The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

忍者、動物、宇宙人。振り回されて人間は辛いよ! 動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー 未来からのメッセージfrom スーパー戦隊

 自分の生まれ故郷は福島県喜多方市で(育ちは福島市)、江戸時代には会津藩だったところ。小さい頃から白虎隊の悲劇などを聞かされてきて、そのせいか現在はすっかり東軍&佐幕派で、大河ドラマで幕末や関ヶ原の戦い大坂の陣などが舞台になるともっぱら徳川方として肩入れすることが多い。そんな僕ではあるが、昨年は三谷幸喜脚本の「真田丸」にドはまりしてしまい、2016年限定で西軍&豊臣贔屓になりました。主人公の真田信繁*1はもちろん、石田三成も普段は嫌いな人物だがドラマでは魅力的だったし、なんといっても秀頼様!中川大志くん演じる秀頼様が凛々しすぎてその眩しさに毎回してやらえておりました。もしも真田信繁たちの言うとおり秀頼様が前線に立っていれば、単に兵士の戦意が高揚するというだけでなく、もう行くところ味方の負傷兵の傷は癒え、敵兵は寝返り、歩いた土地には花が咲き乱れ、荒れた土地も一気に回復し、戦に勝利たことでありましょう!本放送で負けたとしても再放送では!総集編では!と希望をつなぎましたが、結局歴史はくつがえりませんでした*2。今年は同じ赤備え!井伊直政の養母井伊直虎を主人公にした「おんな城主直虎」。本来の自分に戻り徳川方を応援したいと思います(織田有楽斎並みの変わり身の早さ)。
 で、そんな日曜日の夜の顔、大河ドラマ真田丸」で忍者の棟梁こと出浦昌相演じた寺島進は同時期に日曜日の朝の顔、スーパー戦隊シリーズ動物戦隊ジュウオウジャー」で主人公の叔父森真理夫を演じていたのでありました。両方共準レギュラーぐらいの出演で毎回出ていたわけではないですし、決して出演時も出番が多いわけではないですが、ほぼ同時期の大河とスーパー戦隊の掛け持ちはさぞ大変だったことでしょう。そんな忍者とも動物とも縁が深い寺島進も出演したスーパー戦隊VSシリーズ最新作「動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー 未来からのメッセージfrom スーパー戦隊」を観賞。

物語

 キャンプを楽しむジュウオウジャーの面々。そこへ突然ニンニンジャー顔襲い掛かる。どうやらジュウオウジャーを妖怪と間違えているようなのだが、聞く耳を持たない。互いの巨大ロボバトルにまで発展し、ジュウオウレッド風切大和とアカニンジャー伊賀崎天晴は他の仲間から外れ、タイマンへ。一歩も引かない二人を止めたのは忍者の格好をした子供。彼は未来から来た天晴の子供で伊賀崎快晴。快晴によると明日ジュウオウジャーニンニンジャーが全面対決の末、両者とも全滅、それによって40年以上続いてきたスーパー戦隊の歴史が終わってしまったという。事態を察して休戦する大和と天晴。しかし仲間たちはそれぞれ操とキンちゃんを人質に決闘の準備を。そしてこの戦いの裏にはデスガリアンの存在が…スーパー戦隊の明日はどっちだ?!

 スーパー戦隊VSシリーズは、元はオリジナルビデオ作品として始まって、近年は劇場公開されてもいるシリーズ。その年の戦隊と前年の戦隊が共演するイベント企画である。タイトルに「VS」とあるように毎回一度は両戦隊が激突するのも売りだ。似たような仮面ライダーのクロスオーバーイベントが毎回僅かな矛盾が気になって100%楽しめないことも多いのだが、その点このVSシリーズはそんなことを気にする必要はないくらいおおらかな世界観。毎回「互いに気づいていないかもしれないけど同じ世界なんだよ!」という感じ。これはライダーと違って対象となる児童の年齢層が更に低いというのもあるだろうけど、この強引さが逆に些細な矛盾点をキにさせない力強さを生んでいる。今回も観ている時には幾つか気になる点がないでもなかったけれど、全体としてはそんな小さなことは気にしない忍タリティ溢れる作品でした。(そして後述するが観ながら「あれ?おかしくねえか?」と思ったりもしたところがあるのだが、見事にその想いはエンディングで昇華されるのだった)

