キック・アス in 映画秘宝まつり
昨日は無事当日券で「第3回したまちコメディ映画祭in台東」の「映画秘宝まつり」に行くことが出来た。しかし僕はイベントごとになると雨に遇うなあ。まあ、もしも当日券が買えなければ普通に観光して帰ろうかな、と思っていた。浅草行くのも久しぶり。中学の時、修学旅行で来て以来かな。あの時は落語を見に来て行列がなぜかロック座の看板の前まで続いていてずっとそこで待っていたのだった。落語の最中も合間合間にストリップの音楽と男達の歓声がこっちにまで聞こえてきたっけ。あんまり地方の中学生向きではないよね(付き添いの先生がロック座の方に行っていたという疑惑あり)。
大体、人間旅行で来ると2,3日で色々見て廻るけどいざ住み始めると観光はほとんどしないもの。ソースは僕。京都に4年間住んでたがほとんど観光しなかった・・・
↑とりあえず撮ってみた雷門。
16:30発売の予定で15:30ごろ浅草公会堂に着くと既に30人ほどの先客が。一時間ほど待って無事購入。
17:30から開始。席は3階の端、さらにその中でも後ろの方という僻地。まあ、当日券という時点で予想はしてたけど。浅草公会堂はおそらく映画とかよりコンサートとか演劇とか用の劇場らしく上映が始まっても館内は明るいし収容人数の割りにスクリーンは小さい。
最初は予告編集、30分ぐらいのいかにも秘宝好みといったものばかり。司会の人によると「電人ザボーガー」の初公開予告編と「チョコレート・デリンジャー」の予告編(まだ撮影中)が見所だそうだが、僕が実際に観てみたいと思ったのは「マチェーテ」「ピラニア3D」「エクスペンダブルズ」「スコット・ピルグリムVSザ・ワールド」あたり。多分この中で日本公開が決まってるのは「エクスペンダブルズ」だけだろう。断言してもいいがこの予告編たちの半分ぐらい(特に邦画)は予告編の方が本編より面白いと思う。てか「チョコレート・デリンジャー」は絶対本編は目も当てられない出来になるだろう。
で、やっと「キック・アス」本編開始。
KICK ASS
注意!ネタばれアリです!「キック・アス」の日本正式公開は12月でまだまだ先です。ネタばれしたくない人は気をつけてください!
ニューヨークに住む冴えないオタク高校生(またか!)デイヴはヒーローになりたい、という妄想を抑えられず通販で買ったウェットスーツを改造して「キック・アス」としてデビューする。デビュー戦はチンピラに刺される&一般人にひき逃げされる、という散々な目にあうが妙な免疫が出来たのか二度目は大活躍。活動の様子をYou Tubeにアップされて一躍人気者に。
一方その頃、復讐に燃えるマジキチ親子がいた。マフィアにはめられ刑務所に服役し、その間に妻を失ったニコラス刑事は出所の後5歳の娘を徹底的に殺人マシーンとして鍛え上げた。いまや子犬よりバタフライナイフを欲しがる立派な娘(推定11歳)に成長し、見た目「バットマン&ロビン」中身「パニッシャー」のビッグ・ダディとヒット・ガールとしてマフィア相手に皆殺し大作戦を始めるのだった。
憧れのケイティに頼まれ(キック・アスはマイスペースもってます)ギャングと戦うキック・アス。危ないところをヒット・ガールに助けられる。マジモンの登場にビビって引退を決意するデイヴ。だが、マフィアはキック・アスこそ仲間を虐殺して回るヒーローだと勘違い。キック・アスはギャング達に狙われる羽目に!
