The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

僕がドラゴンを一番うまく使えるんだ! ヒックとドラゴン

 今日(17日)は仕事が早く終わったので帰りに映画鑑賞。というか本当は休みだったんだけど「半日だけでいいから」と言われて「ま、最後のご奉仕ということで」てな感じで出勤したのだった。
 9月からずっと休みになるしな・・・
 というわけで「ヒックとドラゴン」を3Dの吹き替えで鑑賞。
  
 実は「特攻野郎Aチーム」を観ようと思ってたのだが、公開は今週末でした。というわけで公開中の中から面白そうで興味がわいたのをチョイスした。だから実を言うとそれほど期待してなかった。
 てか、最近のアメリカの3DCGアニメ軒並みレベル高くない?別に評判の高いものだけ日本でも公開ってわけじゃないし、この平均値の高さはちょっと見るべきところがあるぞ。 
 

物語

 はるか昔の(おそらく)北欧。バイキングの住むバーク島ではバイキングとドラゴンの戦いが続いていた。勇敢な酋長ストイックの息子ヒックはバイキングに似つかわしくない文化系男子。鍛冶屋で修行をしているがいつかはバイキングの勇者になることを目指している。
 あるとき例によってドラゴンたちが島を襲う。ヒックは自分の発明した武器(長距離投網)を使って誰も見たことのない「ナイト・フューリー」を仕留めるが誰も信じてくれない。次の日、ドラゴンが墜落した辺りを調べるとそこには黒い肌をしたドラゴンが。ヒックはドラゴンを殺そうとするがどうしても殺せない。縄を解いてやったが尾びれを失ったドラゴンは飛び立つことが出来ない。やがて「トゥース」と名づけたそのドラゴンとヒックの間に奇妙な友情が芽生えてくる。
 一方、ドラゴンの巣探しに躍起になるストイックはヒックにもドラゴンを倒す戦士になる訓練を受けさせる。最初は足を引っ張ってばかりのヒックだが、トゥースとのやり取りの中、ドラゴンの生態を把握し、武器を使わなくてもドラゴンたちを言い聞かせられるようになる。
 ヒックは鍛冶屋の腕と発明の才を生かし、トゥースに人工の尾びれを作る。それはヒックを乗せてヒックがコントロールすることによって自由自在に空を飛べるようになる。互いに切り離せない存在になる二人。だが、ヒックが憧れる勇敢な女子アスティに秘密を知られてしまい・・・

 ヒックは別に情けない存在ではない。彼が社会の中でダメ呼ばわりされるのはあくまでバイキング基準での話だ。彼は頭がいいし、心も優しい。機転も利く。彼はパワー超人の中に一人生まれた頭脳超人のようなもの。あるいは周りが格闘家ばかりなのに学者になってしまった孫悟飯みたいなキャラ。どうでもいいが敵と心を通わせ和解するって本来なら悟飯の役割だと思うけどそれをやったのはミスター・サタンだったな。
 彼は自分の足りない部分(恵まれた体格や腕力)を自覚せずにバイキングの戦士になろうとするが中盤から自分の持ち味を生かす道を選択する。結果がバイキング初のドラゴンライダーだ。
 バイキングたちは一種の戦闘民族なので戦闘に関連すること以外には妙に疎い。長年のドラゴンに対する知識を集めた本があるのだが、大抵は

デッドリー・デンジャー
 灼熱の炎を吐く。
 対処法、見つけたら殺せ!

みたいな、なんだかなクリンゴンが文化が進んでも医学が発展してないみたいな感じ。だからドラゴンと過ごしてその生態を知ったヒックにはかなわない。
 

 

バイキング学園

 中盤のドラゴン退治の訓練はちょっとした学園物の雰囲気。みんなの中心で主人公の憧れるヒロイン(アスティ)がいて、彼女にちょっかいを出すジョックス、意地悪な双子、知識だけは豊富なブレインなどがいたりする。
 そんな中で最初は厄介者だったヒックはだんだんヒーローになっていく。それに嫉妬するアスティ。知られる秘密、始まる恋。学園物のお約束が短いながらもてんこ盛り。これは思わぬ儲けだった。

 

怪獣大戦争

 そして、これは怪獣映画でもある。トゥースをはじめとする個性豊かな種族が揃っている。

  • ナイト・フューリー

 トゥース。黒い肌を持っているので闇夜に紛れるので誰も見たことがない。

  • デッドリー・デンジャー

 頭のでかいカラフルなドラゴン。

  • グロンクル

 太って食欲旺盛なドラゴン。

  • モンスター・ナイトメア

 全身に炎をまとう最もドラゴンらしいドラゴン。

  • ダブル・ジップ

 二つの頭を持つドラゴン。それぞれガスと炎を吐く。
などなど。これらはバイキングの村を襲うのだが、圧倒的というわけではなくバイキングと一進一退なところがいい。
 で、一番はドラゴンの親玉、というか他のドラゴンを恐怖で従えてた感が強い巨大ドラゴン。こいつの巨大感が半端なくその周りで沢山のドラゴンが飛び交う様は非常にスペクタクルで見ごたえがある。他のドラゴンに比べると外見的には普通でちょっと恐竜ぽかったりするのだがきちんと炎を吐いたり空を飛んだりする。この辺実写顔負けの迫力であんまりアニメを見てる感じがしない。もちろんクライマックスではヒックとトゥースのドラゴンライダーが活躍するのだ。
 

ゲゲゲなラスト

 ラストシーンを見たときは少し吃驚した。ヒックは戦いの末片足を失う。もちろんそれまで重要な人物の一人が片手片足で登場はするのだがまさか、という・・・
 それにもましてそのことが劇中でそれほど大事として捉えられていないこと。別に一つの個性じゃん、的な感じで受け止められているのだ。日本なら絶対これで余計なお涙頂戴エピソードを入れてしまうだろう。
 余談だが17日の「ゲゲゲの女房」で水木さんが片腕であることを自然と受け入れてた子供が周りの入れ知恵(?)で疑問を持つという展開だった。
 最初の方でヒックはストイックに自身全部を否定されたりしていたが、ラストは義足も含め全てを肯定される。素敵なラスト。
 
 そして、バイキングとドラゴンの間に平和が訪れた。

ヒックとドラゴン〈1〉伝説の怪物 (How to Train Your Dragon (Japanese))

ヒックとドラゴン〈1〉伝説の怪物 (How to Train Your Dragon (Japanese))