The Spirit in the Bottle

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アイアンマン2 BD


 「アイアンマン2」のブルーレイを購入。例によってDVDとセット。とりあえず吹き替えで見てみて、ああそういやこれは劇場に吹き替え版も観に行ったんだったと気付く。既に2回に渡って感想を書いてはいるがジョン・ファブロー監督のコメンタリーなどを参考にしながら、さらに補完的に。
  

  • オープニングシーン

 前作のラスト、記者会見からロシアのアントン・ヴァンコの死につながる。イワン(ミッキー・ローク)がアークリアクターを作るシーンは前作でトニー(ロバート・ダウニー・Jr)が洞窟でマーク1を作るシーンと対になっている。予告編で使われたペッパー(グウィネス・パルトロウ)がアイアンマンのマスクにキスをして飛行機から投げ、それをキャッチしながらアイアンマンがスタークエキスポに降り立つシーンが本来オープニングとして使われるはずだったが、イワンのキャラを見せ観客の危機感を煽るために現在のオープニングになる。
 

  • スタークエキスポ

 トニーが会場から去る場面でラストにドローンに襲われるアイアンマンのマスクをかぶった少年がいる。またトニーにラリー・キングと間違われるのはマーベルマスター、スタン・リー御大その人だ。この人は毎回マーベル作品にゲスト出演しているがもしこの映画版マーベルユニバースにでているスタンがすべて同一人物だとすればこの後ジュースを飲んで大変なことになるね。
 

  • テン・リングス

 イワンが東洋系の男から偽造パスポートとモナコのグランプリのチケットを受け取るシーン。削除されたシーンでは男は首にタトゥーがあり、それは前作に登場したゲリラ組織「テン・リングス」の一員であることを示す。テン・リングスとは敵候補に挙がっていたヴィラン、マンダリンの身に付けている10個の魔法の指輪に由来し、このゲリラ組織のバックにマンダリンがいることを示している。前作で登場した時は舞台がアフガニスタンということもあり、短絡的に「イスラム原理主義者」と解説している批評も見受けられたがそうではない。
 

 前作にも登場したリベラル系雑誌の記者クリスティンが登場。演じるレスリー・ビブはハマー役のサム・ロックウェルと実生活での恋人同士。それを知っているとこのシーンは監督曰く「気まずい」(前作で彼女とトニーはベッド・インしてる)らしい。
 ウィップラッシュ登場。この一連のアクションシーンではミッキー・ロークの役作りの凄さが伺える。トニーとイワンが話をするシーンで下着一丁の姿も全身に施したタトゥーもすべてロークの発案だそうだ。ちなみにロークの首元には「Loki」という死んだ愛犬の名が彫られているがこれは次のマーベル作品「ソー」のヴィランの名前でもあるためデジタル処理でぼかしたそうだ(「Wki」になってる)。
 

  • トニーの誕生パーティ

 トニーが酔っ払うシーン。原作では完全に酒に溺れるがここでは控えめに、とのこと。やはりパラジウム中毒のシーンで代用されているようだ。暴走するトニーを止めるべくローディー(ドン・チードル)がマーク2を装着するが削除されたシーンで軍のエンジニアがマーク2の装着を解除しようとして電気ショックにあう。つまり、ローディーはトニーに指定されたスーツを取り扱っても大丈夫な人物ということで二人の間の友情が実は見て取れる(トニーの研究室のロック番号も知ってるしね)。ここでトニーがローディーの着るマーク2を指して
戦争マシーンになりたきゃ撃てよ
と台詞に後のキャラクター名「ウォーマシーン」を紛れ込ませる。
 

  • シールド

 ニック・フューリー登場。サミュエル・L・ジャクソンが圧倒的な存在感を放つ。劇中でどんなに偉い人がトニーを説教しても聞く耳持たなかったトニーが反発しながらもおとなしく従っている。またナタリー(スカーレット・ヨハンソン)がシールドのエージェント、ブラックウィドーであることも判明。個人的には前作にも登場したコールソン捜査官(クラーク・グレッグ)がツボ。
 

  • 新元素発見!

