The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

カークVSピカード 夢の対決!Black & White/ブラック & ホワイト

 ジェームズ・T・カーク、23世紀のエンタープライズ艦長。伝説的な5年間の探査飛行を成し遂げ提督に昇進した後、惑星連邦とクリンゴン帝国の和平に尽力する冒険心溢れる23世紀の航宙艦艦長を代表する人物。演じた役者はTVシリーズ及び映画版でウィリアム・シャトナーが演じ、映画の11作目、タイムトラベルによるパラレルワールドの23世紀ではクリス・パインが演じている*1
 ジャン=リュック・ピカード、24世紀におけるエンタープライズD,同Eの艦長。考古学者でもあり様々な冒険を成し遂げた。ボーグとの戦いでは拉致されロキュータスとされたこともあった。演じたのはパトリック・スチュアート。ロミュラン帝国によって作られた彼のクローンをトム・ハーディが演じている。
 
 先日、id:Stroszekさんから試写会のハガキを譲って頂き一足先に「Black & White/ブラック & ホワイト」を観てきました。監督は「チャーリーズ・エンジェル」のMacG。ところでこの作品は世間の注目とは別に僕は別の視点から大注目していたのである。つまり、「ヤングジェームズ・T・カークVSクローンジャン=リュック・ピカード」のスタートレックファン垂涎のドリームマッチ作品として。

物語

 CIAの腕利きエージェントコンビFDRとタックは国際犯罪者ハインリッヒを追い詰めたものすんでのところで逃してしまい、多額の被害を出したことで内勤となってしまう。暇を持て余したタックは恋人紹介サイトでローレンと出会う。一方FDRがレンタルビデオ店でナンパした女性に夢中になってしまう。その女性はローレンだった。
 ローレンも過去の恋人に婚約者を紹介されたことで焦っていて二人の好人物、タックとFDRのどちらと付き合うべきか真剣に迷っていた。互いの狙っている女性が同一人物だと知った二人はそれぞれ「ハインリッヒ絡みの任務」と偽ってチームを組み互いのじゃまをすることに・・・


 クリス・パイン演じるFDRはそれこそ現代に転生したカーク船長という感じの役柄で女好きの軽めな奴。いっぽうトム・ハーディはこれまでのシリアスなイメージとは別物だが比較的真面目な紳士タイプ。
 トム・ハーディは一般的には「インセプション」で注目され、この夏公開の「ダークナイト ライジング」におけるヴィラン、ベイン役に大抜擢されたというイメージかも知れないがスタートレックファンにとってはピカード艦長のクローン、シンゾン役としてお馴染み。「X-MEN FC」の製作が発表された時もパトリック・スチュアートの若いころならトム・ハーディでいいじゃない!などと思っていた。先述の通り、僕はこの二人が共演と聞いた時「カークVSピカードだ!」と思ったのだがカークはともかくピカードを連想する人は少ないだろうなあ。
 ヒロインはリース・ウィザースプーン。この人は日本人の目から見ると癖が強すぎて凄い美人!というタイプではないので「なんであの女がイイ女代表みたいになってるんだよ!」みたいなツッコミをよく受ける。似たような感じではジュリア・ロバーツが近い評価を受けてるかな。僕自身「キューティ・ブロンド」では魅力的だったもののやはり凄いモテる女みたいなイメージはゼロでジュリア・ロバーツサラ・ジェシカ・パーカーあたりと並ぶなんでちやほやされてるのかいまいち分からない女優さんだった。この作品にしても予告編見る限りではリース演じるローレンが二人を二股かけて手玉に取ってるみたいなイメージだったが本編を見たら充分にこの二人が取り合いをするに値する魅力的な女性として描かれていた。予告編の悪女っぽい雰囲気は実際には皆無でむしろ真剣に交際を考えているからこそ二人の男を見極めている、という感じ。そもそも彼女の職業は商品のモニター(自分で試したり。アンケートを取ったり)をすることなので男を見極めるというのは極めて正直なんである。彼女と彼女の親友の会話がデフォルメされてはいるのだろうが女性の本音会話という感じで面白い。男のことを滅茶苦茶に言っていてもそれほど嫌悪感は感じない会話。 

 監督のMacGは「ターミネーター4」で少し躓いた感じだったが(悪くはなかったが「ターミネーター」シリーズとして見ると評価は厳しくなるよね)、今回は「チャーリーズ・エンジェル」の頃のアクションコメディとしての面白さを取り戻した感じ。この人はやっぱりシリアスな作品よりこういうタイプのアクションもあるけど明るいコメディ映画のほうが似合ってると思う。
 映像的な面白さとしては普通にローレンが自分の家で台所などを動いている時に観客からはよく分かるけど、ローレンには全く気付かれないようにスパイする様子などが面白い。
 それぞれが互いの恋路を邪魔するために目的を偽装してチームを組むがそのメンバーたちが途中から明らかに「分かっててやってる」感も楽しい。物語的には「お遊びの任務」に本当にハインリッヒが絡んでクライマックスを迎えるのだが、このハインリッヒは「イングロリアアス・バスターズ」のナチ高官連続殺人犯ヒューゴでお馴染みのティル・シュヴァイガーサッカードイツ代表のカーンぽい感じで別の意味でドイツ人!という感じだね。思い出したけどこの人「ニューイヤーズ・イブで新年早産み競争してた人だ。

 いわゆるMTV感覚(この言い方ももはや古いか)の映画でとにかくテンポよく物語を進めていく感じです。あんまり頭使わない。トム・クルーズの「ナイト&デイ」あたりと同じまったく汗臭くないスパイ映画。スタトレ云々置いといても個人的には結構好きなタイプである。
 トム・ハーディは今後「裏切りのサーカス」が公開。そして何と言っても「ダークナイト ライジング」が夏に控えています。ヒース・レジャージョーカーのあとでヴィランを務めるというのは相当プレッシャーだと思うが予告編を見る限り期待はできそう。原作とは大分違った感じだが(でも実はベインが知能犯ってのは原作でもある描写なのよ)楽しみである。
 クリス・パインは「スター・トレック」の新作続編が2013年5月公開予定!カーク以下キャストはほぼ継続のよう。クリンゴンも登場するようだけどこの時代のクリンゴンて見た目がアレなはずだよなあ。

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 アンジェラ・ヴァセットも出てるよ!

*1:よく誤解されるが「スター・トレック」は仕切り直しではなく「スタートレック/ネメシス」からきちんと物語を引き継ぐ作品でそれまでの世界とはパラレルになる