The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

どんよりも画一化も吹きとばせ!仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル

 しまった!もう「スーパー戦隊VSシリーズ」新作の公開だ!まだ「MOVIE大戦」の感想書いていないよ!というわけで取り急ぎ書きます。去年最後に劇場で観たのが今回の「仮面ライダー MOVIE大戦」でありました。急げばもしかして「スーパー戦隊VSシリーズ」とはしごできたりするのかしら。「仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル」を観賞。相変わらずタイトルが「ワイルド・スピード」風なのね。

仮面ライダー武 進撃のラストステージ

 地球を離れ舞と過ごす葛葉紘汰=仮面ライダー鎧武。しかしそこに謎の侵略者、機械生命体メガヘクスが襲来。舞を捉えたメガヘクスは次なる標的を地球に定める。葛葉紘汰もそれを追うが敗れてしまう。
 地球、沢芽市ではヘルヘイムの侵食から立ち直りつつあったがそこへメガヘクスが。メガヘクスはデータから黒影を量産し、更に仮面ライダーデューク=戦極凌馬を復活させる。今や戦極ドライバーとロックシードは呉島兄弟の持つものしかなく二人は龍玄と斬月がこれに立ち向かう。果たしてアーマードライダーたちはメガヘクスの侵略を防ぐことはできるのか?そして葛葉紘汰は?

 何度か書いているけど、僕は「仮面ライダー」シリーズとしてのTVの「仮面ライダー鎧武」にはそれほどはまれなかった。でも一個の番組としてはそれなりに好きである。「仮面ライダー」だと思わなければ、というのは「電王」あたりに通じる部分もあって、なんとなくもどかしいところ。ただ、夏のライダー単独映画はかなり出来が良くて、鎧武それ自体に悪いイメージはあんまりない。僕の視点がそんな感じだからかもしれないが後述するけれど、鎧武というライダー自体はあんまり他のライダーとのクロスオーバーには向かない作品なのかしれない。
 通常「MOVIE大戦」は最初のエピソードで前年のライダーのエピローグ的内容、次に現行ライダーの新作、そして最後に二つの作品のクロスオーバーという形をとる。今回は鎧武の方はもちろんTVシリーズの最終回を受けての物語ではあるが、あまりエピローグという感じはしない。むしろ鎧武の新たな物語のスタート、という感じ。メガヘクスという敵もこの鎧武のエピソードだけで終わらず、そのままラストへと続く。
 TVシリーズでは最後に葛葉紘汰が神様みたいになってしまって、人間味も失ったのかと思いきや、外見があんな格好で格好つけているけれど、中身はあんまり変わっていないことも分かって一安心。
 敵となるメガヘクスはおそらく「スタートレック」シリーズのボーグがモデルで劇中出てくる怪人メガヘクスはあくまで端末であり、一個の巨大な集合体であったり、侵略する惑星のデータなどを機械化して吸収するというあたりからもボーグがモデルで間違いなだろう。
 ここでは早々に紘汰=鎧武が敗れ、呉島兄弟が活躍するが(このエピソード自体の主人公は紘汰と言うより呉島兄弟といったほうが適当かと思う)、変身こそしないけれど凰蓮・ピエール・アルフォンゾ、城乃内、ザックの3人がきちんと登場して物語を支えるのでこの3人が大好きだった僕としては喜ばしい。ちなみにバロン=駆紋戒斗を演じた小林豊、クイズ番組でのあまりに駆紋戒斗と違うその人柄にぶっ飛んだが、実は元はパティシエとして働いていたこともあり、現在もお菓子・ケーキ作りが趣味ということで本当は城之内の代わりにシャルモンに弟子入りしたかったのかも。


仮面ライダードライブ ルパンからの挑戦状

 世間を騒がす怪盗アルティメットルパン。そのルパンが特状課(警視庁特殊状況下事件捜査課)に挑戦状を送ってくる。逮捕に意気込む泊進之介であったが、ルパンは「どんより」をもたらしロイミュードである可能性が高い。ルパンの招待はマジシャン、ゾルーク東条。すでに年老いている彼はかつてベルトさんが人間だった頃に作った試作であるロイミュード・サイバロイドZZZのボディに自分の人格を移し変えていたのだ。そして仮面ライダールパンに変身した彼は仮面ライダーの称号をドライヴから奪うべく戦いを挑む!


