The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

星の王子さま故郷に還る? ガーディアン・オブ・ギャラクシー リミックス

 早いもので2017年も、もう5月が終わり半分に達しようとしている。よく6月に入った途端に「もう今年も半分過ぎた!」って焦る人がいるけれど、焦りすぎ!6月が終わって半分経過ですよ!とはいえ夏に入ると今年は例年にも増してアメコミ、ヒーロー映画とでも言えるものが多く公開されて、明日、6月1日は20世紀FOXX-MENシリーズの最新作にてヒュー・ジャックマンの演じるウルヴァリン最後の作品「ローガン/LOGAN」が公開、7月は日本発のスーパーヒーロー「パワーレンジャー」の映画版最新作が公開、そして8月に至っては「スパイダーマン:ホーム・カミング」「トランスフォーマー最後の騎士王」「ワンダー・ウーマン」がほぼ一週おきに公開される!大体これらの作品はよほど出来が悪くない限りは複数回観ると思うので(可能なら字幕と吹き替えで一回づつ)財布的には嬉しい悲鳴ですね。他には日本の漫画の映画化では福田雄一監督の「銀魂」なんかは少し気になっていたりします*1
 さて、そんなアメコミ、ヒーロー映画を引っ張っているのはご存知「マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)」。去年は傑作「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」1作だけだったが、今年はその反動か一気に4作が公開(予定)。うち1作は1月公開の「ドクター・ストレンジ」で新しいヒーローの登場であったが、今回はあのお騒がせチームが再登場。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」を観賞。そういやちょっと福田雄一ぽい描写もあったよ。

物語

 ロナンの野望を阻止し、ノヴァ軍から新しい宇宙船をもらったピーター・クイルたち「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の面々。それから少し後、今彼らはソヴリンから貴重なアニュラックス電池を警護する仕事を依頼されていた。迫り来る宇宙怪獣から見事電池を守ったGotGは報酬としてソヴリンの捕虜となっていたネビュラを貰い受ける。ガモーラの義理の妹で宇宙のお尋ね者だ。彼女をザンダー星に連れて帰ろうとしたその矢先、突然彼らはソヴリン軍の攻撃を受ける。実はロケットが(あまりに盗みやすいのでつい)電池を盗んでいたのがばれたのだ。ソヴリンの大軍勢にピンチに陥ったガーディアンズだが、そこに謎の宇宙船が現れソヴリン軍を一掃。近くの惑星に不時着したガーディアンズの前に現れたのはエゴとなのる男性で、彼はクイルの実の父親だという。かつてヨンドゥに地球から息子を連れてくるように依頼したがヨンドゥはクイルを拉致こそしたがエゴのところへは連れていかなかった。インフィニティ・ストーンである「オーブ」を素手で持っても耐えられた男スターロード=ピーター・クイルの噂を聞いて、自分の息子であると確信、探していたという。半信半疑ながら惑星に宇宙船の修理を行うロケットとベビー・グルート、捕虜であるネビュラをおいてエゴの宇宙船で彼の惑星に向かう一同。
 エゴの惑星において、クイルはエゴが強大な力を持つ「セレスティアルズ=天人」であり惑星そのものでもある事を知る。彼は何万年もかけて宇宙を旅しその中でクイルの母親メレディスと出会い愛を交わしたという。その力はクイルにも受け継がれている…父親との出会いと自分の力に有頂天になるクイルだったが、エゴの従者でもあるマンティスはドラックスに恐ろしい秘密を打ち明けようとしていた。
 一方その頃、留守番のロケットたちの前に、ソヴリンの女帝アイーシャの依頼を受けてヨンドゥたちが現れた。しかし何かとクイルに甘いヨンドゥに業を煮やした部下たちが反乱を起こし、ロケットたちはヨンドゥとともに囚われの身になってしまう。そしてその反乱に手を貸したネビュラはラヴェジャーズから手に入れた宇宙船で一路エゴの惑星を目指す。姉であるガモーラを殺すために!宇宙のはぐれものたちの明日はどっちだ!?

