となりのトトロ2010
何かカトキチさんのとこの記事、
にコメントしたらこちらのブログ内で「トトロ」「メイ」「サツキ」などでブログ内検索をする人が多いみたいで申し訳なくなったので久々の再録。
いきなりの「やってましたねえ」は記事を書いた日の当日か前日にTV放送してた事を指します。この記事を書くにあたってDVDなどソフトは見直してません。<初出2008年7月18日>
「となりのトトロ」やってましたねえ。まあ、今まで何度も見たほうのアニメだけれども、今回は少し違った方向から観賞しました。いわゆる都市伝説って奴?
ラストのほうで、実はサツキとメイが死んでるんじゃないかって、あれですが、まあ、影が無いとかは、作画の簡略化とも取れるし、なんともいえませんな。
ただ、映画のモデルとなった時代、場所である殺人事件が起きたのは事実です。通称「狭山事件」という奴で、この事件自体はまだ裁判が続いているらしいので事実は確定されていませんが(差別問題やら何やらで複雑なことになっているようだ)、なるほど、似ている、と思わせる部分はある。
こんなことを言うと、熱心なファンの方は憤慨するだろうし、ジブリは絶対に認めないだろうが、隠れたメッセージとしてこういう事柄を作品にちりばめるというのは、宮崎駿監督ならやりかねない、と思う。
まあ、「本当は怖いグリム童話」ではないが、ただ、楽しいだけならこれほど広く受け入れられなかったわけで、こういうサスペンスの要素を持っているからいつ見ても飽きない作品になっているんだろう。ただノスタルジーなだけの映画ならすぐ飽きられていただろうし。仮に作者が意図しなくてもそういう深読みをされるのが優れた作品ってな物でしょう。
ところでこの都市伝説には2つほど疑問も。
1. 「狭山事件」でまず妹が居なくなり、姉が必死に探している姿が目撃されている。妹は翌日森の中で全身を16分割くらいのむごい殺され方をしていた。そばで放心していた姉はひどいショックを受け、事情聴取に対しても「猫のお化け」「大きな狸に会った」等々、意味不明な証言ばかりしていたという話。
(この文章は響-HiBiKi-さんの当該記事から引用しました)この姉が「猫のお化け」「大きな狸に会った」という話がいくら探しても個人のブログ記事などからしか探せず、出典が不明。これは事件と映画を関連付けるために創作されたとしか思えないのだが、誰か事実を知っている方はいらっしゃいませんか。
2. この都市伝説が広まったのは2,3年前から。作品が発表されたのは1988年。その間まったくこれらの噂がされなかったのはなぜなのだろう。
ネットの発達、といっても10年ぐらい前に出ていてもおかしくないはず。なぜ最近になって急に出てきたのだろう。「えりかとさとるの夢冒険」じゃないだろうに最近まで気づかれなかったのが不思議である*1。
個人的には都市伝説が事実であったとしても作品の価値が変わるわけではないし、多様な見方が出来るのは名作の証しとしておこう。
結論!「狭山事件」を宮崎駿が参考にした可能性は大いにあるが、劇中でメイとサキは死んではいない(ラストシーン見た限りでは死んでいるとは思えない)。
「となりのトトロ」は宮崎駿の作品の中でも名作だと思う。そしてそれまでの架空世界を舞台にした作品とは違う転機になった作品だと思う。スティーブン・スピルバーグの「E.T.」見たいな物だ。日高のり子と坂本千夏の演技も素晴らしい。それだけに近年の宮崎駿作品は非常に残念なのだが(プロの声優を使わないという意味で)。最新作はどうなんでしょうね。
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*1:ゲームソフト「えりかとさとるの夢冒険」にはクリア後に製作者による隠しメッセージがあった。内容は主に製作スタッフに対する罵倒。ゲーム自体がマイナーだったため2004年まで発見されなかった