The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

勝手に選ぶ!ゼロ年代を代表する10作品!

本来はこちらのブログ企画に参加させてもらうつもりだったのですが・・・
映画ゼロ年代ベストテン - 男の魂に火をつけろ! 〜映画ゼロ年代ベストテン集計中〜
 
 残念ながら僕がずぼらなせいですっかり忘れて締め切りが過ぎてしまいました。とはいえ折角なので一応、ゼロ年代を代表する作品10作品を挙げたいと思います。
 まずは作品を選ぶ基準。
1)2000年〜2009年に公開された作品
 まあ、当然と言えば当然なのですがゼロ年代を代表する以上、この時期に公開された作品とします。リメイクはOKですが名画座やリバイバル公開は対象外です。ただし一つだけ例外を作りました。
2)一監督一作品
 僕は基本的に映画は監督のものだと思ってます。また好きな監督を選んだら3人ぐらいで10作品占めてしまうことにもなりかねません。そこで一人の監督に付き一作品としました。
3)一シリーズ一作品
 シリーズ物も昔と違ってシリーズを重ねてジリ貧になると言うことが少なくなってきました。例えば「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズは3作品すべて選びたいところですがそれだと2)同様、あっという間に10作品埋まってしまうので一つのシリーズの中からは一作品だけの選択としました。
4)何らかの集大成となっているか。または後続の作品に影響を与えているか。
 単にその年の作品を選ぶと言うだけでなく10年と言う大きいスパンの中から選択するんだから過去もしくは未来に影響を持っているかを考慮しました。
5)もちろんその作品は僕が大好きでかつ面白いのだ!
 嫌いな作品、つまらない作品は選択しません。10作品はすべて僕が面白いと思った作品です。
 なお、最初はベスト10という形式にしようと思ったのですが順位なしの並列としました。
 それではどうぞ。
 

 それでは作品ごとに解説を。 
X-メン
 アメコミ映画の金字塔。もちろんアメコミ映画はその前からあるがDCに比べマーベルはできの良いのがなかった。そんな中社会派ヒーロー集団を上手く映画化した作品。シリーズの中では2作目のほうが出来が良いが記念碑的な作品はこちら。


ムーラン・ルージュ
 没落してた実写ミュージカルを復活させたのはこの作品ではないだろうか。既製の歌の流用だがもちろん話にマッチしている。ユアン・マクレガーの歌声が惚れ惚れするほど素晴らしい。バズ・ラーマン監督(ゲイ)による映像も凄い。映像の暴力って本当はこういうのを言うんだと思う。 
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲
 邦画でアニメから1本。昭和ノスタルジーを演出しつつ、そこからの脱却まで書いた珠玉の一本。後続の類似作品(「三丁目の夕日」など)はノスタルジーに浸ってそれで終わりだったが過去だけでなく現在、そして未来も肯定している。 
ボウリング・フォー・コロンバイン 
 ドキュメンタリーというと淡々として難しいイメージがあるがマイケル・ムーアの独特のキャラもあってエンターテインメントとしても一級品。テーマは重いが作品自体は面白く見れる。アメリカでちょっとしたドキュメンタリーブームを作った。 
ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間
 多分歴史に残るファンタジー映画の金字塔。原作の3部作を下手に省略化したりアレンジしたりすることを最小限にとどめ最初から3部作として製作するという快挙を成し遂げた。 
ビッグ・フィッシュ
 僕がもっともリスペクトし大好きな監督ティム・バートンの一作。前作の「猿の惑星」メジャーのプレッシャーで「らしさ」が発揮されなかった*1がこれで復活。この時期バートンは子供が生まれ自分の父親が死亡する、というプライベートでの出来事を上手く作品に反映している。バートンが大人のファンタジーをとったということでそれ以前と区別できるだろう。 
ドーン・オブ・ザ・デッド
 「走るゾンビ」という誰もが思いつきそうで実行に移さなかったアイデア*2が秀逸。もちろん賛否両論でロメロのほうがいいという意見も分かる。その後のホラー映画リメイクブームの魁ではないだろうか。 
グエムル〜漢江の怪物
 韓国の怪獣映画。はっきり言ってここ数年の怪獣映画でこれは一番の出来。正直日本の怪獣映画や「クローバーフィールド」などでもここまでの興奮はなかった。怪獣としては中型な大きさもリアルだしそれに立ち向かうのが韓国の普通の一家というのもいい。ポン・ジュノは韓国だけでなく現在世界でもっとも重要な映画監督の一人だと思う。 
ダークナイト
 実は超豪華な俳優勢ぞろいのオールスター映画だがそんなことは微塵も感じさせない位のリアルなアメコミ映画。ジョーカー=ヒース・レジャーの狂気が伝わる演技。クリスチャン・ベールの静かなる感情。ゴードンのひたむきな正義感。全てが溶け込み完成されている。次のアメコミ映画は好むと好まざるとに関わらず本作を意識せざるを得ないだろう。
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グラン・トリノ
 クリント・イーストウッドの最後の出演作(らしい)。作品そのものがイーストウッドの過去作の集大成になっているが驚くべきことにこの脚本はイーストウッドをアテ書したものではないらしい。ラストはハリー・キャラハン始めとする全てのイーストウッドキャラの最後を思わせる。ハリウッドでもっとも偉大な俳優の一人の最後の作品*3、ゆえに観るべし。
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 さて次点。
デス・プルーフinグラインドハウス
(2007年 クエンティン・タランティーノ監督 アメリカ)
 ゼロ年代のタラ作品では一番好きな作品。ただこの人はむしろ90年代に大きな影響力を与えた作品を作った人だと思う。ブライアン・シンガースパイク・ジョーンズ、ガイ・リチー、ポール・トマス・アンダーソン等はタラの影響を受けてると思う。 
 特別賞
ファイトクラブ
(1999年 デヴィッド・フィンチャー監督 アメリカ)
 時期的には90年代だけどそれ以前の「タクシードライバー」「時計仕掛けのオレンジ」などの集大成的な作品にして最も21世紀にふさわしい作品のように思える。よって特別賞を。「Don't talk about "Fight Club"!」

*1:とは言えこれはこれで色々と論評に値する作品

*2:もちろんそのまえに「28日後…」があるのだが

*3:もちろん出演作として