スーパーヒーローをコメディ化した作品というと「ミステリーメン」とか「アメリカン・ヒーロー」とかが思い出されるが主に人にはない能力を手に入れてしまった、とか既にヒーローがいてそれに憧れるとか非日常の世界がある物が多い。それに比べると「キック・アス」は、本当に我々と同じ、ヒーローなんていない世界でヒーローを目指す少年の話として始まっている。どちらかというと「ウォッチメン」それもミニッツメンの頃に近い感じだ。そういえば「ウォッチメン」のソフトの特典によるとアメリカには本当にコスチュームの自警者がいるはずである。
一応コメディという形なのだろうけどシリアスな部分も沢山あって、例えば後半キック・アスがレッド・ミスト、マフィアのボスの息子(実はデイヴのクラスメイト)がキック・アス特定のために扮したいんちきヒーロー、に騙されてビッグ・ダディとともに拉致られテレビで公開処刑される羽目になる。ヒット・ガールが助けに来るが結果としてビッグ・ダディは死んでしまう。そのことでヒット・ガールがキック・アスを責めるシーンがあるが実はビッグ・ダディも自分達の所業をキック・アスの仕業に見せかけてマフィアの目をそらそうとしてた節があるのでお互い様だ。
ラストは父親の復讐に乗り出すヒットガールとそれに協力するキック・アス。マフィアボスはなかなか強く「ヒット・ガールVSボス」の激しい戦いと「キック・アスVSレッド・ミスト」のへなちょこファイトがカットバックされる様は格好良くも面白い。
ただなあ、「ダークナイト」後の作品は例えコメディでもヒーロー(てかマジキチ親子)ががんがん悪人とはいえ殺しちゃう作品は結構見てて辛いんだよなあ。もう少し理由付けは欲しかったと思う。けっして「教育的に正しい映画」ではない。
しかし、ニコラス・ケイジは楽しそうである。映画の製作も手がけるケイジだが、本作は純粋に俳優としての出演のよう。代わりといってはなんだがあのブラッド・ピットが製作に名を連ねている。
ちなみに最初にビッグ・ダディの姿を見て思いついたのはこれ、
俺はホッケー防具など着けん!byクリスチャン・ベールakaバットマン
会場で見かけたヒット・ガールとキック・アス。主催者用意の人たちだから載せても大丈夫だろう。
ちなみに第2弾の製作も既に始まったらしいです。
水野晴郎談義
映画の後は町山智浩登場!いわく
「「キック・アス」のヒット・ガールに魅せられて皆さんロリロリな気分でしょうからそれを打ち消すために「アス(尻)」つながりでこの話題で行きましょう」(要約)
ってな感じで水道橋博士と「水野晴郎ホモ疑惑」談義。なんじゃそりゃ。
水道橋博士による浅草キッドのテレビ番組に水野晴郎氏が出演した時のビデオを鑑賞。編集によって巧みに水野晴郎がホモであると印象付ける内容。後で氏はテレビ見て激怒したそうである。が懲りずにその後も浅草キッドの番組に出続ける・・・
その後氏が亡くなり、仕事でのパートナーだった「ぼんちゃん(西田和昭)」によるとそもそもホモ疑惑の元ネタは浅草キッドが漫才のネタにしたことが始まり。その後本人達は一切その気がなかったがどうせ否定したところで世間は分かってくれないんだったらいっそのこと、本当にやってみるか、ということになった。ぼんちゃんもいきなり水野氏本人はきついからまずは2丁目の美人ニューハーフから始めて、次に普通の男、おっさん、と徐々にハードルを上げていったが最終的に水野晴郎本人とやる前に水野氏が亡くなってしまったという内容のビデオを見せられる。
むーん、すっかり「キック・アス」の興奮が醒めちゃったじゃないか!
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9/20、追記
水道橋博士による「FUCK ASS(浅草キッドの番組に水野晴郎氏が出演したのを映画まつり用に編集したビデオ)」、劇場では僕も笑いながら見てたけど不快になる人もいるだろうなあ、とは思っていた。実際一部で問題視されているようだ。ただ、水野氏、ぼんちゃんはじめでてる本人たちも半ば分かってやっているとは思う。それ以外の出てないゲイの人たちが不快に思ったのならそれは謝罪せねばならないとは思うが。
僕も書くべきかどうかは迷ったんだが、ぶっちゃけこういうのは自分でも判断が難しい。直接映画とは関係ない話題だったし。
実は「キック・アス」にも主人公が憧れのガールフレンドにゲイと間違われて仲良くするためにそれを利用する、という一連のギャグシーンがある。そういうのも笑えないのはそれはそれで窮屈だと思う。