The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

頑張れ宇宙のおまわりさん! スペース・スクワッド

 先月観たばかりの作品がもう発売!というか正確には発売前に劇場でも公開しますよ、というものだった模様。というわけで本日発売になった東映宇宙刑事シリーズとスーパー戦隊のクロスオーバー作品「スペース・スクワッド」2作。「ガールズ・イン・トラブル」と「宇宙刑事ギャバンVS特捜戦隊デカレンジャー」の2本を観賞。一応前回の記事で簡単に感想書きましたが、もうちょっと踏み込んで。
 この2作は宇宙と警察もの、と言う共通点があって、以前からこの2作のクロスオーバーはファンの待望でもあった。もっとも「デカレンジャー」放送時のヒーローショーでの共演はすでにあったようだが。その後「ゴーカイジャー」でスーパー戦隊の(限定的とはいえ)世界観がつながったことや、その「ゴーカイジャー」の劇場版でギャバンが復活したこと。更にはギャバンが一条寺烈から十文字撃へと世代交代したこと、デカレンジャーのほうも放送から10年経ってことでその後のデカレンジャーを描く「10Years After」がオリジナルとして発売されたことなどで両作品復活の期待が高まり待望の映像作品での共演となった。僕も「宇宙刑事ギャバン」はじめメタルヒーローシリーズはその初期から見ていたし、「特捜戦隊デカレンジャー」も近年のスーパー戦隊の中では大好きな作品なので楽しみであった。今回の作品には「10Years After」の続編としての要素も多く、それを見ていないとちょっと物語理解に苦しむかも(僕自身今回の映画を観てからチェックして疑問だった部分を解消した次第)。

ガールズ・イン・トラブル スペース・スクワッドEPISODE ZERO

 宇宙警察地球署所属の刑事ジャスミンが目覚めるとそこは謎の独房であった。なぜそこにいるのかも記憶が無い。そこに現れたのは謎の怪物。ジャスミンは部屋を飛び出目してウメコと出会うが間もなく怪物にやられてしまった。
 再びの覚め。やられた記憶はあるがまたイチからのスタート。何度も怪物との対決と死を繰り返しながら、やがてシェリー、タミーといった銀河警察の刑事と合流しちょっとづつ怪物攻略を進めていく。どうやらここには宇宙の女刑事ばかり集められていいるらしい。怪物の正体は?そして彼女たちをここに集めた黒幕の正体は?

 こちらの「ガールズ・イン・トラブル」が本編「宇宙刑事ギャバンVS特捜戦隊デカレンジャー」の前日譚で限定された空間を舞台に登場人物も限定されるということで舞台劇のような印象も受ける。
 映画は基本的にジャスミン(日渡茉莉花)の視点から始まる。ジャスミンはTVシリーズではその独特な台詞回しが特徴だったのだが、久しぶりだったため観てるこちらがそのキャラクターに復帰するのにちょっと時間がかかるかも。どーんと行ってみよう!ジャスミン役の木下あゆ美デカレンジャー以降もちょくちょく特撮系番組には出ていて最近はキョウリュウシアンでもあった。ジャスミンはとにかく格好いい女性で女性が二人いる戦隊の場合、どちらかがキュート系でもう一人がクールビューティー系というのが定番だが、そのクールビューティ系でも個人的決定版。更には独特のギャグセンスを持つキャラクターでもある。今回はいつの間にか結婚して子供もいるのだが(名字も礼紋から日渡に変わっている)、その辺の事情は「10Years After」の方で。
 デカピンクこと胡堂小梅(ウメコ)はあまりTVシリーズと変わらず。結婚式を控えているが、まだセンちゃんと結婚していなかったのか!という。演じる菊地美香は歌唱力が半端ない人で、今回もそうだが、TVシリーズでもエンディングテーマ(今回のタイトルの基ともなっている「ガールズ・イン・トラブル・デカレンジャー」)をジャスミンとのユニット「ツインカム・エンジェル」として歌っていたが、はっきり言って二人で歌う部分ではジャスミンの声が打ち消されるほど。
 そして僕としてはジャスミンともう一人この作品を観る目当てだったのが「宇宙刑事ギャバン」のギャバンの相棒の女刑事シェリー役の森田涼花(すぅちゃん)。すぅちゃんは「侍戦隊シンケンジャー」の花織ことはとしても有名だが、今回は宇宙刑事。コム長官の姪という設定でギャバンの相棒を務める。ほかにシャイダーの相棒であるタミー役の川本まゆ。そして前半は直接かかわらないがシャリバンの相棒であるシシー役の桃瀬美咲。この5人が主役グループという形になる。劇中には他にも何人か女刑事が出てくる。その中で佃井皆美が重要な役で出演。佃井皆美は「仮面ライダー鎧武」での湊耀子=仮面ライダーマリカとして出ていたのでこれは茉莉花ジャスミン対決でもあったのだな。

