The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

nWo=完璧超人説! & 悪魔の名言!


 ゆでたまご原作の「キン肉マン」は1979年から1987年まで週刊少年ジャンプで連載された人気漫画。ダメ超人キン肉マンを主人公に超人と呼ばれる人間を超えたキャラクター達が超人プロレスを繰り広げる。ウルトラマンなどの特撮ヒーローのパロディとして始まっているがやがて荒唐無稽ではあるがリングの上で戦う超人プロレス路線になって人気が爆発した。「超人オリンピック編」「アメリカ遠征編」「超人オリンピックザ・ビッグファイト編」「7人の悪魔超人編」「黄金のマスク編」「夢の超人タッグ編」「キン肉星王位争奪編」と続き完結した。矛盾なんかなんのその、文句を言わせぬパワーで子供たちを魅了し、マンガだけではなく、アニメやキン消しと呼ばれる人形玩具も人気を博し、1977年生まれの僕はその人気のまっただ中にいた世代である。
 完結した後も読み切り短編などを挟みながら続編「キン肉マン�世」も開始、そして現在は「キン肉星王位争奪編」の正統続編(二世の「究極の超人タッグ編」が反映されてるのかは分からない)としてWeb上で連載されており、既刊が3巻。正義超人、悪魔超人、完璧超人の間に協定が結ばれ地球は平和になったがそこに突然「完璧・無量大数軍(パーフェクト・ラージナンバーズ)」と名乗る集団が来襲。新たな戦いが始まる!という展開。7人の悪魔超人が正義超人に代わり戦う、という熱い展開を迎えている。個人的にはミスターカーメンが負けてしまったのは残念だがブラックホールはなかなか強い!
 で、完璧超人との戦い、と言うことで今回は以前少し書いて、twitterなどでも少し触れた持論「完璧超人=nWo」説について書きたいと思う。
 

完璧超人

キン肉マン」において完璧超人は宇宙超人タッグトーナメントに乱入という形で参戦する。登場は一回戦第2試合。モースト・デンジャラスコンビ(ブロッケンJr.&ウルフマン)VS2000万パワーズ(バッファローマン&モンゴルマン)にケンダマンとスクリューキッド(後に殺人遊戯コンビと命名)が乱入。モーストデンジャラスコンビは「地獄のネジ回し」を喰らってリタイアする。代わりに2000万パワーズが戦って勝利。破れたケンダマンとスクリューキッドは完璧超人の首領である、ヘルミッショネルズ、ネプチューンマンとビッグ・ザ・武道に処刑される。そして実はネプチューンマンの部下であったビッグ・ザ・武道こそ完璧超人の首領であるネプチューンキングであったことが判明する。


 

nWo

 1996年、WWF(現WWE)からケビン・ナッシュスコット・ホールが「WWFからの侵略者(アウトサイダーズ)*1」としてWCWに参戦。彼らはWCWのPPV(ペイパービュー)「バッシュ・アット・ザ・ビーチ」においてWCW正規軍(スティング、レックス・ルガー、ランディ・サベージ)との3VS3のトリプルタッグマッチを行うことに。この時点で侵略者側の第3のメンバーは不明。
 PPVでは侵略軍が有利に進みリングが混沌とする中ダウンしたランディ・サベージのピンチに絶対的ベビーフェイスハルク・ホーガンが登場しリングイン!誰もがサベージを助けるのかとおもいきやホーガンはサベージにランニング・レッグドロップ(ギロチンドロップ)。そしてナッシュ、ホールと抱き合うのだった。観客の怒りで物の飛び交うリングの上で彼はインタビューに答える。
「これが新世界秩序(New World Order)だ。もうお前ら(観客)に媚びるのはやめだ。お前たちはゴミだ」
 ここから、ホーガン、ナッシュ、ホールの三人がnWoオリジナルメンバーとされる。彼らの流儀はどんな手段を使っても試合に勝つこと。そして負けた相手の背中に「NWO」の文字をスプレーペイントして見せしめにすること。ここからnWoの躍進が始まりWCWWWEとの通称「月曜テレビ戦争」*2に視聴率で勝ち続けることになる(が、最終的にこれは劇薬だった)。
 
 日本でも蝶野正洋やムタが持ち込んだりしてブームになったが黒字に白の「nWo」の文字デザインのTシャツがプロレスファン以外にもアピールして一時期はたくさんの人が着ていたりした。このnWoの発想のもとになったのは新日本プロレスUWFとの抗争がモデルとされているが発案者はホーガンともWWFからの移籍組であるナッシュとホールであるとも、あるいはWCW社長だったエリック・ビショフであるとも様々に言われている。ただ実際はナッシュが中心に仕切っていたことは確かなようだ。

 キン肉マンネプチューンマンは読者が考案した「イチバンマスク」と「ハルクマシーン」を作者のゆでたまごが合体させて作ったキャラでブルーザー・ブロディのキャラも多少入っているが明らかにハルク・ホーガンがモデルである*3。漫画「キン肉マン」でネプチューンマンが活躍した時期というのはホーガンは日本での活躍を元にアメリカで不動のベビーフェイスとして活躍を始めた頃で「キン肉マン」劇中のような悪役ではない。
 