 「仮面ライダードライブ」は三条陸がメインライターを務める作品。三条陸といえば昨年の「獣電戦隊キョウリュウジャー」の全話を手掛けたが、ライダーの方ではなんといっても「仮面ライダーW」と「フォーゼ」を手掛けた平成ライダー第2期の立役者とでもいうべく脚本家。そんなわけで正直「ウィザード」「鎧武」と(あくまで仮面ライダーとしては)イマイチに感じられた僕にとっても今最も期待している作品である。
 また、主人公が警察に属している、という設定や赤い外見から「W」の仮面ライダーアクセルを連想してしまうのだが、その差別化も図られているだろう。しかし何より期待してしまうのはシリーズとして「W」や「フォーゼ」との関わりやつまり「財団X」の再登場にも期待してしまう。現在のところ、まだちょっともたついている感もあるけれど(片岡鶴太郎はじめの特状課の面々があまり馴染んでない印象)「ドライブ」には「鎧武」とは違って「仮面ライダー」シリーズとしての楽しみを期待してしまう。きちんと劇中で仮面ライダー名乗るしね。
 今回のエピソードは新ライダー「仮面ライダールパン」が登場する。最近はホームズだったりルパンだったりが軽くブームになっているようでちょっと嬉しい。もっともここでのルパンはあくまで怪盗の代名詞的に使われているので本家の「アルセーヌ・ルパン」とは何の関係もないけれど。ルパンことゾルーク東条を演じているのはお笑いコンビ、ピースの綾部祐二。ハンサムではあるし、大仰で芝居がかった演技もキャラクターがキャラクターなため、特に違和感は感じず。良かったと思います。あれだね、この世界観のままピース綾部のルパンとピース又吉金田一耕助が推理合戦を繰り広げる特撮推理作品を作るといいと思う。
 全体としてこちらのほうがTVシリーズにもつながるワンエピソードと言う感じであまり大きな話ではない。ただ、仮面ライダールパンが最後にはちょっといい部分も見せたりして「MOVIE大戦MEGAMAX」における「良いライダー、悪いライダーではなく仮面ライダーである以上良い者」という流れはこちらにも受け継がれていると思う。あと、詩島霧子の内田理央が良かったですね。やはり強い女性は格好いい!

MOVIE大戦フルスロットル

 メガヘクスはサイバロイドZZZと融合、最強の存在ZZZメガヘクスとなった。地球の機械化を食い止めるべくドライブと鎧武が共闘。さらに龍玄と斬月もこれに加わる。そんなライダー達に対してメガヘクスがとった手段は仮面ライダーバロン=駆紋戒斗の復活だった。果たしてライダー達は地球を救うことができるのか?


 ラストは鎧武とドライブの共闘。脚本は三条陸が引き続き受け持って、メガヘクスという敵を鎧武から受け継ぎ、舞台としては鎧武の世界ながら雰囲気はドライブの方に近い。例によって互いの特性を入れ替えた変身「鎧武ドライブアームズ」「ドライブ タイプフルーツ」なども登場するけれど、あんまり活用された印象はなくむしろコメディ要素として使われていた感じ。
 ラストバトルはCGをふんだんに盛り込んだ派手なバトルだけれど、ちょっと現実離れしすぎて個人的にはもうちょっと地に足の着いたアクションのほうが好みかな。
 ハートたちロイミュードが今回だけは、とメガヘクスと戦う場面もあるのでそういう部分はTV本編へのフィードバックも期待したい。 


 全体としては面白かったです。「MEGAMAX」「アルティメイタム」には及ばずとも前作の「天下分け目の戦極MOVIE大合戦」よりはよく出来ていたと思います。何でしょう、鎧武はあの作品内で設定が完結していて、あんまり他のライダーやヒーローとのクロスオーバーには向かない作品何だと思いますね。単独主演映画は最高に面白かった割に他のライダーとのクロスオーバー作品はかなりイマイチだったので。この作品の最初のエピソードは(紘汰が主役となるかどうかはともかく)エピローグと言うより新たな物語の始まり、という感じで続編に期待してしまう感じだったけれど、ドライブとの絡みがあるラストエピソードに無理矢理感が感じられてしまった。一応オリジナルビデオの方で続編もあるみたいなのでそちらにも期待しましょう。
 一方でドライブはまだまだこれから。出てくる怪人ロイミュードがどこか憎めず、今回行われた用に魔進チェイサーのみならずハートたちとも何かわかいらえるような気がします。そして望むならやはり「財団X」が出てきてほしいなあ(ということはもちろんWやフォーゼとの関わりも)。

 公開後かなり遅くなってから観に行ったのですっかり諦めていたけれど、もらえた入場特典の「仮面ライダードライブ」のエピソードゼロDVD。微妙に本編にも絡んできててこういうのは親切なのか不親切なのかまだ判断がつきかねるところです。