 冒頭から黒幕として姿を表し、その容姿(インコのような頭に普通の身体)からホラーガールと思わせていたのが実はホルス星人の銀河連邦警察の刑事部長であるバーディ。さらにコム長官亡き後オリジナルビデオの「宇宙刑事NEXT GENERATION」で不祥事で逮捕されたゴードン長官に替わって新しく銀河連邦警察の長官になったのがソフィで演じているのは遊井亮子。ちなみに今回の設定では銀河連邦警察は宇宙警察の中で組織犯罪対策部門という位置づけになっっているようだ。つまり基本的には同じ組織。
 敵となるのは元宇宙刑事の紅牙とヘルバイラ。紅牙は宇宙忍者でもあり敵側の「ガールズ・イン・トラブル」と「ギャバンVSデカレンジャー」をつなぐキャラクター。演じているのは原幹恵で「仮面ライダーフォーゼ」でのインガ・ブリンクを踏まえたキャステイングであると思わせる。原幹恵さんはあんまりアクション俳優として評価されてないっぽいのは残念ですな。
 ヘルバイラは元々「時空戦士スピルバン」のキャラクターで「ギャバンVSデカレンジャー」で出てくるマッドギャラン同様他のメタルヒーローシリーズからの流用。かつて「フォーゼ」の映画版で「宇宙鉄人キョーダイン」や「大鉄人17」、「アクマイザー3」などがキャラクターだけ借りる形で出演し物議をかもしたが(ヒーローが悪役になっていたりしたため)、本作での出演もそれに近いものかとおもいきや…
 当時場人物が一部を除くと女性しか登場しないためちょっと特殊な作品とは言えます。あくまで本編前の前日譚。とはいえ生身のアクションということではむしろこちらのほうが見応えはあるかもです。
 で、ですね。僕はこの作品をジャスミンとすぅちゃん目当てで観に行ったんですが思いがけずもう一人のヒロインに一目惚れしてしまいましたですよ。それがタミーさん役の川本まゆ。実際空手などの実力者だそうで、武田梨奈系のアクション女優。そして写真などで観る限りはすごい美人というわけでもないんですが、これが動くと凄い魅力的。もちろんジャスミンとすぅちゃんも素敵なのですが今回はタミーさんが優勝でした。タミーさんの凶暴になる純愛キャラってのも良かったな。相手は伊達さんだしな。

スペース・スクワッド 宇宙刑事ギャバンVS特捜戦隊デカレンジャー

 宇宙の隅々にその触手を伸ばす新たなる悪の犯罪組織が登場。教祖フメインを頂点とする邪教団・幻魔空界である。幻魔空界には十二使徒と呼ばれる幹部が存在し、それぞれがまた別個に犯罪組織を抱えている。宇宙刑事ギャバンこと十文字撃は相棒のシェリーとともに十二使徒の一人マッドギャランが現れる犯罪取引現場を発見、応援を待たず攻勢をかけたギャバンであったがマッドギャランの強さの前に敗れ去るファイアー・スクワッドが到着した時にはすでにマッドギャランは去り、更にシェリーも行方不明に。
 捜査からから外されたギャバンは長官のコンピューターからサイコメトリーの能力を持つ刑事ジャスミンの存在をしり地球へ向かう。一方地球でも連続吸血ま事件を捜査していた。ウメコとセンちゃんの結婚式のその時、ギャバンが突然現れジャスミンに共に捜査するよう促す。ジャスミンを利用しつつデカレンジャーとの共同捜査は拒否して爆走するギャバン。再びマッドギャランと戦うも再び敗れ、レーザーブレードを折られてしまう。ギャバンは再び立ち上がることができることができるのか?そしてデカレンジャーは事件を解決できるのか?

