ヒーローとブランドと制約
恒例、夏の仮面ライダー&スーパー戦隊の映画が公開されましたね。今年は「劇場版 仮面ライダーウィザード in Magic Land」と「劇場版 獣電戦隊キョウリュウジャー GABURINCHO OF MUSIC」。僕も見に行く予定ではありますが、もうちょっと先になりそう。それと正直「キョウリュウジャー」の方だけ500円ぐらいで観れないかな―などと思ったりしています。以前にも書きましたがどうも「ウィザード」の方は乗り切れないまま番組が終わってしまいそうです。「仮面ライダーウィザード」の場合、開始当初からどうも主人公操真晴人のスカしたキャラクターがイマイチで、まあそれはいいんですが、一方でサブキャラクターの瞬平と凛子が妙に騒々しく逆にしらけてしまい、凛子はまだいいんですが「瞬平は要らないよな〜」という思いがここまでずっと残ってしまいました。さらにどうにも本来のヒロインであるコヨミちゃんがおざなりな感じがするんですよね。
仮面ライダービーストこと仁藤攻介が出てきてしばらくは持ち直した感じがするんですが、番組がクライマックス近くになってまたもたついたような気がしています。何よりせっかく(一応「ディケイド」も含め)「仮面ライダーW」「オーズ」「フォーゼ」と「劇中で仮面ライダーと名乗る」仮面ライダーが続いたのにその流れが途切れてしまったのが残念です。
で、そろそろ新しい仮面ライダー番組の情報も出て来ました。
仮面ライダーガイム|テレビ朝日
平成仮面ライダー15作品目のヒーローは
“フルーツ”と“鎧”がモチーフ!!
≪異世界の果実≫の力を宿した鎧を身にまとい、
天下の頂を目指す幾人もの仮面ライダーが登場!!
まさに≪仮面ライダー戦国時代≫が今、幕を開ける…!!
モチーフはまあいいんですが、気になるのは
≪異世界の果実≫の力を宿した鎧を身にまとい、
天下の頂を目指す幾人もの仮面ライダーが登場!!
まさに≪仮面ライダー戦国時代≫が今、幕を開ける…!!
の部分。どうも「龍騎」や「ディケイド」のような複数のライダーが互いに戦う、という物語になるようです。僕は平成ライダーの第1期、「クウガ」から「キバ」そして総まとめである「ディケイド」までは実はあまり「仮面ライダー」としては好きではないです。基本的に
作品は好きではないのです。番組タイトルで仮面ライダーと称する以上きちんと劇中でも名乗るべきだと思うし、仮面ライダーは正義のヒーローという思いがあるので互いに争うのは見たくありません(一時的に敵対することはあってもそれがメインになるのはちょっと・・・)。その意味で特に「龍騎」以降「ディケイド」までの平成ライダーシリーズは作品の出来不出来とは別にあまり好きではないのです。
もちろん、「ヒーロー同士が戦う」という作品があってもそれは全然構いません。僕もそれが「仮面ライダー」でなければもっと素直に受け入れられたでしょう。でもやっぱり仮面ライダーと名乗る以上そういう理想を汚すようなことはしてほしくないんですよね。
例えば近年の日本のヒーローアニメのヒット作に「TIGER & BUNNY」がありますが、ああいう世界観を一から構築してその上で「ヒーロー同士が戦う」という作品をタイトルから含めて一から作るならそれは全然有りなわけです。でもそれを仮面ライダーというブランド名に乗っかってやるのはちょっとどうなのだろうか?と思うのですね。昭和シリーズより平成シリーズの方が多数になった今、こんな考えはむしろ少数派なのかもしれませんが僕としては譲れない部分でもあるわけです。
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急いで言っておくとスーパー戦隊の方はちょっと事情が異なるわけです。あちらは劇場版やオリジナルビデオで「VSシリーズ」を作っていますがあれはあくまでイベントで基本的に作品ごとの世界観は繋がっていません(「ゴーカイジャー」は例外中の例外)。それでもシリーズとして強く認識されているのはあのシリーズが作品の世界ではなく番組のフォ―マットにおける共通点が受け継がれているからなのですね。どんな世界観・設定であろうともフォーマットが共通していればスーパー戦隊として認識されるのは強みで、それがあのシリーズを半永久的に作り続けられるであろう要素となっていると思います。また「ジェットマン」の次は「ジュウレンジャー」、「タイムレンジャー」の次は「ガオレンジャー」、そして最近の「ゴーバスターズ」の次が「キョウリュウジャー」というように作品によって視聴者の年齢層が高くなってしまった場合、次作においてきちんと低年齢層向けに戻すという作業をしているのがシリーズ存続において大きく役立っていると思います。だから「「シンケンジャー」はいいけどガキ向けだった「ゴーオンジャー」はダメだ」みたいな意見には与したくないのです。もしもシリアスな作品ばかり続いていたらもっと早い段階で息切れしてシリーズは終わっていたと思いますよ。
さて、もう一つ、8月下旬には実写映画として「ガッチャマン」が公開されます。この実写映画予告編の段階ではそんなにいい評判を聞かないのですがそれでも設定的にはアニメの「科学忍者隊ガッチャマン」にもとづいて作られているようです。まあ戦闘スーツの鳥モチーフがどうも無視されているらしい、なども聞きますがそれはさておき*1、それに合わせてか新作アニメも放送されています。
こちらはとても評判がいいみたいですが僕は第一話だけ見て断念しました。理由は大きく3つで、
- キャラクターの髪の毛の表現が生理的に受け付けない
- 主人公の女の子のャラクターが無理
- (第1話を見る限り)ガッチャマンである必要を感じない
の3点。
最初のはおそらく髪の毛の陰影表現だと思うんですが、そんなにシマシマになるのはおかしいと思ってしまって受け付けませんでした。
アニメや漫画は物語である以上にやはり「絵」であるのでどんなに物語がイイと言われてもやはり絵が受け付けないと無理ですね。
同様に主人公のキャラクターがうるさすぎて無理でしたね。声を担当している内田真礼さんは「非公認戦隊アキバレンジャー」などでお見かけして凄い美人だ!と思って「ピラメキ―ノ」のコーナーなどもチェックしたりしていたのですがこれも、ちょっと受け付けませんでした。
上記2点は作品の不出来ではなくあくまで僕の好みと合わなかったというだけですが、最後はちょっと事情が違うかも知れません。4話まで放送された現時点ではどうか分かりませんが、一話を見た限りでは平成ライダー第1期同様「これ別にガッチャマンでなくてもいいんじゃ・・・?」と思ってしまったのですね。僕は別にアニメの「科学忍者隊ガッチャマン」のファンというわけではないですが基本の設定は知っています。それで言うとやはり「ガッチャマンを名乗る以上シリーズとしての共通点を大事にしてほしい」などと思ってしまうわけです。もちろん僕は「ガッチャマンクラウズ」をドロップアウトした身であり、今後そういう展開もあるかも知れませんが。
結論から言うと、シリーズを名乗る以上はその原点を大事にしてほしい、その上で新しい要素を付け足していってほしいなと思うわけです。でなければ既存のシリーズのブランドに乗っからず新しい名前で制作してほしいなと。もしかしたら僕みたいなファンは少数派かも知れませんし、古いファンのやっかみと思われるかもしれませんが(ノスタルジーが入っているのは認めます)、できるだけ制作側は制約を守りつつその上で新しいものに挑戦して欲しいと思う次第であります。以上ギャフン!
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*1:ちなみにスーパー戦隊の「鳥人戦隊ジェットマン」はガッチャマンの設定を一部パロディ化したものだったりする。