The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

ミュージカル映画を見よう!

 皆さん、好きな映画のジャンルというのがあると思うのだけど、僕の場合、SF、ホラーや西部劇、などと並んでミュージカル映画が大好きだ。しかし、このジャンルはホラー映画以上に好き嫌いが激しい。突然歌いだすのが嫌いだとかいろいろ言われる。
 映画の歴史始まって当初のミュージカルというのはそのほとんどが舞台の映画版であり、舞台設定そのものも主人公がブロードウェイの主役を目指す話だったり、突然歌って踊っても不思議でないものが多かった。だが徐々にいろんな世界を舞台にミュージカルは広がっていく。今回は僕のもっているソフトの中からオススメミュージカル映画を幾つか紹介。ほとんどがメジャーどころですぐに手が入る物ばかりだと思うので気になったのがあれば是非。 
 

オズの魔法使

オズの魔法使 70周年記念 コレクターズ・エディション [DVD]

オズの魔法使 70周年記念 コレクターズ・エディション [DVD]

 1939年の作品。冒頭の白黒からドロシーがオズの国にたどり着くと鮮やかなカラーになる。カカシ、臆病なライオン、ブリキの木こりとキャラクターも豊富。僕が始めて見たのはNHKで放送されたオズの魔法使いの声を熊倉一雄があてていた版(DVD版は違う)。当時は思いも寄らなかったが、改めてこれは1939年の製作。これと同じヴィクター・フレミング監督の「風と共に去りぬ」が同じ年に作られた、というだけでも当時のアメリカの国力を思い知ることが出来る。戦時中「ファンタジア」のフィルムを発見した日本軍がそれを見て「戦時中にこんな娯楽映画を作れる国とは勝負にならねえ」と思ったというエピソードがあるが、仮にそれが本作や「風と共に去りぬ」であっても同じ思いをしたことだろう。
 主演のジュディ・ガーランドが可愛い(それでも当時ドロシー役には年齢が高すぎると思われていた)。主人公は最後カンザスのうちに帰る。でもカンザスの田舎よりオズの国のほうが楽しそうだよね。
 小人(マンチキン)がたくさん出てきて「悪い魔女が死んだ!」と合唱する「Ding-Dong! The Witch Is Dead」も強烈だがオススメのナンバーは「Follow The Yellow Brick Road」。

 

ウェスト・サイド物語

1961年作品。監督はSF、ホラー、ミュージカル、歴史大作とあらゆる分野で傑作を撮ったロバート・ワイズ。元はシェークスピアの「ロミオとジュリエット」を基にしたブロードウェイ作品。ニューヨークでロケをしたり、ヨーロッパ系移民(ジェット団)とプエルトリコ系移民(シャーク団)の若者達による抗争劇、などこれまでのミュージカル映画の常識を打ち破った記念碑的作品。
 主演が後に悲劇の死を遂げるナタリー・ウッド。相手役にリチャード・ベイマー。そのほか日本では「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」などでおなじみのラス・タンブリン(今だとアンバー・タンブリンの親父といった方が分かりやすいかも)。ラス・タンブリンはこの前に「略奪された七人の花嫁」などにも出演している。しかし、一番格好いいのはプエルトリコ系シャーク団の親玉ベルナルド役のジョージ・チャキリス(ブロードウェイ版ではリフの役もやった)とその恋人アニタ役のリタ・モレノだ。特にジョージ・チャキリスは惚れ惚れするくらい格好良い。
 「Tonight」や「I Feel pretty(「アラナイズ・ユー」でロバート・デ・ニーロも歌ってた)」など全ての曲が名曲といってもいいがオススメはチャキリスとモレノ他がアメリカの夢と現実を歌った「America」。

 

サウンド・オブ・ミュージック

 1965年作品。オーストリアのトラップ一家の実話を基にした話だが史実とはいろいろと変えられている。なぜかドイツ領に向かって逃亡するラストは語り草だが、当時28歳のジュリー・アンドリュースのそうとは思えない初々しさと数々の有名ナンバーも手伝って名作といえる。
 全ての曲が有名なのだがオススメナンバーは「My Favorite Things」。

 

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ

リトルショップ・オブ・ホラーズ 特別版 [DVD]

リトルショップ・オブ・ホラーズ 特別版 [DVD]

 1986年作品。元はロジャー・コーマン監督が1960年に片手間で撮った低予算作品で若き日のジャック・ニコルソンが歯医者のマゾの客(こちらだとビル・マーレイ)で出てたりする。その後ブロードウェイ作品になり、再び映画化。「プロデューサーズ」や「ヘアスプレー」の流れの元祖といえる。
 明確にジャンル化はされてはいないかもしれないが明らかに「サタデー・ナイト・ライブ」系の映画というのがあって「ゴーストバスターズ」とか「ブルース・ブラザーズ」とか最近だと「エボリューション」とか。で、この映画もその系列に並べていいと思う。リック・モラニスが冴えない花屋店員を演じている。見所はサディストの歯科医スティーブ・マーティン。最初はオードリーⅡが巨大怪獣化して町を破壊する別エンディングだったらしいが現在のものに改められた。オススメナンバーはスラム街の現実を歌った「Skid Row」。

 

ナイトメアー・ビフォアー・クリスマス

 ティム・バートンが長年の企画を実行に移し、ヘンリー・セレックが監督、ダニー・エルフマンが楽曲を担当した人形劇ミュージカル。人形劇といっても一コマ一こま少しずつ動かして撮るストップ・モーション・アニメーションで今でも絶大な人気を誇る。音楽に関しては完全にセレックは蚊帳の外だったらしいがエルフマンのダークだが高揚するリズムは健在で一部キャラの歌声も担当している。ティム・バートンはこの後「スウィーニー・トッド」で実写ミュージカルを手がけるがこれはブロードウェイ作品の映画化のため楽曲がソンドハイムでエルフマンではなかった。一度エルフマンと組んで実写ミューカルを作って欲しいものだ(「チャーリーとチョコレート工場」がそれっぽかったが)。
 オススメはもうオープニングナンバーでいいでしょう!

