さあ、お前の罪を数えろ!!今さら数え切れるか!!
↑好きなフレーズ
「仮面ライダーW」が無事最終回を迎えた。僕は最終話を残した状態で映画を見に行ったんだけど、ラスボスのユートピア・ドーパント(加頭順)が映画で出てきたNEVER(死者蘇生兵士)であるとか、映画を観ていないといまいちついていけないとこもあるので、映画を観るタイミングとしては園崎家との対決シーンの前に行くのが良かったのかもしれない。
前作「ディケイド」は平成ライダー10周年記念作品ということで全てのライダー(それぞれ世界が違う)と競演するイベント色の強い作品であった為矛盾も半端なかったが、「W」は単独作品の為、特に大きな矛盾は無し。
11作目という区切りの作品の為か、石ノ森章太郎(主人公の名が翔太郎なのもオマージュの一つだろう)の原作・初期作へのイメージに近い部分も多く。風がテーマの一つだったり、Wにはマフラーが付いていたり、実に久々な「これぞライダー」、というデザインだった。そもそも劇中で頻繁に「仮面ライダー」と呼称されるのがいい。
主人公の一人フィリップが物語のキーパーソンであり、彼の出自が物語に大きく関わっている一方、もう一人の主人公、左翔太郎はその過去がほとんど語られることはなく、彼自身は部外者として物語にかかわることになる。
さらに仮面ライダーアクセルこと照井竜は謎のドーパントによって父・母・妹を失っており(つまり照井は「仮面ライダーV3」のオマージュでもある)、物語を陰から演出したシュラウドによると本来フィリップとWになるべきは照井であり翔太郎はイレギュラーな存在であったことになる。
しかしだからこそ彼はしがらみから自由であり結果として陰謀を食い止めることが出来たのだ。
で、個人的に一押しの真の主人公はもう一人の「W」ことウェザー・ドーパント、井坂深紅郎である。この爬虫類顔の男の登場から物語は(個人的に)一気に加速した感がある。井坂先生と園咲冴子の恋愛は劇中ではかなり大人の付き合いであり、異色。彼女を愛したほかの2人、霧彦や加頭に比べれ美男子度を圧倒的に劣るが彼女の愛をしとめたのは井坂先生。個人的には最後まで出て欲しかった。冴子が嫌っていた父親・園崎琉兵衛に一番似ていたのは実は井坂先生だったのではないだろうか。
さらに別の主役と言えるのが物語の舞台、風都、で、こういう特定の街を舞台に据えるのはアメコミチックでいい。街の描写が結構細かくしつこく描写されることで舞台そのものに愛着がわくし、例えば劇場版2作目で街の住民たちが「仮面ライダー」を応援するシーンとかは映画版「スパイダーマン」におけるニューヨーカーを思わせて決して唐突には見えない。これはTVシリーズでの丁寧な描写が生きているからだろう。
さて、物語の大本は最終一話前で終了し、最終話はエピローグに当てられている。個人的にこういうつくりは嫌いではない。余韻に浸る終わり方。ただ、肝心の物語の方は黒幕(というかスポンサー)の財団Xがガイアメモリから手を引いた、とだけ知らされてその本質が解明されていない。47話で女幹部が見ていたファイルに次回作「仮面ライダーOOO(オーズ)」のキーアイテム、コアメダルが載っていた事、劇場版にオーズがゲスト出演してることから「W」と「OOO」は同じ世界の別の場所なのではないか、という説もあるらしい*1。前回の記事でにわさんにご指摘いただきました。
「W」の敵メイン組織「ミュージアム」以外にも出資してる組織は他にもありそうだし、それが「OOO」の敵組織なのかもしれない。その場合、当然Wがゲスト出演するなんてことも考えられるし、久々にはまった仮面ライダー*2なのでその辺も楽しみにしたい。
さあ、お前の罪を数えろ!!
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