貴方の親愛なる隣人 魔法使いと弟子
ディズニー×ブラッカイマーという一見すると不安だらけな映画
「魔法使いの弟子」を鑑賞。
これはディズニーの名作「ファンタジア」の一篇「魔法使いの弟子」に基にして実写化したもの。当然、ディズニー映画であのジェリー・ブラッカイマーが製作。なので派手だけど薄味な作品かと思ったらなかなかの良作だった。
物語
現代のニューヨーク。社会科見学中とある骨董品屋に迷い込んだ少年デイヴは突如(でもないが9歳の子供にはいきなりだろう)見知らぬおっさん二人の戦いに巻き込まれる。おっさん達は死闘の末入ったら10年出てこられない壺にともに封印、花瓶の水を股間に浴びたデイヴは話を信じてもらえない上に「お漏らし野郎」の汚名をあびて失意の中転校する。
10年後、お漏らし事件がトラウマとなったデイヴはすっかりコミュ力不足の物理オタクに。同い年の若者に背を向けテスラコイルの実験に命を賭ける日々を送っていた。
ある日、昔の憧れの女性に再会して浮かれるデイヴの元に再びおっさんAことDr.オクトパスが現れる。命を狙われるデイヴを助けたのはもう一人のおっさんB、ニコラス刑事だった。彼が言うにはドック・オックはフォースの暗黒面に堕ちシスの暗黒卿モルガナ(ボーグ・クイーン)の手下と化したダーク・ジェダイで、デイヴはフォースにバランスをもたらす「選ばれし者」だというのだ。偉大なるマスターの元でパダワンとなったデイヴの修行が始まった!
↑ジェダイマスターと若きパダワン
えー、ふざけすぎました、スイマセン。主人公のデイヴはニューヨークに住む物理オタクと言うことで「お前はピーター・パーカーか!」とまたまたツッコミが入るところ。そんなピーターじゃなかったデイヴを鍛えるのがこの映画のプロデューサーでもあるニコラス・ケイジ。師匠のマーリンにより不老長寿を与えられ、彼の後継者を探し続けている。マーリンには3人の弟子がいてそれぞれケイジ演じるバルサザール、アルフレッド・モリーナ演じるホルヴァート、モニカ・ベルッチ演じるヴェロニカ。このうちケイジとベルッチがくっついたため、一人残されたホルヴァートは悪の魔女モルガナの元に走った。
マーリンとかモルガナとかで分かるようにこの話はアーサー王伝説がベースになっている。モルガナは格闘ゲーム「ヴァンパイア」シリーズのモリガンとかの元ネタですね。またアメコミだと「エトリガン」の敵役。今回の映画ではスタートレックのボーグ・クイーンことアリス・クリーグが演じてます。どことなく「サイレントヒル」で彼女が演じた役風。
また、アメコミオタクのニコラス・ケイジらしく随所にコミックを想起させる描写も。デイヴが龍のリングをはめて魔法を駆使する様子は「グリーン・ランタン」を思わせるし、プラズマを出すさまはカメハメ波(あるいは波動拳)。何度もいってるとおりデイヴのキャラはピーターにそっくり。そしてコミックではないが設定が「スター・ウォーズ」だ。多分「SW」に関しては製作者側も意識しているようで劇中でもドック・オックが大学に乗り込んで関係者からデイヴの情報を得るとき魔法で操るのだがこの時「エピソード4」のオビ・ワンがストームトルーパーをフォースで操るシーンに揶揄されている。
魔法の描写などは派手すぎず地味すぎず、今時の映画という感じでテンポも心地よい。単にファンタジーと言うだけでなく一応科学的説明があるのは現代風なのだろうか。僕はラリィ・ニーヴンの作品なんかを連想したのだが最近だと「鋼の錬金術師」風とか言った方が分かりやすいのかな。個人的に好きだったのは魔法を使う「ファンタジア」再現シーンやアクションシーンではなくテスラコイルで音楽を奏でるシーン。テスラコイルって「プレステージ」でも出てたけど本当映像向きのガジェットだなあ。
この曲の印象的なイントロ部分がテスラコイルの電撃音で再現される。
おまけ
ケイジはシンデレラのガラスの靴よろしく師匠に託された龍の指輪を元に選ばれし者を探し出すのだが、これに選ばれた者は最初のうちはこの指輪がなければ魔法が使えない。よってこの指輪はデイヴのものである。その上でもう一度ポスターを見てみよう。
これだとどう見てもニコラス・ケイジが指輪してるよね。
その指輪はお前のものじゃないぞ!
最後に一言。出番はそれほど多くないけれどひときわ印象を残すこの人。
相変わらずモニカ・ベルッチはエロい!
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