 前作の感想はこちら。

 前作が1988年のクイル少年のアダプテーションから26年後(2014年)が舞台だが、今回は1980年の地球から始まって34年後(2014年)が舞台なので前作からそう、間は開いていない設定の模様。少なくとも「シビル・ウォー」より以前の出来事という形になり、それでほんのちょっとだけ矛盾がある(がこの辺はスタッフの遊びなので特に問題はなし)。
 タイトルは原題が「GUARDIANS OF THE GALAXY VOL.2」で文字通り続編なのだが、邦題はVOL.2ではなくリミックス。安易に「2」を使いたくない(続編というのを前面に出すと前作見ていない客が敬遠する可能性があるからか?)のか分からないが、あまり良くない改題。というのも「リミックス」からは続編というより「元の作品を再編集したりVFXを補強したりした特別編」というイメージがあるからだ。音楽における「リミックス」はそんな感じだろう。続編につけるタイトルというよりはディレクターズ・カット版だったり、3D仕様にした特別編だったりに適した題。純然たる続編につけるタイトルではない、と思う。後はこの邦題をつけるにあたって、勝手に日本配給側が監督に「日本のファンにも好評なんですよ」みたいなこと言ってたらしいので(本当は好評も何もファンは関わってない)その辺もなんだかなあ、という感じ。MCUがユニバーサルからディズニーに変わって以降、こういう「余計な一手間」が多くなって、あんまり良い印象はないですね*2
 個人的に文章みたいな長い原題だったり、社会派・恋愛映画とかは独自の日本語邦題もいいとは思うけれど、アクション映画だったりアメコミヒーロー映画の類は基本的に原題をカタカナにしただけの邦題で良いと思います。
 さて、本編。前作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」はこれまで地球を主な舞台として展開してきたMCUの中では広大な宇宙そのものを舞台とし、またいわゆる「コスチュームを着たヒーロー」が登場しないことで、ずいぶん趣を変えた作品であった。それでもコレクター(「マイティ・ソー ダーク・ワールド」のラストで登場)が出てきたり、サノスが出てきたり、キーアイテムである「オーブ」がこれまで語られてきた「インフィニティ・ストーン」の一つ(ほかは4次元キューブやエーテルなど)であることが明かされたりMCUの他の作品と地続きであることは示されてきた。最終的には地球のヒーローたちと合流もするはずで、今回は前作よりももっとMCUの他の要素との関連が強調されるかな?と思ったりしたのだが、結果としては前作以上に独立性の強い作品であった。それでは例によってキャラクターごとに。

スターロード

 本名ピーター・クイル。1988年にヨンドゥ達によって地球から誘拐され、そのままラヴェジャーズの一員として育った宇宙の自称プレイボーイ。前作のラストで彼の父親が宇宙人で、どうもヨンドゥはその正体を知っている風であることが示されたが、本作で正体が明らかに。宇宙のはぐれもの集団の(一応)リーダーとして頑張るが、彼以上に個性的な仲間を統率するのはとても大変な模様。
 父親がエゴと判明し、それが神にも等しい存在で、しかも自分にもその力があると知って調子に乗るが最終的には真の家族=仲間の元へ帰る。今回の物語は血統上の家族か、それとも血は繋がっていなくとも絆によって結ばれた本当の家族か?みたいなのがテーマとしてあると思う。
 ガモーラとはほぼ相思相愛ながら決定打には至っていない模様。
 クイルは父なしの子どもとして過ごしたので、地球にいた頃は「オレの親父はデヴィッド・ハッセルホフだ」とホラを吹いていたらしい。それが実はカート・ラッセルだった!これは日本で言うと「オレの親父は千葉真一だ!」って言ってたら本当の父親藤岡弘、だったみたいな感覚だろうか。そりゃカート・ラッセル父親として名乗りを上げたらクイルでなくとも有頂天になるよね。この二人は元々マーベルとは縁が深く、ハッセルホフはTVでシールド長官ニック・フューリーを演じたことがあるし、カート・ラッセルの代表的な役である「ニューヨーク1997」「エスケープ・フロム・LA」のスネーク・プリスケンの少なくとも外見のモデルの一つとしてニック・フューリーがあると思うのでカート・ラッセルとデヴィッド・ハッセルホフがマーベル映画に出てる、というだけでも感慨深い。