 完璧超人とnWoは絶妙に符合していて

辺りと符合させるとしっくりする。それではビッグ・ザ・武道は誰になるのかというと、

  1. ネプチューンマンよりでかい(ケビン・ナッシュはホーガンよりでかい)
  2. ネプチューンマンの部下として登場(一応nWoではホーガンがボスということになっていた)
  3. しかし実はネプチューンマンのボスである(バックヤードで支配していたのはナッシュらしい)

という辺りから、ケビン・ナッシュがビッグ・ザ・武道、ネプチューンキングを兼ねる、という感じだろうか。多少ナッシュの負担が大きい気もするが、これを例えばビッグ・ザ・武道をザ・ジャイアント(現WWEビッグ・ショー)にしたりあるいはスクリューキッドが多少小柄であることからシックス(ショーン・ウォルトマン。Xパック、1-2-3キッドなどのリングネームでも活躍)に置き換えてみてもピンと来ない。ナッシュのタッグ・パートナーはホール以外ピンと来ないし、真の親玉としてのビッグ・ザ・武道=ネプチューン・キングはやはりナッシュ以外にいないだろう。
 完璧超人はその後宇宙超人タッグトーナメント決勝でビッグ・ザ・武道がネプチューンキングとしての正体を現し、さらにマスク狩り宣言の失敗や凶器攻撃までする醜態を晒しキン肉マンテリーマンのザ・マシンガンズの前に敗れ去る。
 nWoはその後どんどんメンバーが増えるが、船頭多くして船山に登るのことわざの通り増えすぎてわけが分からなくなり、またナッシュやホーガンがフロントに口を出した結果、彼らは負けを組まされることが無い、などエンターテイメントとしての幅を狭めてしまい、最終的に視聴率競争でWWFに敗れ、買収される遠因となってしまった。それでもコンセプトは高く評価され一時的にWWEでも復活したほか(結果としてハルク・ホーガンがベビー復活した)、ECWでもbWoなどのパロディユニットが登場したりした。
 nWo自体は後に「キン肉マン�世」で「デーモンプラント(d.M.P)」としてモチーフになっているが(おそらくは偶然だが)その前の完璧超人がnWoそっくりの構図になっていたといえるだろう。このことをゆでたまごは誇っていいと思う。

 

おまけ

 現在活躍中、七人の悪魔超人の名言。

ダルメシマン おまえは確かに名乗るとおりの”完璧”だ
しかし それは超人としてじゃねえ 完璧な犬なのだーっ!

 39巻より。Iの形は犬の大好きな骨に似てるからダルメシマンがそれを選ぶ!というすばらしく飛躍した理論で完璧超人ダルメシマンを破るブラックホール

ククク…悪魔超人というと残虐非道な無頼の輩だと思われているだろうが
悪魔として大胆に振る舞いたいからこそ
日々の精進は怠らない 7年あれば2555日のすべては訓練の日々だ

 39巻より。背中のランドセルの「超人大全集」を7年間のうちに新しい強豪超人のものに変えていたステカセキングの戦いを見て観客席にいるスプリングマンの一言。しかしステカセキングの場合、訓練というより単にコレクション収集に磨きをかけただけでは・・・(もちろん訓練もしてるのだろうけど)

あ…悪魔なんぞ応援してたら…
ろくな お…大人にならねえぞ…

 40巻より。久方ぶりに登場した7人の悪魔超人の中でもかつてロビンマスクを卑怯な方法で破ったアトランティス。同じ水棲超人である完璧超人マーリンマンと戦う。最初は(悪魔超人と正義超人は同盟関係にあったため)正義超人の手助けに来たのかと思いきや、実はそうではないことが判明しアトランティスを応援していたロンドンっ子も応援をやめる。他の悪魔超人以上に偽悪的なセリフを発するアトランティスをそれでも応援する少年に対しての一言。

最後はこの人の決めで。

悪魔をなめるな!

 ブラックホールさん、格好いいっす!

キン肉マン 38 (ジャンプコミックス)

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キン肉マン 39 (ジャンプコミックス)

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キン肉マン 40 (ジャンプコミックス)

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Wwf: Nwo - Back in Black [DVD] [Import]

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*1:実際はまだWWFとの契約が残っているにもかかわらずのWCWによる引き抜き

*2:月曜日の同じ時間にプロレス番組をぶつけるという尋常ならざる事態。更に当時WWFの「MONDAY NIGHT RAW(マンデー・ナイト・ロー)」は録画放送だったためWCWの「MONDAY NITRO(マンデー・ナイトロ)」(名前も酷い・・・)でRAWの結果を試合放送より先にばらしたりしていた

*3:ちなみにハルク・ホーガンというリングネームはマーベル公認のもと「ハルク」が元になっている。このへんの連鎖は面白い