ハリーポッターと死の秘宝と映画秘宝
というわけで「ハリーポッター」最終章第1部「ハリーポッターと死の秘宝Part1」を鑑賞してきたよ。
僕も愛読してる(そして影響を受けている)映画雑誌「映画秘宝」では何かと目の敵にされることの多い本シリーズ。最初の頃は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズと同時期で硬派な「指輪物語」に対して女・子供に媚びる「ハリポ」、という構図。最新号だと「トロン・レガシー」の仮想敵になってた。別にどっちも観ればいいだけだと思うんだけどね。僕みたいな映画マニアはともかく一般の観客はそんなに見ないからかな。まあ、あの雑誌は長年仮想敵を作って生きてきた本ですからね。
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2010/11/20
- メディア: 雑誌
- 購入: 8人 クリック: 254回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
そりゃね、最初の2作は正直つまんなかったよ。ハーマイオニーの魅力で何とか持ったって感じ。でも3作目から急激に面白くなってきた。やっぱり監督の力って大きいなあ、と感じたものだ。
で、前作「ハリー・ポッターと謎のプリンス」の感想はこちら、
物語
ダンブルドアが死んで闇の勢力は勢いを増している。マグルの近親者が狙われるのを防ぐためハリーはダーズリー一家と別れハーマイオニーは両親の記憶から自分の存在を消す。不死鳥の騎士団はハリーを守るため2人づつに別れ、片方がハリーに変装することで追っ手をまこうとする。だが、その作戦はヴォルデモート卿には筒抜けで犠牲者を出してしまう。ひとまずウィーズリー家に隠れたハリーたち。そこに魔法省の大臣がやってきてダンブルドアから預かった形見をハリーたちに渡す。だが、ウィーズリー家の長兄、ビルの結婚式の最中に再びデス・イーターに襲われ、ハリー、ハーマイオニー、ロンの3人は逃亡する。
追っ手をまきつつヴォルデモートの分霊箱を探す旅に出る。分霊箱の一つ、ロケットをアンブリッジが持っている事を知ったハリーたちは魔法省に忍び込むがそこでは既にヴォルデモート卿の支配下にありマグル狩りが行われていた。
ロケットを何とか手に入れたハリーたちだが何度試みても破壊することが出来ない。やがてそのロケットを身につけると精神に影響することがわかり、仲違いしたロンは離れてしまう・・・
今回はホグワーツは登場せず一切授業風景はなく、ひたすら逃亡劇である。物語全体に暗い雰囲気が漂い世紀末感を煽っている。ハリーたちは常に焦燥しており、その表情は精彩を欠く。途中からは大人の手助けも得られず、挙句に仲違いしてしまう始末。
一方悪の勢力は勢いを増し、実質魔法使いの世界をヴォルデモート卿は支配下に置くことに成功している。現実世界(という表現が正しいかは分からないが)でのアクションが増え、ちょっとしたチェイスシーンもある。
途中で出てきた岩肌むき出しの絶壁は先日「世界ふしぎ発見」で出てきたアイルランドのケルト人以前の民族「ダーナ神族」の遺跡だね。なんか島自体が人口建造物みたいな凄い風景だった。
タイトルの「死の秘宝」は途中まで分霊箱のロケットのことかと思ったが、もっと重要なもので存在は出てくるが詳細は後編で明らかになるのだろう。分霊箱とは魂を分断してしまうことで完全な死を防ぐもので、「〜秘密の部屋」で出てきたトム・リドルの日記もその一つ。これらをすべて破壊しなければ、幾らヴォルデモート本体(レイフ・ファインズ)を倒したところでまた復活してしまう。また、これらは持ち主の精神に悪影響を与えるようでハリーたちは疑心暗鬼に陥ってしまう(個人差あり)。まあ、要するに「指輪物語」のサウロンの一つの指輪、を少し弱くしたようなもの。ハリーたちは影響を弱めるため一人がずっと持たずに交代で持つのだが、いちいち首にかける必要はないのでは?とか思ってしまった。
勿論、まったく緊張しっぱなし、というわけでもなく、ところどころに笑えるシーンもあるのだがあくまでシリアス。シーンを通して笑えるというところはない。
しかしあの人は自身もマグルとのハーフなのになあ。
キャスト
先ほどキャストの変更がないのは奇跡的、と書いたが、同時にキャストの成長を見守るシリーズでもある。主要3人は言うに及ばず、一瞬だがネビルも登場。彼なんて最初のころからずいぶん成長してまさかあんなにでかくなるとは誰も思っていなかったのではないだろうか。後はジニーも。未だにハリーが彼女とくっつくてのが微妙。不思議少女ルーナじゃダメなの?
大人はハグリッドやルーピンもそのまま。悪の勢力でもこれまではいまいち出番が少なかったベラトリックス(ヘレナ・ボナム・カーター)も大活躍。マルフォイ親子はヘタレ具合をパワーアップ。ドラコ・・・結局お前はハリー・ポッターの足元にも及ばない存在なのか?後編に期待。
いきなり、ビル・ナイのアップで始まるのだがこの人もすっかりこの手の映画に欠かせない人になったなあ。
後はCGキャラで屋敷妖精のドビーが再登場。「秘密の部屋」に登場した時は非常にうざかったのだが(それこそあの当時は「指輪」のゴクリ(ゴラム)と比べられてた)技術も進歩、作品の雰囲気ともマッチしてむしろ一服の清涼剤に。屋敷妖精はもう一匹登場するがこいつらアニメ「シンプソンズ」のバーンズ社長にしか見えないんだよな・・・
結局「死の秘宝」とは魔法力最強の「ニワトコの杖」、死者をも呼び戻す「甦りの石」、死から身を隠す「透明マント」の三つ。映画は物語はヴォルデモート卿が三つの死の秘宝の一つニワトコの杖を手に入れたところで終わる。この時点では完全にハリーたちは不利な状態である。
ところで僕の記憶が確かなら既にハリーは「透明マント」を持ってなかったっけ?(原作未読及び過去の映画の記憶も不確かなので自信がない)あと「甦りの石」は「賢者の石」とは違うの?
シリーズをバカにしてた人たちも一見する価値はある。ただし、これだけ観ても設定が付いていかないとも思うので、せめて前作だけでも見といたほうが良いかと思う。(TVで放映してたけど各局で各々気ままに流してたから順番めちゃくちゃだったね)
ちなみに今回はIMAXの吹き替えで観ました。こりゃ「Part2」も楽しみだ。でも後編は来年の7月か・・・長いよ!
「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)
- 作者: J.K.ローリング,J.K.Rowling,松岡佑子
- 出版社/メーカー: 静山社
- 発売日: 2008/07/23
- メディア: ハードカバー
- 購入: 22人 クリック: 228回
- この商品を含むブログ (348件) を見る
おまけ
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2010/11/03
- メディア: DVD
- 購入: 3人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (34件) を見る