The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

私がキャプテン・マーベルについて知っている2,3の事柄

 クリスマスなんて止めちまえ!と毎年のようにこの時期は「バットマン・リターンズ」を観ているのだが、(去年も見てたね。参考⇒小覇王の徒然なるままにぶれぶれ!: HAPPY HOLIDAY2)もうクリスチャンではない身には意味不明な行事ですよ。みんな「買い物を止めろ!教会」に帰依しろ!
 
 と言うわけでバットマンのコミックスが今年はたくさん発売されたね(何がと言うわけだ?)。「ロング・ハロウィン」「バットマン ダークナイト」そしてこの間発売されたばかりの「バットマン イヤーワン/イヤーツー」。
 とはいえ「ロング・ハロウィン」以外は過去に翻訳されてるんだよねえ。「ウォッチメン」もそうだけど復刊そのものはうれしいけど既に持っている身としてはそれよりもまだ翻訳されてないものを発売して欲しいなあ。もちろん初めての人のために裾野を広げるのにはいいんだけど。
 大体、復刊と言ってもそのつど特典の解説や扉絵ギャラリーなどが異なるからつい買ってしまう。「イヤーワン/イヤーツー」もそうで、「イヤーワン」なんかその昔の小プロから出てた「スーパーマンバットマン」誌に載ってた「イヤーワン」、ジャイブから出てた奴、そして今回の版と合計3冊目です。ふう。

バットマン イヤーワン/イヤーツー

バットマン イヤーワン/イヤーツー

 でもまあ、今回は前述の「スーパーマンバットマン」誌で未完だった*1「イヤーツー」が完全掲載されているので買う価値はある。
 「イヤーツー」はその名の通りバットマンの活動2年目を描いた物語でバットマン以前のゴッサムの自警者「リーパー」が登場する。ゴッサムには初代グリーン・ランタンなどバットマン以前にもヒーローがいてゴッサムの犯罪者と対峙していたのだがリーパーはどちらかと言うとパニッシャー系の悪党皆殺し野郎。そんなのが復活してもバットマンと相容れないのは必死。という話。
 正直「イヤーワン」に比べると数段クオリティは落ちるのだが後にブルース・ティム版の傑作アニメ映画「バットマン マスク・オブ・ファンタズム」に流用されている。
 アートを「スポーン」のトッド・マクファーレンが手がけているのも売りだけど僕個人的にはあんまりマクファーレンは好きじゃないのであった。
 
 それよりも、解説でスーパーマンキャプテン・マーベルを例に出してオリジンの重要さを訴えている文章が興味深かった。なぜならキャプテン・マーベルこそ数奇な運命をたどり、どんなヒーローよりも強力な敵と戦ってきたヒーローだからだ。その敵の名は「権利」という。
 
 キャプテン・マーベルはスーパーマンバットマンワンダーウーマンの3枚看板に次ぐDCの人気ヒーローでビリー・バットソン少年が神話の神々の力を借りて変身する*2
 1938年にアクション・コミックス創刊号でスーパーマンが登場すると瞬く間に人気者となり柳の下のどじょうよろしく類似ヒーローが続々と誕生した。キャプテン・マーベルはその中では一番の人気者で、一時はスーパーマンの人気を脅かす勢いだった。びびったDCコミックスはフォーセットコミックスを「「スーパーマン」の著作を侵害している」として訴えた。そうキャプテン・マーベルはもともとDCコミックスのキャラではなかったのだ。
 長い裁判の末(はっきりってDCのいちゃもんである)、フォーセットコミックスは倒産。DCコミックスがキャプテンの権利を手に入れ晴れてDCコミックスの仲間となった。
 とはいえDCの大看板はスーパーマンである。同じ世界では常にスーパーマンに一歩譲る形になってしまったキャプテンに往年の人気はなくなってしまった。
 
 
スーパーマンキャプテン・マーベル。能力はともかく外見は全然似ていない。真ん中が変身前のビリー・バットソン少年。 
 
 さらに追い討ちがかかる。今度はマーベル・コミックスが「わが社のキャラクターにもキャプテン・マーベルという名のヒーローがいる。何より我が社の名はマーベル・コミックスだ!」とこれまたいちゃもんをつけてきた。キャラの名前こそそのままで済んだものの、彼は自身の主演誌に「キャプテン・マーベル」とつけられなくなってしまった。代わりに付いた雑誌名が「SHAZAM!シャザム!」である。「シャザム」はビリー・バットソン少年が変身するときに唱える変身の呪文で古代の神話の英雄の頭文字をつなげたものである。仕方なく掛け声を誌名にしたのだ。これは例えるなら宇宙刑事ギャバン」がジャン・ギャバンからクレームが来て仕方なく「蒸着!」と言うタイトルにしたようなものである
 そんな理不尽な権利という名の敵と戦い続けたヒーロー、キャプテン・マーベルだが現在でもDC番付では東の大関とでも言うべき地位にいてそれなりの人気を博している。
 
 アレックス・ロスの「キングダム・カム」でレックス・ルーサーに洗脳されたキャプテンとスーパーマンが戦うシーンがある。ここでスーパーマン「我々は憎みあったこともあったが同じ道を歩んだはずだ」というようなことを言う*3。これはコミックスの中の出来事ではなく外の出来事ではなかったかと思ったり

 
 と、思いつくままにキャプテン・マーベルについて書いてみた。アメコミのヒーローとはかくもつらいものである(違う?)。そろそろバットマン以外のDCヒーローの翻訳が出ないかな。キャプテン・マーベルとかね。
 とはいえ近日発売される「キリング・ジョーク」もまた購入予定なのであった。これ2冊目だ・・・

バットマン:キリングジョーク 完全版 (ShoPro books)

バットマン:キリングジョーク 完全版 (ShoPro books)

Shazam! Power of Hope

Shazam! Power of Hope

買い物を止めろ!おれ!

*1:3号で終わったから

*2:変装じゃないよ

*3:現在手元に無いのであやふやだが