小覇王の映画ベストテン2014〜世界はアメコミと続編で出来ている?
「わたしはベイマックス。貴方のベストを守ります」
映画のベストを表明するのは政治的な行為!とは誰が言ったのか忘れましたが、たしかにセンスが問われ、場合によっては要らぬ文句も言われてしまう大変な行為です。そんな勇気ある危険な行為を守るため今年のマスコットはケアロボット、ベイマックスに務めてもらいましょう。
というわけで、2014年もそろそろ終わり。例年通り今年観た映画のベストテンを挙げたいと思います。
昨年のベストはこちら。(さらに古くはそこからさかのぼっていただくと助かります)
これに先立って「空中キャンプ」さんの定期イベント「2014年の映画をふりかえる」企画に今年も参加しました。締め切りが16日でその時点でのベスト3。ただ、その後色々と素晴らしい作品もあったのでベスト3も変化がありますね。それではまずはランキング。その後に簡単な解説を。
- ホビット 決戦のゆくえ
- キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
- ベイマックス
- ハンガー・ゲーム2
- ファーナス 訣別の朝
- X-MEN フューチャー&パスト
- アメイジング・スパイダーマン2
- 麦子さんと
- インターステラー
- ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー
「思い出のマーニー」の感想の時に「もしも今年の興行収入ベスト3が「アナと雪の女王」「マレフィセント」「思い出のマーニー」なんてことになったらそれはそれで愉快だと思わないでもない。」ということを書いたのですが、実際、興行収入はそれに近いものになりそうです。今年はアメコミ・アクション映画が中心であんまり普通映画は観なかった気もしますが、僕のランキングも非常に偏ったものとなっております。
それでは作品ごとに簡単な解説及び劇場鑑賞時の感想へのリンクを。
ホビット 決戦のゆくえ
第1位は「ホビット 決戦のゆくえ」。これに関してはちょっとずるいですが、2月公開の「竜に奪われた王国」や2012年の「思いがけない冒険」含めた3部作としての評価です。もっと極端なことを言えばこの作品が1位になるのはもう観なくてもある程度決まっていたことでした。極端に出来が悪くさえなければ完結編として1位の座は約束されていたのです。単品としてみた場合、上映時間は長いのにちょっと物足りない、もっと観たいという部分さえ有ります。それでも3部作通しで観た時に得られる満足感と寂寥感は格別です。この歴史的な事業を成し遂げたピーター・ジャクソンとスタッフ・キャストには頭が下がります。
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キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
第2位は「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」。今年のマーベル・シネマティック・ユニバースは「マイティー・ソー ダーク・ワールド」、本作、そして「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」の3本。内後述するGotGが、従来のスーパーヒーロ物と言うより新しい地平を開いたスペースオペラであるのに対し、本作はこれまで何作にも渡って描かれて来たマーベル・シネマティック・ユニバースという世界の集大成的な作品です。ここまでの積み重ねがあればこそ、「政治的な」テーマが生きるのです。MCUはいよいよフェイズ2の最後「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」を残すのみとなりましたが*1、その直前の出来事となるのはこちら。そして続編ではタイトルが「シビル・ウォー」となることが決まり、より複雑でシリアスな物語が紡がれることとなりそうです。
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ベイマックス
まだ感想書いていないんですが(もう一度観てから書く予定です)、ディズニーの最新作。特にアナウンスはされていませんが、かなりアレンジされているとはいえこちらもマーベルコミックス原作映画。架空の都市サンフランソウキョウを舞台に天才少年が兄の残したロボット、ベイマックスと兄の友人たちとともに陰謀に立ち向かう!少年とロボット、ヒーローチームの活躍、家族の遺したロボットとヒーロー物やロボット物の伝統を受け継ぎつつ新しいカタチを見せてくれました。今年は「GODZILLA」「トランスフォーマー ロストエイジ」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」など日本のものを原作とした、あるいは日本の創作物へのリスペクトを込めたような作品も多かったですが、ある意味「ベイマックス」が一番その仕事を果たしていたかもしれませんね。
