The Spirit in the Bottle

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滅びろ、黒毛連盟!

茶髪から見た差別社会日本 茶髪から見た差別社会日本

 「シャーロック・ホームズ」シリーズでも知名度の高い「赤毛連盟」という話がある。

質屋の店主が店員の勧めで「赤毛連盟」という互助組織のバイト募集をたずねる。そこには様々な赤毛の人たちがひしめいていた。店主はその見事な赤毛を認められて、百科事典を書き写すだけという簡単な仕事にありつく。ところがある日赤毛連盟は事務所を閉鎖し忽然と姿を消す。いぶかしむ店主は名探偵シャーロック・ホームズに依頼する・・・

 という名作だけど、このトリックはそもそも人間の髪の色は様々である、という前提がないと始まらない。黒髪もいれば金髪も銀髪もいる。赤毛も茶髪もある。もしも日本ならさしずめ「黒毛連盟」といったところだが基本的にアジアでは再現不可能な話だ。
 人は当然ながら一人一人姿かたちが違う。にもかかわらず均質であることを願う人たちもいる。
 ここでの重要なのは元記事の筆者の髪の色、よりも彼の髪の色を染めさせようとする時に用いられる用法だ。いわく

それは、以下のようなことを言われることが、かなり多いということです。

「俺は別に気にしないけど、社会にはうるさい人もいるから・・・」

「・・・」に入る文言は「黒く染めろ/染めた方がいい」だとか「大変だね」とかです。

 これは僕も気を付けなければならないと思った。無意識のうちに言ってしまっているかもしれない。特に日本人はこの用法が大好きだ。
 社会の他にも、「お天道様が見てるから・・」とか自分でなく第三者を装い伝える、というのは昔からよく使われる手法だ。それでは本当にこの手法を使う人は差別心はないのか?いやおそらくあるのだろう。本当になければむしろその社会とやらからの差別から彼を守るはずだ。彼が自分のままでいたい、というだけなのだから。
 
http://anond.hatelabo.jp/20100624100946
 こちらでも酷い例が載っている。百歩譲って「地毛でなきゃダメ」という規則はよしとしよう。だが「例え生まれつきでも天然パーマはダメ、茶髪はダメ(黒髪、ストレートを絶対とする考え)」だったら単なる人種差別以外の何者でもないのだが。これで思い出したのが少し前になるがこのニュース。

asahi.com(朝日新聞社):茶髪禁止令 シンクロ・水球・飛び込み選手らも - スポーツ asahi.com(朝日新聞社):茶髪禁止令 シンクロ・水球・飛び込み選手らも - スポーツ

 生まれながらの身体をよしとする。タトゥーやピアスとかはダメ。これならまだ理解は出来る(これも本当は危ない。病気や事故で体の一部を失った人が「親からもらった大事な身体を〜」と自分を責めるのならともかく他人に責められる危険がある)。が、身体的に他の人同じでなきゃダメ、は立派な人種差別、例え日本人同士でもね。ましてや今後は違う人種、ハーフなどが増えていくのは必然なのに。そしてこういう差別的規則を強制するヤツに限って「日本に差別は無い」とか言うんだぜ。まずは差別を認めてそれを改善することから始まるんだよ。
 前回の記事同様、
「文句を言うならまずはその通りやって、内部に入って偉くなったら変えてみろ」
という輩はこの話題でも出てくると思われる。既にあったのは「社会が変わるまで待て」か。変わるのを待つんじゃない。変えるんだよ!
 以上、自戒を込めて。