メキシコ指令!首輪じめ 悪の法則
諸事情でスマホからの更新となるのでちょっと短め、文体もいつもと違うかも。いつにもまして支離滅裂な文章でお送りしております。
前回観た「グランドイリュージョン」は知らずに観たらオールスター映画でビックリしたわけだけれど、事前に豪華なキャストが出ていると知って観に行ったのがリドリー・スコット監督の最新作。前作「プロメテウス」とはまた全然趣の違う作品で前作にも出演したマイケル・ファスベンダーが主演。「悪の法則」を観賞。
今回は自前のあらすじ紹介はなし!事前にもどんな話か分かってなかったのもあったけど(予告編は何度も見たので出てくるキャストは分かっていたけどどんな話かはさっぱりだったのだ)、観終わった後もイマイチ物語の方は理解し切れていない感じだ。映画はメキシコとテキサスの境を主な舞台としスペイン語も出てくるが製作者の意図によりスペイン語の会話には日本語字幕が付いていない。付いていないから分からないということでもないだろうが、おそらく話の詳細自体はそれほど重要な要素ではないのではないかなあ、などとも思う。
原題は「The Counselor」でマイケル・ファスベンダー演じる弁護士のことでファスベンダーキャラクターは役名も「カウンセラー」で劇中で名前で呼ばれることはない。この弁護士がロウヤーではなくカウンセラーなのは彼がギャングの顧問弁護士みたいなことをやっているので「相談役」みたいな位置づけなのではないかと思う。
オールスター映画だが主役はマイケル・ファスベンダー。彼とその恋人であるペネロペ・クルスのベッドシーンから始まる。この始まりはねえ、「シェイム」のファスベンダーと脱ぎっぷりには定評のあるペネロペ姐さんなわけで初っ端からいやらしい期待をしたんだけど、なぜか肝心なところは見せてくれないのですよねえ。この辺はリドリー・スコットの比較的悪く言えば保守的な、よく言えば節度ある演出と言えるのだろうか。ちなみにリドリー・スコット作品で1番エロティックなシーンは「エイリアン」ラスト近くで救命艇でシガニー・ウィーバーのリプリーが下着から宇宙服に着替えるシーンですね。
ファスベンダーの弁護士は自分でもわけのわからぬうちに巻き込まれ転落して行く。はっきり言って物語はかなり古臭い。それはまあ原作・脚本がコーマック・マッカーシーで御歳80歳であるというのも関係あるかな。エロティックなシーンでも妙に抑制されてかつ女性の見方が微妙に「女性怖い!」という一昔前の価値観が存在するような気がしてならない。
ブラッド・ピットがちょっと世の中を斜に構えているディーラーを演じていて、てっきりゲスト出演に近い感じで、すぐに退場するのかなと思ったら存外出番が多かった。彼は麻薬取引の失敗の後すぐに身を眩ませるのだが、ファスベンダーには自分はいつでも世捨て人になれる、みたいなことを言っていて、行動もスマートなのに最後は間抜けな最後を遂げる。ワイヤー付きの首輪をはめられ、それがシューっとワイヤー部分が収縮してですね。この首チョンパマシーンは最初の方でハビエル・バルデムとファスベンダーの会話で出てくるんだけど、まさか実際に出てくるとは。そして……この作品妙に首チョンパ描写に力入ってます。道路にワイヤー張ってスピード出したバイクがそこに突っ込むとライダーの首がコロン!と転がったりね。ここなんて、事前に同じバイクの車高を確かめて、厳密に下準備する力の入れよう。せめてこの力の入れ方の半分でもペネロペ・クルスとキャメロン・ディアスの方に回してくれれば…
ヒロイン?に当たるのは一応ペネロペ・クルスとキャメロン・ディアスなのかな。ペネロペもキャメロンもそれなりにセクシーなところを見せてくれるけど、型通りというか、それ以上の複雑なキャラクターではない。キャメロン・ディアスの動じない悪女ぶりは見てて気持ちいいぐらいだが、決して洗練されてはいない。キャメロンは主要人物中唯一儲けを得て生き延びるが特に好感情も悪感情も抱きにくい。
主要人物がなに考えてるか分かりにくいのでマイケル・ファスベンダーが1人悩みまくってる印象ばかり残る。メキシコから麻薬移送のうんこ偽装とか何故か死体も一緒に運ぶとかディティールは細かいけど、人物描写は全体的に表面的な感じである。
で、ハビエル・バルデムですよ!今回はギャングのボスを演じていてある意味強面の彼に似合いの役。ファスベンダーと話をする時も凄みと愛嬌を織り交ぜた演技で魅せてくれる。ただ「007 スカイフォール」の時も思ったけれど、彼は女性と相対する時より男性と向き合ってる時の方がエロスを発揮していると思う。「スカイフォール」の時は彼の演じた悪役シルヴァの性癖は不明で、字幕によるものか、ちょっとボンドに色目を使ってるように僕は感じたりもしたのだが、今回は紛れもなく性的には普通の異性愛者。キャメロン・ディアスという愛人もいる。にも関わらず僕にはファスベンダーと会話してるシーンの方がむしろ色っぽく感じた。キャメロン・ディアスがバルデムの乗る自動車のボンネットでストリップをするシーンがあるのだが、ここではあまりのキャメロン・ディアスの行動に引いてしまっている。なんとなく、バルデムには声優玄田哲章氏の得意な役柄でもある体格のごっついおねえキャラというイメージがあるのだな。一度ドラッグクイーンな役とか演じて欲しい。その外見に反して絶対似合うと思う。ちなみにバルデムとペネロペ・クルスは夫婦。
人によってこの映画は結構好き嫌い、あるいは良し悪しの評価が分かれると思う。それぞれのキャラクターの短編があるが、うまく一つに融合できていない感じがする。それでも強烈な役者を見るだけでも面白いと思う。
ジョン・レグイザモも出てるよ!*1あ、後チーター可愛いです。
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