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ハンガー・ゲーム2
公開は昨年末なのですが、去年のベストを上げた時点ではまだ観れていなかったので今年のベストに。多分、この作品を上位にあげているのは僕ぐらいかなあ。1の時点では日本の「バトル・ロワイヤル」との類似点ばかり挙げられていて、正直僕もそこまで好きではなかったのですが(ただ世間で言われているような駄作だとは全然思いませんでした。あと僕の中では正直「バトル・ロワイヤル」の評価は低いです)、ここに来て大ハマリ!「革命」というテーマがぐっと大きくなり、とてもおもしろくなってきました。現在アメリカでは完結編のパート1が公開されいよいよ完結を待つばかり。
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ファーナス 訣別の朝
クリスチャン・ベール主演映画に外れなし!豪華だけれど地味で骨太な映画。ウディ・ハレルソンの凶悪な演技も見ものでした。邦題がもうちょっとわかりやすければ良かったなあ。
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X-MEN フューチャー&パスト
2000年から始まる実写「X-MEN」シリーズとその前日譚「ファースト・ジェネレーション」が融合。未来と過去で戦って現在を救え!シリーズ皆勤賞ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)がプロフェッサーXの過去(ジェームズ・マカヴォイ)と未来(パトリック・スチュワート)をつなぐ。ブライアン・シンガーが監督に復帰し、見事に両作を融合させました。現時点ではシリーズとしても最高傑作だと思います。そしてシリーズは「アポカリプス」へ。他にも究極のおしゃべりクソ野郎デッドプールも本格的に動き出しました(映画の「デッドプール」はX-MENの世界の物語となるようです)。ミュータントの歴史は続く…
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アメイジング・スパイダーマン2
そしてMCU、X-MENと続くマーベルの放つ第3の矢「アメイジング・スパイダーマン」シリーズの最新作。3位である「ベイマックス」にも似た王道のスーパーヒーローものです。「ベイマックス」を入れる代わりにこちらは外そうかな、などとも思ったのですがやはりそれはもったいない!このマーベルの3本のシリーズがどれも素晴らしい出来(人によって好き嫌いや相性はあるでしょうが)というのはすごいことですしね。こちらもシリーズ新作やスピンオフの企画がある一方、興行成績の不良からシリーズ打ち切りや他の世界への融合も噂されたりもするのですが、僕自身はもうちょっとこの「アメイジング・スパイダーマン」路線のスパイダーマンを観たいです。
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麦子さんと
邦画からはこちらの一本。全く何の期待もせず観て最高に面白かった一本。一見、重くシリアスな物語ですが作品そのものはとても楽しく軽やかな映画でした。堀北真希も松田龍平も良かったです。吉田恵輔監督を知った作品でもありました。
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インターステラー
色々物議をかもしてはいますが、やはり映像的に素晴らしいし、物語的にも力技で押し切る演出は凄いと思いますよ。SFを読んでいるとダメ、いや読んでないとダメ、など色々言われていますがあんまり関係ない気もするなあ。
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ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー
ラストはMCU作品「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」。本来は「ウィンター・ソルジャー」を入れた時点でこちらは外そうと思っていたのですが、他のMCU作品とはもちろん世界はリンクしているものの、物語的には完全に独立しているし、ジャンル的にもスーパーヒーローものというよりスペースオペラといったほうがいいので独立させました。作品本数が増えすぎて新しいファンの新規参入が難しくなったMCUの新たな窓口として作られた作品、と僕は認識していて、それが実際どのくらい効果があったのかは分かりませんが、シリアスな「キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー」とユーモラスで独立している「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」との対比も良く、MCUの懐の深さを見せてくれました。シリーズが続けばいずれMCUの他の作品との関わりも深くなってくると思います。
