The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

飛び出るさかな!オッパイ!そして××! ピラニア3D

 一部で大きな話題になっている「ピラニア3D」を鑑賞。監督はアレキサンドル・アジャ。この人の映画を劇場で観るのは初めてですね。これも一部の人は輸入版なんかで話題になっていてとても見たい作品だった。
 予告編は3D映画が中心。気になったのは邦画清水崇監督の「ラビットホラー3D」と「Glee/グリー ザ・コンサート 3Dムービー」。「ラビット〜]の方は3Dで満島ひかりの顔がアップになってたりしてた。「Glee〜」は劇映画ではなくドラマのキャストよる全米ツアーの様子を映画化したもの。こちらは二週間限定公開だそうなので見逃さないようにしなくっちゃ。

物語

 アメリカ南西部のビクトリア湖。普段は閑静な田舎町だが春になると全国から大学生がやってきて盛り上がる観光地だ。今年も春休みがやってきた。しかし地震が起き湖のそこでつながっていた地下湖から古代の肉食魚、並みののピラニアより巨大なパイゴセントラスが何千匹と人間の肉を求めてやってきた!
 町の女性保安官ジュリーは無残な死体で発見された釣り人を見て若い学者達と共に湖の調査に向かう。一方息子の高校生ジェイクはポルノビデオ監督デリックに案内役として雇われる。幼い妹達の世話を頼まれていたジェイクだが、女優ダニーの肢体に魅せられ湖での撮影に同行。そして湖畔では「濡れTシャツコンテスト」が行われていた・・・

 一応、製作総指揮にチャコ・バン・リューウェン(筑波久子)が名を連ねていることから、ジョー・ダンテ「ピラニア」、ジェームズ・キャメロン「殺人魚フライングキラー」のシリーズに連なる作品だが、過去2作品が軍によって改造された生体兵器という位置づけだったのに対し、むしろ進化を拒んだ太古の肉食魚という設定。
 ちなみにジョー・ダンテの名をエンドクレジットの「スペシャルサンクス」で発見したのでキャメロンもあるかなーとおもったが無かった模様。どうやら、キャメロンにとって「殺人魚フライングキラー」はけっして誇るべきキャリアではないようだ。また、この作品が3Dで作られたことに対して3D映画の旗手であるキャメロンは「こういう低俗な映画に3Dが使われてはダメだ」というようなことを言ったとか言わないとか。でも、正直今まで見た実写3D映画の中では一番有効的に3Dが機能してるように思うよ!水中を魚目線で捉えた映像や、真っ裸の女性二人の水中レズショーとかね。
 
 湖というと僕なんかも子供の頃は夏休みのたびに猪苗代湖で泳いでいたり、学生の時は琵琶湖に遊びに行ったりしたものだがこんな風景見たことない。アメリカの大学生はバカです(褒め言葉)。享楽的に過ごすことにかけては世界一だと思います。とにかくオッパイ!オッパイ!でバカなもんだから保安官達に「危険だから陸に上がれ」といわれてもまったく言うことを聞かない。そして予定調和の修羅場が・・・

 濡れTシャツコンテスト。ちなみに水かけてるのはイーライ・ロス。こんなに楽しそうな風景が・・・

 あっという間に阿鼻叫喚の大惨劇に早変わり!本当はもっと悲惨な画もあったのだがここではこの程度で。
 これがただ喰われるというだけでなくて人災の部分もあってパニックの中、ちぎれたケーブルが女性を袈裟切りして真っ二つにしたり、喰われる若者を蹴散らしながらボートで逃げようとするも逃げ惑う犠牲者に囲まれ結局、転覆するまさに「蜘蛛の糸」状態な地獄絵図などが展開される。
 
