The Spirit in the Bottle

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20秒間の勇気 幸せへのキセキ

 映画「幸せへのキセキ」を鑑賞。「サニー」のところでも触れたが普段なら余り見ないタイプの映画。だけどこれに関してはマット・デイモンスカーレット・ヨハンソン、そしてエル・ファニングが出ていて、監督がキャメロン・クロウということで観てきた。実話を元にした作品。

物語

 突撃コラムニスト、ベンジャミン・ミーは半年前に妻を亡くし、子育てに追われる身。7歳の娘ロージーは天真爛漫だが14歳のディランは反抗的で学校でも問題を起こしがち。ある時、勢いで仕事をやめてしまった彼は、心機一転引っ越すことに決める。ある郊外の素晴らしい家を見つけるが、その家には購入条件があった。閉園状態にあった動物園のオーナーにならなければいけないのだ。動物園は前オーナーの遺産で賄われていた。ベンジャミンは兄の反対を押し切って動物園を再開させることを決心する。
 チーフであるケリーを始めとする飼育員たちも最初はベンジャミンがすぐ投げ出すとふんでいたが、やがて一致団結して再開を目指す!

 原題は「We Bought a ZOO」で「動物園を買った」とまんまなタイトルなのだが、邦題では「幸せへのキセキ」とありがちなタイトルに変更。まあ原題そのままでは在れなのも理解できるがかと言ってもう少しなんとかならなかったものか。とはいえ多少はひねっていて、カタカナの「キセキ」には「奇跡」「軌跡」がかけてあるのだろう。個人的には嫌がらせ的にベンジャミンの妻が死んだこと「鬼籍」もかけていることにしたい。
 とはいえ、映画は単にウェットに泣けるというものでもなく、結構楽しく描いている。予告編における嵐は別にクライマックスでも何でも無く、普通に通り過ぎるのを待つだけなのだった。
 劇中で印象深いシーンの一つがミー一家が引越しをするときに、業者の名前が「メイフラワー号」というものであること。メイフラワー号といえばピルグリムファーザーズが迫害を逃れて心機一転新天地アメリカにやってきた時に乗っていた船の名前。実際にそういう名前の引越会社があるのか分からないが(いかにも有りそうだとは思う)、ミー一家が新たに生活を始めるときのにはふさわしい業者だ。
 マット・デイモンと兄の”サンドマントーマス・ヘイデン・チャーチの会話がいい味を出していて、チャーチって顔が強面なのに(強面だからか)実にキュート。
 コメディと言っていい部分も楽しく、家が郊外にあるため買い物に行くのに長時間自動車を運転しなければならないのだが、家族の多数決でバター一つのために買い物に行って帰ってきたら「よく探したらバターあったよ」っていうシーンが楽しかった。
 で、最近は「アベンジャーズ」「ダークナイト ライジング」のキャストが出てる作品はとりあえず観ておこう、と思っていて(というわけで「スノーホワイト」も観に行ったのですよ)ブラックウィドウであるスカーレット・ヨハンソンも当然チェックの範疇に入っていてまあ最近は以前の「わがまま子役上がり」みたいなイメージは払拭されてしっかりした責任ある大人も演じられるようになってますね。
 各種登場する動物もいい味を出していて、ほんのちょっとしたミスで庭中に散乱するヘビたちや、ライオン(しかしアメリカの動物園はあんな低い柵で大丈夫なのだろうか)、そしてドラマに関わってくるグリズリーやベンガルトラ

 で!以上はすべて表の感想。この映画を観に行った本当の理由なんてエル・ファニングが出てるからに決まってんだろ!エル・ファニング目的で行ったんだよ!動物なんてどうでもいいんだよ!もっと!もっとエル・ファニングを映せ!
 エル・ファニングスカーレット・ヨハンソンの従妹という設定で13歳で園内のレストランを手伝っている。この素晴らしい天使が主人公の14歳の息子に惚れてしまうのだ。14歳のディランは何もしていないのに(しいていえば、多少影のある美少年で都会から来たというだけか)!そしてこんな天使に惚れられていながらディランは冷たくあしらうのである。それでも献身的に弁当を運んだりするエル・ファニング。ちなみにディランは反抗期なので全然動物園再開の手伝いをしていない。ディランを2,3発殴っていいですか?
 まあ、最終的にはディランは父親と理解し合い、エルとも仲睦まじくなっていくわけですが、感心しないよな。こんなガキに惚れるぐらいならオレに惚れればいいのに、と強く思いましたよ。

 映画としてはキャメロン・クロウの手堅い演出も相まって良作です。例によって予告編で受ける印象とは少し違う部分もあるんだけど、そんなに気にはならない。ファミリームービーとしても最適ではないですか。
 ぼくも20秒の勇気が欲しいです。

幸せへのキセキ―動物園を買った家族の物語

幸せへのキセキ―動物園を買った家族の物語

  • 作者: ベンジャミン・ミー,水野麻子,成瀬まゆみ,白木耀子
  • 出版社/メーカー: 興陽館
  • 発売日: 2012/06/01
  • メディア: ペーパーバック
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 元になった実話はイギリスの話しらしいですね。
幸せへのキセキ

幸せへのキセキ