極悪のたり死神くんとアン
4月ももう中盤戦。早くも今年も1/3が終わろうとしています。そしてこの時期は番組改変の時期ですね。今シーズンも漫画原作のドラマも多く、更には意外な作品がアニメ化されたりしています。
極悪がんぼ
フジテレビの月曜夜9時といえばトレンディドラマ(古ッ)の代表枠。3月までは「失恋ショコラティエ」といういかにもなタイトルのドラマが放送されていました。とは言えこの時間枠もマンネリ気味であって、王道と実験を繰り返している印象もあります。去年の「ビブリア古書堂の事件手帖」はミステリーで、原作のファンからは主演の剛力彩芽さんがイメージに合わない、と批判も合ったようですがまあ僕は原作を読んではいないので普通に楽しく見られました。というか映画の方は色々有りますがTVドラマに関して言えば剛力さんのドラマはいいの多いですよ。「ビブリア古書堂の事件手帖」「クロコーチ」「私の嫌いな探偵」とそれぞれミステリーというジャンルでありながら全く違う役柄を魅力的に演じています。
で、この4月からの月9はなんと「極悪がんぼ」。あの「ナニワ金融道」の青木雄二の弟子筋に当たる田島隆原作、東風孝広作画によるピカレスクドラマ!この2人の作品は以前「カバチタレ!」が二度にわたって(それぞれつながりはない)ドラマ化されてますが、まさか月9の時間帯でやるとは!過去の「カバチタレ!」のドラマ化同様、主人公神崎が女性に変わっていますが、それが朝ドラ「カーネーション」の尾野真千子が演じてることで、むしろ下手な若い男性俳優がやるより漫画の神崎らしさは増幅されているような気がします。そして特に明言されてはいませんが広島と思われる架空の都市を舞台にすることで、きちんと方言が使われていることですね。舞台が東京になったりしていません。なぜ、この時間帯で?という疑問は消えませんが、キャストも充実していて見応え有りです。
尾野真千子に加え、三浦友和や椎名桔平、竹内力という強面に加えなんといっても「カーネーション」以来の小林薫と尾野真千子共演でもあります。小林薫は「ナニワ金融道」でも出ていましたが、今回は社長にあたる秦所長(ドラマでは小清水)。しかしこれがそっくりです。
- 作者: 田島隆,東風孝広
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/09/28
- メディア: Kindle版
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
暴れん坊力士!!松太郎
びっくりといえば「聖闘士星矢Ω」の後番組がなんと「暴れん坊力士!!松太郎」。なんとちばてつやの「のたり松太郎」のアニメ化です。「聖闘士星矢」と「のたり松太郎」ってファン層被らんだろ…
タイトルが「暴れん坊」と付いていますが主演はなんと松平健。そりゃ確かに”暴れん坊”で”松”だけど…というか先に松平健のキャスティングがあってタイトルを考えたんでしょうか。相撲がメイン題材のアニメ(てかフィクション映像化)って多分「ああ播磨灘」以来だと思われます。ただ、播磨灘も松太郎も決して健全な力士じゃないんだよなあ。
ちばてつやの漫画だと「あしたのジョー」「おれは鉄兵」もだけど「みそっかす」と「1・2・3と4・5・ロク」が家にあって何度も繰り返し読んでいました。この2作も映像化されているけれど、漫画は今読んでも特に当時を意識せず古いと感じず普通に読めるけど、映像化作品は今見るともう古臭く感じちゃうよね。そういう意味では漫画のほうが耐用年数の高いメディアなのかなあ、と思ったり。
- 作者: ちばてつや
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1976/03
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (3件) を見る
死神くん
そして「死神くん」!「死神くん」と聞いて即座に分かる人はもう30歳を越えてる人ばかりじゃないか、と思うんですが、僕も大好きなえんどコイチの漫画のドラマ化です。死ぬ運命の人間の前に現れるまるで子供のような「死神413号」を主人公・狂言回しとした一話完結の物語。逆になんで今までドラマ化されなかったんだよ!と思うような感じですがやっとドラマ化されましたね。監督は「リング」などJホラーの騎手中田秀夫。そして主演は嵐のリーダー大野智。原作では子供のような風貌(実際そっくりな子供が出てきたこともある)の死神くんですが、ドラマでは大人の、でもどこか子供っぽい部分もある大野くんが演じています。第一話は名作エピソードと名高い「心美人」。当時人気エピソード投票みたいなのでは一位を獲ったはずです。多少のアレンジはあれど、基本原作のまま進み好感が持てます。福子を演じたのは「カノジョは嘘を愛しすぎている」の大原櫻子。彼女のレベルでブスとか言われたらそりゃ違うよ、とも言いたくなりますがまあその辺はヨシとしましょう。後は真美役でお比奈様こと高田里穂が出ていましたが、他にも火野映司こと渡部秀が出ていてオーズコンビ再び。
死神くんの上司に松重豊。今後ドクロ姿に大鎌といういわゆる死神スタイルで登場することもあるんでしょうか。漫画では後半に出てくるカア助にあたる役に桐谷美玲。カラス姿とはいきません。そして登場はまだですが悪魔くんをフィリップこと菅田将暉が演じています。悪魔くんといえば魂と引き換えに3つの願いを叶えてくれるのですが漫画家(えんどコイチ自画像)に取り憑いた際に「休みがほしい、車がほしい、女がほしいで楽勝だったぜ」というような台詞が印象的ですね。あと大野くんは「魔王」というドラマで主演し、「怪物くん」「死神くん」と演じているのでそのうちラブクラフト原作作品の映像化作品でナイアルラトホテップでも演じて「邪神」というタイトルのドラマでも作るといいと思います。
第2話は死神くんが落としてしまった人名を書くとその人が死亡してしまう手帳を巡る話。こう書くと「DEATH NOTE」のパクリだろう!とか言い出す人が出てくると思うけど、「死神くん」のほうが早いからね!
ドラマ化に合わせて原作のセレクションも発売されてて僕も読んだんですが、あれですね「心美人」はじめいくつかのエピソードが全面的に改稿されてるんですね。どうやら文庫化された際に改稿されたみたいです。正直連載当時の絵のほうが好きだったんで残念です。
- 作者: えんどコイチ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/08/09
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 86回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
花子とアン
朝ドラは「赤毛のアン」の翻訳者村岡花子さんの伝記的ドラマ「花子とアン」が放送中。僕はハウス名作劇場では「赤毛のアン」が一番大好きなので(二番目は「小公女セーラ」)これも楽しみに見ています。朝ドラはどうしても大阪制作の方は僕にはちょっとつらい傾向があるなあ。ドラマはあくまでフィクションで「ゲゲゲの女房」に近い感じでしょうか。必要以上に「赤毛のアン」と花子を被らせて演出しているきらいは有りますが、現時点ではそれなりに面白そう。一回目でいきなりギルバートの頭を石版でぶっ叩くシーンが再現されてたのはちょっとやり過ぎかも。今週は花子と親友になる仲間由紀恵演じる葉山蓮子が登場しましたが、ダイアナとは正反対な感じですね。ちなみに甲府の方言で「ずらずら」続くといつ蒲郡風太郎が出てきて「この世は銭ヅラ!」とリアリズム路線をぶつけるのか不安になります(そんな可能性はない)。
- 作者: 村岡恵理
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/04/04
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (4件) を見る