The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

パラオはゴールド センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島

 4月はレッスルマニア!代わりに、というわけではないけれどロック様(ドウェイン・ジョンソン)主演映画「センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島」を鑑賞。前作は本作の公開に合わせてTVで放送した時に鑑賞。2008年という現在の手法の3D映画のなかでは実写映画としては先駆けか。TVでは当然2Dでの放送だが、ああここは3Dを意識した画作りになってるな、とかがよく分かって興味深かった。

物語

 地下世界の探索から数年。ショーンは祖父からと思われる暗号化した信号をキャッチする。発信源をたどるために母親の再婚相手で暗号解読を手伝ったハンクとともにパラオへ。そこでガイドのガバチョと彼の娘カイラニとともに海図に載ってない嵐の目の中心へ向かう。やがて彼らを乗せたヘリは墜落、謎の島へ。そこは通常ではありえない生物の存在するジュール・ヴェルヌの記した神秘の島だったのだ!
 ショーン一行はこの島に済む祖父アレキサンダーと合流。彼によればこの島こそ伝説のアトランティスであり定期的に沈んではまた浮かぶ島だった。アレキサンダーの調べでは次に沈むまで十数年あるはずだったが、ハンクの計算では数日中に沈むという。島から脱出するためにノア船長の残した潜水艦ノーチラス号を探すが・・・

 そういえば「ふしぎの海のナディア」がデジタルリマスター版とやらで再び放送してますね。あのアニメの原作は一応ジュール・ヴェルヌ「海底2万マイル」ということになっているけど、こちらもジュール・ヴェルヌの「神秘の島」が原作*1。原題は「JOURNEY2 THE MYSTERIOUS ISLAND」で邦題が前作で「地底旅行(地底探検とも)」にちなんで「センター・オブ・ジ・アース(原題Journey to the Center of the Earth)」になっていて今回のタイトルとは別物になってしまった。似た例だと「ハムナプトラ」シリーズも地名を邦題にしてしまったゆえにシリーズの整合性がとれなくなり、3作目では中国が舞台なのにタイトルはエジプトの地名というへんてこな事態になってしまった。そういえばあのシリーズもブレンダン・フレイザー主演、続編ではドウェイン・ジョンソン(当時はクレジットもザ・ロック)が出演していたね。

 ジュール・ヴェルヌ原作とはいったがそのままではなく少しひねっており現代を舞台に「ヴェルヌの小説は本当のことだった」と信じる人達が地底だったり神秘の島だったりに探検に行くという作り。じゃあ、ジュール・ヴェルヌは実際にそれらに行ったり見たりしたのかよ!というツッコミは野暮。3Dで映像を楽しむ、イベントムービーだ。
 前作からはショーン役のジョシュ・ハッチャーソンのみ続投(母親役も変更しているようだ)。残念ながらブレンダン・フレイザーは登場せず。ロック様とブレンダンの再共演見たかった!しかしはっきり言って主役のショーン以外のキャストが豪華で義理の父親ハンクのロック様を筆頭に、祖父アレキサンダーにサー・マイケル・ケイン。ガイドのガバチョにルイス・ガスマン。そしてヒロイン役でガバチョの娘カイラニ役にバネッサ・ハジェンスという布陣。
 マイケル・ケインが祖父ということは前作で亡くなった父親とその弟であるブレンダンの父親ということである。てかマイケル・ケインが祖父、叔父さんがブレンダン・フレイザー、義理の父がロック様って最高だよね。しかも展開によっては奥さんがバネッサで義理の父2号がルイス・ガスマンになるかもしれないなんて!
 物語のドラマとしてはショーンを軸に孫と祖父、義理の父と息子、年頃の男女が中心なんだろうけどむしろショーンを置いといてハンクとアレキサンダー、ハンクとガバチョ、カイラニとガバチョの絡みが面白い。アレキサンダーがハンクを正式名称で「ヘンリー」と呼んでからかったり(このシーンは「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」でインディの本名がヘンリーJrであることをネタにしてると思う)、逆にハンクはアレキサンダーをお婆ちゃん呼ばわりしたりロック様とケインの対立?が見所。しかしやがて認め合い、ちゃんと本名で呼び合うところは良かった。焚き火を囲んでロック様がルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界(What a Wonderful World)」の替え歌を歌いながら絆を深めるシーンは定番でありながらなかなかの名シーン。ルイス・ガスマンとロック様の漫才も面白い。


ルイス・ガスマン中心に。
 後はバネッサ・ハジェンスが可愛い。「エンジェル・ウォーズ」とかのいかにもセクシーな格好と違って、露出が多いながら健康的なスタイル。南国美人という雰囲気をうまく出していた。「サンダーバード」でバネッサが演じたミンミンが成長した感じかな。ルイス・ガスマンと親子って全然似てないだろ!と最初は思ったがよく見ると結構似てる。父親は決して美男子じゃないのに娘は超美人、だけどよく見りゃ確かに似てる。というのは結構あって僕が思いつくところではジョン・ヴォイトとジョリ姉さん、あるいはクラウス・キンスキーとナスターシャ・キンスキー。そしてスティーヴン・タイラーリヴ・タイラーあたりが思いつく。これらは親父は野獣系だが娘は美人、だけどやっぱり似ているという例。今回のガスマンとバネッサの組み合わせは勿論役の上だけどそんな感じであった。ガスマンはコメディリリーフでありながら親子の情を感じさせて娘の学費のために火山へ向かおうとしたりする(溶岩が黄金なのだ!)。とはいえ小さな黄金の塊を見つけて喜び勇んで掘り返したら凄い大きくて断念する、というオチがつくのがガスマンらしいところ。
 面白いのはロック様もガスマンもバネッサも人種的に複雑でいろんな人種に見えるタイプ。撮影場所であるハワイなどロック様にとって庭のようなもので色白小僧が褐色の肌に囲まれて揉まれる様はなかなか面白かった。

 我々の世界では小さい動物たちがこの神秘の島では巨大になる(逆に象は手乗りサイズに)。なので既存の動物が巨大になるだけであんまりクリーチャーとしての魅力には乏しいかもしれない。それでも巨大トカゲやミツバチに乗って鳥(別に猛禽ではない)とチェイスするシーンなどは3D効果も効いていて面白かった。
 事前には全然予想していないノーチラス号が出てきてまさかメカが出てくると思ってなかったので少しびっくり。原作のノーチラス号はその名の通り、オウムガイをモデルにしててアラン・ムーアの「リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン」ではオウムガイタイプ、映画「リーグ・オブ・レジェンド」では(映画そのものできはともかく)巨大な剣に模していてなかなか格好良かった。今回出てくるノーチラス号は横に広がっていてオウムガイというよりどう見てもエイ、マンタタイプ。名前とはちぐはぐしているがメカとしてはなかなかレトロフューチャー感満載で格好良かった。
神秘の島〈第1部〉 (偕成社文庫)

神秘の島〈第1部〉 (偕成社文庫)

パレオはエメラルド【ジャケットA】

パレオはエメラルド【ジャケットA】


 まあ、イベントムービーだしストーリーというより映像を楽しむ作品なのでこれは3Dで観に行ったほうが良いと思います。ちなみに一番3D効果が効いていたのはロック様が大胸筋をピクピクさせて木の実を弾き飛ばすところです!

*1:多少「海底2万マイル」も