The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

X-MEN:ファーストクラス 明日への架け橋


 前回の記事で言ったとおり「ゴーカイジャー」を見たときに「日米戦隊決戦」と称してそれとはしごする形で「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」を二回目の鑑賞をしてきた。スーパー戦隊X-MENといえば個人的には「ゴレンジャー」の時に「X-MEN」オリジナルメンバーを参考にしたのではないか、と勝手に思っている(勿論これは僕の妄想だしそうだからといって石ノ森章太郎などを非難するものではない)。物語的にはむしろ「サイボーグ009」と親和性がありそうだけど(こちらはほぼ同時)。全然関係ないが最初の「X-MEN:FC」の記事と平行して一年ぐらい前に書いた旧ソ連に関する記事が地味にブクマを集めていてこのブログ内でちょっとした冷戦再現?の気分。
 で、二回目は吹き替えで見たのだがチケットを買うときに事前に説明を受けていた。

「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」35ミリフィルム吹替版ご鑑賞予定のお客様へ | 最新情報 映画「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」オフィシャルサイト

平成23年6月10日

X-MEN:ファースト・ジェネレーション」35ミリフィルム吹替版ご鑑賞予定のお客様へ

劇場でご鑑賞頂けます「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」
35ミリフィルム吹替版に関しまして、本編のうち大部分を占める英語部分は
日本語吹替となっておりますが、ロシア語・ドイツ語・フランス語・スペイン語部分は
字幕スーパーでの表記となっております。
その中で、字幕が読みづらい箇所が複数存在いたします。

誠に申し訳ございませんが事前にその旨ご了承のうえ、ご鑑賞下さいますようお願い申し上げます。

                        20世紀フォックス映画

 まあ、二回目だし物語理解には障害にならないかなと思って吹き替えで見ました。普通の字幕とどう違うのかな、と思ってみていると英語以外の部分(フランス語なんてあったっけ?)は吹き替えではなく字幕なのだが、字幕版のあった英語字幕が無くなって 縦に日本語字幕が現れる。その際、少し見にくい部分は確かにある。後背景が白の部分に白の字幕が重なるので見にくい部分もね。とはいえ、全体の邪魔になるほどではない。吹き替えで見ると改めて英語以外のシーンが結構多いことに気付く。

 それよりも気になったことは吹き替え版のキャスト。物語の要であり実質的な主人公であるマグニートー、エリック・レーンシャーの声があまりあってなかった。三木眞一郎氏が担当しているのだが、上手いとか下手とかの問題以前にそもそも彼の若く高めの声はあってないように思う。もう少し渋めの声のほうがいいのでないか。先ほどのドイツ語のシーンなどはマイケル・ファスベンダーの地声なのでその差で違和感が増す。低めの声でドイツ語会話をしてた後突然高めの声で「フランケンシュタインの怪物だ」と言った時は少しずっこけた。例えばファスベンダーの地声がまったく入らない吹き替え(ドイツ語シーンもドイツ語で吹き替え、とか)だったらまだ違和感がないのかもしれないが最初ファスベンダーはドイツ語の地声から入るので・・・
 三木眞一郎の声は格好いいし上手かったとは思うがそもそものミスキャストだね。「イングロ」でファスベンダーを吹き替えた、てらそままさきの方が合ってるかも。個人的には小杉十郎太とかをイメージ。それ以外は吹き替えも良かったと思う。
 後、前回書き忘れたがCIAの幹部にストライカー氏がいるのですな。このストライカー氏はウィリアムという息子がいるので2や「ウルヴァリン」で出てきたウィリアム・ストライカーの父親だと思われます。本人だとするには少し年齢が高めのような気がするし。とはいえ2でベトナムで戦ったみたいな台詞があるのでこの時点でも30ぐらい、チャールズたちより少し上ぐらいでしょう。多分今回とは関係なく軍務についているのかな、と。
 

