The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

良い奴、悪い奴、醜い奴 追悼イーライ・ウォラック


 本日はこのニュースを。

 映画『荒野の七人』の悪役などで知られる俳優のイーライ・ウォラックさんが現地時間24日、死去した。98歳。死因は明かされていない。NYTimes.comが報じた。

 死因はまだ不明とのことですが、まあ98歳なら大往生といえるでしょう。イーライ・ウォラックは僕の大好きな「荒野の七人」「続・夕陽のガンマン」で重要な役を演じた役者です。「荒野の七人」ではメキシコの寒村イズトラカンを襲う野盗の首領カルヴェラを。「続・夕陽のガンマン」では「良い奴=クリント・イーストウッド」「悪い奴=リー・ヴァン・クリーフ」と並んで「醜い奴」トゥーコを演じています。「荒野の七人」のカルヴェラはオリジナルである「七人の侍」の野武士の頭領より圧倒的に個性的に描かれており、実際ウォラックは「オリジナルのままなら引き受けない」と思っていたのに脚本がちゃんと描かれていたので引き受けたそうです。
 一方「続・夕陽のガンマン」の「醜い奴=トゥーコ」はセルジオ・レオーネイーストウッドを主役に据えた「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」に続く通称「ドル三部作」の最後にして一番の大作ですがトゥーコは狂言回しのようでいて実は実質主人公でした。TV放送などでは大幅に出演シーンがカットされてイーストウッドが主役!とされてますが、やはり強い印象に残るのはイーライ・ウォラック演じるトゥーコ。僕はこの2本で彼の大ファンになりました。

Blu-rayで完声版を収録した物が出るようです。

 まあ大ファンと言ってもこの2本以外に多く見ているわけでもなし、この2本で心を鷲掴みにされた、という感じなんだけれど、西部劇などで悪役を多く演じていたそう。また元々ブロードウェイ出身で粗野な役で何処か洒落た魅力があるのはミュージカル出身だからなのかもしれません。
 遺作はオリバー・ストーン監督の「ウォール街」の続編である「ウォール・ストリート」とユアン・マクレガー主演のポリティカルサスペンス「ゴーストライター」。僕は「ゴーストライター」の方は劇場で観ましたね。

その原稿が命とり ゴーストライター

ゴーストライター [Blu-ray]

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 ここではほんの少しの登場で、でも強烈な印象がありました。僕は劇場で観てウォラックが登場した時に思わず心のなかで快哉を上げてしまったものです。この時はまだ元気な印象でしたが、まあ3年も前だしなあ(それでも当時95歳だけれども)。
 とにかく大好きな俳優が亡くなられた、ということでこれまでの感謝の意も込めて書いてみました。

(カルヴェラ)しかしお前らは殺したくねえ。
(クリス)親切だな。
殺してみろ。その噂聞いてお前らの良からぬ仲間が仇討ちにまた来るかもしれねえんだ。俺は殺し合いは好きじゃねえんだ。
ここにこういうことわざがある。「盗人から物を盗む盗人は罪を100年免れる」。
お前らはその盗人と変わりねえ。だから許してやる。帰れ。
それだけか?
そうだ。サービスもしてやるぞ。食い物か?くれてやれ。水か?水もくれてやる。馬か?鞍付きでくれてやる。銃は?
銃だけはそうはいかん。ベルトを外してここへ置いてってもらおう。
村人たちはどうなる?
なるようにしかならねえな。お前らがここで殺されるかどうかとは関係ねえ。
ちょいと格好をつけてみせるだけだ。どっちが強いか見せてやりてえんだよ。出せよ。あとでそっくり返してやる。もう俺達に逆らわねえことはわかってるんだ。利口な奴は同じ間違いをしねえからな。

R.I.P Eli Wallachイーライ・ウォラック(1915〜2014) 
 

国にはもっと割のいい仕事があるだろう。
牛を盗んだり銀行や列車からかっぱらったり。それで敵といやケチな保安官だけだ。
一度テキサスの銀行をやったら、軍隊をごっそり送り込んできやがった。軍隊だぞ。たかが銀行一つでよ。腹が小せえよ。
同じテキサス野郎にしか盗ませねえ気だ。え!アディオス!