アンダーソンは夫婦です