 前作のラストの彼が特別な宇宙人の血をひいていた、それゆえにオーブのエネルギーに耐えることが出来た、という結末に対し、「なんだよ結局血統かよ」「仲間との絆で耐えられたんじゃないのかよ」みたいな不満が少しあって、今回はその辺に対するアンサーでもあるのかもしれない。結局クイルの持つ特別な力が、今回以降どうなるのか分からないが、決して彼の魅力はその力にあるわけではないのだなあ。
 演じるのはMCU三番目のクリスことクリス・プラット。キャラクターとしてはほぼ変化はなく飄々とした余裕ある様はあまり地球のヒーローたちには見れらないところ。はやく他のクリス(キャップ&ソー)達との共演が観たい!
 ちなみに今回も「スターロード」とはほとんど呼ばれません。

ガモーラ

 サノスの養女、ネビュラの姉。肌の色が緑で一応ヒロイン。姉御。肌の色なんかについてはこの映画、青かったり緑だったりピンクだったり金色だったりといわゆる地球人の肌の色をしている人種のほうが珍しいくらいなので全然気になりませんね。幼い頃からネビュラと戦わされてて、負けると罰を受けたり肉体改造されていたのだが、まったく空気を読まずネビュラに連勝を続けた人。その辺でネビュラの深い恨みを買っている。
 演じるのはゾーイ・サルダナ。「スター・トレック」の方ではウフーラを演じ、「アバター」では青い肌のネイティリを演じていたので、これで「スターウォーズ」なんかにも出た日にはもうスペースオペラ全制覇といってもいいのではないか。

ドラックス

 破壊王。前作では妻と子供をロナンに殺された男としてロナンへの復讐に取り憑かれていて、そんな彼が新たな家族=ガーディアンズを得る話でもあった。比喩表現が理解出来ない人、としてコメディリリーフでもあったが、今回は更に明るいキャラと変貌を遂げ、比喩表現ではなく、婉曲表現が出来ない人へと進化。結果としてマンティスと「お前は恐ろしいほどに醜い外見だがいい奴だ」みたいなことを言い合う仲に。後はマンティスがサイコセラピーとして触れた相手の感情を和らげたり、それを応用して睡眠導入の手助けをしたりしている、と聞けば「オレに試してみてくれ!」と率先して実験台になりたがる人でもある。
 というかですね。今回このドラックスのキャラクターはほぼヨシヒコなのですよ。福田雄一監督の「勇者ヨシヒコ」シリーズの主人公、山田孝之演じるヨシヒコそっくり。外見の美醜を全く悪気なく連呼したり、メレブ(ムロツヨシ演じる魔法使い)の新魔法に率先してかかりたがる。
 演じるデイヴ・バウティスタはご存知WWEの元スーパースターバティスタ。前作からの間には「007/スペクター」の敵役も経てすっかり俳優業も板についてきた。まだロック様ほどの演技の幅はないけれど、今回は前作にも増してコメディリリーフとしての活躍度が高いので、今後はいわゆるアクションと関係ない映画とかでも重宝されそう。ガタイが良くて強面、でもよく見りゃ人懐っこい容姿というのは素晴らしい。

ロケット

 凶暴アライグマ(に改造された人…らしい)。今回もトラブルメーカーとして大活躍?普通にいろんな面で優秀なところを見せるけれど、どうしても一波乱起こさずには要られない。今回も物語の発端となる電池を盗むのに始まり、クイルやヨンドゥと口喧嘩しながら物語をかき乱します。しかしその裏には異形ゆえに排他され、けど実は人一倍寂しがり屋でもあるという本音が存在する。わざと問題を起こしてそのことで起きる自分への対応で立ち位置を常に確認しているという感じか。
 声の演技はブラッドリー・クーパー。いずれご本人もなんらかの形で姿をあらわすと良いな。

