The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

追悼、デニス・ホッパー

 先日、知人に
「なんか暇だからDVDを貸してくれ。ホラーかくだらないやつな」
と言われて昨日それを見繕っていたのだが、ホラーかくだらないやつってなんだよ!なんだその2択。あるいは「ホラーでくだらないやつ」だったかもしれないが、くだらない、っていろいろと解釈できるぞ。作品の質とは関係なしにシリアスじゃない作品のことかもしれないし、あるいは僕は大好きだけど他人が観たらくだらないと思うだろう、というやつとか(例:「スコーピオ」)、あるいは徹頭徹尾、誰が観てもつまらないやつとか。
 しかし、好きな映画を選んで披露するというのは自分の政治信条を明らかにするのと同じぐらい政治的な事である。自分の趣味だけで突き進んだ方がいいのか?それとも多少は一般的なものを入れたほうがいいのか?
 学生の時社会学のテーマを選んでそれにのっとった作品を5本選び映画祭と称して披露する、という授業があった。へたれな僕は5本中1本だけ世間受けをする作品を紛れ込ませたがさすがに教授に
「その1本だけ少し浮いてるなあ」
と看破されてしまったことがある。
 で、何にするか迷っていたらこんなニュースが、

デニス・ホッパーさん、74歳で死去 『イージー・ライダー』で一世を風靡 - シネマトゥデイ デニス・ホッパーさん、74歳で死去 『イージー・ライダー』で一世を風靡 - シネマトゥデイ

 ああ、デニス・ホッパーの叔父貴、死んじまったんだ・・・以前から余命いくばくもないという話は聞いていたけど、彼の作品は結構見ているのでかなりショック。というかホッパーは僕の親父と同い年なので別の意味でも考えさせられる。うちの親父も一度ガンで入院してるしなあ。
 で、リンク中の記事、最後の方に

主役から悪役、脇役とオールマイティーな演技力で出演作は数多く、『スピード 』『ウォーターワールド』『スーパーマリオ魔界帝国の女神』など幅広いジャンルで活躍した。

とあるのだが・・・「スピード」はともかく後は駄作じゃねーかよ!大体、「主役から悪役、脇役とオールマイティーな演技力」といってる割にここに挙げられたの全部悪役だよ!実に悪意のある作品選択。
 そこで自分のDVDの中から追悼特集としてホッパー出演のDVDを選択することに決定。探してみたら
ランド・オブ・ザ・デッド」と「悪魔のいけにえ」の二本が出てきた。幸いにもホラーという条件はクリアしている。(くだらないやつかどうかは観る人次第)

 ジョージ・A・ロメロ監督の「死霊のえじき」以来のゾンビもの。デニス・ホッパーは生き延びた人間たちのボスを演じている。鼻くそほじったり相手の気をそらした瞬間に銃殺したりと小物感満載の悪役を演じている。この映画のテーマは生きてる間はガソリンスタンドのしがない店員だったとしても、死んでゾンビになればゾンビを率いるカリスマになれるかもしれない、という「希望」だ!  こちらはトビー・フ−パーの至高の名作「悪魔のいけにえ」の12年ぶりの続編。趣はガラッと変わってにぎやかな映画。レザーフェイスが恋に落ちたり、父っつぁんに
「女とチェーンソー、どっちを選ぶ」と迫られたり(悩むなよ。チェーンソー一択だろそんなの)、1作目とは違った見所がたくさん。
 デニス・ホッパーは前作で車椅子に乗っていたフランクリンの叔父で敵討ちに燃える保安官を演じている。ということは正義の味方のはずなのだがやることはチェーンソー二刀流で廃遊園地を破壊したりしてる。狂ったホッパー叔父貴が見れるのは「悪魔のいけにえ2」だけ!(ウソです。他にもいろんな作品でお目にかかれます)
 
 で、これだけだと寂しいので「悪魔のいけにえ2」のチョップ・トップ、ビル・モーズリーつながりで「マーダー・ライド・ショー」と「同2デビルズ・リジェクト」も選択。
マーダー・ライド・ショー SPECIAL EDITION [DVD]

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 こっちも1作目と2作目の趣は違う名作シリーズ。
 デニス・ホッパーは名優というだけでなく、ジェームズ・ディーンの舎弟分であったり、ハリウッドの反逆児とも言われたひとである。確実に一時代が終わったということなのだろうなあ。
 さて、この選択肢を知人が気に入ってくれるといいが・・・
 
R・I・P Dennis Hopper
1936年 - 2010年