The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

いつも心は「Like a Virgin」!

「マドンナ」とはイタリア語で聖母マリアのことをさすが一般的に「マドンナ」といえばマイケル・ジャクソンと同じ年に生まれ同じくポップアイコンであるポップスター、マドンナのことを指す。マイケルと同じ年に生まれたということはすでに50を越えているわけだが今でも十分魅力的である。
 そんな彼女の代表作は数知れぬわけだが、一つ挙げろといわれたら僕は「ライク・ア・ヴァージンLike a Virgin」を挙げる。

 この曲、曲自体が名曲なのは勿論だがいろんなところで取り上げられている。しかも取り上げられ方が一様ではない。そこで3つ取り上げてみた(正確にはこの3つが思い浮かんだので記事にしたのです)。
 

レザボア・ドッグス

 楽曲そのものこそ使用していないものの、「ライク・ア・ヴァージン」引用映画では一番有名ではないかと思われる作品。このタランティーノのつかみに当時の映画青年が心をわしづかみにされた。

「「ライク・ア・ヴァージン」の意味を教えてやるよ。本物のファック・マシーンって感じの女についての歌なんだ。朝昼晩、ちんこ、ちんこ、ちんこ、ちんこ、ちんこ、ちんこ、ちんこ、ちんこ、ちんこ、ちんこってな。で、ある日、その女はジョン・ホームズみたいな巨根男に出会う。もうウォアァッ、ベイビーって感じなんだ。その男はまるで『大脱走』のチャールズ・ブロンソンみたいでさ。トンネルを掘る勢いなんだ。強烈なちんこアクションを食らった女は永遠なぐらいに感じたことのない感触を思い出す。苦痛。苦痛だ。痛い。痛いんだ。痛いはずがないのに。彼女のマンコはバブルガムみたいに伸縮性があるはずなのに、その男とファックすると苦痛を感じる。まるで初めてのときみたいに痛いんだ。その苦痛がファック・マシーン女に処女だったころを思い出させる。だから「ライク・ア・ヴァージン」なんだ。」 
「こんな話聞いてられねえよ!」
 
        別冊映画秘宝「「キル・ビル」&タランティーノ・ムービーインサイダー」より

 この「ライク・ア・ヴァージン」論争からタランティーノの躍進が始まった。この説はタラが昔から仲間に聞かせてた持論だそうで映画の公開後、マドンナ本人から「あれは恋する少女はまるで処女のような気分になる、という意味よ」と説教されたとかされないとか。

レザボア・ドッグス [Blu-ray]

レザボア・ドッグス [Blu-ray]

 

ムーラン・ルージュ

 19世紀末の実在のキャバレー「ムーランルージュ」を舞台に既存のポップスを使用してミュージカルにした「ムーラン・ルージュ」でもこの曲は使われている。歌っているのは女性ではなくキャバレ−「ムーラン・ルージュ」の支配人ジドラー役のジム・ブロードベントとスポンサーである公爵を演じる、リチャード・ロクスバーグ。公爵は花形スター(高級娼婦でもある)サティーン(ニコール・キッドマン)を自分のものにすることを条件に出資しているが貧乏作家クリスチャン(ユアン・マクレガー)と恋に落ちたサティーンは公爵の元に行かない。イラついて出資を渋る公爵にジドラーが咄嗟に思いついて歌ったもの。

 ここではサティーンが「ヴァージン」でないのは明白なのでジドラーは「公爵の元を訪れる前に教会で懺悔して心を『ヴァージン』のようにしている」と嘘をついている。おっさん二人が歌っているので一番笑いを誘うシーンだが、途中で病により先が短いことを暗示させるサティーンのシリアスな描写も挿入されている。
 終盤公爵がまるでドラキュラ(1931年のベラ・ルゴシ「魔人ドラキュラ」か)のように振舞うがこれは貴族は庶民の生き血を吸う吸血鬼みたいなものだ、というメタファーか。ロクスバーグはこの後「ヴァン・ヘルシング」でドラキュラを演じている。

ミュージック・フロム・ムーラン・ルージュ2

ミュージック・フロム・ムーラン・ルージュ2

 

glee/グリー

 学園ミュージカルドラマ「glee」では丸々マドンナをフィーチャーした回がある。スー・シルベスター先生がマドンナを崇拝していて(「マドンナ様」と呼んでいる)学校の校内放送を全てマドンナの曲にしてしまう。それに触発されてグリー部でもマドンナの曲をやるというもの。「ライク・ア・ヴァージン」はこの回に登場する3組のカップル、ウィルとエマ、レイチェルとジェシー、フィンとサンタナがベッドインする過程が曲とともに描かれる。この3組それぞれ、片方(エマ、レイチェル、フィン)がヴァージン。英語だと童貞も処女も「virgin」で一緒なのでどっちにも使える。

 こちらはスライドになってますが動画は下のリンクから。

Glee - Like A Virgin (HD-720p).

 エマは学園カウンセラーで潔癖症のため今までヴァージンだった。レイチェルはこれまでどうしてもその気になれずヴァージン。フィンはモテモテのクォーターバックだが頭はあまり良くなくヴァージンなのにジャグジーで恋人といちゃいちゃしたら相手を妊娠させた、と信じる愛すべきアホ。
 結局、この回で脱ヴァージンするのはフィンだけ(記憶が不確かなので多分)。
Glee: the Music-the Power of Madonna

Glee: the Music-the Power of Madonna

 同じ引用でも三者三様で、それだけでもこの曲は名曲といっていいのだと思う。多分これ以外にも引用されたりしているものはあると思うがとりあえず、こんなところで。
 フィギュアスケートの選手に対してツイッターで芸人が「恋愛しろ」みたいな(本当はもっと下劣な感じ)ツイートしてセクハラだと非難を浴びましたがむしろ、心はいつまでもヴァージン気分で!燃えろ童貞魂!うん。スコット・ピルグリムもそんな感じだよきっと。