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戦う!憲法ガール

 時事ネタです。

AKBの参考人招致、自民が一時検討 選挙権年齢議論で:朝日新聞デジタル AKBの参考人招致、自民が一時検討 選挙権年齢議論で:朝日新聞デジタル

 選挙権年齢の引き下げの議論をめぐり、自民党はアイドルグループAKB48メンバーの内山奈月(なつき)さんを参考人として国会招致しようとしたが、26日に断念した。本人の都合がつかなかったうえ、党幹部から「パフォーマンスと思われかねない」との異論が上がったためだ。

 今国会では、衆院の政治倫理・公職選挙法改正特別委員会で選挙権年齢を現行の「20歳」から「18歳」への引き下げを審議することになっており、成立は確実視されている。29日の委員会で専門家の意見を聞く参考人質疑が予定されており、自民党は内山さんを招くことを一時検討。委員会の坂本哲志・与党筆頭理事(自民党)は26日昼、報道陣に「内山さんは憲法に非常に詳しいということだ」と期待感を示した。

 ところが、これを聞いた党幹部は「安保法制を議論している最中だ。そういうパフォーマンスはふさわしくない」と疑問視。内山さんの都合もつかなかったため、同日夕には断念することになったという。

 内山さんは憲法全文の暗唱という特技をもつアイドルとして知られており、現在慶応大2年生。共著に「憲法主義」がある。(安倍龍太郎

 いい年してアイドルにハマっている身ですが不勉強にしてこのアイドルは存じ上げませんでした。僕がこの記事に上げたはてなブックマークコメントはこちら。


 自民党憲法観が酷いのはもうお馴染み。「立憲主義」であるとか、「憲法は国家を縛るもの」であるとかは基本中の基本だと思いますが自民党の政治家は「憲法に国民の義務が少なすぎる」とか「立憲主義という考えをとらない」とかとても基本的なところから不勉強ですね。もちろん分かっていて確信犯的に発言している自民党政治家も多いのだと思いますが。
 で、僕はてっきりこの内山奈月さんというアイドルはそういう自民党に祭り上げられやすい人なのかな?とか思ったわけです。ところがどうも違ったみたいです。

【高木桂一の『ここだけ』の話】「赤旗」についにAKB48が登場 内山奈月さん「憲法は奥深いものだなぁ…」 狙いは無党派層取り込みか…(1/5ページ) - 産経ニュース

 以前より日本国憲法暗記アイドルとして知られていて、本も出されていたようです。それがこちら。

憲法主義:条文には書かれていない本質

憲法主義:条文には書かれていない本質

で、こちら軽く読んでみたんですけどね。これは自民党の先生方呼ばないで正解ですよ。自民党のアホな憲法観とは相いれませんから。自民党のばら撒いた下手な憲法改正マンガよりよほどきちんとしています。この本は対談本ですが、九州大学法学部准教授の南野森氏の講義を内山さんが受けるという形式です。最高法規である憲法の基本的な部分から最近の流れまで、尊属殺人などの違憲判決、先の大阪市の都構想住民投票でも話題になった選挙について(どうでもいいですが、年齢で票に差を設けるべきみたいなバカなこと言っている人たちはこれまで頑張って制限選挙から普通選挙に持ってきた歴史をドブに捨てる気なんですかね)も丁寧に述べられています。もちろん講義する南野准教授の誘導という部分も多少はあるわけですが、それでもただ暗記しているだけではなくきちんと要所要所で鋭いところを見せてただ受け身で居るだけでもありませんでした。
 自民党はアイドル与し易しで招致しようとしたのかもしれませんが、こんな人が自民党の思い通りに話すとは思えません。もちろん周りの大人の思惑で結果として自民党の狙い通りに発現する可能性もあるし、例えばももいろクローバーZが勝谷誠彦ヘイト本を迂闊にも宣伝してしまったみたいなこともありますが(あれは表紙の時点でヘイト本とまるわかりなのでももクロ側も脇が甘すぎるし、あるいはマネージャーとかが勝谷と親和性があったりするのか)どちらにしろこれは、自民党に利用されんでよかったな、と。

参考記事

『日之丸街宣女子(ひのまるがいせんおとめ)』読書感想  - akutsu-koumiの日記 『日之丸街宣女子(ひのまるがいせんおとめ)』読書感想  - akutsu-koumiの日記

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書店ガール (PHP文芸文庫)

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タイトルはこの2本から。ドラマ「戦う!書店ガール」面白いよね。 しかしこの朝日新聞の記事の一番ツッコむところは記者名が「安倍龍太郎」ってところだろう。筆名なら狙い過ぎだし、本名なら偶然?の産んだ奇跡。