ベビー・グルート

 私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。私はグルート。*3

ヨンドゥ

 ラヴェジャーズのリーダー、と前作ではなっていたが、ラヴェジャーズはもっと大きな組織で、その中でヨンドゥのグループは組織の掟を破ったことで爪弾きされていた模様。幼いピーター・クイルを拉致ったのはエゴの依頼を受けて、でもエゴの正体(というかそれ以前に連れて行ったエゴの子供たちの末路)を知ってクイルをエゴの元にやらず自力で育てた、育ての親。その口の悪さと相反してクイルに愛情は確か。荒くれ者揃いで更に嫉妬深いラヴェジャーズの面々からはあまりのクイルへの甘さについに反乱を起こされる。一時は絶体絶命の危機の陥るが新型フィン(頭のトサカ部分にあたるマシンでこれを装備することで口笛で矢を操る)を装着して裏切り者を一掃!前作でも見せたが口笛を吹いた時の彼は無類の強さを誇る。
 演じるのはマイケル・ルーカーである意味今作の主役。
 他のラヴェジャーズに反乱の首謀者テイザーフェイスやヨンドゥの忠実な部下ながらそれ故にクイルへの嫉妬で反乱に加担するクラグリンなどがいる。クラグリンは前作でも出てきたが演じているのはショーン・ガン。ジェームズ・ガン監督の弟です。

エゴ

 カート・ラッセル父親だったらいいな、という人類誰もが持つ願望を叶えた存在。元々は巨大な脳みそだったが、長年宇宙をプカプカ漂っているうちに自身を核として惑星を形成。さらに自分の分身として人型のカート・ラッセルを創りだしいろんな星に子種(カート・ラッセルがその星の住人と作った子、及び惑星エゴの分身みたいなものをその星に植えつける)を蒔いてきたが、唯一父親の性質を受け継いだまま成長したのがクイルであった。惑星エゴの地下には父親の性質を受け継がなかったため栄養分となった幾多のエゴの子どもたちの死体が存在し、最終目的は宇宙自体をエゴそのもので満たすこと。しかしクイルのウォークマンを壊し、目的のためにわざとメレディス(ピーター・クイルの母親でエゴの恋人だった)を死なせたことが判明し、クイルの怒りを買ってしまうのだった。
 演じるのはカート・ラッセル(とデヴィッド・ハッセルホフ)。吹替だと一瞬のハッセルホフのセリフでちゃんとささきいさおになっているのが偉い(後述するスライの出番と一緒に収録したんだと思うけど)。

マンティス

 エゴの従者。見た目は触覚の生えた黒目の東洋人美人と言った感じだが、幼虫だった時期があるようで昆虫に近い生体をもつ宇宙人の模様。エンパスで触れた相手の感情を読み取ったり、その感情を変化させたりすることができる。その応用でエゴの睡眠を手助けする。ドラックスと意気投合するが互いにルックスは全然タイプでない(というか嫌悪感さえ覚える醜さであるらしい)。エゴのこれまでの悪行も知っていて最終的にエゴを裏切りガーディアンズに着く。
 演じているのはポム・クレメンティエフという人で韓国系の父とロシア系の母の間にフランス人としてケベック州(カナダ)で生まれる、という経歴。ちょっとステレオタイプな東洋人女性の印象もある。

ネビュラ

 サノスの養女、ガモーラの義理の妹。幼い頃から姉と戦闘訓練では負け続け、結果として全身改造のサイボーグとなった。それ故姉と父に対する恨みは半端無く、執拗にガモーラを狙う。最終目的はサノスの死。しかし父親に対する恨みと姉に対する恨みは微妙に違い、姉に対してはもっとお姉ちゃんとして振る舞って欲しかった、という感じで最終的には仲直り。ガーディアンズとして仲間にこそならなかったが、今後も関わりあっていくのでしょう。
 演じるのは前作に引き続きカレン・ギラン。特殊メイクでよく分からないけれど普通に美人です。ちなみに今年のアカデミー賞を賑わせていた「ムーンライト」(観てない)のポスターを見ると、どうしてもネビュラを思い出してしまう。