X-MEN FC」の二回目見ながらマグニートーとセバスチャン・ショウの違いは何だろう、とか考えていた。ショウとチャールズを対立軸とした時その間にエリックがいたが終盤大きくショウに傾いた。もしも直接の親の敵でなければ普通に精神的師匠になっていてもおかしくない。実際、マグニートーはショウの組織をそのまま利用している。
 で、よく例えられる、「プロフェッサーX=キング牧師」「マグニートーマルコムX」という風に当てはめた場合、ショウは一体誰になるだろう。そんなことを考えて出た結論。「セバスチャン・ショウ=チャールズ・マンソン」。
 チャールズ・マンソンはシャロン・テート殺害で有名な現在も服役中の犯罪者だがファミリーと呼ばれる一種のカルトを率いていた。彼の「ヘルター・スケルター理論」はざっくり言うと

白人と黒人の間に戦争が起きる。戦争は黒人が勝利するが彼らは頭が悪く世界を統治できない。そこに戦争の間隠れていた自分達が現れれば彼らは喜んで自分達の支配を受け入れるだろう

 という妄想極まりないものなのだが、その一環として人種間の憎悪を煽るべく殺人事件を起こしていたりするのだが、これは規模こそ違うが今回のショウにそっくりではないだろうか。ショウは米ソの間に核戦争を起こし、その後自分達ミュータントが世界を支配しようとしている。
 マグニートーはそれをさらに推し進めて積極的に自分達から人間に戦争を仕掛ける、という方向へ向かう。
  
 で、いろんなところで言われてる通り、今回はチャールズの方が「奇麗事」に感じるのはその通り。彼にはエリックが受けたような経験がないのでどうしても奇麗事に聞こえてしまうのだ。だから次回作があれば今度はチャールズが理論武装していく話になるはずだ。
 プロフェッサーXは世界最高のテレパス、ということになっているがテレパス自体は他にも登場している。映画に登場した者だと、ジーン・グレイにエマ・フロスト(原作だとさらにサイロックなどがいる)。しかし彼女らはテレパスの他にも力を持っている。純粋な意味でのテレパスはプロフェッサーXぐらい。そこで次回作ではシャドウ・キングの登場を期待したい。彼は原作ではチャールズが始めて出会った自分以外のミュータントでしかもそれが邪悪なものだったと知って驚愕する相手だ。彼はチャールズと並ぶテレパスだったが超能力合戦に負け(彼らの戦いは精神世界アストラル空間で行われ傍目にはじっとしているようにしか見えない)肉体を失った。しかし精神は生き延びて今もX-MENにとって脅威となっている。実際映画は三部作(一作目=60年代、2作目=70年代、3作目=80年代となって1に続く)の予定らしいし、次はチャールズがメインの話になるはずなので僕はシャドウ・キングを推薦します。本当はアポカリプスとか出てくる話を実写で見たいんだけど、まあそれは無理か。 

明日への架け橋

X-MEN:ファーストクラス 明日への架け橋 (ShoPro Books)

X-MEN:ファーストクラス 明日への架け橋 (ShoPro Books)

 原作、ではないのだが映画の原題「ファーストクラス」の元になったコミックスが現在発売中の「X-MEN:ファーストクラス 明日への架け橋」だ。原作における最初の生徒達、一般にオリジナルメンバーといわれる5人、サイクロップス、ビースト、エンジェル、アイスマンそしてマーベルガールを主人公に原作初期を舞台に描いたものだ。ジャック・カービーを今風にしたような絵柄が魅力的。X-MENだけでなくスパイダーマンヴィランであるリザードが登場したりこの夏話題のソーも登場したりする。
 もしかしたら最初にX-MENに触れるにはちょうどいいかもしれない。そしてもし気に入ったら古本屋などを巡って何とかジム・リーのX-MENを読んで欲しいと思う。僕がそうだったように衝撃を受けて欲しい。