The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

そろそろ最初から仲良くしませんか? 平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊

 キャップとスパイディの新作が公開されて、近いうちに僕も観に行く予定だけれど(すでにキャップは2回観たけれど)、やはりその前にこいつを片付けておこう。東映映画だと「相棒」も控えている「平成ライダー昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊」を鑑賞。

物語

 ヘルヘイムとはまた異なる異世界につながる地下を見つけた紘汰と舞。そこでシュウという少年と出会う。シュウを連れ元の世界に戻ると謎の男が現れ紘汰を仮面ライダーと認めるわけにはいかない」と宣言。そこに地下帝国バダンと名乗る軍団が現れシュウを狙う。男は本郷猛と名乗り仮面ライダー1号に変身するとバダンと戦うのだった。事情を知るのは仮面ライダーディケイドこと門矢士。彼が平成ライダー15人の力を結集しようと動いていた。しかし仮面ライダー555こと乾巧はそれを拒否。乾巧は旅先で医者と出会うがそれは仮面ライダーX/神敬介だった。
 バダンの作戦はシュウの持つ全てをひっくり返す力を使ってこの世とあの世をひっくり返すメガリバース計画。しかしバダンを生み出した原因は平成ライダーにあるという昭和ライダー平成ライダーは戦うことに。そこにバダン肉身する謎のライダー、仮面ライダーフィフティーンも加わって平成ライダー昭和ライダー、バダンの三つ巴の戦いが始まった!

 今回はですね。もうこちらの感想で十分な気もします。

 ほぼ同意見ですね。こちらの「三角絞めでつかまえて」のカミヤマさんには時々リンクして頂いて(そうするとアクセス数が段違いに増えるのですぐ分かる)、多分ここ半年ぐらいで一番アクセスがあった当ブログの記事って多分「死霊館」の感想じゃないかなって気もするのだけれどそれもほとんど「三角絞め」さんからのリンクからだったりします。なんとなくいつのまにか僕の中で「三角絞め」で紹介してもらった感想はよく書けた証拠!という変な自信になっていたり。もちろん僕も普段から楽しく読ませていただいてます。僕はあんまり普段他の人の感想をリンクしたりしないんですが、そんなこともあって今回はお礼の意味も兼ねてリンクさせていただきました。
 うん、悪くはなかったですよ。もうなんだかこの手のイベント映画は慣れてきて観ているこっちもだんだんクオリテイを期待しなくなり評価の基準が思いきり低くなっている気もするのだけれどそれでも、過去のディケイドのオールライダー物や「スーパーヒーロー大戦」(Zは見ていない)なんかと比べるとイイ方ではないかと思います。オールライダーものでは仮面ライダーオーズの「オーズ・電王・オールライダーレッツゴー仮面ライダー」の次ぐらいにはちゃんとしていたのではないだろうか(もちろんMOVIE大戦とはまた別で)。
 それでも根本的な問題として「無理に戦う必要ないじゃん。最初から協力しろよ」ってことや、「ディケイド/門矢士はいいけど鳴滝おめえはもう出てくんな」とか色々叫びたいことは有ります。もちろん昭和ライダー平成ライダーが敵対するのは実はバダンを欺くためっていつもの理由何だけどその辺の理屈付けがあまりにお粗末。なんだろう、昭和ライダー平成ライダーを戦わせたらいいじゃん!っていうのが先にあってそれをきちんと動機づける脚本に仕上がってないんですよね。あとそりゃ何であろうと「VS」ってのは燃える要素があるのは否定しないけれど、そんなにみんな対立する正義の味方を見たいのかな?こうなってくると最初からきちんと仲良くチームを組んで悪の組織と戦う複数の正義の味方、という作品のほうが新鮮に思えて来ますよ。

 昭和ライダーからは仮面ライダー1号本郷猛と仮面ライダーX神敬介、そして仮面ライダーZX村雨良が顔出しで登場。もちろん演じているのはそれぞれ藤岡弘、速水亮、菅田俊の3人。藤岡弘、は有名だしそれ故にもう出てくるだけで十分という出オチ的な部分もあります。格好良いのは神敬介の速水亮で歳を取っても格好いいですね。僕は昭和ライダーでは「仮面ライダーBlack」と「同RX」が子供時代にリアルタイムで接したライダーなのだけれど、再放送でストロンガーまでの作品には子供時代に触れていて、Xはライダーとしてよりも神敬介のキャラクターが大好きでした(ライダーとして好きなのはアマゾンとV3)。またXの敵組織GODは前半の神話怪人も後半の悪人軍団も個性豊かで印象が深いのです。本作では歳相応に落ち着きつつも当時の髪型もそのままに格好良く老けていて全く格好良さが微塵も変わっていない、むしろより格好良くなっていてそれも良かった!とにかく個人的にはこの速水亮さん演じる神敬介が見どころと言っても過言ではないのだ!今回Xはセタップで変身するけれど設定的には「大変身」じゃないかなあ。まあセタップのほうがXライダーの個性が際立ちますけどね。
 そして!菅田俊。現在ではすっかり悪役メインでの活躍であるがきちんとこの人も仮面ライダー仮面ライダーZXは名誉ある10号ライダー。ただZXは雑誌展開をメインとし、TVスペシャルが一本作られただけなのであまり有名な存在ではないです。もちろんこれまでもライダー全員集合物ではきちんと参加していたけれど、やはり改めて注目を浴びたのは村枝賢一の「仮面ライダーSPIRITS」で主人公を務めたことは大きいよね。と言うかですね、この仮面ライダーのイベント映画でやたら辛口になってしまうのは、別にアメリカのヒーロー映画と比べてどうこう、と言うより、TVシリーズの設定やデザインをきちんと踏まえてなるべく矛盾がないように調整しながら、でも圧倒的に燃える物語を紡いできたこの漫画作品のほうが先行し、つい比べてしまうからだと思います。