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全体としてはアメコミ原作映画が5本と半分を占めました。続編映画もアメコミ映画と含めて5本。ほとんどがいわゆるハリウッド大作と呼ばれるような作品です。おしくもベストテン圏外になったような作品は「怪しい彼女」「猿の惑星 新世紀」「新しき世界」「スノーピアサー」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」「プリズナーズ」「GODZILLA」「ゴーン・ガール」といったあたりでしょうか。この辺が入るともうちょっとバラエティ豊かになったかな。でも自分らしいランキングだとは思いますです。
それでは続いてワースト!と思ったけどブログ見なおしてみたけど今年はとにかく文句しか言ってないような作品は「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」の一本だけだったなあ。
ワーストは例年言っている通りただ単に作品の出来が悪いというより、「事前の期待値と観た後の残念度の落差」みたいなのが基準ですね。単に「まあイマイチ」程度ならそれなりにあるんですけど。観て文句のみを言いたくなるようなのは「キック・アス」のみということで。これなんか1作目が好きだったからこそ2作目の出来に残念という感じです。というわけで今回のワーストは「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」の単独一位ということで。
続いて「アクションヒロイン」編!こちらはキャラクターと言うよりは女優さんに捧げられます。
- ジェニファー・ローレンス
- ゾーイ・サルダナ
- エヴァ・グリーン
- スカーレット・ヨハンソン
- ミレイユ・イーノス
まずは青い肌の人兼カットニス・エバディーン。「X-MEN フューチャー&パスト」のミスティークと「ハンガー・ゲーム2」のカットニス。さらに「アメリカン・ハッスル」ではレンジを爆発させる人妻ということでまずはジェニファー・ローレンスが一位。何度か書いていて(かと言って特に同意は得られていないけれど)将来、ジェニファー・ローレンスという大女優のキャリアを見なおした時に重要視されるのはアカデミー賞を獲った作品よりもこの2シリーズではないのかなあ、という気がするのです。両シリーズともまだ続くので来年もここで一位を飾る可能性は大です!
そして次は緑の肌のゾーイ・サルダナ。「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」のガモーラ。宇宙の帝王狂えるタイタン人サノスの養女にして殺し屋。全編に渡って激しいアクションを繰り広げました。「ファーナス」にも出てたけどこちらはアクションはしてなかった。
エヴァ・グリーンはヒロインというよりヴィラン何だけど「300〜帝国の進撃」の魅力を一身に引き受けたような形になりましたね。脱いでエロいけど、別に脱がなくてもエロいのです!
スカーレット・ヨハンソンは「アベンジャーズ」に引き続きブラックウィドウでランクイン。「キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー」はタイトルロールでこそないけれど、実質主役の一人。「エイジ・オブ・ウルトロン」ではアベンジャーズの一人(つまり主役)としてまた大活躍することでしょう!
ミレイユ・イーノスは「サボタージュ」のジャンキー麻薬取締捜査官として。とにかく色々ぶっ壊れてて、後半の車のトランクからの銃撃戦は役のキャラクターも相まって名シーンでした。
「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」という作品自体はワーストにしてしまったけれど、クロエ・グレース・モレッツのヒット・ガール自体は相変わらず魅力的でシリーズとしてはもうアーロン・テイラー・ジョンソンのキック・アスはいらないけれどヒット・ガールのみが明確に主役のスピンオフとしてならまた観たいですね。
さて、来年はMCUフェイズ2の総まとめ「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」が公開されます。今のところまだウルトロンとヒドラとヒーローたちがどう関わってくるのかよく分かりませんが、とにかく楽しみです。その後にはフェイズ3として新しいヒーローたちの映画も続々作られる予定です。
そして「ハンガー・ゲーム3」のパート1とパート2。他の誰が期待していなくとも僕は期待しているのだ!
それでは今年のランキングはこのへんで。アディオス!
*1:もちろんその後にはフェイズ3があります