ペルシャとは名ばかり プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂
中学ぐらいの時、友達と家電量販点でパソコンを見ていたらその中に見たこともないゲームのデモが映っていた。
「なんだこりゃ?」
友達とかぶりついて見た、その画面には妙になまめかしく動くターバンをしたキャラが罠だらけの建物の中を冒険していた。それが「プリンス・オブ・ペルシャ」だった。
まあ、今の目から見ればたいしたことはないかもしれないが、当時(ファミコン末期、スーファミ初期だったと思う)のゲームでは珍しい動きだった。
そんな「プリンス・オブ・ペルシャ」が映画化された。
「プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂」を観た。
正確に言うと1作目ではなくシリーズ中の同タイトルのゲームが原作、ということになるらしい。ちなみに先にあんなこと書いたけど僕は、このシリーズ、プレイしたことは一度もないです。
- 出版社/メーカー: ソニー・コンピュータエンタテインメント
- 発売日: 2004/09/02
- メディア: Video Game
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物語
古代ペルシャ帝国。王とその弟は広大な帝国を治めていた。王には二人の王子がいたが、あるとき市場で勇敢な行為を見せた孤児の少年ダスタンを養子として向かい入れる。
16年後、聖なる都アラムートが帝国を裏切り敵対国に武器を売りつけている、と情報を得た第1王子タスが率いる軍はアラムートを攻める。ここで活躍したダスタンは謎の短剣を手に入れる。王を向かい入れ戦勝パーティーのさなか、ダスタンが贈ったタスが用意したマントを着た王が急死してしまう。マントに毒が仕込まれていたのだ。父王殺しとして追われたダスタンはアラムートの王女タミーナとともに逃亡。そのさなか謎の短剣の秘密と隠された陰謀を知る・・・
まあ、古代ペルシャと漠然と言っても、時代考証もへったくれもないファンタジーだと思えば十分。主要人物が白人ばっかで言語が英語なのはまあしょうがない。「スコーピオン・キング」と似た感じ。あれも古代エジプトが舞台なのに主人公がアフリカ系サモア人(ロック様)。ヒロインが中国系ハワイ人という考証無視映画だった。「300」も古代のアケメネス朝ペルシアが敵だったけど本作はいつの時代のペルシアなのか不明。一応書いとくとペルシアというのは現在のイランです(帝国の領域はもっと広い)。多神教の描写があるのでイスラーム成立以前だと思われる。というか下手に過去の地球のことだと思わずに田中芳樹の「アルスラーン戦記」に似た世界だと思うのが一番いいんじゃないかな。
キャスト
主人公ダスタン役にジェイク・ギレンホール。どちらかというと「ゾディアック」の印象が強く繊細なイメージだったのだが、身体を鍛えてアクションも多くこなしている。ただでさえ考証が適当な中でさらに一人だけ明らかに違う服装をしているので人ごみの中でも主人公だと一発で分かるぜ!
主人公の義理の叔父ニザムはベン・キングズレー。前にも書いたかもしれんけどこの人は色々な人種を演じれる肌の持ち主として重宝されてる人。インド人、ユダヤ人、東南アジア人他を演じてきたが今回はペルシア人。この人に「鉄人28号」のビッグファイア博士を演じてもらうのが僕の夢です。
砂漠でダチョウレースを主催する小悪党商人にアルフレッド・モリーナ。この人は「ブギーナイツ」で狂った麻薬ディーラー、「スパイダーマン2」で狂った科学者を演じた人。残念ながら今回は狂ってません。この人観るたびに肥えてる気がするが・・
そしてヒロイン、タミーナは「タイタンの戦い」でイオを演じたジェマ・アータートン。「タイタン〜」だとヒロインの役割をアンドロメダと分け合ったせいかいまいち存在感が薄かったが本作では堂々の単独ヒロイン、他に邪魔する者もおらず美しさを発揮しておられます。「タイタン〜」の時も思ったけどこの人はじっとしてるよりアクションをしてる時の方が遥に美しい。今回、一番の見所は彼女だと思うです、はい。
物語的には時の短剣で少しだけ時間を遡れるという設定なのでオチが読めるほか、オチが読めると登場人物が死んでもそれが感情に訴えないという欠点がある。まあ、ディズニーだし、ジェリー・ブラッカイマーだしね、ということで納得するしかないだろう。
後は冒頭の武器密売は結局陰謀だったのだが侵略を批判する王に対してタス王子が「武器は見つけてみせます」と啖呵をきるのだがもちろんそんなものは存在しない、この一連の流れがアメリカのイラク戦争(大量破壊兵器がある、といって攻め込んで結局無かった)に対する皮肉かなと、思ったりするが、そこまで深く考えてはいないか。
これがオリジナルのゲーム(らしい)。このゲーム作った人はあの「カラテカ」を作った人で今回の映画のストーリーも担当してるみたい。