仮面ライダーSPIRITS(1) (マガジンZKC)

仮面ライダーSPIRITS(1) (マガジンZKC)

新 仮面ライダーSPIRITS(1) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

新 仮面ライダーSPIRITS(1) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

 もちろん、漫画と実写映画をそのまま比べるのは大変だと分かっているけれど。そういう面でどうしても見劣りしてしまうことも確か。
 話を戻します。菅田俊は現在悪役を務めることが多いけれど、今回はまず暗闇大使として登場。暗闇大使はバダンの幹部でショッカーの地獄大使の従兄弟。過去にはともに潮健児が演じていました。この暗闇大使のキャスティングはある意味面白くて、もちろん大人のファンは菅田俊がかつて村雨良だったことを知っているだろうけど、その後悪役をメインとしていることも知っている。だからあえて悪役として配役する面白さみたいなものもあるんですね。また子供は普通に悪役に見える。だからそのまま暗闇大使として役を全うしてもそれはそれで面白かった気がします。
 とはいえ、暗闇大使はバダンに潜入してしかも幹部まで上り詰めた村雨良だったことが判明、ZXに変身します。このバダンからの裏切りはちょっと唐突に過ぎて正直納得行くものではないですね。
 今回はディケイドが登場するものの、ライダーの世界は多次元世界ではなく、一つながりになっています。だから、というわけではないですがBlackとBlackRXが同一人物ではなく別個に存在する、というのはちょっと悲しい。

 平成ライダーは鎧武をメインにディケイドを狂言回し、そしてゲスト扱いで555とWが出てくる感じです。Wは左翔太郎のみが登場しフィリップは未登場(彼はかつて「悪魔と相乗りする勇気、あるかな?」と翔太郎を誘いましたが、現在彼は「死神くん」で悪魔を演じています)。Wはライダー集めのてんやわんやを担当するコメディリリーフという感じでしょうか。演じているのはもちろん桐山漣でやっぱり翔太郎だけでも本人が登場すると全然違います。仮面ライダーバロンこと駆紋戒斗をおちょくったりしてます。ちなみに戒斗を演じる小林豊をクイズ番組で見かけましたが全然戒斗と別のキャラクターで(もちろん役と本人が一致する必要は全くないのですが)びっくりしました。
 仮面ライダー555乾巧は半田健人。僕はTVシリーズのほうの「仮面ライダー555」は見ていなくて半田健人もその後、「タモリ倶楽部」なんかでビルマニアだったり70年代歌謡曲マニアだったりという側面で知ったのだが、一応555も設定ぐらいは知っていた。今回は回想シーンも登場してこれが流用なのか新規撮影なのかは分からないけれど、特に555を見ていなくても支障がないのは良かった。乾巧は結構ドラマが充実していて、神敬介との絡みや親友?亡霊に出会っての葛藤なんかも良かったです。
 鎧武はとりあえず主人公ではあるけれど、あんまり強い印象はなし。ディケイドは過去作含め一番好感が持てるかもしれない。その他フォーゼやオーズは声が違っているのが意外と強い違和感を感じて最後まで喉に刺が刺さったか感じ。ウィザードは声は本人だけどいきなり変身後のウィザードとして登場するので声だけの出演なのかな?と思ったら変身解除する形で操真晴人本人が出てきてびっくりしました。

 新ライダーというか敵キャラは板尾創路演じる仮面ライダーフィフティーン。実はショウの父親で…というキャラだけど色々理解不能でどのようにしてバダンに入ったのか、とかなぜロックシードと戦極ドライバーを使っての変身なのか、とか商用の理由を除けばいまいち納得しづらい。ディケイド、フィフティーンと続くならディケイドと同じ変身方式にするべきでは無かったですかね。最後には改心するキャラクターだけれど、個人的に「悪のライダー」という概念がいまいち好きになれない自分としては別にそれこそ暗闇大使で良かったんじゃね?とも思います。
 あとスーパー戦隊から「獣電戦隊キョウリュウジャー」のキョウリュウレッドと「烈車戦隊トッキュウジャー」の5人が登場するけれどこれはいらないかな・・・というのもバダン総統が正体を表した巨大怪獣との巨大戦をこのスーパー戦隊が引き受けてしまうのだ。えー!仮面ライダーJとかの立場は?ラスボスをゲストに委ねるってどうなの?

 そして、最後バダンとの決着がついた後の昭和ライダー平成ライダーの戦い。これは本当にいらないね!全く無駄。こんなのに時間費やすなら本編の流れをもっと丁寧にするほうに力を注いで欲しかった!戦いを始める理由も終わる理由も陳腐すぎてそれなりに面白かったこの映画を最後の最後で地に落とすことになっています。これさえなければ…
 とにかく僕が言いたいことは、本当にそんな仮面ライダーやヒーローたちの対決がみんな見たいのか?ということです。もしかしたらきちんと子どもやファンにアンケート取ってマーケティングした上での結果なのかもしれないけれど、僕はもう無意味にヒーロー同士が敵対する作品は見たくないですね。特に「スーパー戦隊VSシリーズ」に比べて仮面ライダーはその辺は圧倒的に下手なので普通に最初からきちんと協調して戦う作品が見たいです!

関連記事

仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦 コレクターズパック【Blu-ray】

仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦 コレクターズパック【Blu-ray】

まあ、これの記事書いた時に比べると自分も耐性ができたんだな、とは思います。

こっちはまだ見ていないです。