正月から血まみれです キック・アス
というわけで皆様、あけましておめでとうございます。昨年同様、よろしくお願いします。
僕は中二の時だから、もうかれこれ20年ほど正月に劇場で映画を観る、という個人行事を繰りかえしている。去年は「アバター」でおととしは「ウォーリー/WALL・E」で、今年は「キック・アス」である。
何度か触れたようにこの作品は既に9月に「映画秘宝まつり」で鑑賞済み。
やっぱり、イベントで観た時は映画上映用というよりは舞台演劇用の劇場での上映だったため会場は比較的明るかったしスクリーンも遠くて小さかった(僕は2階席の後ろの方で観た)。雰囲気は良かったけどやっぱり改めて劇場で観た次第。
まあ、もう既にいろんな人がレビューしてるし、僕も3回目なので簡単に改めて思ったことなどを書いていきたい。
まず、ヒロイン(デイヴ目線で)のケイティが普通に可愛い。最初に見たときはどうしてもヒット・ガールばかりに目がいってしまい、さらに原作を読んだ後ではケイティに好印象を持つのは難しいのであんまり印象に残ってなかったのだが、映画のケイティはいい子じゃないか!
映画と原作の違いというのはどちらが正しいとかではなく映画にも原作者(マーク・ミラー、ジョン・ロミータJr)が直接関わってる以上、両方ともに正史なのだといっていい。その上で、映画は単独で見た場合、スカッとするようになっているし、細かい違いもある。
その大きな違いは以前にも述べたビッグ・ダディの動機だろう。そして次はデイヴがケイティにゲイではないと明かした後の顛末、そして今回改めて気付いたレッド・ミストのキック・アスに対する態度がある。実はマフィアのボスの息子であるレッド・ミストはスーパーヒーローのフリをすることでキック・アス、後にはビッグ・ダディとヒット・ガールを捕まえるおとりの役割をするわけだが、映画の方ではなぜか途中でキック・アスをかばい始めた。改めてみるとこれは不自然だ。クリス(レッド・ミスト)は最初からマフィアの息子として自覚している(むしろ親であるボスの方が息子を巻き込ませないように配慮している描写さえある)。幾らキック・アスがギャング殺しの真犯人でないからといってあそこまでかばうのは不自然に感じる。もしも素顔(デイヴとクリスは同じ学校)で交流する描写とかがもっとあれば別なのだが。
続編の企画があるようだが映画だとデイヴはケイティと結ばれ、鬱屈は果たされ、よほどの事情がなければ再びマスクを被ることはないだろう。実際まともな人間なら、少なくともデビュー戦でチンピラに刺され、ひき逃げされた時点で二度とやろうなんて思わないはず。再びコスチュームを身に着けるのは正義感以外の何かがあるからだろう。
原作のデイヴは違う。結局彼の鬱屈は解消されない。一時的には活動を控えるかもしれないがいずれまたコスチュームを着て町を歩くだろう。それは正義感からではないのだ。
そして映画も原作もレッド・ミストの独白(彼がヴィランになることを暗示)で終わるように、キック・アスが残した影響は彼が引退すれば済む話ではない。冒頭の(結果として)投身自殺したヒーローワナビーもキック・アスの影響を受けて登場したバカである。
個人的に原作のデイヴは「タクシードライバー」のトラヴィスを思い出させた。
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それでは皆さん今年もよろしくお願いします!