道化の世界
ハーレイクイン(ハーレクイン)といえばヨーロッパ中世の宮廷道化師のことだが、当然のことながら僕はこっちを思い出す。
本名ハーリーン・クインゼル。元アーカム・アサイラムの精神科医。早々と名声を上げようとジョーカーの担当になったが逆洗脳される。ピエロの格好で「ハーレイ・クイン」を名乗り、ジョーカーの情婦としてゴッサムで暗躍。ジョーカーと一緒にいない時はポイズン・アイビーとつるんでいることが多い。元新体操選手でもありジョーカーに対する思い入れからバットマンにとっても強敵の1人である。以上。
だけど、この「ハーレイクイン」にひとたび「ロマンス」の単語が付くとまったく別物になる。決してジョーカーとハーレイのラブロマンスではなく、いわずと知れた「ハーレクイン・ロマンス」だ。実は書店でこんな本を見つけた。
「ロマンスの王様 ハーレクインの世界」
- 作者: 洋泉社編集部編
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2010/04/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 白人のヒロインが、
- やはり白人のイケメンと知り合い
- なんだかんだあって
- 結ばれる。
という大雑把なイメージしかないが大体あってると思う。ああ、後表紙のイメージカラーがピンクね。
で、今回ガイドブックを立ち読みしてわかったこと。
もともとはイギリスのミルズ&ブーン社という出版社による女流作家専門のレーベルで、それにはまったカナダ人が北米販売における版権を取得、ハーレクイン社を設立する。
僕が思いついたようなイメージの作品以外にも吸血鬼を題材にしたホラーや「蛮勇コナン」のようなファンタジーなど様々なジャンルで出している。しかしいずれも恋愛小説というカテゴリーは変わらない。 日本での出版は1979年から。
このガイドブックには日本在住の外国人から選ばれた「ミスター・ハーレクイン」が出ている。それぞれ「Mr.クール」「Mr.ラテン」「Mr.ロイヤル」の3人。クールがイギリス、ラテンがアメリカ、ロイヤルがフランス出身の白人でその時点でもうステロタイプすぎてお腹一杯なのだが、中でも特にMr.ラテンのリッチー・ローマが奮っている。イタリア系のアメリカ人で、
「僕は踊りができて、グッドルッキングで、野球ができる」
だから日本では食うのに困らなかった、とか言ってる。お前は何様だ!その才能の一つでも俺によこせ!あと野球ができるから、ってなんだよ!とにかく自信満々。まあ、こういうのがラテン気質ではあるんだろうけど。いじいじしてたらMr.ラテンには選ばれないよね。たとえ人種的には本格ラテンでも。
彼らはハーレクインの作品の表紙を飾ったりもしてるみたいです。
読者対象が女性なのは間違いないけど、どのくらいの年代が対象なのかはいまいち不明。若い人は読まなさそうだしなあ。僕もこのガイドブックは興味がわいて手に取ったけどじゃあ、他の作品を読んでみたいかといわれると全然食指が動かない。多分軽く読み飛ばすには最適ではあるんだろうけど、どうしてもリアルな恋愛ではなく、白人および白人ワナビー向けという印象がぬぐえない。
いや、もしジョーカーとハーレイの恋愛クライムサスペンスが出たらそれは読んでみたいけどね。二人とも顔真っ白だしいいんじゃないですか。ジョーカーはロマンスの王様ならぬ「犯罪の王子」ですからね。
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