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イマジネーションは黄金の果実!仮面ライダー鎧武&烈車戦隊 トッキュウジャー THE MOVIE 

 何度か書かいているけれど僕は「複数の仮面ライダーが互いに戦う話」が苦手でそれ故に現在放送中の「仮面ライダー鎧武」はあんまり没入できていないのだけれど逆にスーパー戦隊の方は毎回最高に面白い。夏の映画はいつもライダーの長編と戦隊の短編の同時上映という組み合わせで上映されるのだけれど、正直「ウィザード」「鎧武」とあんまり乗れないライダーが続いていることで「戦隊の方だけ500円で観れないかなあ」などと思ってしまったりする。実際前回のウィザードの夏映画はスルーしてしまった。今回も元々はスルーする予定だったのだけれど映画の日に突然時間が出来てなんか見ようと思ったら時間的に観れるので比較的観たいのがこれだけだった、という極めて消極的な理由から観に行ったのだった。がこれが大正解!ライダー映画としてはかなり素晴らしい出来でした。「劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!」と「烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE ギャラクシーラインSOS」を観賞。

烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE ギャラクシーラインSOS

 宇宙開発時代の人間のイマジネーションによって誕生した宇宙に広がる路線ギャラクシーライン。そのギャラクシーラインを走るサファリーレッシャーがシャドウライン宇宙方面担当のナイル伯爵に狙われ先頭車両を残してバラバラに。地球に降り立ったサファリーレッシャーの車掌レディはトッキュウジャーに助けれられるが現在では人間の宇宙へのイマジネーションが不足していてこのままでは宇宙に帰れないという。ライトの発案でレディとサファリレッシャーを宇宙へ返すための作戦が始まった!

 スーパー戦隊の方はもう安定の一本。そもそも鎧武を観る前は完全にこちらがメインの心算だった。通常のTVエピソードとほぼ同じ長さちょっと豪華な一話という感じ。時間軸的にはザラムがトッキュウ6号虹野明として正式に仲間になったその直後ぐらいの話か。明はちょい顔出しという感じではなくきっちり話に絡んで来ます。例年6人目の追加戦士の初撮影はTVに先駆けて夏の映画から、というのが恒例だそうで、ここでもTVで一連の仲間として加わるエピソードを撮る前に映画の既に仲間になっている話からの開始だそうである。あれだね。明くんはいわゆるBL的な腐女子向けのキャラというより本当にその道の人に人気が出そうなキャラですね。
 今回のゲストはレディに福原遥。敵となるナイル伯爵の声にヒャダイン福原遥NHK Eテレの「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん」でまいんちゃんを演じてた子ですね。最近はやはりEテレの「すイエんサー」なんかでも見るかも。カグラ役の森高愛と同じ雑誌でモデルとしても活躍中だとか。レディのキャラクターは福原遥の外見とは違ってちょっと大人びた役なのだけれど、その辺のギャップも手伝ってイマジネーション不足に陥った人類を嘆いたりどうにも後ろ向きな車掌をうまく演じていた。勿論最終的には笑顔がとびきり素敵な役である。
 ヒャダインは声だけでの出演。この人は僕はまずYouTubeゲーム音楽に歌詞をつけて自分の歌声をピッチ変更して女性声にして歌った作品の発表者として知った。のちにももいろクローバー東方神起の楽曲提供者と知りびっくりした。で最初の頃こそ「イケメンだなあ、遠くに行っちまったなあ」などと勝手に思っていたが完全に芸名をヒャダインにしたあたりからやっぱり色々信頼で来る人である、というイメージに。今回は声だけの出演で多少不自然な部分もあるけれど上手く演じていたと思う。

 短い時間の中にサファリーレッシャーやギャラクシーラインの物語をうまく詰め込んだとは思う。途中出てくるサファリレッシャーを使っての乗り換え変身は「森の動物戦隊シンケンジャー」ではなく「百獣戦隊ガオレンジャー」がモチーフかな。パンダに変身するトッキュウ5号が可愛いです。サファリレッシャーが変形するサファリガオーはほぼライオンモードがメインでロボットモードがほとんど出てこなかったのは少し残念かも。後は子どもたちのイマジネーションを使った展開は読めたけれど良かった。
 ただ!「トッキュウジャー」といえばヒロインはグリッタ嬢なわけですよ(2番めのヒロインはミオ)!なので彼女がちょっとしか出番がなかったのは残念ですね。そしてTVの方でも彼女は大変な事態に…!

劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!