アイーシャ

 全身金色のソヴリンの女帝。ソヴリン人は精神も肉体も完璧にデザインされ、生殖でなく人工的に生み出される種族、とのことなのだが、いやむしろかなり精神的には不安定じゃねえの?って感じ。無人の戦闘機を操縦するのだけれど、その様子や先にやられた操縦者が生き残った操縦者の後ろに立って応援しているシーンとか完全にゲームセンター。精神が完璧どころかプライドだけは高いティーンエイジャーしかいない社会なんじゃねえか?
 その中でもアイーシャは執拗にクイルを狙いラヴェジャーズに依頼、後には自ら出張る。しかしそれにも失敗しソヴリンの指導者としての地位を危うくするのであった。
 演じるのは「華麗なるギャッツビー」「コードネームU.N.C.L.E.」の長身美女エリザベス・デビッキ。今回もその整えられた鉄面皮の中に時折見せる歪んだ感情が魅力です。クイーン・オブ・高飛車!

 今回は前作以上にギャグシーンが多く、ちょっと辟易した部分も。コメディ映画はその辺で客を選ぶ。ただ、より監督のジェームズ・ガンの個性は出ていると思う。後は先述した通りMCUとして他の作品とのつながりは前作以上に希薄。サノスがセリフの中に出てきて、ウォッチャーとかハワード・ザ・ダックが劇中の物語に影響ない部分で登場する程度。劇中時間経過は前作から一年も経っていないので「アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン」以降「シビル・ウォー」以前だと思われる。一応エゴが地球に植え込んでいた星の種子が成長し暴走するシーンで他の惑星と並んで現在(2014年現在)の地球も登場するのだけど、このブロブみたいなのが町を飲み込んいく事態においても特に他のヒーローが出動したということなく、MCUとしてはかなり独立した作品ではある。
 前作より順当にパワーアップした作品だけれど、前作を踏まえて、という描写も多く、その意味で邦題を「リミックス」にしてしまったのはやはり残念。
 音楽方面はスコアの他は相変わらず70年代音楽がメイン。しかし!本作ラストで古いウォークマンに替わり一台に1000曲ぐらい収録されてる携帯型デジタル・オーディオプレイヤーをクイルは手に入れたので今現在の地球のヒット曲も聴くことでしょう。これで地球に来る準備はバッチリだ!

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス オーサム・ミックス・VOL.2(オリジナル・サウンドトラック)

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス オーサム・ミックス・VOL.2(オリジナル・サウンドトラック)


 ゲスト出演者は多く、ラヴェジャーズの真のリーダーとしてシルベスター・スタローンが登場。一緒に出てくる全身クリスタル状の男はマイケル・ローゼンバウム(アニメ「ジャスティス・リーグ」のフラッシュや「ヤング・スーパーマン」のレックス)、分かんないよ!ラスト近くに出てくる女海賊といった感じのキャラはミシェル・ヨー。先述したハワード・ザ・ダックは声がセス・グリーン。彼らは続編でもまた出てくるかも。
 そして毎度おなじみスタン・リー御大も当然登場。今回は宇宙飛行士の格好でウォッチャー相手に話をしている老人、という形で何度か登場。このウォッチャーはマーベル宇宙の神様みたいなキャラの一人で(ギャラクタスなんかと同類)、宇宙のあらゆることを見届け記録する人。で、MCUで登場するスタン・リーは時代も場所も様々でとても同一人物とは思えない(というかその時々のゲスト出演だから、出てくるスタン・リーが同一人物である必要はないんだけど)。そんな次元を超えて存在できるキャラといえばウォッチャーであって、実はMCUに登場するスタン・リーはウォッチャーなのではないか?というファンの間でまことしとやかに広まった都市伝説を逆手に取ったものが今回の登場シーン。ここでは「配達員をしていたこともある」と「シビル・ウォー」でのゲスト出演を話すが、先述した通り、今回の物語は時間軸上では「シビル・ウォー」より前の出来事なので、矛盾する。が、まあ誰も気にしちゃいないよね。
EXCELSIOR!

 エンドクレジット後のおまけはガーディアンズに敗れてすっかり意気消沈したと思われたアイーシャの姿。しかし彼女はまだ諦めておらず、新たな戦士を生み出そうとしている。その名はアダム。というわけでアダム・ウォーロックの誕生を匂わせて終了。アダム・ウォーロックは「インフィニティ・ガントレット」などで活躍するヒーロー。決して宇宙の敵になるキャラではないはずで「インフィニティ・ウォー」での活躍が期待される。個人的にはネイサン・フィリオンあたりに演じてもらいたいです*4

GUARDIANS OF THE GALAXY WILL RETURN.

