The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

夏の三大SF 勝手に3,2,1!(2009年度)


 スピルバーグ製作、J・J・エイブラムス監督の話題作、「SUPER8/スーパーエイト」。結局我慢できずに初日に観てきました!噂にたがわぬ傑作だったのだけど僕の場合感想書くのにネタバレは必至なので少し置いておいて、似たような状況だった2年前の夏のSF大作が公開されたときのものを久々に旧ブログから再録。この年はマイケル・ベイの「トランスフォーマー:リベンジ」とエイブラムスの「スター・トレック」そしてマックGの「ターミネーター4」が公開されました。今年も「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」とエイブラムスの「スーパー8」が公開されます(きしくも今年は両方ともスピルバーグだ)。2年前と似てるので振り返るのも悪くないでしょう。<初出2009年7月21日

 夏はまだ始まったばかりだけど、個人的に今年の夏の大作は既に終わってしまったようなもの。「スター・トレック(以下ST)」「ターミネーター(以下T4)」「トランスフォーマー:リベンジ(以下TFR)」の3本は単にSF大作というだけでなく共通点も多い。一部スタッフやキャストが共通しているものもある。いずれも根強い人気と熱狂的なファンを持つシリーズ。

 SFといっても一見するとそれぞれ全然違うがあえていろんな比較をしてみよう。事前にそれぞれの記事を読んでくださるとありがたいです。

 

キャスト対決

 いずれも甲乙付けがたい。オリジナル「宇宙大作戦」のメンバーに扮した「ST」のメンバーは見事だった。特にスポック役のザッカリー・クイントマッコイ役のカール・アーバンはルックスだけでなく仕草とかも良く似てる。後はなんと言ってもオリジナル・スポック、レナード・ニモイには敵わない。後ウィノナ・ライダーが出てた!

 「T4」は荒廃した未来世界で人類を指導するクリスチャン・ベールが見事だった。彼の出演シーンは緊迫度が違う。「サラマンダー」と役割は似てるけど。後、この作品には人類側の総指揮官としてマイケル・アイアンサイドが出てる。潜水艦から一歩も出ることはないけれど、個人的に「スターシップ・トゥルーパーズ」のラズチャック先生を思わせた。

 「TFR」も基本は前作から引き続き登板し、特にジョン・タトゥーロの怪演ぶりは楽しいのだけど、やはりこの作品はそもそもトランスフォーマーたちが主人公なので人間は正直二の次だ。というわけで、

 

 1位ST 2位T4 3位TFR 

 

 という順番で。

 

脚本対決

 「ST」と「TFR」の脚本は同じアレックス・カーツマンロベルト・オーチーのコンビである。「ST」は仕切りなおしと伝えられていたが、実は「ネメシス/STX」ときちんとつながる(それでいて一見さんでも問題ない)展開で旧作ファンにも納得いく出来だった。

 「TFR」の方は基本的に前作との整合性さえあえば問題ないわけで最低限の人間ドラマが入っていれば多少の矛盾も問題ない、という感じが男らしい。特に「ST」はシリーズ未見の客も取り込まなきゃいけないが、「TFR」の方はもうみんな最初から分かってるわけだし。いずれにしてもきちんと守るべきところは守るけど、そうでないところは大胆に変える、という意外と出来そうで出来ないことを両作をを手がけたこの脚本化コンビはやってのけたと思う。

 「T4」は「ダークナイト」のジョナサン・ノーランが主演のベールの要望で参加してるがメインの話を作ったわけではなく、どちらかというとスクリプト・ドクターとしての参加らしい。最初の脚本は相当酷かったらしく、ジョン・コナーがあっさり死亡し、マーカスがジョン・コナーの名を襲名する、という物だったとか。それを何とか現在のものに直したのがノーランらしい。というわけで、

 

 1位ST 2位TFR 3位T4

 

で。

 

ヒロイン対決

 「TFR」のミーガン・フォックスは良かった。美人なだけでなく強くて。彼女に限らないけど向こうの女優さんってバッチリメイクしてドレスとか着てる写真よりもこういう、アクションシーンで汚れてる方が魅力的だよね。

 そういう意味では「T4」の場合ケイト役のブライス・ダラス・ハワードより(それでも「スパイダーマン」のときより数倍綺麗だったけど)ブレア役のムーン・ブラッドグッドの方が良かった。

 で、「ST」のウフーラはそういう汚れとは無縁だったのが惜しい。後個人的にスタートレックに出てくる女性は地球人よりクリンゴンやロミュランに限る。というわけで、

 

 1位TFR 2位T4 3位ST 

 

になります。しかしいずれの作品も本当のヒロインはバンブルビーカイルエンタープライズという説もある。

 

悪役対決

 「TFR」はなんといってもメガトロンスタースクリームが素晴らしい。単なるCGではなくきちんと人格を備えた金属生命体(超ロボット生命体)として描写してあった。まあ、ラスボスのフォールンはかなりアレだったが。デモリッシャーとか大形TFも出し惜しみしないしね。次回作でも期待してるぜ!