 ペッパーのオフィスでトニーがナタリーに皮肉を言うくだり。「ラテン語は本当に喋れるか?」と聞かれてナタリーがラテン語で返す。トニーに「何て意味?」と聞かれて、
御自分で帰ります?迎えをよこしますか?
 と皮肉っぽく言うが実際は
見た目と違うものもある
という意味だそうだ。
 コールソンがキャプテン・アメリカの盾を見つける。前作の物はILMのスタッフがお遊びで忍ばせたものだそうで、今回はそれを受けてのコメディシーン。実際は盾で観客の目をくらませて本当に重要なコールソンのニューメキシコ転属をぼかす役割を果たしている。新元素を利用したアークリアクターに対応するスーツ、マーク6はそれとは関係なく開発していて、トニーがペッパーに社長職を譲るシーンで一瞬出てくる。
 

  • ラストアクション

 ハッピー・ホーガン(ジョン・ファブロー監督その人)とブラック・ウィドーがハマー社に乗り込むシーン。ホーガンが警備員(スタントマンでなんとあのロック様の従兄弟に当たるらしい!)一人と死闘を繰り広げている間にウィドーがそのほかの警備員全員を倒してしまう展開は楽しい。このときウィドーが使うのは主にルチャ・リブレ風のプロレス技。ハリケーン・ラナとかだね。
 イワンが最後に使うスーツは外見も役割もまさに
ザクとは違うのだよ、ザクとは
って感じだが、やはり最初のエグゾスケルトンタイプのスーツが格好いいので少し物足りない。前回このイワンのスーツを原作のソ連製パワードスーツ、クリムゾン・ダイナモ、と書いたがどうやらそうではなくあくまで「ウィップラッシュ・マーク2」という名称のようだ。自爆シーンは「プレデター」へのオマージュ。
 

 シールドの基地で流れてるのは「インクレディブル・ハルク」の大学でハルクが軍と戦うシーンをニュース映像化したもの。ここで分かるとおり時系列的には「アイアンマン」→「同2」→「インクレディブル・ハルク」という順番になる。
 監督は「〜ハルク」のおまけシーンにトニーが出てきたことを知らなかったらしく抗議しているが「コミックでは話が前後してもいい」と諭され納得した。バックで映る世界地図は印がついている場所でマーベルユニバース的に何かが起きている場所だ。アフリカはブラックパンサーの出身地で、ニューメキシコはソーの槌。ヨーロッパはラトヴェリア公国か何かか?
 結局トニーはアベンジャーズコンサルタントという形で関わり、「〜ハルク」のラストに続く。
 で、コールソンはニューメキシコでムジョルニア発見!
 
 コメンタリーを聞いて意外に思ったのは全編に渡って予想外にアドリブ演技が多いらしいことだ。この手の映画はグリーンバックで撮影したり、CGとの合成があるから基本は脚本どおりがセオリーだと思う(実際そういうのを嫌ってSFX映画に出たがらない役者も多い)が、ロークもダウニーJrもアドリブが多い。その辺は演技派で鳴らす2人の面目躍如だろう。
 さて、マーベルユニバース映画版は現在は「ソー」が既に撮影が終わってポストプロダクションに入っている模様。アンソニー・ホプキンスオーディン役だったりヒロインがナタリー・ポートマンだったりと脇が(主演が無名な代わりに)豪華なキャストですね。もちろんコールソンもフューリーも出るよ!2011年5月全米公開!

 これまではバイオ方面にしろ機械工学方面にしろSF色が強かったがここで一気に北欧神話の世界が登場してファンタジーな雰囲気に。
 また、「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」も撮影中(2010年6月クランクインなのでもう終わってるかな?)。
 「アベンジャーズ」は「バフイー」のジョス・ウェドンが監督予定で、他にホークアイ(弓矢の名手)、ワスプとアントマンのピム夫妻とかが出てくる予定。残念だがハルクはエドワード・ノートン先生ではなくなるようだ。

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