人形達の冒険 9 〜9番目の奇妙な人形
ティム・バートンが惚れ込んだ短編を製作し新人が長編化したという「9〜9番目の奇妙な人形」を鑑賞。
これ、先日見た「第9地区」と色々と似てる。両方とも新人が作った短編が大物(ティム・バートン、ピーター・ジャクソン)に認められその製作の元、短編を長編化した。また、タイトルに「9」が入っている。どうでもいいが同時期に「NINE」というフェデリコ・フェリーニ(バートンは現在のフェリーニといわれることもあるね)の「8 1/2」のミュージカルリメイク作品も公開されてるので紛らわしい。さらに言うと本作の監督シェーン・アッカーはピーター・ジャクソンの「ロード・オブ・ザ・リング王の帰還」の製作にも関わっている。人脈が微妙に関連してて面白いね。
元々は11分ほどの短いCGアニメでそこはバートンが惚れ込んだだけだけあってあまりCGっぽくなくストップ・モーション・アニメーションぽく仕上がっている。
こちらがオリジナルの短編。
オリジナルだとキャラクター達は一切喋らずアクションが主体だが、長編になった本作では人形たちは喋るし、その生誕の理由も明かされる。
物語
主人公である「9」が目覚めた時既に創造主である博士は死に、部屋の外は荒廃していた。9は同じ人形である「2」に助けられるがその2は9をかばってビーストに連れ去られてしまう。気を失った9は片目の「5」に助けられる。人形達の保守的なリーダー「1」に逆らって9は5とともに2を助けに行く・・・
最初、人形達が喋らないうちは妙に学生製作のアニメーションにありがちな雰囲気なのだが(もちろん画的には比べ物にならないぐらいこちらの方が優れている)、喋り出すと普通の劇映画の作法になるので一安心。僕はあんまりああいう学生映画は好きじゃないので(自分でも作ってたくせに・・)。
途中でこの世界はマシンと人間の戦争の末、共に滅んだ未来であることが分かる。この設定を聞いて「ターミネーター」を思い出さない人はいないと思うのだがティムはパートナーのヘレナ・ボナム・カーターにも「T4」に出るよう薦めたというし、何気にこの「機械VS人類」という構図が好きなのかも。
麻布で出来たような「9」たち人形は一見するとまるで西洋版の呪いの人形のようでぱっと見は全然可愛くはないのだが、見慣れると妙に愛嬌にあふれている。
特に僕が気に入ったのは双子の「3」と「4」、及び巨漢の「8」。敵側ではコブラみたいなヤツがお気に入り。「7」は唯一の女性で勇敢な戦士。鳥の頭蓋骨を兜にしている。なんとなく「FF9」のフライヤな感じ。
声優陣も豪華で9にイライジャ・ウッド。7にジェニファー・コネリー。そのほかクリストファー・プラマー、マーティン・ランドー、ジョン・C・ライリー、そしてクリスピン・グローバー!なんかが出ている。
音楽はテーマ曲のみダニー・エルフマン。
CGなんだけどあんまりCGっぽくない。スティームパンク風の世界観も僕好み。何だかんだ言って僕はティム・バートンと趣味は一緒なんだよね。
そういえばこの映画は映画館の中のスクリーンの9番目で上映されていた。こういうちょっとした試みは楽しい。ただ同じ劇場で「第9地区」も上映されているので単なる偶然かもしれないね。
- アーティスト: Coheed and Cambria,Danny Elfman,Deborah Lurie,Gavin Greenaway
- 出版社/メーカー: Koch Records
- 発売日: 2009/08/31
- メディア: CD
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