 冒頭に「真田丸」のことを書いたけれど、今回の作品は幾つかいろんな作品のパロディがあるような気もして、ニンニンジャーがアトリエ・モリに侵入し操を拉致する際、森真理夫(寺島進)が僅かな殺気を察知して、彫刻刀を手裏剣のごとく投げるシーンがあるのだけれど、これは出浦様だ!と思いましたね。後はニンニンジャーをだますファンシーな格好のルンルンというデスガリアンが登場するのだが、このルンルンは「花の子ルンルン」でもあるし、同時に「プリキュア」シリーズで毎回出てくるぬいぐるみっぽいマスコットキャラのパロディなのかなとか思ったりもした。
 冒頭ではキャンプを楽しむジュウオウジャー。久々にジューマンの姿で羽根を伸ばす姿が見られるが(この姿のままニンニンジャー初顔合わせするので妖怪と言われてしまう)、ここでセラさん(サメのジューマン)が服を着たまま川で泳いでいるのだが、そこは(スケベな意味ではなく)脱いだほうが良いのでは?とかサメなのに淡水で泳いで大丈夫?とか思ったりした。が、これはそもそも陸上で二足歩行してる時点で些細な事だったね。

 物語の時期的にはまだクバルさんがデスガリアンの幹部として健在なので2016年12月のはじめぐらいだろうか。
 何しろ登場人物が皆一癖も二癖もある人物ばかりなので、必然的に大和が大変苦労することに。ジュウオウジャーのジューマンの面々もみなやはりどこか人間とは違っているし、ニンニンジャーの面々でも一番やっかいな天晴とのタッグが多い。操はいつもの用にうつ気味だし。皆オレがオレが系のキャラクターばかりなので大和の心労は絶えない。天晴はにわかに信じがたい未来から来た自分の息子、という快晴の説明をあっさり受け入れるし、何しろTVの時から人間的な成長が殆ど無いので真面目な大和には辛かっただろう。凪あたりとのコンビだったら良かったのにね。しかも大和はさんざん翻弄されて、でも根っからの良心的な若者だからそのイライラを爆発させることもない。そんな「常識人は辛いよ」な作品でもある。
 今回は特に前年のニンニンジャーにキャラクターとしての成長は特に見られない。がそこがニンニンジャーの良い所な気もする。成長して分別のつく天晴やイージーさんなんて見たくないもの(とはいえTVシリーズの頃はこいつらの性格に振り回されていたが)。凪や霞さんは元から大人だしね。

 さて、快晴。「明日、両戦隊が死亡し、戦隊の歴史も終わる未来から来たのになんで天晴の息子が生まれてるんだ?」とは誰もが思う疑問。僕もずっと思いながら見ていた。ただもうそこは下手なツッコミも野暮なのかな?とも思って別に矛盾があってもいいよ、ぐらいに思っていた。しかしラストその疑問を大和が口に出す。答えは簡単。
すでに天晴は結婚していて奥さんは妊娠中!
 これはびっくり。劇中でも誰も知らず、旋風(天晴と風花のお父さん)や風花ちゃんも知らされてなかった一大事。TVシリーズでそんなの匂わせるエピソードとか無かったよね?天晴の空気の読まなさというか周りのことをほっといて自分の道を進む姿は相変わらず。ただ、だからこそ快晴の存在をあっさり受け入れられたんだなあ、とは思う。もっともそんなことなくても天晴はあっさり信じたような気もするけどね。

 一応40作品目記念作品。なので歴代レッドが出てきます。その中でリードを取るのは「超獣戦隊ライブマン」のレッドファルコン。これは同じ猛禽類モチーフのレッドということもあるだろう。声もちゃんと嶋大輔です。
 恒例の新戦隊は最初から9人体制スタートという異色のスーパー戦隊宇宙戦隊キュウレンジャー」。ジュウオウバードの代わりにデスガリアンを蹴散らす。例によってジュウオウジャーたちとの顔合わせはなし。
 最近は一名の追加戦士はもちろん複数の追加戦士も当たり前になってきて「獣電戦隊キョウリュウジャー」は最終的に10人の大所帯。ただ、最初から9人というのは初めてで、タイトルにも「キュウレンジャー」となってるところをみると逆に追加戦士はないのだろうか?といってもいわゆる人間の戦士はいつもの様に5人で後はロボットだったり宇宙人だったりで人間態がない模様。これは「特命戦隊ゴーバスターズ」のゴーバスターズとバディロイドまで含めて一つのチームってのの発展形なのかなって思う。それよりもメイン舞台が地球でなく未来の宇宙であるって方が新機軸すぎて大丈夫か?って思ったりするが、そこはスーパー戦隊。毎回新戦隊発表の時には不安になってもいざ始まれば全然OK!になるでしょう*3

 TVの方はもうクライマックス。ジニスはめっちゃ強かったが果たしてどうなるジュウオウジャー!ということで後はTVで座して待て。
この星を…なめるなよ!
忍ぶどころか、暴れるぜ!

最後に「真田丸」の画像を!

大坂戦隊ロウニンジャー!


格好いい…

*1:大坂の陣近くで従来の真田幸村に解明したけれど個人的には最後まで信繁で通して欲しかった

*2:大蔵卿局の無能ぶりが印象深いが淀殿と秀頼様を思うことからくる無能だからこそたちが悪い

*3:この辺ライダーが作品によって出来不出来(というか僕の好き嫌い)が激しいのと違って戦隊は平均的に楽しめる事が多い