The Spirit in the Bottle

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ビッグ・レッド・マシーン! ケインVSピート・ローズ(VSイチロー)

 普段野球嫌いを公言しておいて何なんですが、MLBニューヨーク・ヤンキースイチロー選手が、日米通算4000本安打を達成したというニュースが流れていました。それ自体は凄いことなんで、素直に賞賛したいと思いますが、これは日米通算での記録なので、純粋に他の記録と並べて評価できるのか?ということがちょっと話題になっています。

朝日新聞デジタル:イチロー4千本「認めない」 ピート・ローズ氏、称賛も - スポーツ
大リーグのレッズなどで歴代最多の通算4256安打を放ったピート・ローズさん(72)が、朝日新聞の単独取材に応じ、イチロー選手の日米通算4千安打について、「私は『4千安打』を認めない」と話した。一方、大リーグ1年目から結果を出し続けていることについて、「日本と米国の野球の懸け橋になった功績は偉大だ」とたたえた。

4千安打「日米通算は違う」
 ローズさんは「大リーグだけで放った私と日米通算とは価値が全然違う」。大リーグと日本のプロ野球では試合数や移動距離が違い、米国では時差の影響も大きい。その中で24年間プレーし、首位打者に3度輝いた。イチロー選手は大リーグでは2722安打で歴代59位。「ヒット・キング」を自称するだけに、単純に数字だけが比較されることに、疑問を呈した。

 ただ、ローズさんは大リーグに飛び込み、シーズン200安打を10年も続けたイチロー選手へ最大限の敬意を表する。「異国で野球をすることは、とてもストレスがかかる。1年目から結果を出したのだから、本当に素晴らしい」。体調管理など、グラウンド外でも努力を惜しまない姿に、今後大リーグ3千安打を達成する可能性があると考えている。

 この記事をもって「朝日新聞だからイチローを貶めたいに違いない」とか「ピート・ローズはアメリカの張本勲か」などという声が2ちゃんねるなどでは見かけます。でもね、イチローピート・ローズには決定的な違いが有ります。それは・・・
レッスルマニアでケインにツームストン・パイルドライバーを食らっているかどうか!
です。
 ピート・ローズシンシナティ・レッズで1963年にデビューして1986年に引退するまでに通算4192本の安打記録を打ち立てました。これが現在の一位記録でこの記録を破れるかどうかはイチロー選手次第ですが、ピート・ローズが偉大な選手であることは間違いありません。
 
 ところが1989年に野球賭博に関わっていたことが発覚し、それがまた自分が監督していたレッズまでも賭けの対象になっていたことから、野球界を永久追放されてしまいました。20年以上経った現在も球界復帰の目処は立っていません(復帰を望む声は大きい)。
 

ビッグ・レッド・マシーンはオレのもんだ!

 ピート・ローズのニックネームは「安打製造機」と「BIG RED MACHINE」。「ビッグ・レッド・マシーン」と聞いてもう1人の人物が頭に浮かぶ人も多いと思いますがこれはWWEで現在も一線で活躍するプロレスラー・ケインのニックネームでも有ります。ケインは横溝正史もかくやという数奇な人生を辿った持ち主で兄ジ・アンダーテイカーの放火によって幼い頃に大火傷を負い、死んだものと思われていましたが、実の父ポール・ベアラーによって密かにテイカーへの復讐のために鍛えられていました。そしてWWEで活躍する兄に復讐するためマスクを付けて現れたケインは兄と同様の巨体を生かし活躍、テイカーとは時に争い、時に協力しながら複雑な兄弟関係を続けています。一時期は素顔を晒していましたが現在は再びマスクをかぶっていますね。余談ですが、ケインは幼いころの事件のせいで炎を自由に操る超能力者となりました。入場時のリングイン勝利した後、両手を高く掲げ振り下ろすとリングの四方から火柱が上がります。これが一時期は普通にガソリン巻いてジッポで着火という行為を行った時はマスクとともに超能力も失われたか、とちょっとがっかりしましたね。現在は超能力は再び蘇っています*1
 で、そのケインのニックネームが「ビッグ・レッド・マシーン」、日本語字幕では「赤い処刑マシーン」などと訳されて「おい、BIGはどこへ行ったんだよ!そして処刑って単語はどこから持ってきたんだよ!」と突っ込むところですが、これはケインにとてもふさわしい渾名と言えます。ちなみに兄ジ・アンダーテイカーの渾名には「RED DEVIL」「BIG EVIL」などがあります。そしてケインはマシーン軍団ではありません。

 ピート・ローズは「オレこそがビッグ・レッド・マシーンだ!」とWWEに乗り込み、毎回祭典「レッスルマニア」でケインにツームストン・パイルドライバーを喰らう、という光景が一時期恒例となりました。実は僕もそうですが、この一連のケインとローズの遺恨を通じてピート・ローズを知ったプロレスファンも多いのではないでしょうか。そしてこのケインとの一連の抗争とムーヴが評価され、2004年にピート・ローズWWEの殿堂入りしました。この時、プレゼンターを努めたのはかつて何度も自分をリングに沈めたケインでした。これは野球の方では殿堂入りすることは出来ないピート・ローズをせめてプロレスの方で讃えよう、というビンス・マクマホンの配慮だったといいます。ビンスはビジネスでは厳しい男ですが、時折こういう侠気を見せますね。何よりビンス自身が頻繁にリングに上っては並のレスラー以上に流血したり技を食らったり銃で脅されて失禁したり、ということを大観衆の前で行っているのでどうにも憎めないのです。ちなみに僕が好きなレスラーは”ハート・ブレイク・キッド”ショーン・マイケルズやジ・アンダーテイカー、ストーンコールド・スティーブ・オースティン、ザ・ロックなどなどたくさんいますが、もしかしたら一番好きといえるのはビンスの息子シェイン・マクマホンかもしれませんね。彼の得意技はコーナー・トゥ・コーナーのドロップキックだったり超高度からのエルボー・ドロップだったりこれまた並のレスラーを超えています。

2003年のPPVアンフォーギブンで行われたシェイン・マクマホンVSケインのラストマン・スタンディング・マッチ。シェインもケインも凄い!

 とにかく、ピート・ローズは日曜の朝に死臭漂う番組で「喝」とか言ってる張本勲とは度量が違います。おそらくピート・ローズイチローに本当に言いたいことはこういうことでしょう。
「お前もケインのツームストン・パイルドライバーを食らってみろ!オレと対等になるのはまずそれからだ!」
察しろ!

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ケイン主演のホラー映画。
ピート・ローズの野球教室

ピート・ローズの野球教室

*1:本気にする人はまさかいないでしょうが、ここまでのケインの経歴はいわゆる「ギミック」ですよ。