 ヘルヘイムの森の侵食によって今やゴーストタウンとなった沢芽市。紘汰はそこで謎めいた少年と出会う。サッカーボールを知らないという彼にサッカー野あそび方を教える紘汰。少年は勝敗があくまで平和裏に行われるというサッカーに興味を示す。少年がいなくなり紘汰が追うとそこは現在ではなくかつての沢芽市を思わせる隆盛ぶり。沢芽市のスタジアムではチーム鎧武とチームバロンのサッカーが行われようとしていた。その試合は試合中にアーマードライダーへの変身を良しとするもの。そしてチーム鎧武には死んだはずの角居裕也もいた。紘汰もはじめは戸惑うもすぐに順応。しかし何かがおかしい。そんな時各チームのアーマードライダーが暴れだしそして消滅するという事件が続発。それにはあの少年ラピスが関わっているらしいのだが。そして紘汰以外にもミッチだけはこの世界がおかしいことに気づいていた…

 こちらははっきりって期待していなかった作品。ただ観た後では歴代ライダー映画でも傑作の一本だと思いますね。昨年の「仮面ライダーウィザード」の夏映画を観ていないのでなんとも言えないけれど「MOVIE大戦」や「オールライダー」といったイベントではないここ最近の単独主演映画としては「仮面ライダーW AtoZ 運命のガイアメモリ」に勝るとも劣らない出来ではないでしょうか。サッカーW杯に便乗してサッカーがネタになっていて、「またパラレルワールドものか?」などと思ったりしたのだけれど(実際最初から面白かったけれど最初のうちの面白さはどちらかと言うとネタ的な面白さだった)、これは舞台となる「理想郷としての沢芽市」を作り出すための方便でサッカーそのものが明確に出てくるのは最初のうちだけである(細かくサッカーモチーフの美術は出てくるけれど)。物語はオーバーロードの一人であるラピスが「争いのない世界」としてサッカーが盛んな街を創りだしたけれどこれは本来ならダンスでも良かったはず。やがてその作られた偽りの理想郷が崩壊していく様を描いている。ここではTVシリーズで死んでしまった裕也、初瀬、シドなどが復活登場。またペコなんかも変身する。ペコはマツボックリエナジーロックシードで変身するのだけれどマツボックリ搾っても何も出ないだろう…あとザックの人が素晴らしくスタイルが良いのを改めて思い知りました。
 後は久々にそれほど黒くないミッチも見れます。いや物語の時系列的に十分黒いんですが今回は一時的にちょっと白く。あと最近はすっかり残月・真としての変身ばかりですがここではひさしぶりに龍玄にも。ミッチを演じる高杉真宙は「渇き。」にも出ていたのですな。かなり悪くそしてグロい役で。ただ白ミッチあってこそ輝く黒ミッチというわけでやはりこちらのほうが魅力的です。
 ゲストといえるラピスは田中偉登。誰かと思ったら「るろうに剣心」で弥彦を演じていた子だ。あの時は正直うるさいだけだったが声変わりもしてこちらはかなり魅力的な少年に。残念ながら「るろうに剣心 京都大火編」では成長しすぎたのか弥彦役は別の子役に変わっていたけれど。今後に期待。そしてラスボスであるコウガネは片岡愛之助。こちらは元々人間ではない(ラピスと違って生物ですらない)役なのでその辺の超越した感じがよく出ていました。ふたりともゲストライダーに変身するがラピスの「仮面ライダー冠 シルバーアームズ」はほぼ変身しただけなのがちょっと残念。「仮面ライダーマルス ゴールデンアームズ」はラスボスにふさわしい戦いっぷり。

 クライマックスはこれまで敵対していたライダー達が一同に揃いラスボスに立ち向かうのだがその中にシドと戦極凌馬が含まれていないのはきちんと作品を踏まえていて良い。物語はきちんとTVシリーズの設定を継承した上でオリジナルであるがクライマックスに向けて視聴の補助ともなる1編である。
 アクションも良くて中盤の2大勢力が戦う中バロンがバイクで両者の間を駆け抜けるバイクアクションとか、あるいはクライマックスのバイクではなく馬ではあるがきちんと乗馬してのアクションとか最近忘れれがちな「ライダー」としてのアクションもきちんと描いていたのが素晴らしい。

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-1/5 と 1/40 と 1/21 仮面ライダーフォーゼ&特命戦隊ゴーバスターズ THE MOVIE

 去年の夏映画は観ていないので一昨年の。
 金と銀といえば「キン肉マン」の黄金のマスクと銀のマスクですね。というわけで意味なく挿入。

 とにかく予想以上にオススメだったので少なくともTVの「鎧武」をちゃんと見ているような人は是非観て欲しいと思います。
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