 「T4」はハーヴェスターとかモトターミネーターとかは予告編以上のインパクトはなかったんだけど、むしろそういう大物よりもT‐600フランケンシュタインの怪物然とした容貌やクライマックスで出てきたCGシュワルツェネッガーT‐800が良かった。今までと違ってT‐600初めとするターミネーターがあっさりやられていく中でT‐800だけはいつものねちっこい追跡&不死身ぶりを見せてくれたし。欲を言えばシュワ顔のままもうちょっと頑張って欲しかったのとコナーがシュワを見て(2度もお世話になってるんだし)何か感想を言うシーンが欲しかった。

 「ST」のネロは劇中だけではいまいち動機が分かりづらいのとロミュラン人といわれてもいつものスタイルじゃないので違和感が残る。後、ぶっちゃけ他の部下と見分けがつきにくいエリック・バナって言われなきゃ分からなかったよ。次回作ではクリンゴンに期待したいが、この時代のクリンゴンは姿があれか・・・

 

 1位TFR 2位T4 3位ST 

 

音楽対決

 「ST」はラストまでいつものテーマ曲が流れなかったが、逆に最後で一気に来た感じ。「宇宙大作戦」のテーマが劇場で流れるのは初めてではないですか。

 「TFR」はBGMと挿入歌のバランスが良く、ラストのリンキンパークは毎度格好いい(しかし、ラストは前作とまったく同じパターンだったな)。あえて言えば毎回サントラには収録されているのに「トランスフォーマーのテーマ」(カバー版)を劇中で使っていないことが不満。

 「T4」ってダニー・エルフマンだったんだね。しかし劇中に溶け込んではいるが特に印象に残る曲は無し。しかしエルフマンは昔はダークなジョン・ウィリアムスって感じだったのだが、だんだんジェリー・ゴールドスミス化が進んでいるな。良くも悪くも。

 

 1位ST 2位TFR 3位T4 

 

監督対決

 マイケル・ベイMcGマック・G)の場外乱闘はさておき(あれは大人気なくて実に良かった)コレは、もう圧倒的にマイケル・ベイの勝利でしょう。ぼっかんぼっかん爆発させたりしてるシーンを見ると彼はきちんとした脚本があれば相当な実力を発揮できるんだな、と実感した。McGは正直彼でなくても問題ないような、という印象しかない。

 J・J・エイブラムスは「MI3」にしても「ST」にしても、そつのない演出をするけどコレといって特出するものはない印象。「ST」にしても8割方脚本とキャスティングの勝利なわけで仮に違う人が監督をしていたとしてもそう違ったものにはならなかったのではないかな、と思う。

 というわけで、

  1. マイケル・ベイ
  2. J・J・エイブラムス
  3. McG

の順位で。

 

 

字幕対決 

 1位T4 2位TFR 3位ST

 

 これは減点方式で。「TFR」は字幕だけなら良かったけど吹き替え版を観たらサムの「にゃんこカレンダー」連呼の前には字幕の「子猫カレンダー」では弱い。

 「ST」はやっぱり「キャプテン」「サブリーダー」の表記がかなりのマイナス。大体駄目字幕の言い訳ってたいてい、「字数が限られている」「一定時間に収めなきゃいけない」なのにわざわざ長くしてるし。普通に「艦長(あるいは船長)」「副長」のほうが短いし、分かりやすい。

 というわけで必然的にミスの少ない(少なくとも僕には分かりずらい)「T4」が1位。

 

パンフレット

 もはや作品とは直接関係のない分野ですがとりあえず。ちなみに値段は考慮しません

 「T4」はシリーズ解説やインタビュー、プロダクションノートも充実して素晴らしいかった。初めての人でもこれで理解しやすくなるでしょう。

 普通なのは「ST」全てがそこそこ。結果純然たるリメイクではないのだから、きちんと過去のシリーズの解説を入れて欲しかったと思う。とはいえパンフレットとしては標準的か。

 「TFR」・・・ごみパンフレットって日本だけの文化らしいけどさあ、出すんだったらちゃんとやろうよ。それが出来ないんだったらいっそ出さない。

 

1位T4 2位ST               ・・遠く離れて3位TFR 

 

総合結果

1位TFR  2位ST  3位T4

 

 まあ、もちろんシリーズに対する僕の思い入れというのもあるわけです。なので「それは違うぞ!」というのもあるでしょう。一応観に行った回数の多い順にしました「TFR」3回(もう一回ぐらい観たいかも)、「ST」2回、「T4」1回、です。

 ちなみに日本での興行成績はいずれもそれほど奮わなかったですね。アメリカだと特に「ST」がシリーズ最高成績を収めたってのに。

 とりあえず、映画に関しては早々と夏休みが終わってしまった感じ。一応「ハリー・ポッターと謎のプリンス」や「モンスターVSエイリアン」なんかも楽しみではあるけど熱狂的な夏は終わってしまいました。

「サマーッ、カムバーック!!」

●特別賞

トランスフォーマー/リベンジ (ハヤカワ文庫 SF フ 15-3) (ハヤカワ文庫SF)

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スター・トレック (角川文庫)

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ターミネーター4 (角川文庫)

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アラン・ディーン・フォスター

 3作とも同じ人がノヴェライズ書いてます。そりゃストーリーまで全部自分で考えてるわけじゃないけど、ほぼ同時期にSFとはいえ全然畑の違う作品を手掛けるのはさすがです。ジョージ・ルーカス名義の「スター・ウォーズ〜新たなる希望」、ジーン・ロッテンベリー名義の「スタートレック ザ・モーション・ピクチャー」も実はこの人だったはず。

 「TFR」の日本語訳は無理に旧アニメ表記にしようとした挙句、サイバトロンとオートボットがごっちゃになっちゃたり、ランボルだったり、サイドスワイプだったりサイドウェイズだったり(オオゥ・・)するのが残念。


 比較的公開直後の話なので今とは少し評価は異なります。今年は「トランスフォーマー」「スーパー8」に加えて「マイティー・ソー」「ハリー・ポッター」辺りがファンタジーだけどライバルとして加わる感じですかね。いえ前回の「スカイライン」を入れてもいいんですけど。
 え?マックGはどうしたって?彼は現在TVシリーズの「ニキータ」を手がけているようです。それはそれで活躍してますね!

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「スーパー8」の感想はしばし待て!

*1:この後色々増えて本記事含め7つあります