 後は事前にちぎれた男性器のアップがある(この作品おそらくぼかし・モザイク一切ありません。まあかけたらきりがないのでR指定だけして加工を加えないというのが一番賢いやり方だと思う)とは聞いていたのだがまさかそれがジェリー・オコンネルのものだったとは!「スタンド・バイ・ミー」の太っちょバーン・テシオですよ!「スクリーム2」で久々に彼を見たときはあまりの変貌にビックリしたものだったが。まさか「スタンド・バイ・ミー」当時あの4人組の中でバーンが役者として現在一番充実していることになるとは誰が予想したであろうか!*1(他は故リヴァー・フェニックス、当時はアイドルだったコリー・フェルドマン、そしてウェスリー・クラッシャーことウィル・ウィートン)まあ、出演者全体から見ると一番の出世頭はキーファ・サザーランドなんだろうけど。
 でも本当に楽しそうに演技してるんですよ、ジェリー。この人はポルノ映画監督デレックを演じてるんだけど、とにかく常に狂騒的。クスリでアッパーな状態になってる(実際にドラッグやってる描写もある)。そして何と言っても大爆笑だったのがラストの一言。男性器をちぎられ死ぬ直前の一言が「Tシャツ・・・濡れたTシャツが見たかったよ・・」 

 純真だった頃のジェリー・オコンネルを見て欲しい。
 で、ジェリー・オコンネルもそうなのだがこの手の映画にしては結構キャストが豪華なのである。まずエリザベス・シュークリストファー・ロイドの「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」「3」のコンビ(1作目のジェニファーは別の人)。僕がエリザベス・シューを見るのは「インビジブル」以来だが実はあの時も今回も彼女のヌードに期待したのは内緒だ。最初の方で息子の部屋に入ってくるシーンでのスタイルが良かったです。
 クリストファー・ロイドは地元の熱帯魚屋(アマチュア魚研究家)で登場はわずかであるが少ないながらもマッドサイエンティストぽい雰囲気を漂わせているのはさすがである。
 後は冒頭でピラニアたちの犠牲者第一号になる釣り人を演じているのがリチャード・ドレイファス!おそらく「ジョーズ」オマージュであると思われます。そしてエリザベス・シューの女性保安官の同僚にヴィング・レイムズ。男気を見せるぜ!
 後はこの手の映画に欠かせない若手役者はジェイク役のスティーヴン・R・マックイーンで最初名前を見たとき「誰だか知らないが名前負けしてるなー」と思っていたのだが、何と本当に正真正銘スティーブ・マックイーンの孫!まあ、ファーストネームまでこれじゃあ、七光りよりプレッシャーの方が強そうだが、この映画に出れたことを誇りに今後も頑張って欲しい。
 あとパンフには載ってないけど、「スターシップ・トゥルーパーズ」のディジーことディナ・メイヤーが出てるんですね。ただほとんど顔が映らないまま(ダイバーとして水中に潜ってたから)帰らぬ人となったのは残念でした。
 個人的にジェイクの幼い妹弟が犠牲にならなかったのは良かったです。たかが映画とはいえ、そこまでそういうものがみたいわけでもないんでね。程よく後味の良い映画だと思います。
 ラストは実はあのピラニアたちはまだ幼魚でもっと大きな親入るはず、と判明し登場人物の一人が「親の顔が見たいぜ」といった途端にバーン!という展開でエンディングとしては最高なのだがもし続編があるとしたらこの親がメインだとしたら、つまらなそうだなー。なんといってもピラニアはゾンビ同様群れで襲うところが怖いのであって、でかい一匹では魅力半減だからねー。と思っていたら最後に「ピラニア3DD」という続編の予告が!もう一つのDって何?ゴール・D・ロジャーとかのD?
 ちなみに本物のピラニアは各映画でみられるほど凶暴ではなく、食用としても美味いと聞きます。人類とピラニアは喰って喰われる仲なのだ!

ピラニア [DVD]

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*1:たのきんトリオで一番じみながらミュージシャンとしては一番充実している野村義男を思わせる