最強バンド登場!悲しいけど本当のことさ! メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー
久々のIMAX!そして3Dにて「メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー」を観賞。一番好きなバンドと言っても過言ではないが今回はこの作品は単なるライブの様子を描いたものではない不思議なものだった!
観賞前には「ゼロ・グラビティ」の予告編が流れた。映像自体はこれまでにも劇場で何度も観たものと同じ。ただしそれがIMAX3Dとなっただけで迫力が段違い!これはIMAX3Dで観なければ、という思いを新たにした。
メタリカ・スルー・ザ・ネヴァーとは?
一夜限りのメタリカのスタジアムライブ。スタッフの1人であるバイト少年は下っ端として使いっ走りをしていた。やがて、ライブはスタート。メタリカの4人のパフォーマンス誰もが熱狂する中、少年は故障して会場に来れなくなったトラックからバンドにとって大切な何かを持ってくる任務を言い渡される。興奮冷めやらぬ中会場を後にしてトラックの場所へ車を走らせる少年。しかし交差点でほか自動車に突撃されてしまう。気がつくと街では暴動が起き、武装したグループと警察の乱闘が起きていた。少年が見たのは馬に乗った謎の男に次々と人を吊るしていく風景。一体何が起きたのか?
一方、スタジアムではライブが最高潮に達しようとしていた…!
メタリカを知ったのは今は無きプロレス団体ECW、そこの人気レスラーサンドマンの入場テーマとして「Enter Sandman」が使われていたからであった。それは正直に言うとそれほど昔ではなく、ECWがWWEの元で一時的に復活し一夜限りの興行をしたECW ONE NIGHT STAND」においてであったので、2005年ごろだろうか。試合の前にビールを飲む男、サンドマンの入場とサビに合わせて観客が一斉に合唱するところは試合そのものとはまた違った興奮であった*1。そこでの「Enter Sandman」のあまりの格好良さに痺れそこから一気に遡って聴くようになったのだった。今ではバンドとしては一番好きと言っていいかもしれない。
もちろんそれ以前からメタリカというバンドの存在は知っていて、「LOAD」と「ReLOAD」が出た頃だと思うがスポーンのマクファーレントイズ始まるフィギュアブームの頃に出たムックにギタリスト、カーク・ハメットのインタビューが載っていて「デビルマン」や「ゲゲゲの鬼太郎」が好きだという彼に好感を抱いたりはしていた。
映画だとハンナ=バーバラのアニメ「ドラドラ子猫とチャカチャカ娘」の実写映画化作品である「プッシーキャッツ」においてセス・グリーンらのボーイズ・グループ(おそらくインシンクモデル)が陰謀により飛行機事故に合うがなんとか無事不時着するもそこがメタリカのライブ会場だったためファンにボコボコにされる。1人だけ軽傷でその理由がただ1人「Enter Sandman」の歌詞を知っていたから、というオチが印象深い。あとは「ゾンビランド」のオープニングでもメタリカが使われていたね。
ミュージシャンの映画というとミュージカルを除けば「アンヴィル」などのドキュメンタリーか「THIS IS IT」などライブを追ったものとに大きく分かれるだろうか。メタリカの映画「メタリカ 真実の瞬間」はどちらかといえば「アンヴィル!」に近いつくりのドキュメンタリーでアルバム「St.Anger」製作を追った作品で、ベースのジェイソン・ニューステッドの脱退、ジェームズのアル中治療、メジャーデビュー前に首にしたメガデスのデイヴ・ムスティンとの和解、プロデューサー、ボブ・ロックがベースを担当してのレコーディング、そして新しいベーシスト、ロバート・トゥルージロの加入と言った出来事が記録されている。現在のメタリカを知る上で興味深いがライブの臨場感や熱気といったものとはまた別のものだった。今回は逆にライブに絞り、ステージの外のバンドの様子はほとんど描かないことで徹底的にライブの臨場感を観客に味合わせてくれる。
ライブはいつもの通り、エンニオ・モリコーネ「続・夕陽のガンマン」の「黄金のエクスタシー」から始まる。
ジェイムズ・ヘットフィールド
ギター兼ヴォーカリスト。ラーズとともにメタリカ創設メンバーで中核。その巨漢とは裏腹に繊細でもあり、今回も終盤のハプニング心優しい様子がうかがえる。ロック界のロン・パールマンといったところか。
ラーズ・ウルリッヒ
メタリカの突貫火の玉小僧。ドラム担当。メタリカの顔とも言える人物で激しい気質の持ち主。今回もステージの中央で時には立ち上がって激しいドラムさばきを見せてくれる。以前よりちょっと太った、というか丸くなった?
カーク・ハメット
デイヴ・ムステインの代わりに加入したギタリスト。先述した通り、僕が最初に知ったのはこの人で日本のサブカルチャーやホラー映画などに造詣が深いコレクターでもある。今回も自身のギターには「WHITE ZOMBZIE」(ロブ・ゾンビの前身バンド・・・ではなくその元ネタになった最初のゾンビ登場もホラー映画「恐怖城」の方)のペイントが施されていたりする。(メタリカのメンバー全員が格好いいのを前提として)僕は特にカークのファンです。
ロバート・トゥルージロ
「St.Anger」から新加入(とはいえ「St.Anger」はプロデューサーのボブ・ロックがベースを担当しているのでトゥルージロが弾いているわけではない)したベーシスト。ゴリラのような風貌で低く重心を落としての演奏が特徴的。
監督は意外といえば意外、「プレデターズ」のニムロッド・アーントル。僕はあれを劇場で観てる時ずっとロバート・ロドリゲスの監督作と誤解していたのだったなあ。ライブの方でどのように関わっているのかはちょっと分からないが彼がメタリカのメンバーと脚本も書いている。デイン・デハーンのパートはほぼセリフもなくPV近いイメージであるがきちんと物語として機能している。
ライブはどこまでが実際のもので、どの辺が織り込み済みの出来事なのかはちょっと分からない。例えば前半でジェイムズがスタンドマイクの不調をスタッフに訴えるシーンがあるがここから始まり、メタルジャスティス像の崩壊、クレーンの不調といったアクシデントが最後のハプニングとそこからのシンプルな演奏へと続く。これまでの派手なパフォーマンスとの対比で見事だがどこまでが計算されたものなのか。
カメラは観客の目線というよりはほとんどがステージの上からのもの。とにかく臨場感が素晴らしい。歌詞にはメンバーの意向で日本語字幕は付いていないが、例えば「Fuel」の歌い出しとかは、字幕があった方がこれまでメタリカの曲を聴いたことのない人にも親切だったんじゃないかなという気はする(この映画を観に来る人でメタリカ聴いたことない奴などいるのか?という疑問はさておき)。
スタジアムの外ではデハーンが小さな大冒険を繰り広げる。ここでのデイン・デハーンはちょっとレオナルド・ディカプリオ似。「クロニクル」とは大分イメージが違うので役者とは大したもんである。セリフもほとんどないが表情で見せてくれる。実際に彼の身に起きた出来事というよりはファンタジーであるのだろうが、この一連のアクションパート素晴らしかった。
この映画でのラスボスという感じのガスマスクの騎士。彼とデハーンが車に飾ってた人形が造形として良かった。
とにかく超オススメ作品。もちろんメタリカのファンなら観にいくべきだし、これまでメタリカを聴いたことがない、知らないという人でもその迫力に打ちのめされるのではないだろうか。メタリカは結構メロディアスな曲も多いしね。
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とにかく、メタリカは凄えんだよ!悲しいけど本当のことさ!
いや、悲しくない、ただ凄いのである!