 デカレンジャーの宇宙警察とギャバンの銀河連邦警察所属の宇宙刑事の違いは捜査の対象が同じ宇宙人か異次元人かという違いであると基本的には思っている。デカレンジャーに出てくる犯罪者アリエナイザーは基本的には地球人以外の犯罪者をさすがそれでも同じこの宇宙の住人。それに対してマクーやマドー、フーマと言った組織は異次元からの侵略者である。このより強力な敵を相手にするのが宇宙刑事(英訳がSPACE SHERIFFであり宇宙の保安官)。当然権限や装備も宇宙刑事のほうが強力。一方で未知の相手のためほぼ単独捜査であるのも宇宙刑事のほうだろう。
 ただ、今回は両者の設定を擦りわせてた結果、銀河連邦警察は宇宙警察の中の組織犯罪対策を主とした部門という形になっている。ただ両組織の上下関係は銀河連邦警察のほうが上位ぽくもあるのだが。
 敵組織幻魔空界は今回はチラ見せ程度。だが宗教組織でもあるという形から不思議界フーマを連想させ、やはり黒幕は異次元からの侵略者なのではないかと思わせる。幹部の十二使徒で登場するのは「ガールズ・イン・トラブル」に出てきたヘルバイラとこちらで登場するマッドギャランマッドギャランは「宇宙刑事」シリーズのあと同じメタルヒーローではあるけれど世界観は連続していない「巨獣特捜ジャスピオン」のキャラクター。最初はキャラクターの流用という形のかと思ったが劇中でちゃんとジャスピオンにも言及され、きちんと「ジャスピオン」ともつながった世界であることが判明。今回のマッドギャランはかつてジャスオピオンと死闘を繰り広げたマッドギャランの名前と装備を受け継いだ二代目ということになる。「ジャスピオン」は見ていたけれどもう細かい内容は覚えていなくてマッドギャランもどういう感じのキャラだったかあまり覚えていないのだけど、見た目からはハカイダーのような主人公のライバル、と言う感じ。今回もTVの時に担当していた春田純一が変身後の声を演じているが、ちょっと人間態の時が悪役と言っても卑怯で嗜虐性の高い、要するに悪役としてもあんまり格好良い人格ではないのがちょっと残念。
 デカレンジャー側としては地球署の署長は変わらずドギー・クルーガー。そして副署長に姶良鉄幹(デカブレイク)。バンがファイアー・スクワッドの隊長になっている。ジャスミンは「10Years After」では結婚/出産を経て半ば引退していたようだが、本作では通常勤務。ウメコも同様。
 一番出世欲(というか上昇志向)の強かったホージーと参謀として得難い能力を持つセンちゃんがヒラの刑事として現場で頑張っているのは意外と言っちゃ意外だがこれは「10Years After」でのドギーの冤罪事件の影響もありそうだ。

「ガールズ・イン・トラブル」からのつなぎ役として原幹恵の紅牙が再登場。
 映画は最終的に対幻魔空界のための部隊スペース・スクワッドを創設することが示唆されて終了。今回は登場しなかったがシャリバンシャイダー宇宙刑事、ジャスピオンとスピルバン、「世界忍者戦ジライヤ」「「特捜ロボジャンパーソン」「ブルースワット」など宇宙と縁が深いメタルヒーローシリーズ、更には「超新星フラッシュマン」「地球戦隊ファイブマン」「星獣戦隊ギンガマン」といったやはり宇宙に縁深いスーパー戦隊などが映像で言及され、対幻魔空界としてこれらの宇宙ヒーローが一斉に共演することが期待される。ちなみに現在放送中「宇宙戦隊キュウレンジャー」はすでにギャバンデカレンジャーと共演済みだが劇中でちゃんと「別宇宙の話」とされてしまったのでいわゆる同じ世界観」ではないようだ。
 というかあまりに壮大な話になっているが、本当に続編やるのか?それともとりあえず風呂敷広げるだけ広げただけか?個人的に「スーパーヒーロー大戦」がダメだったり仮面ライダーと他のヒーローとのクロスオーバーはあまりうまく言っていない印象があるけれど、今回は全部八手三郎原作だけあってうまくつながっていたと思う。

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 ギャバン(と宇宙刑事シリーズ)は映画で復活した後は映画、オリジナルビデオ、戦隊へのゲスト出演などがあるがまだ新しいTVシリーズでの放送はない。それでももう5年ぐらい経っているわけでオリジナルからの人気の強さを感じさせる。
 一方デカレンジャーも10年たった今も人気があり、こうして続編が作られている。互いになんなら世代交代しながらずっと続けられる設定でもあるので(基本は刑事ドラマだからね)、スーパー戦隊シリーズの中の一本という位置づけとはまた別に単独で長く続いて欲しい作品である。
 あ、監督は両作とも坂本浩一監督です。今年は監督がTVで関わった「パワー・レンジャー」の映画版が公開されたりなにかと坂本浩一監督の関連作が多い。僕が大好きになったタミーさんとか明らかに監督の趣向が反映されていると思うので(それを除いても)監督の個性も強い作品。
 どちらかと言うと今の子供と言うよりはオリジナルのギャバンだったり10年前にデカレンジャーを見ていた子供だったりというちょっと上の年代が対象の作品だと思うけれど楽しんで見れる作品です。
 きっとまた彼らに会える。未来へ向かって!
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