学校が嫌いだって?!ならガラスを割るより踊って歌おう! glee/グリー
国民的アイドルグループAKB48が総出演しているドラマ「マジすか学園」「同2」では吹奏楽部が学校の頂点に位置する部活、ということになっている。と言ってもあのドラマでは実際に吹奏楽部として活動している気配は微塵もありませんが。ちなみに僕はあのドラマの再放送でメンバーの名前と顔を覚えました(全員ではない)。色々批判もしてますが嫌いなのは秋元康とその商法であってメンバーの女の子自体はみんな可愛いと思ってますよ。僕は柏木由紀という子と横山由依という子が好みです(次点・北原里英。松井玲奈、松井珠理奈という子も可愛いと思ったのだがこの二人はSKE48というグループなのね)。閑話休題。
まあ、実際には別に日本のその他の高校で一般的に吹奏楽部が生徒の頂点、などということはないだろうけど、部活によって待遇の格差を感じた人は多いのではないかと思う。
一方、海の向こうのアメリカだと事態はもっと極端で吹奏楽部はどちらかといえば生徒社会の底辺である。傑作コメディ「アメリカン・パイ」では吹奏楽部は変人の集まりみたいに描かれてたし(あの映画の場合、そんな吹奏楽部員が実は一番性的に進んでいた、というのが面白いのだが)。ちなみに僕は高校時代、吹奏楽部でした。
で、吹奏楽部ではないがやはり高校の底辺部活を描いたドラマが田舎の「グリー部」の活躍を描いた「glee」というTVシリーズで、その第一シーズンを見た。
まあ、見る過程で色々あったのだけど(PS3が壊れて一時「glee」のDVDが閉じ込められた)結果として言うと凄い面白かった!
グリー部とは単純に日本語に訳せば「合唱部」のことなのだろうがいわゆる合唱とは大分違う。曲目はポップスだったりミュージカル曲だったり、歌い方もリードボーカルを中心にダンスもあり、ミュージカルの曲部分だけをパフォーマンスする部、という感じなのだろうか。邦題は「glee/グリー 踊る♪合唱部!?」となっているがいわゆる日本的な合唱部とは別ということで劇中でももっぱら「グリー部」で通している。「自分を解放し歓喜すること」とWikipediaにはある。「天使にラブソングを2」のクライマックス「ジョイフル・ジョイフル(第九の英語版)」シーンが近いのではないかと思う。
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日本と違ってアメリカだといじめとかのピークが高校になる(日本は中学校)。これは高校受験によって同目的、同趣向に分かれる日本と違って向こうはそのまま地域ごとに進学するから。また、日本と違って自動車通学とかもOKなので親の財力がそのまま学校内のヒエラルキーに直結する。その上でアメフト部員やチアリーダー等特権階級が存在する。またいじめの内容も妙に子供っぽいものが多い。
物語
廃部の危機に陥ったオハイオ州マッキンリー高校のグリークラブ。かつてグリークラブに在籍していたスペイン語教師ウィル・シュースターは顧問になり新生グリークラブ「ニュー・ディレクションズ」を立ちあげる。参加した生徒はゲイ、身体障害者など高校社会の底辺に位置するマイノリティばかり。予算を取られたチアリーディング部顧問スー・シルベスターの妨害も続く。やがて人数もそろい、様々な障害を乗り越え地区大会、州大会に向けてグリークラブは突き進む!
人数が足りないため当初はアメフト部員であるフィンを兼業(スペイン語の単位と引き換え)させたりするのだが、後にアメフト部からフィンをのぞいて3人、チア部から3人入ってくる(スー先生のスパイとして)。アメフトとチア部という「上流階級」とグリー部という「下級階層」が一緒になることによってドラマが生まれる。
プロットだけ抜粋すると「ハイスクール・ミュージカル」の連ドラ版みたいな感じだがもっと奥深いし、ブラックなジョークも多い。
グリー部員はゲイの父親二人に育てられたレイチェルとアメフトのクォーターバックでもあるフィンを中心に黒人のメルセデス、ゲイのカート、車椅子のアーティ、吃音偽装ゴスっ娘ティナなど。途中加わるモヒカンのパックたちアメフト部員、フィンのガールフレンドでチア部のキャプテン、クイン、やはりチア部のサンタナ、ブリトニー(この子は頭の悪さから名言を連発している。例、「イルカってゲイになったサメのことでしょ?」)など個性的な生徒達。
しかし、一番の見所はむしろ大人たちだ。生徒以上に変わった大人が登場する。主人公のウィルこそ比較的まともだが先生達が変わりものぞろい。
カウンセラーのエマ(ジェイマ・メイズ 声:日高のり子)は潔癖症で結婚しているウィルに惚れている。一方ウィルの妻テリー(ジェサリン・ギルシグ 声:櫻井智)は夫の歓心を買うため偽装妊娠を計る。この二人はそれぞれタイプが異なる美人。
ジェイマ・メイズは目が大きくまん丸でアイドルっぽいタイプ。この人は「アグリー・ベティ」に出てましたね。
一方、ジェサリンさんはモデルっぽい美人。この人は「ボストン・パブリック」で初めて見て「凄い美人だなあ」と関心仕切りだったのだが、同時に「少し神経質っぽい感じだなあ」と思っていた。今回はその両方を備えた役柄だと思う。ちなみにこの二人は両方とも「ヒーローズ/HEROES」に出演している。ジェサリンさんは不死身チアリーダー、クレアの実の母親で人体発火の能力の持ち主。
しかし、一番の魅力はチアリーダーのコーチを務めるスー・シルベスター(ジェーン・リンチ 声:野沢由香里)である。
この人はグリー部を目の敵にして妨害する敵役なのだが、とにかく悪の魅力に溢れた人物。その口からまるで美しい詩を吟じるかのように流麗に罵詈雑言が飛び出す。その尽きることないボキャブラリーは尊敬に値する。悪口といえばゲロとかハゲとかしか言わないような貧相な悪口とはわけが違う。とはいえこの人は本当に悪辣な人物でほとんど犯罪まで犯している人物だけど。非道なのにカリスマという意味では「ウォッチメン」のコメディアンを思わせるアンチヒーローである。また、自分を30前と言い張り(演じるジェーン・リンチは50歳)、そのくせ特殊部隊にいただのその場の思いつきで過去をでっち上げるところなどサイコパスっぽい。校長を脅し、グリーの相手校に曲目リストを渡すなどやってることは犯罪なのだがほんの少し良心はある。ダウン症の姉に対しては本当に優しい。
原語版でも十分楽しめると思うが日本人なら彼女の魅力を堪能できるのは日本語吹き替え。野沢由香里さんの吹き替えは芸術級。「glee」の中の楽曲に匹敵する快感を持っている。
出演してる俳優はブロードウェイなどで活躍する実績を持った俳優が多く、実際にこのキャストでライブも行っている。僕が個人的に感情移入しているのはゲイのカートと車椅子のアーティー。
ジョシュ・グローバンやオリビア・ニュートン=ジョンがゲスト出演。楽曲はマドンナからKISS,レディー・ガガまで豊富だ。現在第一シーズンがレンタル中でCS(FOX)で第二シーズンが放送中。NHK衛星で第一シーズンが放送中のようだ。僕はCSは見れないので第二シーズンがレンタルされるのを待つしかないが、いわゆるクリフハンガー方式ではないので第一シーズンだけ見ても問題なし。以前僕が書いたようなミュージカルに興味のある方は是非観よう!僕はBOX買うかもしれん。とりあえず今度はサントラをレンタルするよ。
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天才少年ドギー・ハウザーも登場するよ!