  

サウスパーク無修正映画版

サウスパーク 無修正映画版 [DVD]

サウスパーク 無修正映画版 [DVD]

トレイ・パーカー、マット・ストーンによるご存知不謹慎アニメ。原題は「South Park: Bigger, Longer & Uncut」で「大きく、長く、そしてカットされていない」という映画と男性器をかけたタイトル。その通りTVでは不可能だった描写が満載。カクカクした動きながらもCGなどもふんだんに使い(というか実質全てCGらしい)戦争のグロ描写もしっかり描く。表現の自由という重いテーマを掲げながら決してイロモノではなく普通にミュージカル映画としても傑作である。オススメは主人公達が大人に立ち向かう決心を見せる「What Would Brian Boitano Do?」とサタンが地上への思いを歌い上げる「Up There」。 


 ついでにこれも、

  

ムーラン・ルージュ

 ニール・キッドマン、ユワン・マクレガー主演、バズ・ラーマン監督のミュージカル映画「映像の暴力とはこういうことだッ!」といわんばかりに洪水のように押し寄せる狂った映像。ミュージカル部分の曲はほとんど既存の曲を使っている。とにかくユワンの歌が上手い!惚れ惚れします。実質過疎状態だった実写ミュージカル映画を21世紀に甦らせたのはこの映画だと思う。最初に見たとき変化球を待ち受けていたら剛速球のストレートを投げられて呆然と見送るしかなかったような印象を受けた。
 というわけでユアンの美声を堪能して欲しい。ユアンにだったら抱かれてもいいね!

 

オペラ座の怪人

オペラ座の怪人 [Blu-ray]

オペラ座の怪人 [Blu-ray]

 アンドリュー・ロイド・ウェーバーの傑作ブロードウェイ・ミュージカルの映画化。ガストン・ルルーの原作自体は何度も映画化されているが今回は舞台をそのまま映画に移した感じ。監督はキ○ガイを撮らせたら天下一品のジョエル・シュマッカー(この人も日本語表記安定しないね)。肝心のファントム(レオニダス王ことジェラルド・バトラー)の特殊メイクが「この程度なら平気じゃん」というレベルなのだが歌声は綺麗。
オススメは「point of no return

 ところでソフトには入っていないが先日、日テレで放送された劇団四季バージョンは歌部分も吹き替え。舞台の俳優がそのまま吹き替えしており、吹き替えの実力ありすぎて映像が負けてるという凄いものだった。
  

ハイスクール・ミュージカル

 元はディズニーのTVスペシャル2作とその映画版。ということで非常に生ぬるい作品ではあるのだがキャラクター達が非常に魅力的。これに関しては過去に書いたこちらを参照(ミュージカル映画そのものについても少し書いてます。

小覇王の徒然なるままにぶれぶれ!: ハイスクール・ミュージカル 
 
小覇王の徒然なるままにぶれぶれ!: ハイスクール・ミュージカル ザ・ムービー

 オススメは「2」冒頭の「What's Time is it」。

ハイスクール・ミュージカル2 プレミアム・エディション [DVD]

ハイスクール・ミュージカル2 プレミアム・エディション [DVD]


  • 純粋なミュージカルとは言いがたいけれど

 劇中で歌う設定があってそのシーンでのみ歌う場面があったり、音楽映画だけどミュージカル映画ではないよなあ、というような物。

ファントム・オブ・パラダイス

 先ほども登場した「オペラ座の怪人」の現代版。「最後の猿の惑星」にも出てたポール・ウィリアムスやホラーでおなじみジェシカ・ハーパーが素晴らしい。 

ウィッカーマン

 以前に書いたこちらを参照。

小覇王の徒然なるままにぶれぶれ!: ウィッカーマン

 ブリット・エクランドがエロい(おっぱいはボディ・ダブルらしいが)。ちなみにリメイク版をこの間拝見しましたが、リーリー・ソビエスキーが相変わらず神がかった美貌でうっとりしました。以上! 

マグノリア

マグノリア コレクターズ・エディション [DVD]

マグノリア コレクターズ・エディション [DVD]

 オールスターキャストのアンサンブル映画なのだが、ラスト近く唐突にキャスト全員で「賢くなりなさい」と歌う場面があるのだった。

 

プッシー・キャット

プッシーキャッツ [DVD]

プッシーキャッツ [DVD]

 ハンナ・バーバラのアニメ、「ドラドラ子猫とチャカチャカ娘」の実写映画化。ミュージカルというよりはロック映画なのだが主人公3人があまりにキュートなので。

 レイチェル・リー・クックとタラ・リードは今何をやっているのでしょう? 
 

バーレスク

 最近見た映画ではまった映画。去年の作品だが見たのは今年なのでおそらく今年のベストに入る予定。


というわけで色々紹介してみましたがいかがだったでしょうか。勿論これ以外にもたくさん作品はありますし、ミュージカル映画といっても僕が嫌いな作品とかもあります。後、あえてディズニーのアニメ作品は外しました。
 一度はまると抜け出せない魅力がありますよ。
 入門編として、今後の参考の一助になれば幸いです!
 Don't Dream. Be It!