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安心してください。脱いでますよ ブラックハット

 もうすぐ「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」も公開!というわけでもないが雷神ソーことクリス・ヘムスワース主演のサスペンス・アクション映画を鑑賞。もう殆ど公開終わっていると思うので感想も短めに。マイケル・マン監督の「ブラックハット」を観賞。

物語

 中国・香港でハッキングによって原発事故が発生。同時にアメリカでもハッキングがあり、こちらは大事故には至らなかったものの事態を考慮した両政府は共同で犯人の捜索に当たる。中国側の捜査責任者チェンは妹を伴って参加。学生時代の友人で凄腕ハッカー、今は獄中に居るハサウェイの協力を要請する。犯人はハサウェイがかつて作ったプログラムを利用していたからだ。やがて株式市場でもハッキングがあり、犯人は大儲けをした可能性が高い。ハサウェイたちは犯人を見つけるため世界中を飛び回る…

 タイトルの「ブラックハット」とはネットワークやコンピューターに攻撃を仕掛けるハッカーのことらしいのだけど劇中で一回出てきたぐらいであんまり映画の内容と繋がらない感じなので邦題は変えても良かったんじゃないかなあ、と思う次第。
 監督のマイケル・マンは骨太なアクション、サスペンス映画を撮ることで知られていて、アル・パチーノロバート・デ・ニーロの共演で注目された「ヒート」やダニエル・デイ・ルイスの「ラスト・オブ・モヒカン」などで知られている。TVドラマ「マイアミ・バイス」やその映画版でも有名ですね。
 一応コンピューターネットワークの犯罪を描いた映画だけれど、あんまり監督自身がその辺を描くつもりはないように感じた。例えば犯人がEnterキーを押した瞬間、信号が光となってコンピューター内部の回路を、ケーブルを、相手方のコンピューターの回路をたどっていく様子をカメラが追ったりするのだが、この辺、今となってはむしろ古い描写のような気もする。あんまりネットワーク犯罪の知的な部分は描かれず、下手をするとスマホとかなんでも可能な魔法のアイテムかのような描写も。
 僕自身ITなどの方面は疎いのでもしかしたらちゃんとした描写なのかもしれないけれど(最低限アドバイザーはいると思う)、やはりマイケル・マンはその辺に重きをおいておらず、一方で二度ほどある銃撃戦シーンは相変わらずで、特に二度目は太っちょのFBI捜査官がきちんと一発一発確実な射撃をする(一方で敵テロリストはとにかく乱射)ところとかマンの執念のこだわりを感じる。

  • 安心してください。脱いでますよ。


 最初にヘムズワースが凄腕ハッカーと聞いた時は、「あの脳筋ハッカー?!」と思ったのだが、実際あんまり凄腕ハッカーというコンピューター分野における知的な感じはしない。筋骨隆々の外見はいつもどおりだし、どちらかと言うとパソコンの腕前より実際に腕力使って解決するシーンのほうが印象に残る。
 こんな役柄だからその肉体美を披露することもないのかな、と思いきや、ベッドシーンはもちろん、雑誌を防弾チョッキ代わりに仕込んだりするシーンで上半身ヌードになるのできちんとソーにつながる肉体的なイメージは保ったまま。 

 この映画は中国とアメリカの合同捜査が描かれるが、その中国側の人物がチェン・ダーワイのチェン・リエンの美形兄妹。演じているのはワン・リーホンタン・ウェイ。はっきりってこの二人を主役として観たっていいんじゃないかと思うぐらい美男美女でまた善人。最近はハリウッド映画のアジア市場は日本より中国のほうがメインとなっていて、劇中でも中国人が出てくることが多かったり、実際に中国資本が参入していたりするのだが*1、この映画では不明。最もチェンは善玉だけど上司である中国政府と揉める描写もある。
 妹のリエンがヒロインとしてハサウェイと行動の多くを共にする他、ヘムズワースとのベッドシーンもあります。ヘムズワースと並んでも何ら遜色のないスタイルの良さ。仕事も出来て格好いいです。

 事件の発端が盛大な割に犯人の目的がしょぼいとか、気になるところもあるのだが、まあそれは作家性というところでもあってあんまり欠点ではないかも。最もこれをマイケル・マンの作品と認識して見ればの話だけれど。

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 監督の前作。

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*1:「アイアンマン3」は中国特別編集版があり、「ルーパー」では中国資本の参入によってパリに行く主人公が上海に行くことに変更された。また「トランスフォーマー4」の後半が中国が舞台なのも似た理由による