 ラストは再び「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは帰ってくる」の字幕。一応今後予定のMCU作品は8月に「スパイダーマン:ホームカミング」11月に「マイティ・ソー バトルロイヤル」と続き、再び「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の面々が登場するのは2018年の「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」二部作となる予定。今度こそMCUの他の面々との共演が待っている!(その後、「GUARDIANS OF THE GALAXY Vol.3」も予定されている、が2020年ぐらいの話なので当分先と思っておこう)。
 今回の物語は家族と仲間が前作以上に重要視されている。奇しくも「ワイルド・スピード ICE BREAK」とキャスト・テーマ的に共通する作品だった。特に実の父親が出てくるからこそ養父であるヨンドゥやガーディアンズの仲間たちとの絆が強調されていた。ギャグや世界観でついていきにくい部分はあるかもしれないけれど、テーマは普遍。是非劇場で観て欲しい一作。

*1:アニメの「銀魂」が相変わらずの悪ノリで現在「よりぬき銀魂さん」を放送中なのだが、実写映画版もネタにしつつ、映画の情報番組としても成立している。どうせ「よりぬき」でやるなら、例えば実写版のキャストにアニメ版の過去のエピソードを吹替させて公開までの間に違和感を多少でも解消、逆に実写版のアニメキャストによる吹替版も公開!とかなれば互いにWin-WInだと思う。銀魂なら行けそうな気もするのだが…

*2:11月公開の「THOR:RAGNAROK」が「マイティ・ソー バトルロイヤル」という荘厳さとはかけ離れた邦題になってしまって頭を抱えている。予告編を観るとそりゃ「移民の歌(ブルーザ・ブロディの入場テーマ)」をバックに最終的にはローマ・コロッセオ風の闘技場でソーとハルクが一騎打ち!というものなのでプロレス感というかバトルロイヤル感は確かにあるけれど、最終的にどうなるか分からないし、「ラグナロク=神々の黄昏」はそれほど日本人にも馴染み薄い言葉というわけでもないだろうし、変えるにしても何故そうダサい方へ変えてしまうのか日本の配給会社の考えることはよくわからない。

*3:最終兵木。前回仲間を助けるためにその身を犠牲にして、結果今回は残された若木からベビー・グルートとして登場。前作のエンドクレジット間のおまけではまだ鉢植えでジャクソン5に合わせて踊るフラワーロック状態だったが、今回は冒頭から動きまわっている。ベビーというのは単にまだ小さい状態の外見だけでなく、どちらかと言えば老成していたような前作のグルートに比べて精神的にも幼い。前作のグルートと今回のベビー・グルートが全く同じ人格かというと必ずしもそうではなくて、一応、人格、記憶などを受け継いでいるけれど微妙に別人なのかも(と僕は判断)。「ドラゴンボール」でいうピッコロ大魔王(青野武)が死ぬ間際に自分の分身として卵を産んで、そこから産まれたピッコロ大魔王(古川登志夫)がピッコロ大魔王(青野武)の記憶・人格を受け継ぎながらも別人、というのに近いのかも。声は完全に子供の声に加工されているがヴィン・ディーゼル。セリフはお馴染み「I am GROOT.(私はグルート)」のみ!でも「スターウォーズEP7」のアストロメク・ドロイドBB-8がその子供さ故に感情が分かりやすかったのに似て、前作のグルートよりはどんな感情で「私はグルート」と言っているのか分かりやすかったように思います。マスコット的にガーディアンズからもラヴェジャーズからも可愛がられているベビー・グルートだが、ちょっとそのあざとさは鼻についた感じも。でも次はもうちょっと成長、反抗期のグルートが出てくるはずなので次の活躍にも期待だ!

*4:ネイサン・フィリオンは今回もカメオ出演したようなのだがカット。これはより重要な役でMCUに登場させたい、という思惑なのだと好意的に解釈したい